国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/09/29

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成17年(2005年)9月29日(木曜日) 
       通巻1239号 
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米国に「台湾は防衛努力が怠慢」と怒りの声があがり始めた!
 防衛装備購入の予算成立を妨害する国民党は北京の謀略に嵌ったのか
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 台湾が大きく左右に揺れている。
 こんどは米国からの180億ドルの防衛装備購入予算をめぐっての国会での予算案可決遅延が最大の政治課題である。

 台湾議会で過半数を占める国民党、親民党、新党など「北京寄り」三派の妨害によって米国からの防衛兵器購入予算が、まだ可決されないからだ。
 
陳水扁政権支持組は「汎緑連合」(民進党の党旗は台湾を象徴する緑)、対する野党は国民党の党旗の「藍」を象徴する「汎藍連合」と呼ばれる。
 しかし台湾国会で、汎緑連合は僅差で多数派を形成できないのだ。

 すでに台湾では民進党、台湾団結連盟、台湾独立建国連盟の支持者らが超党派で呼びかけ、連日のように大規模な集会とデモ。
 ーー挺軍購、台湾人上街、吼心声(『自由時報』、9月26日付け)。
 (「防衛強化により台湾防衛を確固たるものにしよう」と叫んでの「9・25行動委員会」(代表黄昭堂氏)は数十万人を中正記念堂に集合、繁華街を練り歩いた(療養中の李登輝前総統は不参加))。
 スローガンは漢字からも想像できるだろうが、「加強国防、桿衛台湾」。「罷免反対軍購的立委」(「立委」は国会議員)。

 はやくしっかりと台湾を護る装備システムを米国から購入しなければ、台湾防衛はおぼつかなくなるとする危機感、焦燥感が本省人にはあるからだ。
 ところが外省人にとっては所詮、台湾は仮の住まい、もし本当に北京が台湾を侵攻すれば米国へ逃げれば良いとでも考えているのか、それとも単に陳水扁政権への嫌がらせで、予算可決を妨害しているのか、おそらく両方の感情がこき混ざっているのだろう。

 さてこの状況に苛立ちを強めているのは米国である。
 北京と国交回復のときにカーター政権は「台湾防衛法」を成立させ、もし中国が侵攻した場合、台湾を防衛すると約束している。
したがって米国は、かのクリントン時代にさえ空母貳隻を台湾海峡へ派遣し、ミサイル恫喝に対抗したのだった(96年)。


 ▲米国の苛立ちは相当深刻だ

 過去四年にわたって米国が提示してきた台湾防衛のための装備、兵器パックは、総額180億ドル。
 「だが、この危機状況にも拘わらず台湾は年毎に防衛予算を削減、過去五年間で25%、GDP比では2・4%しか使っていない」(ワシントンタイムズ、九月26日付け)と怒りの声をあげる。
 
「しかし米国側も台湾側に対して”ブランク・チェック”(白紙委任)を切っていると台湾を確信させる努力を示していない」とコメントするのは台湾専門家のジェイムズ・マルビノン氏だ。

 国防総省高官のエドワード・ロスは台湾に対して強い警告を発し、「もし台湾が防衛努力をしないというのならば、米国が台湾防衛を支援することができなくなるだろう」という。こうなると恫喝まがいの台詞に近い。

 いま一つ。台湾の防衛体制は、自国のみの自主防衛ではなく、米国が支援する態勢をいかに効率よく補助できるかという態勢になっており、その独力による祖国防衛という必死な姿勢が大きく後退している事実を指摘する防衛専門家の声もある。
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(読者の声1)未知の國、バングラデシュ、その紀行、興味深く讀んでをります。
バングラが「何とか主義で云々」の問題ですが、マルクス主義的に言ふと、日本とインドでは(=バングラでも)「歴史認識」が逆轉してゐると思ひます。
例へば、カルカッタの(現在どうか知りませんが…)路上生活者の問題。彼等を排除するのはインドではファシズム(=反共or反社會主義)と見なされてゐたらしい。
 日本では明治維新で山伏は禁止され、乞食は犯罪となりました。(吾妻ひでお『失踪日記』p.60,御參照)しかし、これも「文明開化」と甘受しました。
昔、私のボロ=アパートに來てゐた共産黨員のアンチヤンは、エンゲルス著「家族、私有財産と國家の起源」とかを持ち出して「原始共産制」を稱揚してゐましたが…それは、彼にとつて(現實には存在しない)理想の開陳だつたと思ひます。が、インド(orバングラ)へ行つて見よ。それは路上に現存してゐる。
 彼の高校の先生が「君は東大に行け」と行つたが、家が貧乏で云々は結構だ。だが、「だから社會主義」は、どうかと思ふ。カルカッタでは、マルクス主義は革新でなく、路上に存在する原始共産制の肯定にすぎません。
インドでは共産主義も社会主義も近代(西歐化)をもたらさない。(バングラでも同じだと思ひます)…と、昔のインド旅行の感慨を思ひ出したのですが、如何でせうか?
      (showa78)


(宮崎正弘のコメント)拙著『三島由紀夫はいかにして日本回帰したのか』(清流出版)のなかにインド紀行があります。また小生のHPの「三島世界旅行」のなかにベナレスの一項目があります。下記です。ご笑覧まで。
http://www.nippon-nn.net/miyazaki/misima/benares.html


(読者の声2)はじみまして。ペンネーム「平河退屈男」さんのコメント(貴誌28日付け、1237号)のなかで、
”この国民はイスラムとベンガリと社会主義の三つの悪い点だけをコクテルにしたような国”
と言う認識があり、それを宮崎先生も認めているようですが、その中の”イスラムの悪い点”に対して説明してもらいたいのです。宜しくお願いします。
(iT)


(宮崎正弘のコメント)小生はこう書いております。
「ご指摘のように『この国民はイスラムとベンガリと社会主義の三つの悪い点だけをコクテルにしたような国で、それはそれは仕事をやろうとしてもイライラと怒りだけが募るのです。グダラグダラ何も進まない。個人的な金目当てとそれに対する僻みからくるバングラ内部の足の引っ張り合い』(以上が「平河退屈男」氏の意見)が見られる、というのは事実でしょうね。しかし現在のバングラは『教育』に夥しい熱意と努力を注いでおり、いくぶんの改善がみられるのも事実で、多少の『救い』はある、と思います」。
 というわけで、小生はイスラムの欠陥について直接言及しておりません。
 拙著『テロリズムと世界宗教戦争』(徳間書店刊)をお読み頂ければご理解いただけると思いますが、小生はイスラム原理主義過激派の狂信的テロリストを辛辣に批判しておりますが、イスラム教そのものを酷評したことは一度もありません。イスラム諸国の新聞を読んでも「テロリストはテロリスト、ムスリムはムスリム」という論調です。
殆どのイスラム圏を旅行し、その敬虔な信徒、その荘厳なモスク、その膨大なコルランに感動さえしております。嘗て大川周明がイスラムに深い造詣をしめしたほどには達しませんが、比較宗教としてユダヤ、キリスト、イスラムと、その前期としてのゾロアスター、ヒンズーにも興味があります。
 宗教は神聖なもので、中国でさえ仏教、道教が復活し、儒教の研究がようやく復活してきました。宗教にあらゆることを依存する人生もこまったものですが、それがすべてという価値観のくにぐにを、日本人同様の「日本教」的視点からあれこれ言うのも、たいそう危険だろうというのが小生のかわらぬ認識です。


(読者の声3)ビルマ紀行とともにその(バングラデシュの)土地の風景や空気まで伝わるような文章で読んでいて爽快でした。 
以前、グラミン銀行総裁のムハンマド・ユヌス自伝を読んで、興味のある土地なのでなおさらでした。彼はダッカ大学の経済学教室から外に出て「初めて」現実を見て思い、言いました。
「なぜ、これほどまでに貧しいのか?どうすれば、貧困から抜けられるのか?職場がなければ、自分の頭を使って仕事を生み出すしかないだろう」
 生産手段を持つ資本家や地主への返済にただただ日々の稼ぎとエネルギーを奪われていた貧困層(債権者と債務者の関係が日に日に強固になっていくのでした)、農民、女性に「マイクロクレジット」と呼ぶ、小資金の貸付を行い、自営業者としての自立を促し、彼らによる、産業の育成や雇用の増加を図るというものでした。 
NHKで「未来への教室」という番組が以前あり、ごらんになられるとわかりやすいかと存じます。番組の最後は、立派なビルのグラミン銀行がリードを取ってインドでよくある、IT のアウトソーシング産業に乗り出すところだったように思います。 
「グラミン銀行」で検索するとたくさん出ましたが、とりあえず、仕組みのわかりやすいものがありました。弊害もグラミン銀行の成功に付随しておきているようでもあります。ご参考までに。 
http://hotwired.goo.ne.jp/altbiz/yamagata/010227/textonly.html
バングラは国全体に、どの程度成果があったのだろうかと自分の目で見てみたかったのです。先生の紀行から思うに、それほど活気付いているわけでもなさそうですね。
(カイルN)


(宮崎正弘のコメント)バングラデシュの地方都市などで、小学校を幾つか見ましたが、少年少女の目がきらきら輝いていました。受験やらゲームに追われて死んだように疲れた日本の少年少女の目にくらべると、未来は拓けている、と小生は思いましたが。。。


  ♪
(読者の声3)先月、先生の講演を名古屋で聞きましたが、一般の聴衆が参加できる機会をもっと多くつくって欲しいと思います。
いつぞや先生が「会員限定の講演会にはたくさん出講していますが一般むけの会は極めて少ないのです。左翼は予算を行政から巧妙にとって図書館とか、公営の「XX講座」とか中立を装っていろいろやっています。これは保守陣営の広報作戦がまだ左翼にくらべて貧弱な証拠でしょう。」とかかれていました。
この「サヨクが予算を行政からとって図書館とか・・」のくだりには思い当たるフシがありまったく嘆かざるを得ません。
なぜ我々の税金が反日活動に使われなくてはならないのか。たとえば、愛知県美和町の町立文化会館にも、あの「ぷちナショナリズム」発言で知られるプチサヨクの精神科医・香山リカが講演に来るのです。
http://www.pref.aichi.jp/bunka/yawa/
「文化夜話」というのは初耳ですが、愛知県のサイトで扱っているということは、我々の税金を使っているということですよね。よっぽど「バカなことを言うだろうから真っ当な質問でギャフンと言わせてやろうか」とも思いましたが、その前に彼女の、頭悪いくせに偉そうな話を、最後まで聞くことを思うと胃が痛くなりそうなので、聴講を申し込んでいません。
なお昨日付け告示の『台湾監獄島』の無料配布のお知らせ。ありがたく応募させていただきます。
(DO生、愛知)


(宮崎正弘のコメント)『台湾監獄島』無料配布のお知らせ、今号でも、再録告示しました。
 この本は多くの人に読んでほしい、台湾人の本当の魂の叫びが分かります。著名な学者、文化人、ジャーナリストへの贈呈運動も展開します。
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11月25日は三島由紀夫没後35周年「憂国忌」!
 (三島由紀夫氏没後35周年記念“憂国忌” 開催要項)

 とき   11月25日 午後6時―9時(5時半開場)
 ところ  九段会館 大ホール
 参加費  おひとり 2000円(会場分担金として)

当日のプログラム
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1800 開会挨拶(発起人代表 松本徹)
1805 神道儀式による鎮魂祭(発起人参加者全員で玉串奉奠)
1840 「薔薇刑」秘蔵スライド上映と解説(細江英公)
1905 (休憩)
1920 シンポジウム「三島事件から35年、現代日本はどうなったのか?」
     井尻千男、入江隆則、サイデンスティッカー、西尾幹二、村松英子

2050 追悼挨拶(発起人代表)
2055 閉会の辞

 ことしは35周年、盛大かつ厳粛に「憂国忌」を執り行いますので、友人知己お誘い合わせの上、ご臨席下さい。10月10日より前売り割引チケット(1800円)を、発売開始(詳しくは10月8日ごろ、この欄で告示します)。チケットは「ぴあ」等では扱いません。
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(お知らせ1)地方講演のため、小誌は10月1日―4日が休刊になります。
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(おしらせ2)
何旗化『台湾監獄島』(台湾第一出版社、日本版から復刻版)
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 獄中17年、蒋介石恐怖政治は台湾のインテリを虐殺し、またでっち上げ、冤罪をかぶせて多くのインテリを十数年ものあいだ、海の孤島に送り込んだ。
 そこでも虐待、死刑が繰り返され、獄には国民党のスパイが潜り込んできた。
 恐怖政治は、北朝鮮や中国ばかりか、つい十数年前に台湾でも行われていた!そういう意味では蒋介石時代の国民党と毛沢東以来の中国共産党はおなじ体質、一卵性双生児である。
 この呻くような恐怖とたたかった著者は、獄中17年の艱難辛苦に耐えて出獄、台湾独立運動に挺身した。泪なしに本書を読了することは不可能である。また歴史証言の貴重な資料にもなっている。
 この本を篤志家のご厚意により、希望者に無料贈呈!
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 本書は台湾独立運動を支持する希望者(先着300名で締めきり)に千葉建国塾が復刻版を!無料!で配布しています。
 (送料 80円切手 x 4枚 のみご負担ください)
 また本書は「東京新聞」の佐々木理臣台北支局長の記事で紹介された。
 http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20050921/mng_____kok_____002.shtml
 こういうチャンスはなかなかありません。
 希望者は下記の千葉建国塾HPにアクセスし、『台湾監獄島』のところから。
  http://petat.com/users/myoukou/chibakenkoku-index.html
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<<宮崎正弘のロングセラーズ>>
『中国よ、“反日”ありがとう』(清流出版刊、1400円+税)
『瀕死の中国』(阪急コミュニケーションズ刊、1600円+税) 
http://deserveit.jp/am/asin/4484052083.html
『中国のいま、三年後、五年後、十年後(改訂版)』(並木書房、1575円)
http://deserveit.jp/am/asin/4890631704.html
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円プラス税)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
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