国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/05/24

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)5月24日(火曜日)貳
通巻第1130号
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甦った香港経済、成長率7%台を確保へ
 大陸から1500萬人の観光、買い物と博打に大金を落とす賓客となった
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 97年の香港返還(中国は「香港回収」と言った)直後から、香港の不況入りは凄まじい爆発力をともなった。最大の原因は金持ちがカナダ、イギリス、オールトラリアへ逃げたからだ。
 日本の金融機関も三分の二が撤退した。 
 香港の経済は金融、サービス、不動産と海運。製造業はない。このいびつな構造は世界的な金利や、中国の景気不景気に直接的な影響を受ける。
 失業率は跳ね上がった。香港の治安も悪化した。

 豪華マンションは価格が半値以下に暴落した。
 2003年まで香港経済は引き続いて沈み、再び立ち上がれまいと言われてきた。象徴は不動産王といわれた「ヘンダーソンランド」(李兆基会長)の不振で、とうとう東京株式市場からも同社は撤退した。
 不動産価格は55%から60%もの下落だった。

 香港財閥のトップ李嘉誠は大陸でのデベロッパー事業と通信に事業を集中し、この危機を乗り切った。

 庶民は香港の不動産価格がたとえ暴落したと言っても、手が出る価格体系ではなく、なんと国境を越えて、深せん、広州から恵州あたりまで進出し、週末を過ごすセコンドハウスをせっせと購入し、なかには深せんのマンションから逆に香港へ通勤組がでた。その数、なんと一日二十四万人!

 三年前まで深せんの駅頭では、ずしりと重いマンションのカラー広告を、制服をきた不動産会社の美女たちが配布していた。写真を撮ろうとしたら業者がすっ飛んできて「撮影禁止」と言う。
 広東省のマンション・ブームもやがて落ち着き、広州では現場労働者の人手不足に陥り、また海外へ逃げた金持ちが香港の現実を評価し直して陸続ともどりはじめた。

 バンクーバーは「ホンクーバー」(香港人の町)とまで言われたのに、そのバンクーバーから金持ちが大挙してカナダ国籍を捨ててまでも、香港へ舞い戻る。この現象は小誌でもいち早く伝えた。

 国際都市・香港が甦った。
 この奇跡の主因は大陸からの観光客の急増である。
 04年度は1230萬人、ことしは1480萬を突破するだろう、と予測されている。目的は買い物と秋からはディズニーランド開園である。上海空港で香港へでかける中国人団体のチェック・イン風景を目撃したことがあるが、修羅場、阿鼻叫喚。罵声飛び交う中、チャーター機が何機も飛んだ。かれらが香港で散財するのである。

香港には競馬もあるが、博打客はマカオへ列をなし、昨年1200萬人がカジノで大金を使った(詳細は拙著新刊『瀕死の中国』を参照)。
その金額は52億ドル!
マカオの博打ビジネスは本場ラスベガスを抜いた。慌てたスタンレー・ホー(マカオのボス)は米国人と組んであたらしいテーマパークを開園し、さらに巨大カジノを建設中だ。

 第二は海外からの投資の復活である。
 返還から8年、2002年には海外からの投資は100億ドルにまで縮んだ。それが04年に350億ドルに恢復した。したがってGDP成長率は8%台、今年も7%台確保は確定的だろうと見積もられる。

 第三は不動産投資の復活である。
 一平方フィートあたり3000ドル(33万円)以上もする豪華マンションが新築でにょきにょきと林立、なかでも天をつく高層マンション「ザ・クォルーン・アーチ」はペントハウスが2130萬ドル〔約22億円〕だ。

 昨年師走に香港の定宿のフロントで「絶対に負けない」と言われたとき、筆者は「?」と思ったのだった。ディスカウントどころか、いつもより値段が高い上に、「部屋を確保してやっただけでも感謝しろ」という風情だった。

いまや香港の町ではどこもかしこも人民元が使える。
広東人の町だったのに、レストランもショッピングモールも北京語が飛び交い、売り子も英語や日本語より、広東人がもっとも嫌った北京語の世界に変わっている。

しかし、人民元切り上げは時間の問題、その人民元同様にドルペッグの香港ドルは、宿命的に人民元との運命共同体である。
いまの繁栄がしばらく続くか、それとも意外に早くクラッシュが来るかは、つぎに人民元切り上げのタイミング、その切り上げ幅にかかっているように思える。
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(読者の声1)私の知り合いで親中国の団体で働いている人がいます。その職場の人に友人が「アフリカにODAをしている中国に日本からのODAはもう必要ない。」というと、職場の人は「中国が日本の代わりにアフリカへODAをしてくれている」と真剣に言っているそうです。
日本人の発言とは思えず腰を抜かさんばかりです。友人も私もショックを受けました。親中国の人たちはそんな考えのひとが多いのでしょうか?
そんなことでは本当に日本がいつかなくなるのではと心配になります。外務省のチャイナスクールの人たちも似たようなものでしょうか?そうなら情けなくなります。 
  (IT生)  


(宮崎正弘のコメント)親中派というのはメンタリティのどこかで中国のほうが日本より優れていると思いこんでいる。あるいは先入観がある。嘘を承知での発言かも知れませんし、だいたい日頃から中国人と接していれば嘘をつくにも狎れてきたのでしょうか?
 はなしは飛びますが、愛地球博と名付けられた愛知万博を見学しました。残念ながら中国館へは行く時間がありませんでした。
万博会場は観光バスで埋め尽くされて、各パビリオンが満員盛況、名古屋は好景気に沸いていました。呉儀副首相の式典の翌日です。
呉副首相は、その後、東京へきて小泉首相との会見をすっぽかして帰国しました。この無礼、この演技! やはり中国は嘘で固めた国です。
さて愛知万博で小生らがみたのは電力館、エネルギー館、そしてリニア館の三つ。これで半日が潰れます。
超人気のマンモスは二時間半も並ぶそうです。エジプト館の列も凄かった(日本人の観光旅行の人気ランキング順ですね。込み合っているところは。逆にケニアとかタンザニアとか、すいていました)。名古屋はホテルが満杯なので、蒲郡の三谷温泉で宿泊、翌日は岡崎から名古屋城を見学(情報化社会を考える会30名のツアーなので)、多少、くたびれて帰京しました。
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◇ 明日です! ○
 
<< 公開講座のお知らせ >>
 三島研究会公開講座は「三島由紀夫と特攻隊」。富岡幸一郎(文芸評論家・関東学院大学教授)をお招きします。
 ことしは三島由紀夫の生誕80周年、没後35年。特攻隊の青年たちが後世の日本人に遺した魂のメッセージを改めて受け止め、「散華世代」だった三島由紀夫の文学と思想と行動の意味を考えます。
       記
 日  時  :  5月25日(水)午後7時〜
 場  所  :  JR・地下鉄 市ヶ谷駅前
          「アルカディア市ヶ谷(私学会館)」4F 鳳凰の間
http://www.arcadia-jp.org/
会場分担金  :  おひとり2,000円
         (会場が今回から市ヶ谷に変更されております。ご注意ください)。
お問い合わせ :  三島由紀夫研究会e-mail:miura@nippon-nn.net
          http://www.nippon-nn.net/mishima/koza/
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○なお、「憂国忌」は、11月25日夕刻より九段会館大ホールです。
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(お知らせ1)27日午後一時から三時までラジオ日本「ミッキー安川のずばり勝負」に宮崎正弘が生出演(二時間!)。1422KHz。関西方面の方は午後二時まで。人民元切り上げ問題などを中心に!
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(お知らせ2)宮崎正弘の新刊が月末(5月27日)に二冊でます。
?『瀕死の中国(ドラゴン)』(阪急コミュニケーションズ刊)。

?『中国よ、“反日”ありがとう(これで日本は普通の国になれる)』(清流出版刊)。
http://www.nippon-nn.net/miyazaki/saisinkan/index.html
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(お知らせ3)“百人斬り裁判 勝利判決をめざす決起集会”

嘘が明らかな百人斬り。
潔き日本軍人の名誉を回復させよう“ これは日本人のこころの問題でもある!
訴訟内容は原告への慰謝料と訂正記事掲載を求める民事訴訟。南京裁判の過ちを招いた原因である東京日々新聞(現毎日)の虚報を明らかにし、抗日記念館展示や書籍が完全に追放されること、虚報を認めなかったメディアなどの社会的信用を失墜させることにある。
 原告側は野田少尉の妹野田マサさん、向井少尉の長女恵美子クーパーさんと次女の向井千恵子さん。
 そこで6月3日(金)午後7時から文京シビック・小ホールでの「勝利判決を目指して決起集会」が開催され、高池弁護士、稲田朋美弁護士のほか黄文雄と宮崎が講演します。


 と き          6月3日 午後7時(会場六時半)
 ところ          文京シビック 小ホール
(地下鉄「後楽園」あるいは「春日」駅、JRは「水道橋」)
 講師           黄文雄、宮崎正弘、向井千恵子、稲田朋美ほか
入場           無料、予約不要。
問い合わせ        (03)3263−6041
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(お知らせ4)自治調査研究会、勉強会
 次回は「憲法について」、民主党前党首の鳩山由紀夫氏をお招きします。「ハト派」から改憲派へ大転換の氏の信条と決意と憲法論を聴きます。

           記
とき     6月30日(木曜)午後六時
ところ    横浜西口「三越」裏 神奈川県民サポートセンター 304会議室
講師     鳩山由紀夫(衆議院議員、前民主党党首)
演題     「憲法のはなし」
問い合わせ  (045)263−0055
       (注 5月30日ではありません。六月です)。
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(お知らせ5) <今月の拙論は以下の通りです>
(1)「プロメテウゥスと超限戦」(『月刊日本』6月号、5月22日発売)
(2)「計算狂った反日やらせデモ」(『月刊アクタス』6月号、発売中)
(3)「反日ゲームで制御不能に陥った中国の内幕」(『正論』7月号、6月1日発売)
(4)「ミャンマー経済の行方」(『経営速報』、6月下旬号)
(5)「反日中国とこれからの政治状況」(『情報交差点』、7月号)
(6)「四川省とパンダと痲婆豆腐」(『共同ウイークリー』、5月23日号)
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     <<宮崎正弘のロングセラーズ>>
http://www.nippon-nn.net/miyazaki/saisinkan/index.html
『中国のいま、三年後、五年後、十年後(改訂版)』(並木書房、1575円)
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『ネオコンの標的』(二見書房、1600円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円) 
 (宅配便による注文は下記サイトでも取り扱っています)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-form/ref=s_b_rs/250-2645852-0546630
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◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
小誌の購読は下記で登録できます(↓無料)
http://www.melma.com/mag/06/m00045206/a00000060.html
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