国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/10/05

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成17年(2005年)10月5日(水曜日) 貳
       通巻1244号  臨時増刊号
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EU、ウズベキスタンへ突然の武器供与中断、ヴィザも差し止め
 キルギスに中国が急接近した背景となにがしかの結びつき?
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 EUはいったん決めた中国への武器輸出再開を延期している。
人権抑圧、非民主化政治に一切の改善が見られないのにもかかわらず、過去16年に亘ってつづけてきた制裁を、シラク大統領は「当時と状況はかわった」として、武器輸出の再開へGOサインを出した。EU諸国も武器輸出は経済の死活の問題だからだ。
しかし直後に中国が「反国家分裂法」を成立させた(05年3月14日)ため、見送られている。

 キルギスでは民主革命が“突発”し、アカーエフ前大統領はモスクワへ亡命し、親米欧とみられたバキーエフ大統領が登場、西側の期待が高まった。
ところがキルギスはマナス空港に駐屯する米軍に撤退をそれとなく要求し、米国が首を傾げた。(キルギスでは数年前、ジャイカの職員四人が拉致され、身代金を支払ってフェルガナ盆地で解放された。このように経済援助NGO関係者以外、日本人の駐在はすくない)。

 直後に起きたウズベキスタンの民主化要求デモへの武力弾圧。
 700名が凶弾に倒れた。
カリモフ大統領は欧米諸国からの武断政治批判をもろともせずに北京へ直行し、じつに17億ドルの石油ガス鉱区開発プロジェクトに署名した。独裁者と北京のファシストが連合したのだ。

 そのうえで、世俗イスラム国家、ウズベキスタンは首都タシュケントにある米国大使館へ使いを送り、駐在米軍の180日以内の撤退を要求した。
 アフガニスタン紛争が解決するまで、2001年9月11日以降、米軍は二千名規模の空軍をウズベキスタンとキルギスに常駐させている。このうちウズベキスタンからの撤退が実現するとなれば、背後で嗤うのはロシアと中国だ。

 EUは10月4日になって、唐突にウズベキスタンへの武器供与を中止し、しかもウズベキスタン高官のEUへの入国ビザを制限する、とした。
理由は五月に起きたアンディジャン武力弾圧へのEU調査団を拒否しつづけてきたからだ。欧米の媒体はこのEUの態度を「SLAP」と表現。これはいきなり平手打ちを食わせる、といった意味である。

 一方、キルギスは中国との領土係争を、広大な草原と山岳地帯を中国へ売っぱらうという荒治療で一気に解決し、同国内に豊饒な資源の大規模開発プロジェクトを名目に夥しい中国人がキルギスへはいった。

 キルギスの地図を頭に描いていただきたい。
峻険な山岳を越えると果てしなく拡がる砂漠、そこは中国の新彊ウィグル自治区のクチャ、カシュガルに隣接している。アルカィーダの軍事訓練をうけたイスラム原理主義過激派の一部は、このルートで武器をウィグル各地の過激派に搬入している。
 
 かれら(キルギスへ派遣された中国人)は表向きの仮面はともかく、全員が軍人。中国新彊ウィグル自治区にいるイスラム地下組織との通路になっているキルギスで監視の網をはるスパイである。
イスラム原理主義過激派が海外で武器を調達し、キルギスを通過ポイントにしている気配が濃厚だからだ。

 こうして中国のスパイ網に国土を開放する一方で、巧妙な中国の政治工作と経済圧力を受け、キルギスは、マナス国際空港に駐屯する米国兵の撤退を、やんわりと、しかし着実に要求し始めた。
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(読者の声1)貴誌1243号のコメントで、中国の気候集団、法輪功が嘗ての太平天国や白蓮教徒の乱と比較されていて、驚きました。それなら叛乱は目の前?
   (GH生、京都)


(宮崎正弘のコメント)あくまでも比喩のレベルです。
 中国の歴史では王朝の末期、新興宗教が勃興し、一揆が頻発し、社会擾乱。その混乱の中で本格的な反政府武力闘争が起きます。軍の地方軍閥化や軍の反乱もある。
 しかし法輪功は暴力に訴えておりませんから、革命主体たりえず、いわば叛乱への序奏でしょうか。
それでも組織を芽のうちに動きを摘んでしまおうと共産党は躍起になって法輪功を弾圧しております。
法輪功は公称7000万の会員。ちなみに共産党は6480万。数だけを考えたら法輪功のほうが中国では多い。しかも世界に影響力が拡散し、世界各地のチャイナタウンでの華字新聞の発行はもとより(台湾の国会議員会館の入り口にも法輪功の新聞がおいてありました)、英語の新聞の日刊化、テレビ開局、日本でもインターネット上での「大紀元」日本語版の配信があるくらい、組織は急速に拡がっています。


  ♪
(読者の声2)10月5日付け貴誌の「書評」にあった、佐藤優氏の著作『国家の呪縛』についての貴台書評を拝読しました。
私も佐藤優氏にたいへん注目しています。前作『国家の罠』よりこちらに興味を惹かれます。510日余りの獄中暮らしの間に160冊読破し、60冊余りの思索ノートを書き付けたそうで、「書斎を自宅から監獄に移した気持ち」で一年半の間に獄中で40冊のノート・ブックを書上げた大川周明に自身を比肩しています。
まだまだ熱したマグマのように思索して得た着想が跳び躍すことでしょう。去る八月神田のブックストアでの講演会で同氏の謦咳に接しましたが、博覧で頭のよく整理された方と感心しました。その折に、北畠親房の『神皇正統記』に触れ、「凄い本です。入れ込んでいます。自分で訳本を書きたい気持ちです。」と述べていました。
すぐに感化さてしまう小生は平泉澄氏の『武士道の復活』や『少年日本史』の中の同書についての記述を辿って、平泉氏の高い評価に接してますます感じ入っています。早速佐藤氏は正論11月号に”神皇正統記を現代から読み解く”を載せていて、これを手に取りました。
続編があるようなのでそれを待って同論を評価しようと思っています。佐藤氏は神学科を出ておられるので、もともとこういう方面に関心を持ち、国策捜査による豚箱入りを奇禍として思索を深めたのでしょう。楽しみです。
(HN生、丸の内)


(宮崎正弘のコメント)北畠親房の『神皇正統記』は極めて難解です。岩波の古典全集に入っているので、若き日に途中まで読みましたが、小生は投げ出しました。親房の倅、北畠顕家について、昔(といっても20年ほど前ですが)、『歴史読本』から原稿を頼まれて、戦死した堺の現場やら、大阪の神社やらを歩いて廻ったことを突然思い出しましたね。
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