国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/07/20

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)7月21日(木曜日)
      通巻1190号
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バキーエフ(キルギス新大統領)は“親露派”だった
 ウズベクとキルギスの「米軍は出て行け!」。背後にロシアと中国
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 7月5日のアスタナ宣言は米軍の怒りを呼び起こしたようだ。
 すなわち「上海シックス」の会場となったカザフスタンの首都アスタナで、米軍の撤退日程を明示せよと要求したことに関してだが、アフガニスタンが安定化するまで、漠然とした米軍の駐留(ウズベクとキルギスに米軍が駐屯している)に期限を設けよとの要求にキルギスもウズベクも署名したのだ。

 3月24日の「チューリップ革命」は結果的に独裁者アカーエフ大統領一族をキルギスから追放した。
 キルギスは民主化へ向かって力強い歩みを開始し、西側寄りのバキーエフが新大統領に選ばれた。
米国は喜んだ筈だった。

 となりのウズベキスタンでは民主化を求めたデモを蹴散らし、700名が殺害されたとされる「反テロ」武力弾圧に、欧米はカリモフ独裁を非難した。カリモフは、その足で北京へ向い、17億ドル相当の石油鉱区を中国に与えた。
 
 共通しているのは、冷戦構造崩壊後、独立国となったキルギスもウズベキスタンも当初は欧米、日本に期待した。
 西側からカネが入り、投資が集中し、経済は活性化するという夢をもとめていた。アフガニスタンで両国がイスラム原理主義を無視するかたちで米軍に基地を提供したのも、そうした夢の続きだった。

 西側からの投資は殆どなかった。
 真っ先にロシアへ回帰したのはカザフスタンだった。なにしろ同国の石油とガスはロシアを通過しないことには西側へは輸出できない。

 中国が近寄って、カザフスタンの石油を新彊ウィグル自治区まで1800キロのパイプラインを敷設することになった。カザフスタンは北京とも仲良くなった。

 キルギスのマナス国際空港に駐留する米軍は周辺の経済だけは確かに潤した。雇用も増えた。
 しかも自由アメリカ・ラジオ局が設置され、この恩恵でこそ、3月24日のチューリップ革命は成功したのだ。
 
 次はウズベクがひっくり返る。グルジアもウクライナも、そうやって民主化したのだから。
「次はベラルーシよ」とライス国務長官は吠えたことがある。中央アジアは、それなら「次はウズベクよ」。

 これを不愉快とする意味で、北京とモスクワは突如歩み寄った。過去半世紀もめた領土問題を突如解決してでも、両国は妥協しあい、キルギスとウズベクの陣営内への奪回を図りだした。

 バキーエフ新大統領は7月18日に「もっと正確な米軍撤退の日取りを知りたい」と発言した。
直前までバキーエフはCISのアンドレイ・ココシン議長と面談していた。

 基本方針の変更に多くのキルギス国民はとまどいをみせている。
 キルギスは基本的に遊牧の民であり、ロシアも中国も嫌いである。だが基本心理はそうであっても、米軍一辺倒で生きていけるわけもなく、ロシア軍が駐留している現実も、おもい足枷となってバキーエフ新政権にのしかかっている。
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(読者の声1)以前『サピオ』誌上で、浜田和幸、森永卓郎両氏の会話の中に「昨年の中国における高額所得者、1−100位」の平均所得が何と、500億円と言っておりましたが、これって本当ですか?「嘘だ」「本当かもしれない」と知人たちの意見はバラバラです。是非先生の意見をお聞かせ下さい。
もし本当だとしたら、よく革命がおきないですね。
 ところで貴著『中国財閥の正体』(扶桑社)を読ませて頂きました。参考になりました。
(MF生、横浜)


(宮崎正弘のコメント)中国の「高額所得番付」は経済専門誌『新財冨』やら『フォーブス』の中国語版が行っており、昨年度は所得番付けのトップは陳天橋(インターネット関連「盛大網絡」のCEO)。資産総額は日本円に直すとおよそ2000億円でした。
恒例トップの栄智健は三位に転落したが1220億円。栄智健は、中国「太子党」のシンボルでスイスなどに豪邸を持つ有名人。
ともかく「平均所得」ではなく「資産総額」という文脈で本当のはなしです。革命?近いと考えていいんじゃないでしょうか。でなければ、かれらは海外へ資産を移したりしませんからね。
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(サイト情報)マンモハン・シン(インド)首相が18日からアメリカを公式訪問。ブッシュ大統領と首脳会談を行い、経済、科学技術、エネルギー、安全保障などの分野で包括的な協力関係で合意した。
?ホワイトハウスでのブッシュ大統領とシン首相との記者会見 President, Prime Minister of India Discuss Freedom and Democracy  White House. July 18, 2005 
http://www.whitehouse.gov/news/releases/2005/07/20050718-1.html
?共同声明 Joint Statement Between President George W. Bush and Prime Minister Manmohan Singh July 18, 2005 
http://www.whitehouse.gov/news/releases/2005/07/20050718-6.html
?米国務省の米国インド・サミットについて U.S. - India Relations: Visit of Prime Minister Manmohan Singh
http://www.state.gov/p/sa/rls/49765.htm
?国務省国際情報プログラム U.S.-India Summit: Strengthening a Global Partnership
http://usinfo.state.gov/sa/south_asia/india_summit.html
?米印関係の広報用パンフレット Reaching New Heights: U.S.-India Relations in the 21st Century 
http://newdelhi.usembassy.gov/wwwfreach.pdf
?米議会調査局CRSレポート India-U.S. Relations、CRS Issue Brief for Congress、K. Alan Kronstadt. Updated May 18, 2005. 19p.
http://fpc.state.gov/documents/organization/46687.pdf
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