国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/04/24

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)4月25日(月曜日)
通巻第1105号 
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 「こんどの原因はすべて中国側に責任」とワシントンポスト
  日本の替わりに英米紙が日本擁護、中国を叱責の論調
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  ワシントンポストが日本に同情し、中国を叱責した(4月23日付け)。このニュースは日本の各紙にも翻訳転載された。

 曰く。「悪いのは中国、日本はただしい」として、
「危機の原因をもたらしたのは、殆どが中国の所為であり、ナショナリズムを利用して日本を脅している。教科書を誇張して取り上げ、デモ隊が大使館、日本レストランへの暴力的襲撃を黙認した。日本は民主的であり、近隣国家にとって脅威ではない」と明確に日本を擁護した。

全米最大の週刊誌TIMEは、次のように分析している。

「日中間の政治摩擦はいま始まったばかり。教科書、東シナ海のガス田、国連理事国などあるが、要するにアジアでどちらが影響力を持つかの競争である。
 中国国民は日本が何回も謝罪し、数兆円の援助をなし、さらに国連の第二の献金国である事実を知らされていない」。

 同誌はこのあとを経済問題に続けて以下のように言う。
 「経済的には日本を怒らせると損をするのは中国のほうである。中国の製造業は日本の機械、鉄鋼などを必要とするし、日本企業一万六千社が中国で雇用しているのは百万人。町に溢れる失業と社会不安を解消するために中国はもっと製造業を欲しがっているところである」(TIME、4月25日号)

 英国最大の週刊誌「エコノミスト」はどうか。
「おそらく火を噴いたのは台湾問題が主因であろうが、日中両国の対立はアジアの盟主争いかも知れないが、要は民主国家=日本と非民主国家=中国が対峙しているという本質を見誤ってはいけないのである。軍拡をやり、周辺諸国に無理難題を押しつけて地域の安全保障環境を壊しているのは中国であり、日本はすでに数え切れないほど中国ほかのアジア諸国に謝罪し、膨大な援助をしてきた。過去の“日本問題”はまもなく消えるだろう。いまアジアにあるのは“中国問題”だけだ」(ECONOMIST、4月23日号)。

 こうなるとNYタイムズの記事は小さく見える。
「教科書では間違いや偏見が多いのは中国のほうである。すくなくとも日本は開かれた議論をしているが、中国は一種類の教科書しかなく、たとえば朝鮮戦争は米国の侵略であり、チベット、ウィグルへの侵略も文革の犠牲も触れていない」(ニューヨークタイムズ)。

 中国の計算違い、台湾につづいて二度目、欧米の「自由」という価値観が理解できない以上、これからも世界の嫌われ者でありつづけるだろう。
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(読者の声1)謝罪外交の存続はどうやら続けられないようですね。平成11年2月5日の国際派日本人養成講座の「親善外交の常識」
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h11_1/jog073.html
をお読みいただくとよく分かりますが、平成4年、日中国交正常化20周年を記念して、天皇陛下御訪中の計画が浮上した。しかしこれが「朝貢と謝罪」の外交に皇室を巻き込むものであるとして、反対論が台頭した。政府は御訪中決定の前に、数人の有識者から意見聴取を行ったが、その一人が小田村氏であった。謝罪外交の始まりは宮沢の猿爺からです。しかも恐れ多くも陛下にまでそういうご心痛をおかけして 以来数々の国益損失の行状は呆れるばかりです。相手は侵略者と国連で指名手配なのに・・・
     (YK生)


(宮崎正弘のコメント)あのときは加瀬英明氏も首相官邸へ行きました。秘書官がニヤニヤ笑って抗議を聞き流して(要するに反対派の意見も聴いてやったぞ、文句あっか、という演出でしかなかったのですが)、それでおしまいでした。畏れ多くも天皇陛下を「政治の道具」につかったことだけでも、あの宮沢外交は犯罪的なのです。


   ♪
(読者の声2)櫻井よし子氏が言っているように、「国と国が戦争をしてどちらか一方の国だけが悪いということはありえない」。
 例えば、「ラーベ日記」のジョン・ラーベがヒットラーに「南京城内の被害は、中国人は10万人と言っているが、私は5〜6万人と思う」と言っている、いわゆる南京事件についても、当時の中国政府は武装した戦闘中の軍隊(日本軍)を南京城内に入れれば、一般市民や文化財がどうなるかを察して、゛無血開城゛をすべきだった。その点については当時の中国政府にも責任がある。フランスはパリに迫り来るドイツ軍に対して、パリを無血開城して、自国民と自国の文化財まもった。戦後のドイツとの関係も含めて、フランスが大人の国と言われる所以である。
韓国は、戦後の独仏関係を例に挙げ、ドイツに比べて日本はと言うのが口癖になっている。しかし見習うべきはフランスの文化力である。中国、韓国はフランスの高い文化力を見習うと同時に、完全な゛言論、出版、報道の自由゛を直ちに制定すべきだ。特に韓国は、日本がドイツなら韓国はフランスだなどと軽々しく言うべきでない。フランスに対して失礼だから。      (KC生)


(宮崎正弘のコメント)ドイツとフランスの政治はマキャベリズム、とりわけ最近はシュレーダーら全共闘世代に「緑の党」の過激派が外相、ドイツ政治の青さが目について、老獪シラクがEUを主導している観なきにしもあらず、というところでしょうか。冷戦終了直後に、何回か東欧諸国、ロシアを歩いた記録は『新生ドイツの大乱』(学習研究社)ともう一冊(どうしても拙著タイトルを思い出せません)に著しました。つまりEUは完全な統合でもなく、いずれ利害の衝突をみせて分裂へ向かう、というのが小生の予測です。


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(読者の声3)いま、一番訴えたいのは、世界が日本をなめるなら、日本の実力を知らせてやろうじゃないか、ということです。
 国連分担金の支払いを停止し、ニューヨークの外銀に寄託します。そして宣言するのです。「日本は国連分担金を支払う意志はあるが、支払える環境ができていない。国連憲章に日本敵国条項がかかれたままだし、国連分担金を1パーセント、2パーセントしか支払っていない国が国連安保理事国常任理事国で拒否権まで行使できる。日本はふさわしい待遇がされるまで、国連分担金の支払いを停止し、銀行に寄託する」と。
これでいままで日本がどれだけ国際的貢献をしてきたか、世界中に思い知らせられます。
 日本の外交官は、安保理の常任理事国になるのに、二割の分担金は据え置き、その上積みまでするつもりのようです。効果のない金をばらまくとは、背任横領罪で訴えたいくらいです。
さて中国は自分の馬鹿さ加減を今回世界中に晒したと考えています。ところがさらに馬鹿なことに、日本は謝罪し、中国の非難があたっているかのごとき対応をしてしまった。これだけ国益を害した首相を今後も受け入れ続けるなら、日本国民は世界中から馬鹿にされて然るべきです。
心ある国民に必要なのは税金不払い運動をして、東京に盤踞する「税金にたかり利権をたらい回しにする政界・官界・財界・メディアの特権グループ」をたたき潰すことではないでしょうか。関西からみていると東京は日本の生き血を吸う吸血鬼に見えます。東京一極中心構造を確立し、地方を廃墟にしました。日本で活気があるのは、首都圏と名古屋圏だけではありませんか。
地方に若者がいません。なんの活気もありません。ぜんぶ中央・準中央に吸い上げられてしまったのです。
 中国はどうみても末期症状です。あれで世界の資金と技術を吸いよせ続けられるとは到底思えません。人民から徹底的に恨まれている泥棒政権が、生き延びのために日本を目の敵にしている。それだけのことです。
 かつて第一次大戦後に、ムッソリーニのファシスト・イタリヤと、ヒットラーのナチス・ドイツがもてはやされました。それなりの成果があったように見えたからですが、どちらの政権も、普遍性にかけていました。中国も普遍性に欠けています。とりわけ中共政権は何清漣が書いているように、嘘で固めた政権です。これを信頼してパートナーを組んでいるアメリカのブッシュ政権など、思慮浅はかな政権です。
 日本が生き延びるとすれば、中国のおかしいところをその度にきっちり指摘せねばなりません。それが中国の国民に信頼される所以です。政権に迎合していたのでは、日本までいかがわしくなって信頼を失います。
 中国があれだけでたらめを重ねてなお破綻を来していないのは、彼らがゲバルトを持っているからです。日本も断固、報復力をもたねば生存が危ういと思います。もっともその前に「生存の意志」がまず問われると思いますが。いまのような腑抜けのままでは、たとえ報復力を持っても、適切に使えるとは思えませんから。
     (Ki生、大阪)
   

(宮崎正弘のコメント)恩師・林房雄はいつも「政治の本質はゲバルトだ」と言っておりました。突然そのことを思い出しました。



(読者の声4)スーパーで冷たいビールと「裂きイカ」を買って帰りに電気コーナーでニュースを見ていました。隣のおっさんが言いました。「なんで日本が謝らにゃいけんのんか」。私もそう思いました。コイズミさんは切手を貼り間違えました。
     (桃太郎) 


(宮崎正弘のコメント)「切手の張り違い」程度で済むといいのですが。。。。
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