国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/06/05

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)6月6日(月曜日)貳
通巻第1145号 臨時増刊
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<<今週の書棚>>

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三浦朱門編著『全“歴史教科書”を徹底検証する』(小学館)
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 「新しい教科書をつくる会」が中心となって編まれた新編『日本史』(扶桑社版)には、どのような具体的記述があり、ほかの左翼教科書とどう違うのか、じつに詳細にわたり、克明に比較検討されている。
 いささかのこだわりも偏見も持たず、客観的に各教科書を比較検証した本書は、やはり扶桑社版の教科書の「存在意義」を認める。
従来の「似たり寄ったりの階級史観的教科書に、このところ多少の雪解け現象が見られる。戦後、ことに日本の左翼が退潮の兆しをみせた1970年ころから、歴史の教科書にかえって左翼偏向の傾向が見えた」。
 偏向イデオロギーを子供に押しつけようとする左翼の陰謀が教科書に浸透しているからだが、この“知の閉塞状況”を鋭く突き破ったのが扶桑社版だった。
 その運動の主体となった「つくる会」の皆さんの努力は歴史的作業として今後も大いに評価されなければならない。
本書は、たとえば古代史と大和朝廷、中華秩序と聖徳太子、農村と一揆、琉球とアイヌなどに焦点をあて、静かに冷静に比較研究の扉をあける。
 比較対照は扶桑社版のほかに日本文教出版、日本書籍新社、清水書院、大阪書籍、教育出版、帝国書院、東京書籍。
 問題となっている「南京大虐殺」については八社すべての教科書の中核的な記述部分を正確に引用し、どの教科書の中身が刺激的か、どれが媚中的か、どれが左翼史観かを読者の目が判断できるようにも編集が行き届いている。
 この詳細は逐一引用しない。是非、本書にあたられたい。
 さて評者(宮崎)が驚いたのは巻末資料である。
この労作とも言える資料には全教科書に網羅された人物の一覧表とともに◎○▲などのマークで、どの教科書がどの人物を深く、或るいは浅く記述し、あるいはどの教科書が無視しているか、どの教科書が誰について特筆しているかを比較一瞥できる。
 おどろいたというのは扶桑社版のみが扱った人物の名前である。
要するに以下の歴史を動かした人物たちは扶桑社版だけが記述し、ほかの七社の教科書は一行も書いていない人物である。
 五十音順に、その主要人物を列挙すると。。。
 会沢正志斉、阿部正弘、大石内蔵助、大伴家持、加藤清正、川端康成、金玉均、グルー、幣原喜重郎、神武天皇、菅原道真、鈴木貫太郎、ゾルゲ、チャンドラ・ボーズ、張学良、東郷平八郎、ニクソン、二宮尊徳、パール、八田與一、三島由紀夫、護良親王、山田長政、頼山陽、レーガン。。。。
 驚くなかれ、ここに列挙した人物を扱わないで歴史を語ることができると、扶桑社いがいの教科書が考えているという驚愕三嘆の現実、おそるべき左翼支配が教育界と文科省とを覆っている。これでは中国と韓国に日本の歴史解釈が占領され、支配され、統御され、指令をされていることと同義語ではないのか。
 これらの人物を教えないで、生きた歴史教育はありえず、ほかの七社の教科書でそだった子供達は、日本に愛着をもつ筈がないではないか。


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安東幹『誰も書かなかった中国の人権抑圧』(日新報道)
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共同通信は6月4日付けで下記の配信をした。
「米国務省発表の世界各国の売春や強制労働を目的とした人身売買に関する年次報告で、北朝鮮から脱出した住民を中国が強制送還していると批判。その他の問題でも十分な改善努力が見られないとして、4段階評価で下から2番目の「監視対象国」にした。 
 北朝鮮に対しても、強制送還された住民を刑務所内の労働キャンプに送っていると非難。北朝鮮への評価を昨年と同様、最低ランクの「改善努力なし」に据え置いた。 
 報告書は、中国についてミャンマー、北朝鮮、ロシア、ベトナム、モンゴルからの人身売買先となり、強制労働、売春、強制結婚が行われていると指摘。また、中国人女性が売春目的でアジアを経由して中東、アフリカ、欧州、北米に送られている例などを明記した」。
 かくして世界的非難が中国に集中している。
まさにこうしたタイミングを選ぶかのように、中国の人権弾圧に特化したのが本書だ。
余すところなく労働改造所、精神病院の実態を暴き出し、また平然と行われている拷問、処刑、臓器売買についても多くのページを割いている。
 まず臓器売買について、評者(宮崎)は80年代前半にすでに何回か週刊誌にそのルポを書いた。公開銃殺の際には救急車が横で待機しており、処刑は心臓をはずすなどして実行されるやいなや、救急車が病院へ運び込み、「注文」のある臓器をそそくさと取り出すのだ。
 安東氏は次の事件を告発する。
或る法輪功のメンバーが「資料を配付して逮捕された。逮捕されて五日後に、かれは拷問により死亡した。家族の了解をえることなしに、当局はかれの喉頭から性器まで完全にすべての部分を摘出した。そしれかれを急いで火葬にした」
 当時、日本では、なかなか信じてもらえなかったが、中国人の人肉を食する伝統的な習慣、つまりカニバリズムについて、この本でも考察が行われている。
 昨年のいつの号であったかは忘れてしまったが『新潮45』にも拙論を書いた。
それは広東省での「嬰児のスープ」を食べる秘密クラブの存在。香港の『開放』が写真入りですっぱ抜いて記事にしたので、その写真をキャプション入りで評者も紹介した。60歳代の会社経営者らが常連で、「これを食べると毎晩ナニが出きる。精力絶倫じゃ」とコメントしていた。日本人ならこの発言を聞いただけでも肌に粟を生じるだろう。
その後、香港の『開放』誌は当局により、「公序良俗に反する写真を掲載した」として罰金刑が課せられた。
逆に言えば、当局が嬰児スープ秘密会の存在を認めたのである。
さて三国志のはなし。
劉備玄徳が逃避行の最中、山奥の漁師の家にまよいこむと一夜歓待してくれた。ご馳走が出た。翌朝、玄徳は、漁師の女房の死体が台所に転がっているのを見て、昨夜のご馳走はこれか、と(日本人ならげろを吐くところを)深く感傷に浸るのである。
三国志のこの場面、日本人には奇異と映った。吉川英治もよほど躊躇し、この場面を割愛しようかと迷ったほどだった。
ともかく様々な暗部、日本のマスコミがつたえない中国の本当の素顔が本書から読みとれる。
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(読者の声1)靖国神社参拝を取りやめたのも中曽根でした。何故あのような風見鶏(昔はそういう風に批判されていました)が、いつまでも偉そうにしゃしゃり出るのか、我が国の不思議の一つです。どうせ余命も長くないのだから、中狂に言いたい放題言って大東亜戦争で死ねなかった私だが、立派に死んで靖国神社の英霊になりたい、A級戦犯と共に祖国を守りたい、くらいのことを言ってほしいものです。大勲位なんか取り上げたらよいのです。
    (TY生、会津若松市)


(宮崎正弘のコメント)いまとなってはロンヤス時代も風化したってところでしょうか。
「晩節を汚す」ほどの怨念が議員を辞めされられたときに、中曽根さんが小泉首相に抱いたとすれば、中曽根さんも、その程度の政治家だった。
 ところではなしは急に飛びますが、九月3日に若者を1200名ほど招いて「日露戦争勝利百年、若者の集い」という企画を進めています。詳しくは拙メルマガに7月ごろ掲載します。この国には新しい指導者が必要です。


   ♪
(読者の声2)靖国参拝についての朝日新聞の世論調査に違和感を感じ調べてみました。
三社の世論調査です。(数字は今回、前回、今回−前回)
共同通信社 
今年は見送るべきだ 57.7%  40.8%  16.9%
今年も参拝すべきだ 34.3%  51.0%  -16.7%
毎日 昨年 
やめるべきだ 45.0%  41.0%  4.0%
続けるべきだ 42.0%  46.0%  -4.0%
朝日 
やめた方がよい 49.0%  39.0%  10.0%
続けた方がよい 39.0%  38.0%  1.0%
三社を比較すると朝日だけ変な感じがします。
なぜかと言うと「続けた方がよい」の今回前回の差が殆どありません。これは「続けた方がよい」とする層が「ガチガチの続けた方がよい層」に偏っていると考えられます。信頼性に欠けます。下手な世論操作をするもんじゃありませんよ。これと真反対なのが共同通信社です。ふにゃふにゃ層が多いようです。
朝日は上記のような理由であまり信用できないので共同通信社と毎日を信頼して、靖国参拝については昨年と今年では賛否が拮抗しており、賛成寄りから反対寄りに若干シフトしただけだと評価します。
 では、なぜシフトしたのでしょうか? 中国の身勝手な反日デモですね。これによって世論が多少ブレたとしても、それだからと言って一国の首相の姿勢が変わって良いものでしょうか? 
Noですね。これは、小泉さんにではなくて小泉さんの姿勢を変えようとしている政治家の皆さんに言いたいことです。なぜなら一国の外交姿勢は我々国民のものであり、与野党・意見の相違を超えて政府を支えるべきだと思うからです。一方、小泉さんは世論のブレを矯正するべく世論に訴えるべきだと思います。まあ、私は小泉さんより安倍さんに期待しますがね。
     (X生)


(宮崎正弘のコメント)世論調査は、どうしても設問次第で操作されている一面があり、信頼するに値しないのですが、一応の民意を知ることが出来ます。ようするにマスコミの論調次第で立場が変わる人、いやマスコミの誘導通りの回答しか持ち合わせない人達がいかに多いかの見本が朝日、共同にでてくる「民意」でしょう。


   ♪
(読者の声3)宮崎先生の講演が年70回開かれているとのこと(貴誌昨日付け)ですが、年間スケジュール、受講申し込み方法など教えていただければ幸いです。
      (WO生)


(宮崎正弘のコメント)小生の講演は大概がメンバー限定の時局講演会、企業の研修会、経営者セミナーなど。これで年間60回くらいでしょうか。しかし、たとえば「正論を聞く会」など一般公開の講演会が一年に何回かはあります。そういうケースでは本欄に案内告知をしております。
 ちなみに年内の一般公開の講演予定は、このあと8月20日熱田神宮(名古屋いがいの人はとおいですね。ともかく名古屋、東海地区の皆さんには8月に告知します)。
11月頃拓殖大学ほかの予定。年末恒例のミッキー安川さんのチャリティ・ショー(横浜)にもゲストで出ております。
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   〜 公開講座のお知らせ 〜

 「中国、反日と台湾独立阻止の狙い」
  講師:宗像 隆幸氏(ジャーナリスト)

要旨:猖獗を極めた中国の反日デモは一応終息したようですが、しかし靖国参拝、歴史教科書、国連安保理常任理事国入り、東シナ海ガス田開発、尖閣領有等々で、中国は悉く難癖をつけ我が国の主権を侵害する暴挙に出ています。
 「反日」に狂奔する中国はまた、台湾独立を武力で封じ込めるべく反国家分裂法を制定して威嚇する一方で、甘言を弄して国民党の首脳を北京へ招待し「第三次国共合作」を実現しつつあります。そこで今回は宗像隆幸(むなかたたかゆき)氏をお招きし、中国の日本並びに台湾に対する意図と戦略・戦術についてお話して戴きます。 
            記
と  き     6月28日午後7時
場所 :市ヶ谷駅前「アルカディア市ヶ谷(私学会館)」4F 飛鳥の間
会場分担金 :   2000円
 「公開講座会場」は、下記の地図(↓)をご参照ください。
http://www.arcadia-jp.org/
三島由紀夫研究会. 169-0075  TEL 03-3200-2295
e-mail:miura@nippon-nn.net  HP:http://www.nippon-nn.net/mishima/

なお九月の三島研究会「公開講座」は渋沢龍彦未亡人の渋沢龍子さんをお招きし、直木賞作家の中村彰彦氏が聞き役となった対話形式の「三島さんの思いで」を開催。9月27日、私学会館。10月19日には三島文学研究第一人者のひとり井上隆史をお招きする予定。         ♪
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(月曜会 研修会のご案内)

日時 6月27日(月) 13:30〜17:00
会場 中野区社会福祉会館(中野区中野5-68-7 電話03-5380-0753)
   JR中央線・地下鉄東西線中野駅北口下車徒歩5分
会費 1000円(学生500円)当日受付
主題 「日中の現在と将来」
講師 黄文雄先生 拓殖大学客員教授 
主催 月曜会 電話0426-76-6558
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<<宮崎正弘の最新刊>>  
『中国よ、“反日”ありがとう』(清流出版刊、1400円+税)
(理性を失った反日暴動。あの一連の反日騒ぎの恩恵(?)を受けて日本は憲法改正を政治日程にのせることが出来た。日米共同戦略目標と新防衛大綱は明確に中国を軍事的脅威と認定し、さらに国内世論はアンチ中国一辺倒となった! これで日本はよう やく普通の国」になれそう?!)
http://www.seiryupub.co.jp/
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宮崎正弘の新著 忽ち再版
『瀕死の中国』(阪急コミュニケーションズ刊、1600円+税)
http://www.bk1.co.jp/product/2560280
(ネット注文はここに↑)
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<宮崎正弘のロングセラーズ>
『中国のいま、三年後、五年後、十年後(改訂版)』(並木書房、1575円)
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『ネオコンの標的』(二見書房、1600円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『本当は中国で何が起きているのか』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円) 
『風紀紊乱たる中国』(清流出版、1500円)
『胡錦濤・中国の新覇権戦略』(KKベストセラーズ、1480円)
 (ほか宮崎の全著作目録は下記のサイトに。↓)
http://www.nippon-nn.net/miyazaki/tyosyo/index.html
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◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
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