国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/04/18

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)4月18日(月曜日) 
通巻第1094号 
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
“中国反日”は9月18日の「柳条湖事件記念日」まで暴走が続くだろう
 小泉首相は8月15日に靖国神社参拝、直後、辞任のシナリオが急浮上
****************************************

 なんといっても「愛国」を叫べば何でも許される。韓国の「反日」も、カネまでもらえる。
 ニュー・ミュージックには退廃的な曲が多く、日本の喧しくも無意味な歌が中国にも輸出されているが、歌詞に「我愛中国」と一文を挿入しさえすればみんな許可になる。そうか、「愛国」はカネになるのか!

 中国の反日運動が燃えさかり、やがて「日本企業への焼きうちがあるだろう」と繰り返し予測してきたが、(拙著『中国のいま、三年後、五年後、十年後』など)、16日(土曜日)の上海での「反日デモ」は、日本領事館の前庭をゴミの山としてしまった。古北新区にある領事館まで、しかし人民広場から十数キロあるんじゃない?
 延安路とかの裏道を歩いたらしいが、日本で言えば昭和通など人通りの少ないところを歩かされて外国人居住区へ入り込んだらしい。

 被害を受けた日本料亭は殆どが台湾人の経営。深い同情を禁じ得ない。
日本人向けのナイトクラブも襲撃を受けたが、これは大半が中国人経営。現在、上海駐在日本人は三万六千、出張族がプラス三万人。この人達を相手のナイトクラブ、カラオケ、スナックは登録されているだけでも350店。
なかには日本酒専門のバアもあるが大半が日本通の中国人が、日本人と資本提携するかなどして経営している。

 各地の反日デモは警備当局と活動家との癒着、やらせが指摘されており背後にあるのは国家公安部(中国版KGB)である(この詳細は26日発売『WILL』の拙論を)。

 さて、日本料亭への投石と破壊、大使館領事館への破壊活動だが、これは「通州事件」に匹敵するか?

 率直に言って“まだ”である。いまの「愛国無罪」暴徒らの狼藉は、ようやく「南京事件」あたり。
往時、幣原軟弱外交がむしろ中国国内での反日暴徒を助長し、日本人居留民が強盗放火の被害にあっても、実力を行使しなかった。当時、ロシア、イギリス、米国、フランス、ドイツは砲艦外交を展開していたにも拘わらず、日本は暴徒のされるまま、やがては日本人数百人が虐殺された通州事件へと発展した。

 当面、日本は徹底的に謝罪と補償を北京に求めるべきである。
 これは中国外交のアキレス腱。「落としどころ」を求めることなど、9月まで不要である。
 小泉は北京側が頭を下げてくるまで中国トップと世界のどの会議であってもあう必要はない。もし会うとするなら、すかさず「謝罪と補償をもとめた」ことだけを世界のジャーナリストに向かって会見したほうが良い。

 中国はせいぜいが「遺憾の意」を表明する程度に留めるだろうから、「反日」に名を借りた暴動は行き着くところまで行くだろう。
 そのことは歴史的視座から言っても、大いに歓迎したい。

 さしあたっては5月4日(五四運動記念日)。
そのつぎは七月七日の廬講橋事件、ついで8月15日、9月3日は抗日勝利60周年、そして9月18日柳条湖事件記念日まで、「愛国無罪」をスローガンの暴徒達の狼藉は止まないだろう。おそらくまがまがしき事態が出来(しゅったい)し、日本企業の一斉撤退が開始されることになるだろう。

建設途中のクルマ工場やら、建設中断の憂き目を見るところもでるだろう。げんに先週以来、中国進出企業の株価はのきなみ下落している。投資家はチャイナリスクを現実のもとと受け止め始めた証拠である。

 小泉政権は強運の政権である。
これほどの歴史的なチャンスはないのだ。中国の悪辣さが満天下に明らかとなり、世界のマスコミの大半が中国を非難している。

これらの状況変化により、日本は九月までに懸案事項を一気に処理できることになった。「反日カード」は、昨年のサッカー事件以来、むしろ日本側にきている。つまり中国側が、このカードを切るとますます「愛国無罪」を獅子吼する暴徒がつけあがり、社会騒擾が蔓延化すれば、北京オリンピックへの憂慮が国際世論となって孤立する懼れが高まる。

日本の方が強い要求を出せる状況がきているからだ。(たとえば17日の日中外相会談で町村外相が謝罪と補償をもとめたことを中国のメディアが一行も報じていない)。

この政治的チャンスを活用して、日本は防衛力強化、自衛隊の前線への移動、尖閣諸島へ自衛隊を常駐させ、周辺海域の警備強化を足がかりに、東シナ海へのパトロール強化も射程に入った。
 こうした行動に手をぬくと、つぎに中国は軍艦を尖閣諸島へ派遣し、軍を上陸させ、軍事基地を建設するだろう。
いまの馬鹿げた愛国無罪を中国が国内的に処理するためには、そこまでのシナリヲを当然、検討しているはずである。

 8月15日に小泉首相は強行突破で靖国神社へ堂々と参拝に行き、正義を世界に訴えて、そのあとで郵政民営化など国内政治の失敗の責任をとって辞任すべきではないか?
    ◇  ◇  ◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◎ 明日!
<<国体観なき「憲法改正」を駁す>>大演説会

●演題と弁士
「中曽根・自民党案、ここが問題だ」森清氏(元自民党憲法調査会副会長)
「祖国再生にむけて憲法改正を」  西村眞悟氏(衆議院議員・民主党)
          記
[日時]4月19日(火)午後7時開演(6時30分開場)
[会場]文京シビックセンター・小ホール 電話03-5803-1100(アクセス「後楽園」0分/「春日」1分/「水道橋」8分)  [入場料]1000円
[主催]展転社 電話03-3815-0721
       ◎ ○ ◎        
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 ♪
(読者の声1)貴誌4月14日号の「環境汚染と農民暴動」の記事、痛ましい思いで読みました。私が常々懸念していた最大の問題だからです。
 私は中国政府も、中国人民に蔓延する恥知らずなイチャモン交渉術も大嫌いで軽蔑しきっていますが、かといってかの国の農民が汚染まみれで放置されていいとは全く思いません。仕事の関係で、雲南省奥地に行くと、牧歌的風景と温和な人心にほっとする間もなく、土壌に大量に蓄積された残留農薬(それもDDTなど先進国で禁止された農薬が在庫一掃されぶちまけられた異常濃度)の数値に思いが走り、暗澹とします。
 「子供の脳が危ない」(福島章著)によると、近年の「キレル子供」「異常殺人者」の多くに脳異常が認められ、その異常と環境ホルモンとの否定し難い関係が詳述されています。かつて中国野菜が「毒菜」として問題視され、香港の雑誌などで特集が組まれましたが、大陸では「毒菜」を2世代くらいに亙って食べ続けているわけで、あの13億の民は、民族性などというレベルよりはるか基層の生物レベルで異常行動に走りはじめていると思われます。大気も水も循環していますし、人間の交流も堰き止めることは不可能です。腐った共産党政権が倒れたからとて解決する問題でもありません。
 議論かまびすしいODAで、脱硫装置などをとりつけたり環境技術を提供してきた日本ですが、影響をモロに被る隣国の民として、そして子孫に責任をもつ真の愛国者として、どのように対処すべきと先生は思われますか?


(宮崎正弘のコメント)拙著や拙論を通じて、この問題を日本で一番多く書いている論者のひとりが、小生だろうと自負しておりますが、昨年の『現代』に書いた拙文はとくに反響が大きく、とくに「世界最大の三峡ダムは、ひょっとして世界最大の肥溜めになる」と警告しております。
 来月下旬に上梓する『瀕死の中国』(仮題)にこの環境問題を加筆して収録します。
 四川省に限らず、雲南省、貴州省などの農民は、純朴でひたむきで、方言が強くて、あまり会話が成り立たないのですが、牧歌的雰囲気には安心感をえたものでした。ようやく中国はこれから五年間で、邦貨17兆円を公害対策に投じる決定をしましたが、この方面でこそ日本企業の活躍を期待したい。


   ♪
(読者の声2)先週、加藤紘一議員の講演会&会見がありました。40名ほどの聴衆が参加していました。加藤氏の知り合いが、海外で、現地の人から次のような質問を受けたそうです。
64億人の世界人口の中で、一人あたりGDPが1万ドルを超えているのは全体の1割に満たない、日本人のように3.5万ドルレベルはトップ1%だろう。それなのに自殺者は増え、ビジネスマンは青い顔をして働き、引きこもりやフリーターは増え、日本人は幸せそうに見えない。何故なんだと。日本人はこういう質問を受けると政治が悪いと言い逃れをするが、この原因をよくよく考えると、生命力の喪失であり、足りるを知らない国民性に帰着する。日本は悪しきグローバリズム、キャチアップイズムに毒されており、多神教の自然崇拝の心を忘れてしまったせいだと、と加藤氏は説いていました。これを聴いた私は、加藤氏は苦労の果てに悪しき思想から脱して、日本人の「こころ」を回復したのだなと感心したのです。
しかしこの後の論展が噴飯物でした。やっぱりチャイナ・スクール出身の“トンでも野郎”でした。日本人は自然崇拝の心を再び持たなければならない。
そして米国に京都議定書の批准を迫り、中国にバイオ・テクノロジーやナノ・テクノロジーを供与して黄河の河清に資する協力を惜しまずに、と述べたのです。
なんで加藤氏は論をこんなふうに飛躍させるのでしょう。
米国は何故京都議定書に同調しなかったのか。それは、中国が発展途上国と見なされて、議定書の締結国に含まれていなかったからです。米は現在の2.8億人の人口が4億人まで増え続ける見通しで、中国は人口のピークに達していますが、二酸化炭素を猛烈に排出しながら産業発展させています。それから、なぜ自然崇拝の心を得たら、即座に中国の環境保全や水の確保のために、日本の高度先端技術をタダでやらなくてはいけないのでしょう。そんな義理は1万メートル先の蟻ほども無い!
こんな人だから北に食糧援助をしたりするのでしょう。小泉首相の靖国参拝には反対で、理由は大東亜戦争の戦争責任をいまだに日本が曖昧にしているからだそうです。前よりも劣悪・陋劣化しています。
    (HN生、丸の内)


(宮崎正弘のコメント)中国の反日暴徒をつけあがらせてしまったのは、この手のやすっぽい政治屋の暗躍と媚中マスコミのでたらめ報道であり、彼らにに半分以上の責任がありますよ。
         ◇◇◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◇◇
<<今月の拙論>>
?「中国海洋戦略の二律背反」(『日本文化』春号)
?「中国トンデモ裏事情最前線」(『新潮45』、本日発売)
?「李登輝さんの武士道とミシマ」(『月刊日本』、4月22日発売)
?「こんな中国へ進出した日本企業の命運」(『WILL』、4月26日発売)
?「混迷する台湾政局と反国家分裂法」(『エルネオス』、4月30日発売)
?「台湾有力議員会見記」(『自由』6月号、5月10日発売)
       ◇  ◇  ◇  ◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
<<今週の発言>>
?各週刊誌「反日デモ特集」にコメントをしております(『週刊新潮』、『東京新聞』、『フライディ』、『週刊アサヒ芸能』ほか)。
?(櫻チャンネル出演のお知らせ)4月25日(月曜)午後6時半、西村真悟代議士との「真悟十番勝負」に宮崎正弘がゲスト出演しております。「中国の反日、中国は国家なのか」などをめぐって。
          ◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

   <<宮崎正弘の新刊予告>>
 『瀕死の中国』(5月25日発売予定、仮題、中国経済はこうして崩壊する)

     <<宮崎正弘のロングセラーズ>>
http://www.nippon-nn.net/miyazaki/saisinkan/index.html
『中国のいま、三年後、五年後、十年後(改訂版)』(並木書房、1575円)
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『ネオコンの標的』(二見書房、1600円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円) 
 (宅配便による注文は下記サイトでも取り扱っています)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-form/ref=s_b_rs/250-2645852-0546630
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
小誌の購読は下記で登録できます(↓もちろん無料です)
http://www.melma.com/mag/06/m00045206/a00000060.html
(↑この左欄をクリックされると過去4年分の小誌バックナンバーが閲覧可能)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 (C)有限会社・宮崎正弘事務所 2001〜2005 転送自由 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。