国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/10/07

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成17年(2005年)10月7日(金曜日)貳 
       通巻1247号 臨時増刊号 
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 シベリア資源の放出に「環境保護だ」とロシアが搦め手
  中国は平然とバイカル湖周辺の河川の水資源まで取得
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 極東シベリアから中国東北部と内蒙古自治区、新彊ウィグル自治区にかけて、水と油をめぐる面妖な動きが続いている。主役は中国とロシア、日本はお呼びではない。

 第一は以前にも書いたバイカル湖の水を中国が買うという奇想天外な話の続きである。
 ロシア環境庁は自然破壊と生態系の激変を懸念し環境保護の立場から強硬に反対している。
 
 替わって北京が提案しているのはイルテェシ川からサイフォンのように水を汲み上げるプロジェクトだ。
 イルティシ川は中ロ国境4500キロを跨ぎ、両岸の貿易は年々盛んになってきた。

 ロシアのイズベスチアは「シベリアのいくつかの地方が破局を迎える」と警告を発した。
 「いま10%の水を中国が取水しているが、2020年までに25%の水が消えてしまうことになる」とセルゲイ・エレミン環境庁副長官は不安を隠さない。

 東シナ海のガス田開発の「データを出せ」と日本が何回言っても梨の礫だった北京は、ロシア環境庁に対しても取水データを提出せず、「40%を越えることはありませんよ」と平然と嘯いているそうな(ISNニュース、10月5日付け)。
 
 ロシアが環境セミナーを開催しても、中国側はロシアの要請を無視。イルクーツク周辺を治める知事らはモスクワに状況を説明し、連邦議会でも問題とせよ、と陳情した。対話を拒否するのは嘗てはロシアの得意芸だったのだが。

 第二はカザフと中国国境のあいだに運河を建設している中国への懸念だ。
 これは「黒イルティシュ・カラマイ運河」と呼ばれるプロジェクトで、22メートル幅、長さ300キロに及び、9億立方メートルの水をイルティシュ川の上流から新彊ウィグル自治区の省都ウルムチまでを繋ぐ。
 

 ▲住民の飲み水が枯れる懸念をどうするのか

「ロシア側で百万人以上、カザフスタンで250万人もの地域住民が水不足の影響を受けるだろう」と予測される。
 ところが、いま現在は運河によりカザフの一部地域で農業潅漑が可能となり、目先の利益だけで喜んでいる。やがてカザフの首都アスタナの飲み水さえなくなるというのに!
 
 カザフでも将来の水不足を憂慮する環境保護団体が40組織あり、モスクワへ中国へ協同で圧力をかけるよう要請しているが、プーチン大統領はそれほどの熱意を示していない。カネに目がくらんでいるからだ、と酷評する向きがロシアには多い。
 
 第三はシベリアの石油ルートだ。
 これまたロシア環境庁が、自然破壊だと騒ぎだし、中国側も日本側へも石油輸出を急がないように政策調整を展開しているというからややこしい。

 とくに日本が提示したシベリアからハバロフスク経由ナホトカへの石油パイプラインは、バイカル湖から800メートルの地点にパイプラインを敷設する計画で、これは事故などの場合、バイカル湖に汚水が流れ込み、環境破壊に直結するとして反対している。机上のプランでしかない段階で、日本に対して騒ぎ出したのだ。

 他方、日本へのプロジェクトを後回しにして、シベリア→満州里→チチハル→大慶への輸送に先にGOサインを出したプーチン大統領は、環境破壊などお構いなく、年間2000万噸を中国へ輸出している。
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(読者の声1)所要あり、いまLASVEGASに滞在しておりますが、ここの博打場のVIP LOUNGEは、すべて中国大陸からの人たちでにぎわっています。その中には、妙齢の女性も見かけます。どうなっているんでしょうね?
    (CC生、在米)


(宮崎正弘のコメント)ラスベガスなんて、小生は四半世紀ご無沙汰しているところですが、例のハマコー三億円事件の舞台。賓客が日本人から中国人に様変わりですか。さもありなん。マカオの博打ビジネス52億ドル。ことし、おそらくマカオがラスベガスを抜くと言われています(拙著『瀕死の中国』参照)。
 それにしても嘗て日本のヤクザが巨大な借金をつくった場所が中国のマフィアの跳梁するところですか(爆笑)。清朝末期を彷彿とさせてくれます。


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(読者の声2)いつもマガジンをたのしみにしています。 以前、中国ではどぶ水でどぶろく作り、とあり、笑ってしみましたが、下記サイトの画像を見ると笑い事でないことがよくわかりました。目先のこと、他人を犠牲にしても、他人を利用して俺の利益。他人を従属させ、その富を奪うこと、それが一番手っ取り早い安全と富への王道。行動原理はこれだけのようですね。環境荒廃が人心の荒廃の有様を示しています。 
 http://blog.livedoor.jp/safe_food_of_asia/archives/2005-06.html
     (KS生)


(宮崎正弘のコメント)早速、写真を見ました。緑色の川は美しいと思いきや、これすべてヘドロとは!
 泥水、汚染水を呑む農民、貧困層がおよそ一億人(少な目に見積もっての数字ですが)、かれらに、ミネラル・ウォータを呑ませたら、おなかを壊すでしょう。
 ところで昨日つけ配信の弊紙で「曾慶紅の影響力失墜」云々と書きました。昨日香港から届いた『開放』誌は、11月20日の胡耀邦追悼大会挙行に関して胡錦濤と温家宝との間に大論争があったことがすっぱ抜かれています。
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緊急講演会のお知らせ
<<チャンネル桜・草莽会主催:講演会>>

 演題「マスメディアと日本の行方」
 講師 水島 総(日本文化チャンネル桜・代表)

 偏ったマスコミが世論を操りこの国の行方を左右する現実。電波を独占する偏向マスメディアに敢然と対峙し、日本文化チャンネル桜を立ち上げた水島総氏が、電波法に拘束さ
れる生番組では語れない熱き心を訴える。

 演題「人口による支那の日本侵略始まる」
 講師 酒井信彦(東京大学歴史編纂所教授)

 酒井教授はシナ人による日本侵略を三段階に区分する。
第一段階は精神侵略であり、すでに完成したとする。歴史教科書問題、南京大虐殺、従軍慰安婦強制連行など、我が国政府中枢が完璧に中共の意向に屈服した。
その結果はシナ人による領土・資源の簒奪、強盗・殺人など凶悪犯罪に国家はおろか、庶民レベルにおいても怒りさえ表示出来ない。精神侵略された我が民族の哀しい現実である。
第二段階は文化・政治制度への侵略である。
人権擁護法案と外国人地方参政権こそが、シナ・中共が目論む文化・政治制度侵略の重要構成部分である。この両案が成立した暁にシナ人は、特に地方において爆発的な「人口増殖」を図るのは間違いない。後は雪崩現象である。日米安保条約が強固で自衛隊の装備が如何に優秀であれ、人口侵略に軍事では対抗出来ない。
第三段階は軍事侵略である。
第一と第二段階が終了している状況で、抵抗勢力は最低限の武力で鎮圧出来る。
      記
日 時  十月 九日(日) 十三時開始 十五時半から懇親会
場 所  靖国神社 靖国会館
会 費  三千円(懇親会を含む)講演会のみは千円
連 絡  西村 090−2756−8794
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<<10月の三島由紀夫研究会“公開講座”のおしらせ>>

 近年、文豪三島の新資料がぞくぞくと発見されているが、出世作『仮面の告白』の下書き、草稿なども見つかり、後年の三島の人生に大きく投影した作品の内側が浮かび上がってきた。
これらの背景を発見者の一人でもある井上教授が克明に解説。
           記
 と き     10月19日 午後7時(六時半開場)
 ところ     市ヶ谷「アルカディア市ヶ谷(私学会館)」
http://www.arcadia-jp.org/
 講師      井上隆司(白百合女子大学助教授) 
 演題      「『仮面の告白』再読―新資料から見る三島」
 会費      おひとり 2000円。
くわしくは   http://www.nippon-nn.net/mishima/koza/
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<<宮崎正弘の最新刊>>
『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』
(並木書房、1575円)
 10月12日全国一斉発売!

<<宮崎正弘のロングセラーズ>>
『中国よ、“反日”ありがとう』(清流出版刊、1400円+税)
『瀕死の中国』(阪急コミュニケーションズ刊、1600円+税) 
http://deserveit.jp/am/asin/4484052083.html
『中国のいま、三年後、五年後、十年後(改訂版)』(並木書房、1575円)
http://deserveit.jp/am/asin/4890631704.html
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円プラス税)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
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