国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/06/25

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)6月25日(土曜日)
第1164号  臨時増刊号
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シェブロン・テキサコが反撃攻勢へ
 議会も中国海洋石油(CNOOC)の買収は不公平と非難
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 米中の非難合戦が展開された。

 中国海洋石油(CNOOC)が185億ドルでユノカル(米国メジャー第九位)に再び買収をしかけると宣言した直後、すでにユノカルを買収し最終調整にあるシェブロン・テキサコが反論を開始した。

 「あれは純粋な商業行為ではなく、我々が相手にしているのは中国政府。買収工作は不公平だし、間違っている」とピーター・ロバートソン副会長。
 (ちなみにCNOOCの株式はまだ70%が中国政府所有)。

 連邦議会ではすでに40人の下院議員が連名でブッシュ大統領に反対の書簡を送り、中国の商業的買収の審査を開始せよと迫った。

 議会内には「ユノカルの既存鉱区の埋蔵量を一気に増やすという表向きの理由ばかりか、同社が蓄積している掘削技術などを(中国が)容易に取得できることになり、中国の石油ガス埋蔵を増やす目的に加えて、これは米国の国家安全保障の根幹に拘わる重大事」と分析する声が強い。

 一方、ライバルのエクソン・モービル(世界最大のメジャー)は、「議会の反対は間違い。政治は介入すべきではないし米国企業は海外でも企業買収をしている」とリー・レイモンドCEO(最高経営責任者)が会見した(NYタイムズ、6月25日付け)。

 四月までの買収合戦で動きのあったイタリアのENI、フランスのトタル社などは、その後、中国の動きに無関心を装っている。
 
 米国産業界の反応はシェブロンとユノカルは企業風土も似ており、カスピ海やメキシコ湾では合弁事業で技術を協力してきており、またユニカルの従業員の多くは、テキサコの本社のあるテキサス州ヒューストンの現場で働いており、幹部は「(買収後の)ユノカルから誰もレイオフしない」と言明し、労組を味方にしている。
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(トピックス)「山東省済南市は22日、最高気温40度を記録した。児童たちの健康面を考え済南市教育部は授業時間に調整を加えるよう指導した。
ある地区の小学校は23日は学校を休校にする処置をとった。教育局は21日から夏休みが始まるまでの期間で37度以上の気温の上昇があった場合午前中の授業を短縮し、昼休みの時間を延長するか午後からを休校にするかの方法で暑さに対処するように通達を出した。ここのところの暑さで22日河北省の大部分の地区で40度を記録したが、石家庄はこれまでの最高気温40.7度を超える41.3度を記録した。これは過去の平均気温より14度も高かった」。(中国特快新聞、6月24日付け)
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(サイト情報)6月23日に米上院・下院それぞれの軍事委員会で、ラムズフェルド国防長官などがイラク情勢について証言。
(1)Hearing: U.S. Military Strategy and Operations in Iraq U.S. Senate Armed Services Committe, June 23, 2005
http://armed-services.senate.gov/e_witnesslist.cfm?id=1556
(2)証言者 Witnesses: Honorable Donald H. Rumsfeld, Secretary of Defense 
http://armed-services.senate.gov/statemnt/2005/June/Rumsfeld%2006-23-05.pdf 
(3)General Richard B. Myers, USAF Chairman, Joint Chiefs of Staff  General John P. Abizaid, Commander, U.S. Central Command  General George W. Casey, USA Commanding General, Multi-National Force - Iraq  
米議会調査局CRSやシンクタンクからのイラク・レポート。Iraq: Summary of U.S. Casualties CRS Report for Congress. Updated June 6, 2005. 1p.
http://fpc.state.gov/documents/organization/48622.pdf
(4)Post-War Iraq: Foreign Contributions to Training, Peacekeeping, and Reconstruction CRS Report for Congress. Updated June 6, 2005. 24p.
http://fpc.state.gov/documents/organization/48623.pdf
(5)The Coalition Provisional Authority (CPA): Origin, Characteristics, and  Institutional Authorities  CRS Report for Congress. Updated June 6, 2005. 45p.
http://fpc.state.gov/documents/organization/48620.pdf
(6)American Public Support for U.S. Military Operations from Mogadishu to Baghdad Eric V. Larson and Bogdan Savych RAND Corporation. May 2005. 
http://www.rand.org/publications/MG/MG231/
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<<<自治調査研究会 勉強会のお知らせ>>>

 こんどは前財務官の溝口善兵衛(国際金融情報センター理事長)を招いて、「国際通貨の動きーードル、円、人民元、ユーロ」の演題のもと、いろいろとお話を伺います。どなたでも参加出来ます。予約の必要もありません。

とき       7月27日(水曜日) 午後6時
ところ      横浜西口 三越裏徒歩三分
 「かながわ県民サポートセンター」304会議室
会費       おひとり 2000円
お問い合わせ   (045)263−0055
          自治調査研究会 主宰 苅部嘉仁

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<<公開講座のお知らせ>>
 
 「中国、反日と台湾独立阻止の狙い」
  宗像隆幸氏(『台湾独立運動私記 35年の夢』(文藝春秋)の著者、『台湾青年』元編集長)を招いて。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163513906/qid=1119041161/sr=1-3/ref=sr_1_10_3/249-3895267-9563539
 中国の反日デモは一応おさまったかに見えるが、靖国参拝、歴史教科書、国連安保理常任理事国入り、東シナ海ガス田開発、尖閣領有等々で、中国は悉く難癖をつけ我が国の主権を侵害する暴挙に出ている。
 「反日」に狂奔する中国はまた、台湾独立を武力で封じ込めるべく三月には「反国家分裂法」を制定して台湾を威嚇する一方で、甘言を弄して国民党の首脳を北京へ招待し「第三次国共合作」を実現しつつあります。宗像隆幸氏をお招きし、中国の日本並びに台湾に対する意図と戦略・戦術について講話を伺います。 
            記
と き    6月28日(火曜日)午後7時
場所     市ヶ谷駅前「アルカディア・市ヶ谷(私学会館)」4F 飛鳥の間
       http://www.arcadia-jp.org/
会場分担金  2000円
       どなたでも参加できます。予約も不要です。
問い合わせ  三島由紀夫研究会. TEL 03-3200-2295
       e-mail:miura@nippon-nn.net 
 HP:http://www.nippon-nn.net/mishima/
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(読者の声1)この1年ほどの中国の動向を見ていると、政治面における一連のファシズムの動きとは別に、経済面では出所不明の膨大な資金力が彼の国の政策を形作っている感じがしてなりません。今日の「早読み」で先生が指摘されたように、種々のM&Aによる手法はその限りでは手当たり次第の無謀作戦に見えるが、問題はその陰に隠れて一本の筋道が引かれているのではないかという危惧です。
 第二次大戦後、アメリカに本拠を置いてきた国際金融資本が近い将来の世界多極化を見込んで(或いは画策して)、アメリカから活動の場(資金運用)を移し始めたのではないかと思えるのです。非民主国である中国は、国際金融資本から見れば実に好都合な仮の宿かもしれません。特にエネルギーと水の問題では彼らの絶好の稼ぎどころになるのではないでしょうか。国益や人類益でなく、単に利益を求める動きは、国そのものを食いつぶしても何も気に留めない集団であるように見えます。しかし金の力だけがすべてではないはずと、一寸虫が大量発生するのを期待しているこのごろです。
       (HS生、豊橋)


(宮崎正弘のコメント)鋭いご指摘ですが、公式統計で1290億ドルの“投機資金”が中国へ流入しており、これが不動産投機、人民元預金などに廻っています。人民元が切り上げになると一斉に引き上げ、中国経済はクラッシュする懼れが日々高まっています。これを恐れるアメリカは、北京とある意味ではつるんでいます。
 ジョン・スノー財務長官は「半年以内」と期限付きの改革をせまり、先週、グリーンスパンFRB議長がこれに同調、いよいよ人民元、なにかが変わります。円は同時にかなりの円高にぶれる可能性が強く、アジア通貨も一斉に連動するでしょう。時期? 胡錦濤の訪米直前あたりではないでしょうか?


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(読者の声2)6月24日のミッキー安川氏とのラジオで、石原愼太郎への小林秀雄のアドヴァィスの話を聽き「殉教か、浪花節か」といふ設問を考へました。人がトコトン戰ふ時「最後のささへ」は何か?といふ事です。
 サマワの佐藤部隊長は「義理・人情・浪花節」と言ひましたが、小林秀雄のアドヴァイスに通じる所があるとも思ひます。強い軍隊(特に歩兵の場合)、最後はこれ(義理・人情・浪花節)と言ふか、これなしで強い軍隊が存在したのか?と考へます。如何御考へですか。
それから「濱渦」(前東京都副知事)といふ姓は珍しい部類だと思ひますが、高知に特徴的な姓かと存じます。第40師團(鯨)の第236聯隊(高知編成)の戰歴を綴つた『長沙作戰』『華中作戰』『桂林作戰』(佐々木春隆)に濱渦といふ將校が出て來ます。
 それから、先生が聽取者からのオタクっぽいFAXに「この質問の意圖は何でせうね?」と不審がられてをりましたが、色々あると存じます。まあ、思ひ過しかも知れませんが… 制作側の操作(maniputation)がないか?と思つたりします。ミッキーがああいふ人だから「んなこたーねぇ」か?といふと、さうともいへない。制作側が、聽取者からの電話FAXを朝日新聞の投書蘭みたいに利用してゐるのでは?と(私は)疑り深く考へてをります。同日深夜の平澤代議士の放送も聽いたので、特にその感を強くしました。
  (showa78)


(宮崎正弘のコメント)小林秀雄さんが石原慎太郎氏に「政治家というのは周りに、その政治家のために死ぬことができる人が何人いるかで価値が決まる」と言った。石原氏自身、そのことを著作にも書いています。三十年以上前のおはなし。
 浜渦氏は、そういう意味で突撃隊長、都知事としては手放したくなかったでしょう。
 以下は番組では言いませんでしたが、三島由紀夫氏は、その石原さんを「士道にもとる」と難詰し、毎日新聞に遺書のごとき公開諌言状を書き残しました。昭和45年、自決数ヶ月前のことでした。
 さて当該のラジオ番組には多くのFAX、電話による投書、質問、疑念などが寄せられますが、選ぶのは小生ではなく、ときおり頓珍漢なものが紛れ込みます。あきらかに全体の流れに棹をさす意図を含んだものがありますね。しかしバランスをとるのが商業番組の基本ですから、これは宿命的なものとしてスタッフが選んでいるのでしょう。左翼が間隙を政治的に利用するのもよくわかります。そういう時は精一杯の皮肉を言うことにしております。
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『中国のいま、三年後、五年後、十年後(改訂版)』(並木書房、1575円)
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『ネオコンの標的』(二見書房、1600円)
『本当は中国で何が起きているのか』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円) 
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