国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/06/27

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)6月27日(月曜日)
第1166号 
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イスラエル、中国へのハイテク武器輸出を中断へ
  EUの中国武器供与再開も2007年まで延期へ
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 いまごろまた「黄禍論」?
カネを北京が保有するのなら、ハイテク武器を売ってしまえというのは欧州、露西亜そしてイスラエルに共通である。日本の脅威? 日本がどうなろうと率直に言ってEU諸国はどうでも良いことである。
台湾への脅威? それも欧州、露西亜は関心がない。

 イスラエルは十数年も前から密かに北京にハイテク武器を売り渡してきた。イスラエルは短距離ミサイル、核兵器関連技術、無人偵察機、攻撃機などに優れている。
 毎回、アメリカの情報筋が証拠を掴んだが、イスラエルは平然として中国に武器を売ってきた。

ところが、先週、無人偵察機の部品更新をめぐって、ついにアメリカは強硬に抗議したため、イスラエルは北京への輸出を取りやめた。

 このほか、AWACSの北京への供与も中止に追い込まれた。
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<<今週の書棚>>


ザンバ・バドジャルガル著『日本人のように不作法なモンゴル人(万葉舎)
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 奇妙な題名は反語である。
 駐日大使でもあるバドジャルガル氏は、もともと気象学者。まったく分野違いの文化論、歴史論に挑んだ力作だが、これほど国際性に富んで、教養の高いインテリが、失礼ながらモンゴルにいると発見できただけでも本書は収穫である。
 一般的に日本人のモンゴル認識は「モンゴル班」。日本人の祖先?チンギスハーン。遊牧民。チベット仏教。
 そして元寇からいきなり横綱朝青龍に飛ぶ。
 モンゴル人が家族愛を強烈に示すのは、家族単位のゲル(パオ)でくらし、牧草地を求めて移動するからだが、もともと原始的シャーマニズムが信仰され、そこへ仏教が入ってきた。
 バドジャルガル大使はいう。
 「かってモンゴルの地に移住していたひとびとは、原始共産制として数千年間をへた後、紀元前1000年代の末頃に階級制社会に移行し部族集団」となる。それは森の狩猟民族と河の狩猟、草原の遊牧民に大きく別れていた。1206年に統一モンゴルとなるが、「東西王朝に分断し、その一部は遠くボルガ河(こんにちのロシア領土)、青海(中国領)付近を領土と」する。
したがって「独特の言語方言、生活習慣、知的文化を持つ多くの部族となり、それらをすべてモンゴル系諸族と呼ぶ」。
 いまのモンゴル人口は240万人だが、中国に400万、ロシアに50万、そしてアフガニスタンに3万人がいる。世界中で650万人。
モンゴル人のモットーは「当人が努力すれば、運命も努力する」。(なんとなくユーモラス)。
 漢族が「蒙古」と無知蒙昧の民という意味をこめて当て字するが、由来は不明である。
 紀元前14世紀、中国の河南省あたりに「殷」という伝説の王朝があった。その後、「周」という王朝が紀元前七世紀まで続き、秦の始皇帝の統一がなる。
 「紀元前三世紀に兇奴が中央アジアで初めての国家を建設し、紀元前198年に漢との間に万里の長城を境として、領土を所有する条約を結んだ」。その後、紀元53年に兇奴帝国が分裂、「南教奴は中国の領土に残り、前趙(304−235)、北涼(397−439)などの国を建て得十世紀まで延命した。一方、北兇奴は二世紀中頃にボルガ河、ドン河の下流域を領土として、東ローマ帝国と国境を接していた。
 ヨーロッパの民は「家をもたず、みだりに移動徘徊する野蛮な未開人」とモンゴル人を見ていたが、反対にモンゴルからみたヨーロッパは「軽くて快適なフェルトのゲル(天幕)を知らず、野生動物のように土を固めた穴蔵に生活するとはなんと汚い野蛮人か」(249p)と認識していたようだ。
やがて漢が崩壊し、隋唐となり、12世紀には北方のツングース系女真族の金、13世紀にはモンゴルが全中国を支配した。
 しかし明によって元は滅び、その明は農民の反乱に手を焼いて満族の支援を求める。これを口実に満州族は「清」を建国する。
もともと漢族は外敵を「胡」と表現した。
 モンゴルからみると、この「胡」が問題である。紀元前5−4世紀に栄えた兇奴とツングースも「胡」を宛てて、とくに後者は「東胡」と呼ばれた。
 胡耀邦、胡錦濤それぞれの遠きご先祖は、このあたりではないのか。
 本書はこうしてモンゴルの歴史観から見た中国、露西亜、日本との接触歴史を俯瞰しながら、日本人とモンゴル人との文化の類似、差違を中国人と比較して多層に検証する、重厚な文化論である。
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明日です“

<<三島研究会の公開講座>>   
 
 「中国、反日と台湾独立阻止の狙い」
  宗像隆幸氏(『台湾独立運動私記 35年の夢』(文藝春秋)の著者、『台湾青年』元編集長)を招いて。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163513906/qid=1119041161/sr=1-3/ref=sr_1_10_3/249-3895267-9563539
 中国の反日デモは一応おさまったかに見えるが、靖国参拝、歴史教科書、国連安保理常任理事国入り、東シナ海ガス田開発、尖閣領有等々で、中国は悉く難癖をつけ我が国の主権を侵害する暴挙に出ている。
 「反日」に狂奔する中国はまた、台湾独立を武力で封じ込めるべく三月には「反国家分裂法」を制定して台湾を威嚇する一方で、甘言を弄して国民党の首脳を北京へ招待し「第三次国共合作」を実現しつつあります。宗像隆幸氏をお招きし、中国の日本並びに台湾に対する意図と戦略・戦術について講話を伺います。 
            記
と き    6月28日(火曜日)午後7時
場所     市ヶ谷駅前「アルカディア・市ヶ谷(私学会館)」4F 飛鳥の間
       http://www.arcadia-jp.org/
会場分担金  2000円
       どなたでも参加できます。予約も不要です。
問い合わせ  三島由紀夫研究会. TEL 03-3200-2295
       e-mail:miura@nippon-nn.net 
 HP:http://www.nippon-nn.net/mishima/
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<<日本李登輝友の会>>神奈川講演会の御案内

 なぜ台湾は、日本の生命線なのか。なぜ日本は台湾にとって重要なのか。
かつて日本と歴史を共有したこの国には、日本人と文化、価値観を共有する人々がいます。その台湾が、今や中国の侵略・併呑の危機に直面しています。しかし我々日本はこの現実に対し、どれほどの危機感を抱いているでしょうか。
             記
【日 時】 平成17年7月31日(日)午後2時〜4時30分(開場:午後1時30分)
【会 場】 神奈川県立かながわ労働プラザ(通称:Lプラザ) 3Fホール 
      横浜市中区寿町1−4 電話045-633-6110(大代表)
      交通:JR根岸線「石川町駅」北口下車徒歩3分。北口交差点から首都高速神奈川三号線をくぐり、次の信号を右折。有料駐車場有り。
【講 演】 田久保忠衛氏(杏林大学客員教授・本会副会長)
      「日本における台湾の重要性 〜安全保障上から見た日台関係〜」
      林建良氏(世界台湾同郷会副会長・本会常務理事・「台湾の声」編集長)
      「台湾から見た日台関係の重要性 〜台湾の現状と将来〜」
【参加費】 1,000円
【懇親会】 午後5時〜7時。参加費:3,000円(学生:2,000円)
     予約が必要です。FAX:03−5211−8838
 またはメール:ritouki-japan@jeans.ocn.ne.jp 
【主 催】 日本李登輝友の会 電話:03-5211-8838
【後 援】 高座日台交流の会、在日台湾同郷会、台湾研究フォーラム
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(休刊のお知らせ)小誌は6月29日付けが休刊の予定です
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