国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/09/02

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年) 9月2日(金曜日)
        通巻1219号 
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米国史始まって以来最悪の災禍「ハリケーン・カトリーヌ」
 あのジャズの町、ニューオーリンズのフレンチ・クォーターも浸水
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 ハリケーンの災禍はニューオーリンズを水没させてしまった。

 数々の映画の舞台にもなり、三島由紀夫はニューオーリンズをこう書いた。
 「私は本物のヨーロッパよりも、中南米や、西印度諸島やメキシコや、北米南部に残る、衰えた、やつれた、息も絶え絶えな、哀れなヨーロッパのほうを余計に愛する。郷愁でいっぱいになった、そして昔は支配者であったものが今は虜囚の身分に落ちた、半分きちがいになった哀れなヨーロッパが、北米で見られるのは、多分ここニュー・オルリーンズの一角のヴィウ・カレ、いわゆるフレンチ・クォータだけであろう」(「旅の絵本」)。

 筆者も十数年前に、この地をおとずれて二泊している。そのときの紀行は下記サイトに。
http://www.nippon-nn.net/miyazaki/misima/NewOrleans.html

 嗚呼、あの町も水没、再建は不可能か、長い年月を要することになるという。
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(読者の声1)『諸君』の最新号(十月号)で、連載中の田中卓先生「祖国再建」(22回)に三島由紀夫事件について触れられ、「民兵」から「私兵」に転じた楯の会の矛盾に関しての論述があります。論旨はともかく、このなかに二カ所、宮崎正弘の名前がでてきます。この人物と、このメルマガ主宰の宮崎正弘さんとは「同一人物」でしょうか?
            (TN生、奈良)


(宮崎正弘のコメント)同一人物です。田中先生は平泉学派の重鎮で、“反・日教組”を掲げた保守主義の教職員がつどった「日本教師会」の顧問格でもあった関係から『論争ジャーナル』を創刊した中辻和彦氏の父親と懇意にしていました。
その関係で、どちらかといえば「論争ジャーナル」擁護の視点から三島論を展開されています。
とくに「民兵組織を」と言った三島さんの当初の目論見を、嘗て森田必勝が「ヘミングウエイみたいだ」と小生に言ったことがあります(詳細は拙著『三島由紀夫“以後”』(並木書房)と森田必勝遺稿集『わが思想と行動』(日新報道)および中村彰彦『烈士と呼ばれる男』(文春文庫)をご参照下さい)。
それが「楯の会」となって、「民兵」が「私兵」となってしまったので、論争ジャーナルのグループが三島さんから離れ、森田があらたに学生長になった、とする解釈です。いかなる解釈も自由ですし、表層の経緯も法理論的にもそうでしょう。なにしろ民兵ならば、最高指揮官は内閣総理大臣であり、三島さんではありえない。
けれども実態は村松剛氏が『三島由紀夫の世界』(新潮文庫)に指摘した通りで、論争ジャーナル幹部の一部を、三島さんは色々な経緯があって最後に“絶縁”したのです。
これらについて親友だった村松剛氏の原体験としての目撃談が『三島由紀夫の世界』であり、死後、関係者への取材による猪瀬直樹『ペルソナ』は多くが事後解釈です。どちらが真相に近いかは言うまでもないでしょう。田中先生の所論は、小生もすぐに読みましたが、以上のごとき印象を抱きました。
 それにしても映画「憂国」のフィルムが完全なかたちで発見され、来春DVDになる。原作はつぎつぎと舞台化されており、いまも三島論は一年に数冊上梓される。秋山駿がいみじくも言ったように「死後も成長する作家」ですね。
 ことし没後三十五年、「憂国忌」は11月25日の命日、午後六時九段会館大ホールです。乃木神社による神道儀式のほか、シンポジウムにはハワイからサイデンスティッカーさんも駆けつけます。詳細は追って、この欄にも発表しますが、世界的なカメラマン、細江英公先生の秘蔵写真集、「薔薇刑」のスライド上映も行います。


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(読者の声2)「日露戦争勝利百周年を祝う青年の集い」の意義について。
歴史は現在からではなく、当時置かれた状況・立場からその時の視点に立って論じ、評価すべきものと了解します。
為政者は結果責任のみを負うと云うならば、日本国とその民を他国の脅威から守り切った明治時代の指導層は実にりっぱでありました。苦難の日露戦役を骨身を削って勝ち抜いた当時の指導者を顕彰することはまことに有意義であります。その指導者はどういうものどもを拠り所にして、あのような苦しく、大儀な時世を乗り越えたのかと思いを致します。それは確固とした、揺ぎ無い「国家主義」をバックボーンに据えていたから、困苦の事態に果敢に臨み、対処し得たと推し量る次第です。
二千数百年間のお上への想いに束ねられた民の心根の確固とした一致と団結があったからこそ、指導者は与えられた責務を慫慂と受容し、その痛苦に耐えることができたのであろうと思います。その御蔭で、欧米列強の強権を跳ね返し、19世紀後半から20世紀劈頭にかけての凄まじい弱肉強食の国際世界で、有色人民族では日本国のみ白色人国家と対等の立場を保持して自存できました。
しかしこれが、明治から大正の時代に移ると、大正デモクラシーと云われる自由主義的風潮が広がり、これにSARSのように猖獗した共産主義思想が加わり、それらが偉大な「明治の精神」、日本を支えた「国家主義」を蚕食する害虫として日本を蝕みました。その意味で大正デモクラシーを覆ったのは”へたれ”の思想でした。不撓不屈で緻密であった明治の外交、これと大正の外交の間には大きな落差が見られます。 明治時代は外交機密文書の写しを元老にすべて回付して、悉くその諒解を求める慣例がありました。「明治の精神」が一致団結して英知を注いで外交に衝っていたのです。
それが大正に入り大隈内閣加藤高明外相になると、これを不可として前の時代の慣例を廃してしまいました。そして、悪名高き対華二十一ヶ条要求を行い、日本外交史に汚点を残すことに繋がりました。小村寿太郎らの骨太で喝断とした外交は終り、矮小な政治家による政治の専断とへたれ外交官たちによる外交の簒奪が始まったのです。 
臥薪嘗胆してロシアに打ち勝った源には、お上への想いで上下一体となった「国家主義」がありました。 日本を衛った「国家主義」を恥ずかしがり、けなし、自嘲する風潮が大正デモクラシーの時代に広まり、日本をへたれさせていきました。為政者・官僚・学者が率先してこの風潮に染まっていきました。
 自由主義デモクラシー思想で箍のはずれた精神状態となり、政治・外交が乱れていきました。大正元年(1912年)から昭和七年(1932年)の21年間に内閣は17回変わりました。短い内閣は三ヶ月でした。その間に3人の首相が暗殺され、汚職で総辞職する内閣もありました。
明治時代に見られない事象が次々に起こり、世情は乱れ、人心は不安に揺れました。「デモクラシー」「文化」の語はもて囃されましたが、国を護った軍人は邪険にされました。『軍人は到る所道行く人々の軽侮の的となり、軍服姿では電車に乗るのも肩身が狭いという状態であった。』と重光葵氏は「昭和の動乱」で述べています。
まことに不健全な時代であったのです。当時の日本は、国家の苦難を乗り越えた明治の時代を軽んじ、その時代の労苦を易々と忘れてしまったのです。国家主義的の思想・神道・皇室尊崇・皇国史観(この言葉は従軍慰安婦と同じ後から捏造された出生卑しき言葉)は、日本を大東亜戦争に押し流した邪悪の思想として、戦後日陰の身に落とされました。
しかし責められるべきは、明治の御代に赤誠をもって信じ守られた大御心を悪用的に利用した、外来思想を軽薄に受容した政治家・外交官・官僚・学者・マスコミらにあるのです。 
左翼政治勢力は9.11選挙で掻き消えようとしています。進歩的文化人は化石・遺物と化しました。しかし低劣な左翼思想かぶれは、大陸・半島勢力と陰で手を結ぶなどして、ロー・プロフィールで日本社会の深層に寄生しネットワークを張り巡らし、拉致救出、皇位継承、ジェンダー・フリー問題、性教育問題、外国人参政権問題、人権擁護法問題、夫婦別姓問題などで、いやらしい陰微な手法を使って、「明治の精神」に倣って立ち上がろうとする「平成の精神」を蝕ばもうと躍起です。明治の時代、日本を国難から救い守ったお上を柱とする「国家主義」を復古することが、平成の時代の我々がなすべきこと。
それには古人の心根と精神をよく訪ねなければなりません。質実剛健の「明治の精神」に触れることが肝要です。 その意味で「日露戦争勝利百周年を祝う青年の集い」は大きな意義を有しているのです。
    (HN生、丸の内)


(宮崎正弘のコメント)大変な論文を頂きましたね。
ところで明日(9月3日)の「日露戦争勝利百周年を祝う青年のつどい」は18歳から39歳までの若者が集いますが、定員を上回る申し込みをいただき、“嬉しい悲鳴”をあげております。それもはるばる北海道、九州から駆けつけてくださる方が多い。
1400名もの参加者が見込まれます。読者のなかで「招待チケット」をお持ちの方は、12時半開場ですので、早めにお越し下さい。超満員の可能性が高いと思いますので。それから今後の申し込みは勝手ながら締め切らせて頂きました。
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<<拓殖大学日本文化研究所 シンポジウム>>

◎入場無料  年齢制限もありません!
◎乃木代将は本当に愚将だったのか?
◎日中戦争への疑問、シベリア出兵、ノモンハン事件の現代的解釈は間違ってはいないのか。司馬遼太郎らの史観は正しいのか?

 とき       9月10日(土曜日) 午後2時→5時(1330開場)。
 ところ      文京区小日向 拓殖大学キャンパス(地下鉄丸の内線茗荷谷駅3分)
 テーマ      「近現代史の総点検」
 パネラー     井尻千男、遠藤浩一、黄文雄、福井雄三、藤岡信勝、宮崎正弘
 お問い合わせ   拓殖大学オープン・カレッジ(電話03−3947−7166)
 特記       先着300名 予約の必要はありません。入場無料
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 <<三島由紀夫研究会 公開講座>>
 
三島由紀夫とフランス文学者・澁澤龍彦との深い親交は、三島戯曲「サド侯爵夫人」等に結実し、皆様周知の通りです。両者の「サド」を巡る解釈、澁澤龍彦が三島由紀夫に与えた影響、当時の文壇模様等々を、両人の永年に亘る親交を見聞して来た澁澤龍彦夫人に、直木賞作家の中村彰彦氏が対談形式で伺います。
 澁澤龍子氏略歴:作家・澁澤龍彦未亡人、著作に「澁澤龍彦との日々」(白水社)等々 
 中村彰彦氏略歴:直木賞作家、「二つの山河」(文藝春秋)で直木賞受賞。「烈士と呼ばれる男」」(文藝春秋)など。

      記
とき        平成17年9月27日(火) 午後7時(六時半開場)。
ところ   JR・地下鉄 市ヶ谷駅前
「アルカディア市ヶ谷(私学会館)」4F 飛鳥の間  
演題   「没後35年特別企画― 対話形式による三島さんの思い出」
講師      作家・澁澤龍子氏(澁澤龍彦未亡人)、直木賞作家・中村彰彦
会場分担金 おひとり 二千円
 問い合わせ 03-3200-2295/ miura@nippon-nn.netまで
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(10月の公開講座は10月19日(水)午後七時より、同じく「アルカディア市ヶ谷(私学会館)」にて。講師に三島研究第一人者のひとり、井上隆史(白百合女子大助教授)をお迎えして「三島文学の今日的意義」(仮題)と題して)。
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今後の宮崎正弘の講演会およびシンポジウムの予告

<<佐賀 土曜サロン>>
佐賀および福岡、長崎にお住まいの読者の方、どなたでも参加自由
とき  10月1日(土曜日)午後二時→四時
ところ 佐賀市
宮崎正弘の独演会二時間(会場をふくめた詳細は追って発表します)
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<<日本再生シンポジウム>>
とき   10月23日(日曜日)午後二時→四時十五分(その後懇親会)
ところ  永田町 星陵会館ホール
テーマ  「中、韓国、北朝鮮の『反日トライアングル』とどう闘うか」
パネリスト 志方俊之、田久保忠衛、宮崎正弘 司会・加瀬英明
参加費   2000円
申し込み予約が必要です。
h03421@syugiin.go.jp(定員に達した場合は締め切ります)
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<<平河総研 講演会>>
とき  11月13日(日曜日)午後一時半→四時
ところ 神田神保町 学士会館
宮崎正弘の独演会二時間(詳細は近日、この欄に発表します)
  ◎

<<ポーツマス・ネットワーク シンポジウム>>
とき    11月19日
ところ   学士会館の予定
パネリスト 井尻千男、加瀬英明、藤岡信勝、宮崎正弘


このほか都内、福井、新潟、仙台などの講演会がありますがいずれも会員限定のため、本欄での紹介はありません。一般公開のイベントのみ掲載します。
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<<宮崎正弘のロングセラーズ>>
http://deserveit.jp/am/asin/4890631704.html
『中国よ、“反日”ありがとう』(清流出版刊、1400円+税)
『瀕死の中国』(阪急コミュニケーションズ刊、1600円+税) 
『中国のいま、三年後、五年後、十年後(改訂版)』(並木書房、1575円)
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円プラス税)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
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◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
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http://www.melma.com/mag/06/m00045206/a00000060.html
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