国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/06/13

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)6月13日(月曜日)
第1152号    
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 所謂”テロリスト”が過激化する新彊ウイグル自治区に大きな動き
 彼らから見れば中国の石油ガス開発は「漢族によるウイグルの財産の盗掘」である
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 中国は東シナ海だけで他の国の資源を盗掘しているのではない。
 新彊ウイグル自治区が、中国の地政学にとって別な意味で重要地点となった。

 第一に石油・ガスという戦略的資源の供給源という位置づけが、開発に熱中させるあまり、ほかの側面を軽視する。
 タリム盆地に埋蔵が確認された石油は十億噸。ガスは590億立方メートル。
 2010年までには年間5000万噸の石油供給が可能とされているが、この量は現在中国最大の大慶石油(黒龍江省)の生産量に等しい。
 さらに新彊から3000キロのパイプラインを東へ向けて敷設しており、中国沿岸部の工業的需要を補う。

 第二の問題は、この石油ガスはウイグル民族からみれば漢族の盗掘という認識になることである。
 
 「パイプラインの爆破テロがこれから頻発することになるだろう」とマーチン・アンドリューが物騒な予測を展開する(ジェイムズタウン財団発行『チャイナ・ブリーフ』、6月7日号)。

 旧ソ連だった中央アジアのイスラム圏は、三月にキルギスが「民主化」した。
 次いでウズベキスタンに民主化の動きがうまれ、カリモフ大統領は軍隊を導入して無差別に発砲、数百名の犠牲をもろともせずに鎮圧、この暴挙を熱狂的に支持したのは中国とロシア。ウクライナ、カザフなどが消極支持。
  西側の調査団の現地入りをかたくなに拒んだカリモフは、直後に北京へ”打ち合わせ”に飛んでいる。

 ほかのイスラム圏は旧東トルキスタンという、歴としたイスラム国家(新彊ウイグル自治区のこと)の復活を精神的に連帯し、軍事的にも支援する。
 つまり中国から新彊ウイグル自治区が東トルキスタンとして分離独立するのである。アルカィーダの次の目標は反イスラムの中国である。

 中国とロシアはウズベキスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、カザフスタンを巻き込んで「上海シックス」を組織し、イスラム原理主義を「テロリスト」と規定して弾圧を強化している。独立運動の封鎖である。

 他方で中国は当該地区へ漢族の移住を強く奨励しており(たとえば砂漠のど真ん中、コルラはいまや30万都市)、この現象はますますウイグル人の神経を逆撫でしている。
 彼らへのテロ攻撃が本格化するだろう。
標的は石油ガス関連の精錬所、貯蔵タンク、鉄道など防御に弱い目標が無数に存在しているため比較的容易、しかもイスラム諸国は独立分子に武器を供給するルートを確立しつつあり、ウイグルの人民戦争はいずれ中国にとって悪夢と化すだろう、米国シンクタンクのジェイムズタウン財団はみている。

 中国の人民解放軍から見れば、これまでの新彊ウイグル自治区は核実験場であり、軍事訓練の格好の広場でもあった。

 しかも最近は”情報戦争”の試験場としても利用されている。
 理由は空のスペースが空いているからで、沿岸部では情報戦争の試験が出来ない。それほど都会部では携帯電話、通信、インターネットで込み合い、ジャミング(電磁波妨害)が自然におきる懼れが高いからである。
 
 最近、タクラマカン砂漠では”C4I LAN”と暗号名で呼ばれる軍事訓練が厳重な警戒のもとに行われ(前掲アンドリュウ情報)、各部隊がそれぞれ1000キロ離れて通信戦争を想定した軍事模擬演習があった。しかもこの作戦には人民解放軍の最高幹部が視察した。

 三月十四日に北京の全人代で可決・成立した「反国家分法」、実はウイグルとチベットの「独立運動」にも適用されている。
台湾の「脅威」を減少させるために、ニコニコ顔して連戦(国民党主席)と宋楚諭(野党党首)のふたりを北京へ招待し、逆に台湾からの攻撃がないとと確信した彼らは、じつは一転してウイグル独立運動の弾圧を強化したのだ。
昔から“かれら”がニコニコするときは背後では極めて”まずい”事態が起きている時である。

 さらに04年8月6日にはパキスタンのテロ対策部隊と合同で「反テロ訓練」を200人の特殊部隊が実施。同年10月20日には、はハイジャックを想定しての訓練を600の特殊部隊が参加したうえ空港関係職員、通信関係者、乗員、パイロット、外交部などが同時に参加した。

 この訓練は新彊ウイグル自治区の省都ウルムチで実施された。
 直後に実際のハイジャック事件が起きたが、犯人はすぐに射殺されている。
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(お知らせ)明日6月14日夜の“櫻チャンネル”「NEWS」番組に宮崎が出演します。
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(読者の声1)日韓歴史共同研究ほど馬鹿馬鹿しいものはないと思います。そもそもあの国には真の実証的歴史学というものがないのではないでしょうか。ましてや共産党の党公認史観しか存在しない中国との歴史共同研究なんかありえないでしょう。歴史学はその国の歴史、文化、国民性が反映されるもの。
戦後、皇国史観などと非難されてきた故平泉澄先生の著書もいま再読すると実に多くの史実、史料を緻密に考証されて書かれた実証的態度によるものであることに敬意を表せざるを得ません。
万世一系の皇室を戴いてきた日本の歴史認識と、中華秩序の中でしか物を考えられない国の歴史認識がおよそ一致する訳がありません。
もし平泉澄先生が今の歴史認識騒動を見られたら何と言われるでしょうか。また一方で平泉学派に連なる学者の中で女性天皇容認論を展開されておられる方がいるのにはやや驚き、残念です。
       (摂津国尼崎住人)


(宮崎正弘のコメント)中国と韓国と日本とのあいだに歴史認識が一致するはずはありませんし、あり得ないし、かといって、「なにも一致すると思ってやっているわけではない。どこが違うのかを発見することに意義がある。中国とも?まぁやってみるんですねぇ」(宮沢元総理の発言、6月12日、フジテレビ)。なんて曖昧な適当な態度をつづけるのも問題が多いと思います。


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(読者の声2)“胡の傭兵”(河野洋平)の見事な切り返しには思わず唸りました。橋本龍太郎、河野洋平、野中広務、加藤紘一、野田毅、土井たかこ、村山富市、・・・。
名前を挙げていると限がないのですが、長期滞在型招待所を江沢民らに上海辺りに造ってもらい、一日も早く上掲の“売国奴”らをシナに渡らせたらいいのです。貴台がコメントされた通り、戦前日本の憂士はたくさんのシナからの政治食客を面倒見たのですから、今度は反対に日本にいても仕方ないこれら穀潰しの世話をシナに焼いて貰いたいものです。
原資は3兆3千億円のODAでやつらが撥ねたうわまえです。これら穀潰しも同様に掠めたことは言わずもがな。酒池肉林をしても物価が安いから使え切れないでしょう。腐臭を放つ者たち同士で、「東アジアのへいわ」や「日本の戦争せきにん」、「日本のぐんじ大国化」「日本国首相のやすくに参拝」「せんかく諸島の領有権」「日本のこくれん常任国入り」「日本のれきし教科書」「東シナ海のしげん」などについて小姐(わかいおんな)でも侍らせ、しゃべくりあって冥土に旅立ってもらいましょう。
さて、今春退官した法務官僚氏から先日次のような話を聴きました。同氏は長年入管業務に携わっており、その中で「北朝鮮帰還者」問題を在職中から重視しており、余生をこの問題解決に捧げるというほど熱意を持っています。感心したのは、この北朝鮮が行なった‘59年から’84年にかけての在日朝鮮人の帰還事業を「北朝鮮による壮大な『拉致』である」と喝破・非難していたことです。
実に9万3千人の人間が騙されて日本から北朝鮮に連れ去られました。この中には6千8百人の日本人(妻)が含まれています。最近、中国その他の国への脱北者の中にこの帰還者がおり、彼らは一般脱北者と異なり日本への入国を認められています。同氏はこうも述べていました。「本国政府が海外にいる自国民にこれほど非道なことをした例がかつてあっただろうか」。 
北で、51の身分階層の上から48番目に位置付けられたのが「帰還者」です。騙されて北に渡った人々は、差別・迫害・貧困を余儀なくされました。出国は認められず、処刑・収容所送り、失踪した者は一万人を超えています。肉親親戚知人を人質として北に盗られた在日朝鮮人は、今尚北に金品を巻き上げられ続けています。しかし同氏は帰還事業の誘因は、日本での差別が根底にあったとしており、これには同意できません。これに日本サイドで協力・荷担したのは、朝鮮総連です。同じ民族同士で壮大な騙し合いと拉致同然の非道を行なうというのが朝鮮民族です。中にはいい人もいるなどというナイーブな論など通用しない餓鬼道の仕業です。
これを国家レベルで行なったのですから、今さらながら開いた口が塞がりません。同じ民族を万単位で拉致した奴らですから、日本人を数百人拉致しても罪の意識無く、無反省なのは当然でしょうか。コミュニズムに染まった世界では、共産政権樹立や確立・発展のために裏切り・背信・密告・謀殺・粛清・処刑なんでもありとなります。今尚「南の赤化」を目論んでいる北の深謀に気づいていない南は、その浅慮ゆえに無残な目に遭うことでしょう。決して日本民族はその巻き添えになってはなりません。
愚かな隣人とは政治的には絶対関わらないことを旨として距離を措くのが最善の途です。経済的に利を追って関わる企業や人々は自らの責任において近未来の破綻を覚悟すべきです。
         (HN生、丸の内)


(宮崎正弘のコメント)もし、中国が仮想敵国に法的解釈が変われば、かれらは間違いなく利敵行為をおこなった売国奴になります。いまのところ、中国と日本は法律的に「友好国」。したがって「スパイ」は居ないことになっています。
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 三島由紀夫原作
「燈台」公演のお知らせ

 三島戯曲を十年てがけてきた向陽舎が次回は「燈台」を!
 出演 久保亜津子、加藤四郎ほか。
 日時  7月2日―5日
 場所  タイニィ・アリス(新宿 電話3354−7307)
 詳しくはhttp://koyosha77.hp.infoseek.co.jp
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 公開シンポジウムのお知らせ

『他社依存』から『日本第一』へ
speaker 遠藤浩一、福井義高、荒木和博
 とき      7月8日(金曜)午後6時半
 ところ     青山学院大学 総研ビル11楷19会議室
         (青山キャンパス正門を入ってすぐ右)
 主催      60年体制研究会、後援 戦略情報研究所
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(お知らせ)明日付け小誌は休刊の予定です。
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<<宮崎正弘の最新刊>>  
『中国よ、“反日”ありがとう』(清流出版刊、1400円+税)
  (理性を失った反日暴動。あの一連の反日騒ぎの恩恵(?)を受けて日本は憲法改正を政治日程にのせることが出来た。日米共同戦略目標と新防衛大綱は明確に中国を軍事的脅威と認定し、さらに国内世論はアンチ中国一辺倒となった! これで日本はよう やく普通の国」になれそう?!)
http://www.seiryupub.co.jp/

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宮崎正弘著  再版出来!
『瀕死の中国』(阪急コミュニケーションズ刊、1600円+税)
http://www.hankyu-com.co.jp/books/_ISBNfolder/ISBN_05200/05208_hinshi/hinshi.html#pagetop(ネット注文はここに↑)
  
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<宮崎正弘のロングセラーズ>
『中国のいま、三年後、五年後、十年後(改訂版)』(並木書房、1575円)
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『ネオコンの標的』(二見書房、1600円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『本当は中国で何が起きているのか』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円) 
『風紀紊乱たる中国』(清流出版、1500円)
『胡錦濤・中国の新覇権戦略』(KKベストセラーズ、1480円)
 (ほか宮崎の全著作目録は下記のサイトに。↓)
http://www.nippon-nn.net/miyazaki/tyosyo/index.html
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◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
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