国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/05/05

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)5月5日(木曜日)
通巻第1114号  
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
いよいよ始まった中国の不動産バブル崩壊
 上海で17%下落、北京で投資家グループの買い控え
***************************************

 『フジサンケイ・ビジネス・アイ』というユニークな日刊紙がある。とくに中国経済に関しての情報が毎日数本ある。
 その4月27日付けに「上海のマンション価格、一週間で17%下落」という衝撃的な記事がでた。(ついに来たか、中国の不動産バブルの崩壊の始まりが!)。そういう感じでよんだ。

 この記事は新華社電を土台としての分析だが「不動産価格の歯止めがかからず」「業界は大きな衝撃を受けている」ほか、全国平均でも下落傾向、「マンションの飽和感をうけて販売が冷え込みはじめている。投資かも譲渡益の見込めない物件の購入は避け、低下価格マンションや別荘などの取引も鈍くなった」とする関係者の談話を羅列した。

 もっと衝撃的な報道が『北京娯楽信報』(4月14日付け)にでた。そこには「いま不動産を買わない10の理由」という特集記事があった。
それらを要約すると以下の通り。

(1)政府が不動産価格抑制政策を打ち出しているため
 政策の見通しが不明な場合、軽々しい投資行動をつつしむ。
(2)不動産価格は下落するので、購入するとコスト割れする
 多くのディベロッパーが価格上昇を抑えているものの不動産は比較的よく売れ、供給が需要に追いつかない局面が去れば、買い手市場がうまれ不動産価格は自然と下落する。
(3)不動産価格が下落して、負の資産になる
 政府がマクロコントロールで不動産価格の上昇を抑制しはじめた。高額で購入した不動産はいずれ負の遺産を形成する
(4)不動産税が正式に公布されていない
 不動産税がいまだ公布されておらず、細目が未画定。たとえばワンルームは徴税するのかしないのか、2つ、3つの部屋をどのように区分するのかといった問題がある。そのことは、不動産購入者の不動産支出に直接関係する。
(5)利子が不動産購入コストを増加させる
 中央銀行の公定歩合引き上げは価格上昇抑制が主目的だが、個人の不動産ローン支払い比率が上昇するため利子が加算される。
(6)空き家になるかもしれず、投資回収ができなくなる
 中国社会科学院の「中国不動産発展報告」によれば、北京の不動産の貳割が空き家。主に不動産購入者が賃貸や転売をしないからだ。
(7)供給過剰にもかかわらず価格が高い
 不動産ディベロッパーが保有する土地は2003年8月31日までに得た。
廉価で取得したにも拘わらず不動産価格を高額に設定して暴利を得たことへの批判が強い。
(8)市場情報が不透明
 市場情報が不透明なため購入に際しても情報の受動的な立場に置かれる。ディベロッパーが販売物件状況を偽り、上昇をまって再販売する手口もあり、うその制約やうその実績を並べているのだが、ブームが終われば価格は下落する。
(9)賃貸価格上昇は不動産価格高騰の半分にすぎない
 賃貸価格も不動産価格の上昇比率に比例して上昇する筈だが、賃貸価格の増加幅が緩慢で回収率は下落する。たとえば北京市の不動産価格速度が賃貸価格上昇の速度の2倍。
(10)購入は容易でも運営管理が難しい
 投資家は不動産を運営管理する目的を持つが、運営管理コストを検討していない。
 不動産の運営管理はそれができるかどうかよく考えなければならない。
           ○○○
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
(読者の声1)或る外務省OB氏の講演を聴きに行きました。以下かいつまんで。
『朝日新聞』はどうして暴動が起きたかと訝かしがっているが、去年の早いうちからこうなる事態は予測できていた。
反日・日貨排斥の中国内のウエッブ・サイトを検索エンジンで叩き出すと、28万→40万と急激に増え暴動直前には80万に達していた。
その後どういう理由からか27万→2万と急減している。しかし反日の動きが簡単に収まるとは見ていない。またいずれ何か起こるのではないかと強い懸念を抱いている。ネットでは重慶・青島・北京・天津・広州五都市でのデモを巧妙に呼びかけている。例えば「某shopping centerに5月4日朝7時に集まっても組織化するリーダーはいない。」などというような呼び掛けをしている。
五・四運動から中国の共産運動に火が点いて広がった特別な意味を持つのである。もしこの日にデモ隊が警官隊とぶつかれば大変な事態が招来されると懸念している。中国問題の専門家は楽観視し、反日運動は循環的と見ている。しかし私は、これを趨勢と見る。どんどん増幅してゆくと観る。94年以降、先の戦争で日本は中国人を2000万殺し1500万負傷させたと数字を膨らませている。この数字は、江沢民が1998年の来日時に早稲田大学の講演で認めたものだ。中国の若者は「反日」を学校で感覚として身に付けており、日本に嫌悪感を抱く一方だ。
インターネット利用者の著増は壁新聞での情報伝達速度と桁外れに違う。日本の国連安保理入り反対は秒毎に増えている。「反日」は、”靖国”という単一の原因ではなく10年以上前から教育や抗日記念館建設によって醸成されている構造的要因による。単に”日中友好”と唱えていても仕方がない。
事態を好転させるには、時間が掛ると覚悟してなければならない。10年前からの反日教育を徹底的に受けた日本を嫌悪する層が政権に就く10年後20年後を想定し、そこから逆算して今なすべきことを計るべきである。その時に中国は経済的にも軍事的にも日本に優っているだろう。東アジアで日・中が不安定な関係にあることは憂うることである。これを将来の危機と認識して根本的な対話に入るべきだ」云々。
このOB氏の現状認識には100%頓首です。
しかし示された対処法が抽象的過ぎる。現役外務官僚に遠慮して明言を避けるというのでは、ダメでしょう。情けない。「私ならこうする」と具体的な処方箋を示すべきです。
中国の教育内容へ日本政府が容喙することは、内政干渉になります。しかしその詳細な内容を日本のマスコミやジャーナリズムが日本人に伝えその酷さに憤慨し、そんな教育を続けている中国を非難し、それを信じる中国人を忌避することは我々の自由です。中国は台湾問題でさえ内政干渉と言い募ります。
外交的には、中国の犯しているチベット人、ウイグル人その他少数民族への人権侵害を論うことです。これは内政干渉になりません。人権侵害を行う国に武器を売る行為は、ソ連は別として欧米であれば国内の民意は得られません。日本の人権好き議員に、米国の有志議員と連帯して国連の人権委員会で活躍して貰えばいいでしょう。国内で「人権擁護法」成立に向いているエネルギーのガスはそこで抜いてもらいましょう。
    (HN生、丸の内)


(宮崎正弘のコメント)外務官僚に革新的な変革を期待するのは無理です。外務省を動かすのは政治家であり、その政治家がだらしないから外務省が外交をリードしてしまった。米国の外交を国務官僚がリードすると、かならず方針を間違えたように、日本とてろくな結末しか期待できないでしょう。
 ともかく王毅駐日大使が正式に謝罪するまで、毎日でも外務省はかれを呼びつけることを最低限度はしなければいけない。それを曖昧模糊としてしまうのは国際ルール違反でもあります。外務省は最低限度、国際ルールを遵守せよ。



   ♪
(読者の声2)中国は(反日運動の暴力に対しての)欧米の批判や経済への飛び火を懸念して4月19日の外相主催の「報告会」以来、急速に抑えにかかっており、ネット上の反日行動呼び掛けも丹念に消して回しています。
5月4日(抗日記念日)ともデモは許可せず、違法デモは徹底して取り締まると各地の公安局が発表した。ネット上の呼び掛け自体「違法」と言っており、一部反日サイトは掲示板を閉鎖させられているようです。ただ地下にどれくらいマグマが潜ったかは誰にもわかりません。
 ボイコットも「同じ人間が何度も書き込んでいる」と社会科学院の学者が言っており、発信元は特定されているようです。
これから「合弁相手の中国企業や従業員(日系は間接含め900万人も雇っている)にも打撃になるのでボイコットするな」とする教育も徹底するようですが、個々の消費者の行動まではコントロールできない。
上海モーターショーでは「政治と経済は別だ」と言って、カローラを買おうとしているような人も結構いました。イトーヨーカ堂がまた新しいスーパーを開きました。地元客でいっぱいでした。最近開いた大型店は開店当初一日のレジ通過者が3・5万人と9日の北京のデモ参加者をわずか一店で上回った。
 胡錦濤の影響力との関係はまだよく分かりません。
上海で過激化したのは江沢民が背後にいたという噂は出ていましたが。上海市書記の陳良宇は江直系ですからデモ規制を手加減した可能性は高いのですが。中国のネットでは、上海当局の生ぬるい規制は中央の指示にも違反していたが、それでも陳はやめないのだという人事にからめた噂も流れています。
      (I生、在中国)


(宮崎正弘のコメント)陳良宇兄弟はとかく不動産絡みの金銭スキャンダルが多くて、江沢民の完全なる引退、事実上、影響力がなくなれば失脚でしょうが、まだ上海書記にとどまっているところから判断しても上海を胡錦濤が治めるのは、まだまだ時間がかかりそうですね。
 このあたりは月末に出す拙著『瀕死の中国』に詳しく書き込んであります。


   ♪
(読者の声3)5月4日は大きな混乱はない。当局は記念活動は仕方ないとして認めているようですが、集会だけでデモ行進は許可してないそうです。
さらに各大学には指導教官に学生監視を求め、もし監視(管理)下の学生が違反行動(デモ行進)したら、教官を処罰するという通知を出しているともいわれています。ということで4日は大きな混乱はない。なぜ、中国が姿勢を変えたかは、確たる証言はありませんが、小生のこれまでの中国観察の経験(つまり、まったくの私見)からいうと、やはり諸外国、とくに米国の反応でしょう。
今回の反日デモに同調したのは香港(当然)、南北朝鮮だけです。珍しくシンガポールまでもが中国に批判的で、国連事務総長も話し合いを求め、米国はワシントンポストの23日付け社説が代表的です。中国外務省は「すべての責任は日本側にある」と言明したことを意識してか、日中関係の悪化は「中国にほぼ全責任がある」と書きました。
日本の新聞も朝日を含めて中国批判をしておりますが、これほどの痛烈な中国批判はありませんでした。この前後から中国当局の姿勢が変わってきた。
 中国内部でもなんらかの動きがあったようです。胡錦涛政権の中枢は基本的には反日(戦略的反日)のようですが、22日の新華社が薄熙来商務相の日貨排斥は両国生産者、消費者の利益を損ない、中国の対外発展と対外協力の不利益になる」との発言を伝えています。薄氏は「太子党」の一人で、民主派でも改革派でもないと思いますが、中国の経済利益から考えて当然の発言です。天安門事件以後、国際的に孤立し、経済成長がダウンした経験があるだけに、その二の舞を真剣に恐れる経済官僚は多かったはずです。
たまたま先月15日に、新宿京王プラザで行われた江蘇省のいくつかの市が合同の投資説明会(日本企業誘致)をのぞきましたが、120席の半分ほど、しかも大半は中国側の随行者(合計60人と言っていた)でした。つまりガラガラ。それでなくとも経済の先行き不安がある中国です。日中経済関係に変調あれば、中国経済に大きな打撃となることは胡錦涛には分かっているでしょう。
      (KS生、品川)


(宮崎正弘のコメント)日頃左翼的論調の夕刊紙から週刊誌まで、今回は『週刊新潮』よりも批判的でした。これも中国にとっては驚きだったのでしょうね。日本のマスコミなんぞ脅かせば何とでもなると傲然と構えていたのに、この突然の対中強硬論の台頭は衝撃であったでしょうから。
 それにしても日本企業進出のメッカ江蘇省の説明会ががら空きとは!


   ♪
(読者の声4)遅ればせながら、貴著 『謀略投機』(徳間書店)を読了しました。宮崎さんの才能がこんなところまで及んでいるとは驚きました。
 1980年代から1990年代に掛けての ヘッジファンドの謀略とその政治的、経済的背景の教科書として使えます。株式というものをどんなに悪用する人が出ても、株式を超える 会社支配の仕組みは考えられません。そうであれば 北尾CEOのような百戦錬磨のしたたか者を育てるほかありせん。雄二のように。先日まで 高杉良の 『呪縛』や『金融腐食列島』などを読んでいましたが、日本の企業(特に銀行)と官僚のはびこる人間の醜さや汚臭・・・・・・にほとほとイヤになります。いかに酷いことをしていたか・・・・ビジネス以前の問題です。人間の弱さです。その点ではアメリカのほうがずっとすっきりしていていい。
 『謀略投機』 を読んで気づいたのですが、中国人はヘッジファンドのような世界にすぐに入り込んでくるのに、韓国人はまず登場しえない。大陸と半島の差なのか? 中国人は共産主義でかなりの道草を食ったのに、すでにして一人前の顔と能力をつけている・・・・韓国人にはその素養はみいだせない。中韓比較論の重要なテーマだと思います。
  小説上のオータム財務長官婦人とクー・シャオチェンの会談というのは、それらしきものがあったのでしょうか。フィクションとノンフィクションに翻弄されます。
  固有名詞のつけかたに時に吹き出してしまいました。
  それにしてもたった64ビットの時代にあれだけの謀略が可能であったとすれば、ギガバイトのいま、どれだけのことが可能なのか、恐ろしくなります。10〜15年前まではビット数もその程度であったのか、といまさらながら。
     (TK生、世田谷)


(宮崎正弘のコメント)拝復 じつは当時、酷似した事件が起きたので徳間書店の担当者と打ち合わせ、二ヶ月ほどで書き上げました。それゆえにあちこちにアラが目立つ作品で、あまり誉められると恥ずかしくなります。しかしほりえもんの到来を予告するような内容になったという自負はあります。
 娯楽作品ですから比喩やら箴言やらの純文学的要素は殆どありません。日本的経営の敗北という文脈では三島由紀夫の『絹と明察』的な効果を狙いましたが、さて、ストーリィの鼎の軽重が問われましょうか(苦笑)。
 それにしても、ご指摘のように中国人は、ギガビッド時代に適用できるばかりか、インターネットのフィルターリング能力は米国が舌をまき、レノボはIBMを買収する時代、ネット上の謀略は、この小説以上のものが今後も展開されるでしょう。
             

  ♪
(読者の声5))漢族以外による王朝(五胡十六国、北朝、遼、金、元、清その他)  を現在の官製中国史は、侵略王朝とみなしているか、中国王朝としているか(確か、隋も漢民族による王朝ではなく、唐の建国者李淵も胡族の血が入っていて、純漢族ではなかったと思います)。もし「侵略王朝」としている場合、最近の清の満州族に対して報復的差別が存在するか?また中国では「中国人」なるものの定義はあるのか
  (KJ生、大阪)


(宮崎正弘のコメント)征服王朝という考え方ではなく、混在した多民族国家が常態であったという教え方で、元も金も自分たちの歴史ととらえ、漢族ではなく最近は「中華民族」を連発しておりますね。事実上ひどい差別をしているのに「少数民族を優遇している」と北京中央は唱えている。或いは嘯いて「五族協和」を行なっているなどと主張しています。満州族への差別、朝鮮族への差別が華北から華東地域では歴然として目立ちますが、内蒙古へ行けば入植した漢族が主導権をとり、ウィグルもチベットも同様で、「中華民族」は架空の概念でしかないことが実態としてわかります。
      ● ◎ ○ ◎ ●
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
<<拙論の再録コーナー>>
「北国抄」から再録(4月24日付け『北国新聞』)

 中国「反日デモ」の裏側で
          宮崎正弘


「日本がスケープ・ゴートにされた」とする同情的な分析は欧米のメディアに多い。中国全土に吹き荒れた「反日デモ」の本質は反中国政府、反中国共産党だとする解説が日本以外の有力メディアに蔓延している。
 胡錦濤主席は「手を打つのが遅すぎた。もう間に合わない」と後悔の弁を吐いた様子だとニューズウィークが伝えた。4月9日の北京での反日騒動直後に政治局常任委員会が緊急に招集された席での発言という。

 「反日デモ」の暴力的破壊行為は世界から顰蹙を買った。「愛国無罪」を叫ぶ狼藉を目撃した関係者からは北京オリンピックボイコットの声まで挙がった。

 しかし中国は、一体何を隠そうとして反日をガス抜きに使ったのか?
 所得格差、地域格差への不満は各地で暴動を頻発させてきた。最近はこの列に民族対立と環境汚染への強い怒りが加わり、農村や貧困地域に拡大する反政府暴動は、まさに「黄巾党の乱」に似た様相を帯びてきた。

 昨年10月、重慶の暴動は同市萬州区で五万人が暴れた。三峡ダム建設現場から強制的に立ち退かされた農民が流れ込んだ地区で生活苦の人達が主体だった。
 同年10月下旬、四川省漢源県でおきた15万人の大暴動は漢源ダムで立ち退かされた農民が立ち上がった必死の抵抗だった。この暴動は数十人が死んだと言われるが、爾後、現場は戒厳令が敷かれ、軍が投入されているため、詳細の事情がわからない。

 折江省東陽市は北に歌山鎮、南に画水鎮、別名「歌山画水」といわれた。風光明媚、水墨画にも描ききれない美しい場所だった。人々は自然を愛し、環境に親しんだ。
 この環境を破壊したのは四年前から稼働している化学工場の廃液と煤煙である。自然環境を享受してきた村人に異常な病気が蔓延しはじめた。東陽市郊外に急造の「竹渓工業団地」から汚染された廃液が流され続けた。

 なかでも悪質なのは染料工場、化学肥料、農薬製造大手企業だ。しかし利潤をあげて税収に寄与するほか、共産党幹部が株主でもあり、地方政府は公害対策をなおざりにした。
 工場周辺に小学校、中学校が建ち並び、もし事故が起これば数千人、数万人の生命に危機が及ぶと専門誌が指摘していた(04年10月16日付け『中国化工報』)。
 付近の草木が枯れ、河が異臭を放ち、農薬の廃液が農地を汚し、毒性の空気を吸い込んだ妊婦が奇形児を産んだ。環境破壊、公害対策を訴えて、最初は老人たちが路上に座り込み、地方政府に抗議を開始した。
 村人たちは監視チームを組織してトラックの搬入を見張り道路を竹網で封鎖し、警察に逆らい、ついには三千人の警官隊と激突、数十人が死傷、争乱状況へと陥った。事情を知った付近の村人五万人が駆けつけたからだ。

 同じ頃に北京や広州、深センなどでは「反日デモ」が当局との暗黙の了解のもとに組織されたのだった。
 東陽市では激怒した村人らが政府ビルに投石し公用車三十数両を横転させ警官とみるや殴りかかった。大規模な衝突はこうして公害、環境汚染が元凶となった。
 同様の農民暴動は河南省浚北県、江蘇省盆城県、四川省遂寧市、重慶市合川県、広東省紹関などで報告されている。
「反日デモ」が中国の国内矛盾のすり替えに使われたことは確かである。
          □ ● △ ◆ ◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(サイト情報)米国務省は4月27日国際テロリズムに関する年次報告書を公表した。全文は以下のサイト。
Country Reports on Terrorism 2004
http://www.state.gov/s/ct/rls/c14813.htm
報告書の概要
http://usinfo.state.gov/usinfo/Archive/2005/Apr/27-174289.html
国務省のテロ対策特別サイト
http://usinfo.state.gov/is/international_security/terrorism.html
        ◇ ◇ ◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(資料)
台湾独立建国聯盟の声明文
     「連戦の“聯共売台”の罪行を厳重に譴責する」

一、中国は長期間にわたって台湾併呑を企図し続けている。特に近年来の経済発展、国力増大、間断なき軍備拡大、そしてすでに七百基以上に達する台湾に標準を合わせたミサイルの配備などを見れば、台湾に対する領土的野心は覆い隠しようもない。しかし連戦は、以上のような事実を意にも介さず、台湾人民の生命、財産の犠牲を惜しむこともなく、新たな殖民宗主の歓心を買おうとしたことは、悲憤すべきことである。

二、連胡会談後に発表したコミュニケの中で、連戦は在野の身分であることを充分知りながら、なお胡錦濤との間で「一つの中国」を堅持する「92年合意」を確認した。明らかに身分と分際を越えた深刻なことであり、国民はこれを受け入れることはできない。しかも連戦は北京大学での講演において、台湾の民主を「ポピュリズム」と批評し、さらには「聯共制台」に「独」の一字を加えて「聯共制台独」と述べた。これは国民党が中国共産党と聯合して、ともに台湾人自らの国家を建立するという多くの人々の強い希望を押さえつけ、押しつぶし、誅滅するという意味である。

三、台湾は昔から中国に属していない。だが中国は「反国家分裂法」を制定した。その規定するものは、軍権を掌握した胡錦濤が人民解放軍に対し、いつでも台湾を武力併呑し、直接二千三百万人の台湾人民の生命と財産を侵害することのできる権限を授けるということだ。中国はまた、台湾海峡問題の平和解決という、米日など国際社会の願望を顧みることなく、公然と国連憲章や国際人権規約を踏みにじった。だが連戦は胡連会談において一言もこれに触れることはなかった。これは明らかに台湾の利益を売りに出したに等しく、すべての台湾人民の唾棄するところのものである。

               台湾独立建国聯盟主席 黄昭堂
                       2005年5月3日
((翻訳=「台湾の声」編集部)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(おしらせ)というわけで宮崎は黄金週間中、ミャンマーへ取材、無事帰国しました。ヤンゴンもマンダレーも町を走るクルマは99%が日本からの中古車、自転車は中国製が圧倒的。ひとびとは極めて親日的で、意外に経済は発展中でした。欧米の経済制裁の間隙をぬって華僑の進出が凄まじいものの民衆はアンチ中国感情が強い。詳しくはいずれ。●
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
♪ ♪
     <<宮崎正弘のロングセラーズ>>
http://www.nippon-nn.net/miyazaki/saisinkan/index.html
『中国のいま、三年後、五年後、十年後(改訂版)』(並木書房、1575円)
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『ネオコンの標的』(二見書房、1600円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円) 
 (宅配便による注文は下記サイトでも取り扱っています)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-form/ref=s_b_rs/250-2645852-0546630
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
小誌の購読は下記で登録できます(↓無料)
http://www.melma.com/mag/06/m00045206/a00000060.html
(↑この左欄をクリックされると過去4年分の小誌バックナンバーが閲覧可能)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有限会社・宮崎正弘事務所2001〜2005 転送自由 転載は出典明記のこと
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。