国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/06/08

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)6月9日(木曜日)
第1149号   
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やはり毛沢東はソ連と無慈悲で無謀な取り引きをしていた
 武器と食糧を交換、七千万の国民が死んでも毛沢東は一片の興味も持たなかった
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 毛沢東は日本の中国侵略を歓迎した。
「これで中国は二つに分かれ、共産主義が割拠できる」と嘯いた。

 西安事件で蒋介石の命と取り引きしたのはスターリンの命令だったが、核兵器は「大躍進」で人民が餓死しても中国は食糧をソ連に引き替えに送った。
 また朝鮮戦争への参戦は、毛沢東の息子が人質だった。国民党が日本軍と闘って共産党と妥協したのは蒋介石が息子の蒋経国を四年間もモスクワに人質化していたからだ。

 こういう衝撃の記述がえんえんと続く。超弩級の衝撃作品がついに中国人作家によって書かれた。
 朝日新聞も親中派政治家も外務省のチャイナスクールもこれで息の根を止められるだろう。

 『ワイルド・スワン』から10年、あのジュアン・チャンの新作は『知られざる毛沢東物語』(米国ではクノープ社から10月、邦訳未定)が発売され、世界の歴史界に衝撃を与えているのだ。

チャンは「史上最悪の殺人鬼」として毛沢東を位置ずけた。チャン自身紅衛兵を体験し、父親は拷問のあげく労働改造所で獄死した。
その怨念だけではない。記述は淡々として歴史的事実を叙したにすぎない。
 
それも公開されたソ連の資料をあらたに随所に駆使して描いたところに特色があり、面白いのは「日本軍の侵略のおかげで共産党が天下をとれた」というなまなましい毛沢東の発言が世界の読者にむかって紹介されている。

 じつは日本の諜報機関と毛沢東は手を組んで蒋介石を弱体化させていた証拠が山とモスクワの図書館から出てきたのである。

 日本にとっては常識であったがソ連の命令で抑留されていた日本兵が中国に投入され、中国共産党に空軍が誕生した事実もちゃんと紹介された。
 所謂「南京大虐殺」なるものについて毛沢東は当時もそのあとも一片の興味も示さなかったとこの本には真実が並んでいる。

 『ワイルド・スワン』は世界三十カ国語に翻訳され世界で1000万部、その印税をもとにチャンは夫君のイギリス人歴史家と世界を歩き、中国国内でも毛沢東を直接しる枢要な人々とインタビューした。
 
 しかも印税のおかげで作者夫妻は執筆に十年をかけた。
 「毛沢東は素晴らしい業績が何一つない。かれは完全なモラル欠陥人間である」と結論する彼女に米週刊誌『タイム』(6月13日号)が意地悪く食い下がった。
 「それじゃなぜ多くの現代中国の若者が毛沢東を尊敬しているのか?」
「あれは洗脳よ」
 一言でチャンは片づけている。

 結果的にこの書籍は日本にプラスすること夥しい。翻訳は秋頃から来年だろうが、夥しい歴史の真実がいま明らかになった。
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(お知らせ)小誌、6月10日号は休刊の予定です●
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(読者の声1)最近ますます脂の乗った仕事ぶりで、本当に頭が下がります。一日に数回にわたってメルマガを発行する胆力と良心に舌を巻いています。
 さて、最近思うのですが各種メディアでの中国人学者たちの情報工作が矢鱈と目につきます。読者(視聴者)の搦め手から忍び入る類の論法が多く、表向き「親日」ないし「日本人民には罪無し(政府だけ悪い)」式の論法が多く、彼らを多用するメディアの無節操を含めてホトホト愛想がつきる毎日です。
 で、そんな思いを胸に少しは世の役に立とうと、最近ちょっと思い立ってアマゾンに書評を載せたところ、今のところ「7人中7人が参考になった」と評価してくれているので、こちらにも投稿したいと思います。先生のメルマガの読者にも参考になればと思いますし、同様の書評を他の著書について行う人が後に続いてくれれば、皆に裨益すること少なからぬものがあると思うゆえです。子引き孫引きの類(この種の言葉も死語になりつつありますね。そう嘆く私は42歳です)を仕出かす非礼をお許しください。
 
(書評)「情報工作の一つの事例と見れば4つ星かも」
「ほんとうは日本に憧れる中国人---- 『反日感情』の深層分析」(法政大学教授 王敏著)
 
中国人が日本人相手に情報工作する際の典型的なパターンを示していて、その意味ではハリウッド映画みたいに明確な方程式が透けて見える「好著」であろう。前段で中国人が日本文化に憬れていることを示す。ここで、読者は自尊心と密かな愛国心をくすぐられ、著者の意見を信じ丸呑みしたい誘惑にかられる。
後段で、中国の「謝罪」の風習なるものが語られる。いつまでもどこまでも謝り続けるのが中国人、という意見である。ここがミソ。ギネスブックものの鉄面皮の大嘘である。ビジネス本などを読んで御覧なさい。中国でビジネス展開する工場長やら商社マンやらが異口同音に嘆くのは、「謝らない中国人」である。明々白々なミスであっても、絶対に彼らは認めず、むしろ相手に非ありと言い募る。「さっさと謝ればそれだけの話なんですけどねぇ」というのが現場の嘆き。これは日本人だけでなく、オーストラリア人の本などでも指摘されている、公認の事実である。ビジネスという実務に即した彼らの意見の方が、はるかに客観性があり信頼にたる。私も仕事で中国に時折行くが、彼らのこの性癖だけには辟易する。
つまり、この本は、親日っぽさを表に出して、「日本人は未来永劫謝罪し続けろ」という刷り込みを行おうという、情報工作のための「トロイの木馬」的構造をもった本であって、その意味において、情報の真贋を見破る訓練をするための好個のテキストないし入門編としてみれば一定の価値があるかもしれない。それ以外では、まさにクズのような本である。 
    (熊本 かろかろ)


(宮崎正弘のコメント)おっしゃる通り、当該書籍を小生も本屋で手にとって、三分だけ立ち読みして元に戻しました。「嘘つけ」と呟きながら。


   ♪
(読者の声2)貴メルマガの愛読者です。官製の反日デモあり、靖国神社参拝反対の内政干渉あり、はたまたトップ会談のドタキャン、石油盗掘、日本の常任理事国反対・・・。
よくもまあ、これだけ盛りだくさんに反日活動をしながら(あたかも日本が望んでいるかのように)日中友好を阻害しているなどと言い張る中国。はたして、日本および諸外国は対中投資についてどれだけ慎重に取り組んでいるのか調べました。
 中国が世界の工場・巨大市場などとノーテンキに構えている日本経済界の気が知れない。バブルのときに「右肩あがりの土地神話」を信じて疑わなかった人達ですからさもありなんとは思いますが。
 日本がどれだけ対中投資に対してノーテンキか見てみましょう。投資するには、まず契約して、それから実施します。各国が、契約はしたものの実施を見送るという慎重な姿勢をみせているのに日本は殆どそのまま実施しています。
http://briefcase.yahoo.co.jp/bc/ukou81/vwp?.dir=/open&.dnm=China+Invesrmeny+Done+per+Contract_20187_image001.gif&.src=bc&.hires=t
 これは1998年から当該年までの投資実施累計を契約累計で割ったもの。
投資が全般に右肩上がりですからグラフが右肩下がりになるのは当然ですが、いつも実施率が高い(反省が無い)のは日本で、低いのはバージン諸島(脱税の為の経由地。大半はアメリカでしょう)、アメリカ、台湾、韓国です。日本のノーテンキさ加減が現れていますね。アメリカはいざ鎌倉となったら軍隊を派遣してでも権益を守る力があるのに投資に慎重であり、日本はな〜んにも出来ないくせに無防備に投資している。アホですね。
IBMは投資ではなくてパソコン事業部をレノボに売り払ってしまいました。賢いな〜。
もっともIBMはこの件で敵国に重要ノウハウ提供の疑いで訴訟されていますがね。
アメリカの経済界が投資に慎重なのは自国の対中戦略を知っているからです。早い話がアメリカが一見対中融和的に見えるのは本質ではなくて、様子見だということを知っていてターニングポイントを見据えている。
http://www.kokuminrengo.net/2001/rando-usbase.htm
http://www.geocities.com/kubozemi10/mitasai/yatsu.html
   (うーさん)


(宮崎正弘のコメント)些細なことですがアメリカ領バージン諸島とイギリス領バージン諸島があり、後者は大英連邦のメンバー、植民地時代の香港に特典を与え、この地に登録した中国系ペーパーカンパニーは二万社を越えています。IBMのパソコン部門の中国レノボへの売却は、米国の当局から正式の許可が出ました。
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<<宮崎正弘の最新刊>>  
『中国よ、“反日”ありがとう』(清流出版刊、1400円+税)

(理性を失った反日暴動。あの一連の反日騒ぎの恩恵(?)を受けて日本は憲法改正を政治日程にのせることが出来た。日米共同戦略目標と新防衛大綱は明確に中国を軍事的脅威と認定し、さらに国内世論はアンチ中国一辺倒となった! これで日本はよう やく普通の国」になれそう?!)
http://www.seiryupub.co.jp/
       ♪ ♪

宮崎正弘著  再版は11日出来!
『瀕死の中国』(阪急コミュニケーションズ刊、1600円+税)

 まもなく重版が書店に並びます。品切れでご迷惑をお掛けしました。
http://www.hankyu-com.co.jp/books/_ISBNfolder/ISBN_05200/05208_hinshi/hinshi.html#pagetop
(ネット注文はここに↑)
     ♪ 

<宮崎正弘のロングセラーズ>
『中国のいま、三年後、五年後、十年後(改訂版)』(並木書房、1575円)
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『ネオコンの標的』(二見書房、1600円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『本当は中国で何が起きているのか』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円) 
『風紀紊乱たる中国』(清流出版、1500円)
『胡錦濤・中国の新覇権戦略』(KKベストセラーズ、1480円)
 (ほか宮崎の全著作目録は下記のサイトに。↓)
http://www.nippon-nn.net/miyazaki/tyosyo/index.html
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