国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/08/11

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年) 8月11日(木曜日)
        通巻1209号   増刊号
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<<今週の書棚>>

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飯柴智亮『第82空挺師団の日本人少尉』(並木書房)
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 日本版ランボー、ついに登場である。
勇ましくもあり、爽快でもあり、読後感は爽やか。
 著者の飯柴氏は、15歳で日本を飛び出し、豪州で英語を習いがてら高校を卒業、それから米国に19歳でわたり、軍人を志願。第82空挺師団といえば、世界最強の陸軍。そのエリート少尉というのは、若い読者には理解しにくいと思えるが、将校である。
 日本人ではまことに珍しい。
 かれは最強部隊の将校となるためにミシガン州立大学へ通い、英語をマスターし、同時に苦労して米国籍を入手し、多くの試験をかいくぐり、アフガンのタリバン征討作戦にも従軍、そして念願の少尉になった、苦労物語といえば苦労の連続だが、燃えるような達成感が伝わる。
 たしかに文章は軍人特有とも言えるぶっきらぼうな、しかも文飾がなにもないサムライの戦場体験が綴られている。
ところが飯柴氏の文章は始原的な感動を呼び起こす。力強さ、心棒強さ、憧れ、正義感がない混ざった、一種ハードボイルド・タッチの独創的文体を付帯している。戦場の臨場感にも溢れた本になっている。
 過日、著者の飯柴氏にも直接お目にかかる機会があったが、長身で、ランボウを彷彿とさせる鍛え上げた体躯の持ち主で、爽快な青年だった。


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片倉桂史『観光コースでない台湾』(高文研)
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 いま、台湾の観光ガイドとして格好の本と言えば,たいていは台湾在住の片倉さん。日本時代の遺風、遺跡、とくに建物を現場に尋ね当てて、写真集として世に問うた前作も意欲的だったが、この本もガイドブックにありがちな形式を一切無視し、いきなり台湾の本質に飛び込んでいく。
 霧社事件や、芝山厳事件の真相、その後の経緯についても簡略史を淡々と叙している。
 評者(宮崎)も、過去33年間、毎年最低三回は台湾へ行っているが、ということは合計100回近く台湾の隅々に行っているが、金門、馬祖、膨湖諸島には行っているとはいて、緑島、蘭嶼島には行っていない。
いくら台湾在住のながい日本人といえども、これほど台湾の通津浦々を探訪し、カメラに収め、文章を書いた人物は稀であろう。
 市場に溢れた台湾観光ガイド的な本はいくらでもあるが、ホテルやらレストランやら、バアやら夜店の紹介があっても、歴史、文明、風俗、土着の文化を克明に、的確に書いたものがなかった。
 台湾を深く知ろうとすれば、ガイドブックは何の役にも立たない。歴史書を読まなければいけないし、幾多の特派員経験者や学者のかいた台湾本を読まなければならなかった。
 本書は、その二つの目的を一冊にまとめあげるという離れ業を同時にはたした希有の書物でもある。


   ♪
秋山ジョージ漫画・黄文雄監修『中国入門』(飛鳥新社)
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 初版五万部と聞いて驚いていたら、すぐに重版8万部という。蔡昆燦氏が来日されて、靖国神社へ氏を中心に百名ほどで参拝した日、ばったりあった黄さんから教えられた。(蔡昆燦氏は司馬遼太郎が「老台北」と呼んだ名物台湾人。少年航空隊整備兵生徒として終戦を日本で迎えた)。
 これほどのベストセラーなら、本欄で紹介する必要もないが、中国という国について、若者向けに巧緻に簡素化した説明、しかも漫画にして意表をつくシナリオが展開されているところが本書のミソ。
作中に黄文雄さんが登場する場面までしつらえてあって、さらに親しみやすい工夫がなされている。秋山氏の、のんびりした作風も好感がもてるが、さて、この漫画入門編、中味の深刻さと作風の悠長さとが、上手くマッチしたか、どうか。
 小林よしのり氏の「これでもか、これでもか」という粘着力のあるストーリィ展開ではなく、そこはかとなく淡泊で、悠長で、それでいて中国の野望、中国共産党の本質を徹底的にあぶり出した傑作になっている。
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<<宮崎正弘の新刊>>
イーストプレス編・黄文雄、藤岡信勝、宮崎正弘、秦郁彦ほか『中国・韓国の歴史教科書』(イーストプレス刊、952円+税)
このなかに宮崎の拙論を収録

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-form/249-2614512-0490730
(下記二冊は大型書店でも品薄、メールでの注文は上記へ)。
『中国よ、“反日”ありがとう』(清流出版刊、1400円+税)
『瀕死の中国』(阪急コミュニケーションズ刊、1600円+税) 
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<<宮崎正弘のロングセラーズ>>
http://www.nippon-nn.net/miyazaki/saisinkan/index.html
『中国のいま、三年後、五年後、十年後(改訂版)』(並木書房、1575円)
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
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(休刊のお知らせ)小誌は14日から27日まで休刊です。
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◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
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創刊日:2001-08-18  
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