国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/05/18

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)5月19日(木曜日)
通巻第1127号
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中国の大富豪「長者番付」も不動産関連がずらり
 上海のデベロッパーが上位に並んで、往時の日本のバブルに酷似
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 2004年度の高額納税者が05年5月16日に発表されたが、日本の第一位に初めてサラリーマンが登場して話題をまいた(ちなみに第一位のサラリーマン氏は雇われではなく、かれが事実上ファンド運営の社長なのだが、投資顧問免許の関係で能率給の社員になっているだけ)。

 中国もご多分にもれず「高額所得番付」が発表された。
中国の経済専門誌『新財冨』が発表した富豪500人に依れば、トップは陳天橋(インターネット関連「盛大網絡」のCEO)で、資産総額は日本円に直すとおよそ2000億円。陳は「中国の孫正義」と比喩できるかもしれない。
  本業も盛業中だが自社の株式上場にともなう創業者利益によるもの。

 次点は北京の家電販売「鵬潤集団」の黄光裕で1650億円。
  黄は“中国版ビッグカメラ(量販店)”を経営の他、不動産開発での儲けが寄与した。
 恒例トップの栄智健は三位に転落したものの総資産、1220億円。
  栄智健は、中国「太子党」のシンボルでスイスなどに豪邸を持ち、親の七光りを享受している。

 さて問題は四位以下である。
財閥第四位につけた「萬向集団」の魯冠球は杭州で自動車部品製造、五位は丁磊(インターネット・ベンダー、この人物については拙著『中国財閥の正体』(扶桑社)を参照)、六位の許栄茂は上海の「世茂集団」(不動産)の会長、七位は葉立培で上海「仲盛集団」(不動産)と「不動産」関連ばかりが目立つのである。

中国の“バブル紳士録”も、嘗ての日本と似てきましたね。かれらは明日の秀和かイ・アイ・イか。
そのうちNYの象徴=ロックフェラー・センターを買ったりして。 
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(おしらせ)小誌は5月20日から取材旅行などのため5月23日ごろまで休刊の予定。
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<<今週の書棚>>

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遠藤欣之助『創価学会=公明党が政権の“オーナー”でいいのか』(日新報道)
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 藤原弘達氏の『創価学会を斬る』(やはり日新報道)が出たとき、内容よりもむしろ、出版妨害事件が学会の仇となって、同書は百万部を突破し、妨害事件は国会で質問され、マスコミが大きく取り上げ、英語版までできて、藤原を政治学者のトップ・ランキングに押し上げた。小生の学生時代、いまも鮮明なる記憶がある。
 小生は藤原がそれほどの政治学者と思ったことは一度もないが、あのがらっぱち、べらんめい口調と論旨明解の解説、ラジオ番組もよく聴いた。
 ともかく正体不明の独裁者が率いる、かの創価学会は薄気味悪い存在であり、何を考えているか殆どわからない。
やっていることは鵺である。
 だからこそ田中角栄は「使える」と踏んだ。歴代自民党は公明党を自分の手のひらで転がせると僭越な考えをおこした。実際には創価学会の手のひらで自民党が度重なる譲歩を平然と行ない、とくに外国人参政権などの立法過程は不明瞭である。
 さて著者の遠藤欣之助氏と言えば『改革者』の名編集長として知られたが、藤原弘達の明治大学での聴講生、政治学は「優」をもらったそうである。もうひとり早死にしたが、内藤国夫氏と並んで創価学会批判の三羽がらすとして知られた。
 本書は現代的解釈による創価学会=公明党の粗末な政治論の虚妄を鋭くつきながら、それでも太り続ける、この組織の特質を解剖したものである。
 なぜなら「政権与党にぴたりとつき、日本の政治の方向を自在に手繰る実力をいま両手にした」からだ。
 小泉首相に期待したいのは、と最後に遠藤さんはこう締めくくっている。
 「そう遠くない未来、自民党と創価学会=公明党の選挙協力という不自然な関係を断ち切り、独裁者・池田大作一族に翻弄される創価学会=公明党と毅然と対峙した時、国民のなかから改めて小泉純一郎という希有な政治家に対する昂然とした喝采がおくられる」。
 これは逆説的諧謔なのか、読者の本書をじっくりと読んだ後に結論を出されたい。 
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(読者の声)東京外大(ロシア語)を卒業した教え子がウズベキスタンのフェルガナ大学で
日本語教師をしているのですが、心配になってメールをしてみたところフェルガナ市内は平穏ではあるが、国境が封鎖され、唯一開いているキルギスとの国境は暴動が発生した町アンディジャンを通過せねばならず、脱出するかとどまるか。異様に平穏な中で決断を迫られているとの事です。
 フェルガナ市民は情報統制によって事態の推移をほとんど理解していない由。
外国語情報もウズベキスタン政府によってコントロールされ、英語やロシア語のインターネット情報は遮断されており、頼りになるのは日本語の民間情報だけ。
 大使館はあてにならないと見た丸紅は駐在員を会社の仕立てた車でタシケントへ去らせ、治安部隊で800人が虐殺されたというアンディジャンに近いフェルガナに住む日本人は、一人減って3人になったということです。
嵐の前の静けさを感じさせる中、大使館からの指示は今日まで何もないようです。
たった数人しかいないフェルガナに住む日本人を首都タシケントへとりあえず避難させるというような手段を講じられない大使館(丸紅にはできたのに)。日頃の外務省員による国益を無視した態度もそうですが、何のために在外公館そして外務省はあるのでしょうか?
同じ在外日本人として不安を感じます。
米国とて同じこといざとなったら外交官が在留邦人をどういう形で保護してくれるのか。何も考えていないでしょうね。勿論アテにもしていないですが。。。
北朝鮮に拉致被害者を迎えに行った中山恭子氏は元駐ウズベキスタン大使。彼女が大使のままだったなら今のウズベクでも適切な判断ができたのかな?
教え子のことを心配するしかできないだけに非常に歯がゆい思いをしています
      (TA生、在米国)


(宮崎正弘のコメント)その昔のまだ昔、ベトナム戦争最中のサイゴン(現ホーチミン)で財布をすられ、大使館に行ったら(ぼぉーとしていたお前が悪い)とばかりの、けんもほろろの扱いを受けました。国際会議の準備でジャマイカへ行ったおりも大使館は会議のことなんぞどうでもよく、日本から国会議員がくるのか、こないのか、だけに関心を持っていました。
 タシュケントに行ったときは知り合いの柿崎さん(その前イラク大使でした)が大使でしたが挨拶に行きませんでした。最近は外国へ行っても日本大使館に行ったことはありませんね(爆笑)。台湾へは百回近くは行っておりますが、いちども交流協会(大使館)に行ったことはありません。
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(サイト情報)米財務省は5月17日、主要な貿易相手国の為替政策に関する報告書を議会に提出した。
(1)スノー財務長官のステートメント Statement of Secretary John W. Snow on the FOREX Report  May 17, 2005
http://www.treas.gov/press/releases/js2449.htm
(2)米国財務省為替報告書:Report to Congress on International Economic and Exchange Rate Policies. Department of the Treasury. May 2005. 17p.
http://www.treas.gov/press/releases/reports/js2448_report.pdf
(3)「中国経済および中国の台頭が周辺国に与える影響」についての米議会調査局レポート。China's Economic Conditions CRS Issue Brief for Congress. Updated April 25, 2005. 
http://www.fas.org/sgp/crs/row/IB98014.pdf
The Rise of China and Its Effect on Taiwan, Japan, and South Korea: U.S. Policy Choices. CRS Report for Congress. April 12, 2005. 40p.
http://www.fas.org/sgp/crs/row/RL32882.pdf
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<< 新刊のおしらせ >>
宮崎正弘の新刊が月末(5月27日)に二冊でます。
?『瀕死の中国(ドラゴン)』(阪急コミュニケーションズ刊)。

「強気の繁栄、高度成長」は張り子の虎だ!
 高度成長を誇る中国は未曾有の繁栄に酔っているかに見える。ところが農民暴動が頻発し、地域格差は拡大の一途、貧困に喘ぐ農村を無視して党幹部、官僚らの汚職、腐敗が進行している。
 他方では台湾独立を武力で封じ込める「反国家分裂法」を策定し、日本には「愛国無罪」を叫んで「反日デモ」の暴力化。日中友好の四半世紀を閲し、日本と中国はナショナリズムの対立関係に発展、また中国は米国と熾烈な通商摩擦を展開している。
 矛盾が方々で露呈し、はてしなく拡がる近未来への不安。中国にはマスコミが伝える表層とは異なった暗部、ブラックホールが存在するのではないのか。
 

?『中国よ、“反日”ありがとう(これで日本は普通の国になれる)』(清流出版刊)。

 反日暴動に隠された中国外交の狙いと、その挫折を通して近未来の日中関係を見通す。
 反日サッカーから始まった日本排撃は暴力デモとなって世界に衝撃を与え、中国は一転して猫なで声、反日活動家を拘束し始める。この壮大な矛盾と「反日」の嘘。
 対称的に日本は靖国、教科書、東シナ海、日米共通戦略目標の策定、さらに改憲が政治日程にのぼって、ようやくにして「普通の国家」としての道を歩み始めることが出来た。逆説的に言えば、中国反日のおかげではないのか。
 予約殺到中! 早めに書店にご予約ください!
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     <<宮崎正弘のロングセラーズ>>
http://www.nippon-nn.net/miyazaki/saisinkan/index.html
『中国のいま、三年後、五年後、十年後(改訂版)』(並木書房、1575円)
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『ネオコンの標的』(二見書房、1600円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円) 
 (宅配便による注文は下記サイトでも取り扱っています)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-form/ref=s_b_rs/250-2645852-0546630
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◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
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