国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/07/02

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)7月2日(土曜日)
第1171号  
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「外国人ジャーナリスト」らが背後で画策
  つくる会がつよく抗議した。
  「抗議文」の全文を掲載します。
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日本外国特派員協会                   
2005年7月1日
報道委員会委員長
  ロジャー・シュレフラー殿
                                          新しい歴史教科書をつくる会
                           会 長   八 木 秀 次

           貴協会主催の「討論会」についての抗議

 去る6月上旬、貴協会は、当会が関与している扶桑社の中学校歴史・公民教科書について、これを批判する「子どもと教科書全国ネット21」や「民団」など3団体の代表3名と当会関係者による討論会を開催したいので、当会の代表者を推薦してほしいとの依頼を当会に対して行いました。開催日程については変遷がありましたが、最終的には7月6日とする旨の連絡をいただきました。しかし、当日は当方の日程の都合がつかないため、出席できない旨、6月21日に正式にご連絡申し上げました。
 当会としては、公平な議論は望むところですが、この企画提案については、別の日程が示された場合でも、次のような基本的な問題点があり、議論として適切ではないと考えております。

 (1)当会の見解は、すでに、5月10日、当会が扶桑社の上記歴史教科書のうち近現代史部分の英語訳を発表することとあわせて、貴協会にて記者会見をさせていただき、十分な時間をとって会員各位への説明をすませていること。
 (2)現在、各地の教育委員会にて教科書採択事務が行われている最中であり、特定の会社の教科書だけを問題視し、被告席に座らせて議論するという論題の設定は極めてアンフェアーであること。
 (3)もし、対立的な討論を企画するなら、従来の教科書の問題点と扶桑社の教科書の問題点を対等に比較できるような論題の設定が唯一フェアーな方法であること。
 
  上記(3)については、交渉の過程で、当会からの逆提案として、例えば従来の教科書の代表として51パーセントという最大のシェアーをもっている東京書籍の教科書の関係者と、扶桑社の教科書の関係者が討論するという案をお示ししました。しかし、貴協会はこれに応じられませんでした。従って、当会としてはこの企画は消滅したものと判断しておりました。いずれにしても、当方としては、貴協会からの申し入れに対し、当会の組織として誠実に対応してまいりました。
 ところが、6月24日ごろ、貴協会は、上記の経過を無視し、当会に何ら断ることなく、当会理事17名の各個人宛に、7月6日に貴協会が開催する「教科書問題ディスカッション」への招待状をFAXで送信しました。これは、当会の誠実な対応を愚弄し、団体の間の信義を踏みにじるものであって、ジャーナリストの団体としてあるまじき非常識な行為です。当会は、これに厳重に抗議し、謝罪と釈明を求めます。
  この問題についての当会の立場を、以下の通り改めて確認いたします。

 (1)当会の参加を前提とした企画は、上記の経過に照らして、即刻中止すべきである。
 (2)貴協会が、当会の代表者の参加がないまま、「つくる会は議論から逃げた」などの悪宣伝をし、あるいは当会とは関係のない別の参加者を指名するなどして、扶桑社の教科書の問題点を論じる討論企画を強行した場合には、ジャーナリズムの名目を利用した教科書採択への悪質な介入として断固糾弾し、あわせて、当会として貴協会との対応は一切できなくなることを宣言します。
 (3)ただし、7月6日の討論会が、直接、特定の教科書に言及しない、一般的な歴史問題などへの、立場の異なる論者間の討論として企画されるなら、当会としては一切関知するところではありません。
                                     以 上
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(読者の声1)1日付け「早読み」の文末にある、>>だが「ブッシュ政権が中国のユノカル買収に際しても一切コメントも出来ず、これほどの軍拡に抗議の声も挙げないのは、ひたすらイラクで手こずったまま、北朝鮮問題での中国の努力に期待しているからである」(ロイター)。
 米国がなんだか、頼りなく見える。<<
  にハッとしました。
 クルーグマンがNYタイムズに下記の意見を述べました。
「もし私がこの件を任されるならこうするであろう。私は中国によるUnocal 買収は阻止したいと思う。もしアメリカがこれほどまでに中国に依存していないのであれば、買収阻止ははるかに容易である。しかしながら、アメリカは国債を中国に買ってもらわなくてはならないし、わが軍事力はイラクで動きが取れなくったいま、北朝鮮との交渉においても中国の助けを借りないではすまないという弱みのある状況で、中国と強気の交渉をすることは容易ではない。」
 と奇妙に一致するからです。
  小生は いずれ中国共産政権が崩壊すると見ていますが、実は最近のアメリカは だらしなく頼りにならなくなってきているように思います。この視点に焦点を絞っていろいろなニュースを見ているといやが上にも目立ってきます。
「元」の切り上げに対するアメリカの煮え切らない態度も日本政府に見られるような優柔不断な心の動きが見えます。
  中国の民主化とアメリカの弱気は連結する問題なのかどうか、断定はしにくいと思いますが、アメリカは内部問題(含むイラクの重荷)に忙しく、中国に対して本来あるべき抑止効力たり得ないのではないか・・・。それが、中国の現体制の延命を助けているように見えてなりません。
 もちろん中国とてアメリカを表裏あらゆる手を使って懐柔しており、その毒素がカメ理科の毛細血管にまで行き届いているのではないか、ということもあるかと思います。
  アメリカの自壊傾向と中国のアメリカ工作が相乗的に働いて、アメリカの抑止力を骨抜きにしているのではないか?・・・・・・・という感じがしてなりません。
       (TK生、世田谷)


(宮崎正弘のコメント)人民元の切り上げは、率直に言って米国経済に悪い影響がでそうです。それでグルーンスパンFRB議長が強硬に反対しており、スノー財務長官も同調気味です。このところの奇妙な円安、ドル高も面妖な動き、米中の連携にも拘わらず人民元はマーケット主導で上昇せざるをえないでしょうね。


  ♪
(読者の声2)7月1日の読売新聞をみて驚いた。JETRO北京センター後谷知的財産権室長の話だと、中国の「海爾」は数十台のパソコンで日米欧の特許情報を検索し、研究開発に利用しているのを公然と認めたとか。ちなみに「海爾」は中国最大の家電メーカーである。
後谷氏のこの報告を聞いた特許庁の日高特許戦略企画調整官が、特許出願情報に関する中国からのインターネットアクセスを調べたら1万7000件、これは毎日のアクセス件数なんだそうだ。これじゃまるで日本の特許(公開)が全部盗まれたのも同然である。
しかしこれに驚くのは早い。韓国に到っては何と5万5000件/日と、中国の4倍近い。韓国は儒教を信じ、東洋礼譲の国として自負し、日本を礼儀を知らない夷的(つまり野蛮人)と罵っている国家である。だが裏ではこういうアコギな真似をしている実体を知っておく必要がある。
知的情報権は国家の将来の命運を定めるもっとも重大な問題である。しかし特許庁のような担当国家機関が事態を漫然と放置したままなのである。何とかしないといけないのではないでしょうか。    
(MI生)


(宮崎正弘のコメント)米国のように特許制度に「秘密条項」を設けないといけない。すべてを公開すればこうなることは自前、しかし日本の技術をおそれて、公開制度を押しつけていったのは米国だった、という主旨で、小生が問題を提議したのが1983年です。拙著『日米先端特許戦争』(ダイヤモンド社)。それから22年、ようやく別の方向からの脅威に目覚めて、秘密条項にちかい冷害を設ける法改正に踏み切ります。目の前に脅威がきて、ようやく立ち上がる日本。防衛も憲法も、すべてはかように後手後手です。
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(お知らせ)?発売中の『正論』(8月号)に拙論「中国の工作外交に陥落寸前の日本」。
?西尾幹二編集『新・地球日本史2』(扶桑社)に拙論「孫文に裏切られて日本人」が収録。
?『エルネオス』巻頭論文に拙論「強まる米国の圧力に根負けか?じわり人民元切り上げの足音」がそれぞれ掲載されております。
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