国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/07/08

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)7月8日(金曜日)
第1177号  
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 北朝鮮が巡航ミサイル技術を入手か
 ウクライナからイランを経由、武器商人が闇で介在していた
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 闇から闇へ核技術は転売されている。
 アルカィーダが復活し、爆弾テロに見舞われたロンドン。

 G8主要国首脳会議ではテロへの挑戦が鮮明にされたが、北朝鮮、イランの核武装への懸念が繰り返し、サミット宣言に盛り込まれる。
 北朝鮮、イランの核問題がサミット声明に盛り込まれるのは三年連続である。
 とくに北朝鮮に対しては「すべての核兵器計画を完全、検証可能、再開不可能な形で中止する」ことを要求し、六カ国協議への早期復帰も促す。

 さてウクライナのクチマ前政権がイランに売却した長距離射程の巡航ミサイル「Kh55」の技術が北朝鮮に流出していた事実が判明した。

 もともとイランー北朝鮮を結ぶ「ミサイル闇ルート」疑惑は米情報筋から日本にも伝わっており、二〇〇一年にイランへ十二発、中国へ六発の計十八発が不正に輸出されていた。
 これは05年二月、情報機関出身のウクライナ国会議員の告発で発覚したが、当然、あいだには「闇の武器商人」ネットワークが介在した。
 
 イランと北朝鮮は大量破壊兵器の開発に関して水面下でつながっている。
 それにしてもイラン!

 ウィーン検察当局はイラン次期大統領のアハマディネジャドが89年のクルド人指導者殺人事件に関与した疑いが濃いとして捜査を開始した。これはオーストリア「緑の党」のピルツ議員が検察に告発したために捜査が決定した。
 ピルツ議員は89年7月、イランの反体制組織「イラン・クルド民主党」幹部がウィーンで銃殺された事件で、アハマディネジャド〔次期イラン大統領)が殺人犯らに武器を渡したと証言した。

 これがもし事実だとすればイランは反米テロリストが国家を指導することになる。イラクより厄介な拠点が中東に再生されることになる。


 ▲核兵器をめぐる懲りない面々

 イランは核開発計画を秘密裏に進めるための地下施設網建設を北朝鮮と交渉してきた。
 また北朝鮮の技術者がウラン濃縮のための遠心分離機の検査などを極秘に行っていた疑惑も浮上した。イランが開発した弾道ミサイル「シャハブ」は北朝鮮からミサイル技術の提供を受けた。

 今回、密輸が発覚した「Kh55」はもともと70年末に旧ソ連が開発した空中発射型巡航ミサイルである。
 当時まだソ連の一員だったウクライナに600発が配備されていた。このミサイルの命中精度はかなり精密で、米国のトマホーク巡航ミサイルに引けを取らないと語る軍事専門もいる。

 200キロトンの核弾頭が搭載可能。射程3000キロメートル。半径150メートルの目標なら50%の精度で命中する。もし北朝鮮が配備したとすれば、かるく日本全土が射程に入る。
 日本の防衛力にとって、海上スレスレを飛んでくる巡航ミサイルに対応する防御システムはなく、致命的欠陥がある。

 巡航ミサイルは事前プログラムされた経路を高精度の誘導システムによって飛翔をつづけ、しっかりと目標命中させる。平均高度50メートルという超低空を飛行するため、レーダーでの捕捉は困難。また弾道ミサイルと異なり、簡便な兵器だから貨物船などに容易に積載できる。

もし「北朝鮮が巡航ミサイルの技術取得に成功すれば、日本政府が配備準備を進める地対空ミサイルやイージス艦配備の次世代型海上システムのMDでは対応できない」(防衛庁関係者)と危険信号が発せられている。
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