国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/08/07

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年) 8月8日(月曜日)
      通巻1206号   
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 CNOOCのユノカル買収断念は一時的戦術的後退に過ぎない
  中国はトツクメニスタンの独裁者にも異常接近をしていた!
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 「中央アジアの金日正」という異名をとる独裁者ニヤーゾフ大統領はトルクメニスタンを私物化している。
 全土にはニヤーゾフをたたえる銅像がにょきにょき建っている。そのなかには花時計よろしく、太陽の方向へニヤーゾフの銅像が回転するものまであるそうな。

  旧ソ連のイスラム国家トルクメニスタンには、石油関係者の推定で優にクェートに匹敵する天然ガスが埋蔵されており、推定埋蔵5兆5千万立方メートル!

 目下のところロシアがパイプラインを独占しているため殆ど全量がロシア経由で欧州へ輸出されている。

しかし「資源もおれのもの」という認識で人民は奴隷の如く、富は一族が独占。始末に負えないのは、このニヤーゾフに近づく東西の石油商人たちだ。
 ソ連崩壊後、真っ先にニヤーゾフと近づいたのは米国メジャー。それも中国海洋石油が買収を狙ったユノカルだったのだ。
 (拙著『テロリズムと世界宗教戦争』(徳間書店)を参照)。

 ユノカル幹部は96年にアフガニスタンを秘密裏に訪問し、ホワイトハウスにタリバンの幹部を二回招いた。クリントン政権のときだ。悪魔とイスラム原理主義を罵る米国が一方では狂信者タリバンを招く。これが国際政治の魑魅魍魎の真骨頂だが。
 当時から怪しげな石油コネクションが噂されたのだが、それというのも米国メジャーは大半が共和党支持。そもそもブッシュ一族は石油成金ではないか。

 そのメジャー主流からはずれたユノカルはアジアの石油鉱区開拓に熱心で、しかも民主党支援企業とみられていた。だからブッシュは、ユノカルに中国が買収をかけていたときも議会の反対をよそに極めて冷淡だった。
 さて利権はどこにあるか?
 トルクメニスタンのガスをパイプラインを敷設してアフガニスタンを経由し、パキスタンへ持ってくるという1580キロのパイプラインを建議していたのはユノカルで、タリバン時代からアフガニスタンは「通過料」が入るので前向き、もちろん現在のカイザル大統領は元ユノカル顧問だから積極的。

 この工事は06年から開始される。
アフガニスタンを越えて、パキスタンで分岐されて、一つはインドへ(これも05年諸島、インドとパキスタンが宿命の対決を乗り越えて合意)、もう一つがカラチ付近の港から西側へ輸出される。これがユノカルの主要プロジェクトだったのだ。
 中国がごっそりと背後から利権まるごと頂こうとした理由の一つはこれである。

 さて表舞台でも中国のトルクメニスタン攻勢は凄まじい。
小泉首相との面会をドタキャンした呉儀副首相はアシュガバードヘ忽然とあらわれて(7月19日)ニヤーゾフ大統領と70分間面会し、な、なんとトルクメニスタンのガスを、カザフスタンへ繋ぎ、そこから既存のカザフー新彊ウィグル自治区のパイプライン(1800キロ)とを繋ぐ世紀のプロジェクトを話し合った。

 直前(7月上旬)の「上海協力機構」の首脳会議はカザフスタンの首都アスタナで行われたが、胡錦濤はナゼルバエフ(カザフ)大統領とあって「このプロジェクトは中国、カザフ、トルクメニスタンの三国を裨益する」と明言している。

 ニヤーゾフは92年と98年に北京を訪問し、答礼として00年に江沢民がトルクメニスタンを訪問、胡錦濤も政治局員時代の95年に同国を訪問済みである。

両国はすでに17の石油ガス工事プロジェクトを含む337のプロジェクトを推進中である。合計四億ドル近い投資が中国からなされている。同国の石油鉱区には中国人技術者が派遣されており、年間三億立方メーターのガス生産を実現している。
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(読者の声1)9月3日の「日露戦争勝利百周年を祝う青年の集い」には是非参加します。小生、日露戦争の基本的知識に乏しく、この機会に勉強していきたいと、改めて決心しました。
 現在のわが国とロシアとの関係を見ますと、一方でロシアの尊大かつ非礼な挑発的態度(北方領土返還全面拒否)があり、他方で日本列島に向けた核搭載巡航ミサイル配備の拡充、その数が約千発(しかも一発の破壊力が長崎原爆のほぼ百倍)との専門家の分析があります。
 このような状況でロシアに対して「あなたがたの出方によっては、いつでも第二次日露戦争を遂行する決意があるのであり、その能力も準備も整っている」という強い外交的構えが不可欠だと思います。
 今の日露関係では、米国との軍事同盟の威力を前面に押し出し、日本の強い覚悟を示唆することなしには、いくら友好的な努力を続けても、一方的に日本の国益を損ない、わが国の安全を危うくするだけであると断じざるをえません。この外交上の惨状と醜態は、ただちに改める必要があります。
 そのためにまず東京裁判史観を学校教育から完全に放逐し、兵役の義務の崇高性を説く普遍的な国民道徳を初等教育の段階から根づかせるとともに、米国や反共産主義に立つアジア諸国との軍事同盟を質・量に渡って拡大・強化していき、この方向性を法的に担保するための政治上の措置、つまり憲法改正が、喫緊の国民的課題であると考えます。ところで小生の職場では、宮崎先生が出演されるときのミッキー安川氏のラジオ番組が大人気です。勤務後の居酒屋などで見識ある先輩達から、熱烈な支持の声を聞いております。
  (IY生、品川)                                                    


(宮崎正弘のコメント)ロシアへの関心が希釈化してきました。ところが、ロシアはいまやプーチン独裁、あたかもロマノフ朝の復活のごとき専制政治に舞い戻っている。国民の関心の薄さが非常に気になります。
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(お知らせ)
《「百人斬り訴訟」の判決》
[日時]  8月23日(火)午前11時から
傍聴希望者は抽選があります。当日の10時30分には締め切られますので、ご注意ください。
[法廷]  東京地方裁判所第103法廷
[原告の記者会見] 午前11時30分から司法記者クラブ(東京地裁内)にて
[支援者による報告集会] 正午から参議院議員会館第3会議室にて
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(休刊予告)小誌は8月14日より8月26日までを休刊の予定です。
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<< 宮崎正弘の新刊 >>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-form/249-2614512-0490730
『中国よ、“反日”ありがとう』(清流出版刊、1400円+税)
『瀕死の中国』(阪急コミュニケーションズ刊、1600円+税) 
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<<宮崎正弘のロングセラーズ>>
http://www.nippon-nn.net/miyazaki/saisinkan/index.html
『中国のいま、三年後、五年後、十年後(改訂版)』(並木書房、1575円)
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
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