国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/04/14

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)4月14日(木曜日) 
通巻第1092号 
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中国の若者よ、“反日”活動などやっている場合か
農村に拡大する反政府暴動は「黄巾党の乱」と様相が似てきた
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 昨年10月、重慶の暴動は市内の萬州区でおきて五万人が暴れた。主体は三峡ダムで立ち退かされた農民達の、スラムに流れ込んだ生活苦の人達だった。

 同年10月下旬、四川省漢源県でおきた15万人の大暴動は、漢源ダムで立ち退かされた農民が立ち上がった、生きるか死ぬかの必死の抵抗だった。この暴動は数十人が死んだと言われるが、爾後、現場は戒厳令が敷かれ軍が投入されているため、まったく事情がわからない。
 まるで劉邦が決起した黄巾党の乱のごとし。

 折江省東陽市は北に歌山鎮、南に画水鎮、別名「歌山画水」といわれた。
 風光明媚、水墨画にも描ききれない美しい場所だった。人々は自然を愛し、環境に親しんだ。

 この環境を破壊したのは四年前に新設された化学工場の廃液と煙突である。
 自然環境を享受してきた村人に異常な病気が蔓延しはじめた。東陽市郊外に急造された「竹渓工業団地」から汚染された廃液が流され続けた。
 なかでも悪質なのは染料工場、化学肥料、悪名高い企業は「東農化工有限公司」という。農薬製造の大手だが、利潤をあげて税収に寄与するので地方政府は公害対策をなおざりにした。

 この工場の周辺に小学校、中学校が建ち並び、もし事故が起これば数千人、数万人の生命に危機が及ぶと専門誌が指摘した(04年10月16日付け『中国化工報』)。

 付近の草木が枯れ、河が異臭を放ち、農薬の廃液が農地を汚し、毒性の空気を吸い込んだ妊婦が奇形児を産んだ。
 環境破壊、公害対策を訴えて、最初は老人たちが路上に座り込み、地方政府に抗議を開始した。

 3月23日から村人たちの自警団が監視チームを組織してトラックの搬入を見張った。道路を竹網で封鎖し、警察に逆らい、ついに警官隊3000人が導入された。抗議の村人の女二名を公用車がひき殺し、数百名が負傷、うち五名が危篤状態という(「大紀元」、4月12日付け)。

 騒ぎはここから争乱状況へと陥った。事情を知った村人五万人が駆けつけたのだ。
 05年4月10日、北京や広州では反日デモが暴走をした日である。

 激怒した村人らは政府ビルに投石を開始し、公用車三十数両を横転させ、警官とみるや殴りかかった。

 大規模な衝突は、こうして公害、環境汚染が元凶となった。
 同様な暴動は河南省浚北県、江蘇省盆城県、四川省遂寧市、重慶市合川県、広東省紹関などで起きており、ガンの異常発生などが報告されている。
 また4月11日には北京で退役軍人ら1000名が「待遇改善」を要求して西門付近でデモ行進をした模様。これも「反日デモ」の翌日である。

 本当に他人事ながら心配である。中国の若者よ、反日運動なんかやっている場合か。
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(ラジオ日本に生出演)明日15日(金曜日)午後1時から3時までラジオ日本「ミッキー安川のずばり勝負」に宮崎正弘が生出演します。中国韓国の反日とその背景、これからの日本外交の問題点など。◎
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(読者の声)地球は48億年前に太陽系に現れ、地球上の生命誕生は30億年以上前、インド大陸は当時南極近くに位置していた。彗星の頭部にあたる「あたたかい小さい池」で生命の種子が準備され、これが地球にぶつかって生命体が提供されたという説がある。
宇宙から「命のいがた」がもたらされたというのは、あまたの神話的記憶と照合する。蓋し、神話は人類の遠く深い根源に通じている。地球生命の誕生は、下等植物による大気の変換(大気の還元)、太陽や地中マグマからのエネルギー獲得、分子の形成(アミノ酸の生成)、吸着と縮合(ポリマーの進化)、情報の保存(核酸の形成)などの諸条件に因る。出来上がりつつある生命体高分子が、自分の情報を保存する確実な方法は、自己複製能力を持つことである。
この情報保存には、核酸がその主役を担うことになる。核酸のひとつDNAが遺伝情報を保存し、それをRNAに転写して自己複製する能力を得る。こうして情報高分子の生物が誕生した。その高分子を繋ぎ止めるために細胞膜が形作られた。この膜には選択透過性があり、情報を保持するために「エネルギーの散逸」を行う機能を備えた。エネルギー代謝の獲得。 つまり生命体は、情報高分子、細胞膜、エネルギー代謝の三つの基本条件を獲得した。しかしある大きな矛盾に向かって生物進化は進んでいくことになる。生物進化は、気象・地上・海中の有り様つまり安定化により早まった。地球上の種は500万種、多ければ1000万種に上ると云われるが、完全な自給自足ができる生物は緑色植物の一部だけ、全生物のために酸素を作り出す光合成のものたちである。他の生物は緑色植物に全面的に依存している。初期の地球には酸素がなかった。太初、地球の大気は水素に満たされ、それが窒素と二酸化炭素の混合気になる。酸化性大気では分子進化は進まない。当時の地球にあった硫化水素の還元力を使って二酸化炭素を酸素に還元し、大気は変化し、生物進化の舞台をつくった。
太陽と水がこれに与かった。緑色植物が生産した酸素が地球を取り巻き、生体破壊力を持つ紫外線からの防御圏(オゾン層)を形成した。酸素に包まれたこの温室が、最初で最大の「生命の矛盾」「進化の矛盾」を顕現させた。緑色植物以外の生物が自給自足で生きる可能性を奪った。太陽の紫外線エネルギーで自給自足できる生命体をつくることが、次に生まれ来る生物にはもうできなくなっていた。この大矛盾を孕んで生物は進化し続けた。海中から淡水へ、水生から陸生へ、地上から空中へ、樹上から地上へ。矛盾と錯誤に満ちた進化の歴史が展開された。
こうした中で相反する特徴が示されることになる。 生物が゛共食゛するということ。それはつまり食う生物と食われる生物が゛共存゛することを意味する。共食と共存の大連鎖である。この大連鎖は進化の必然ではなく、生物進化の過程に、故無く抱え込み内包化された大矛盾なのである。
これを国家に当て填めてみると実に興味深い。
国家間にも生物間同様の大連鎖があるのである。細かい積み重ねや煩雑で根気の要る作業を伴う、「もの作り」に勤しむ緑色植物的国家があり、この国家では「組織による長期計画」に基づいた実体経済(サブスタンス・エコノミー)が支配する。
これに飽きるか倦むかして、放擲してしまった国家は、実体経済から遊離し、「個人による短期計算」に傾いた金融活動や情報処理の象徴経済(シンボル・エコノミー)にのめり込んでいく。こす辛い国家は、はじめから「もの作り」を厭い、他国の物真似や技術・特許などの知財の只盗り・収奪を事とする寄生経済が卓越する。
日本国は、生物間の森厳な生存原理を、アナロジーとして、国家間の生滅原理に適用することに思いを致すべきである。台湾経営、朝鮮半島経営、満州経営で失った国富の膨大さによくよく思いを致さねばならない。1980年代後半、あれほど上々で、天馬が天駆けていたと云って過言ではなかった日本経済が、ずたずたにされていった経緯に深く思いを致さねばならない。
歴史は長いだけではダメである。
絶えず振り返り、思い出し、それを後世に語り継ぎ、「日本民族の共同意思」を形成し堅持することが肝心である。国家間にも生物界と同じ食物連鎖が存在し、もの作り(光合成)し自給自足できる国家(緑色植物)であっても、収奪を事とする国家(動物)にはただ食い尽くされるだけである。
 動物的国家同士も等価ではない。他の国家に収奪され消滅する国家がある一方、算術成長的な「もの作り」から進化して幾何級数的に富を生み出す術を編み出す国家がある。 
これは莫大な力を持ち他国を支配し収奪していく。これには高度な計略を備えていなければ、食い尽されるだけである。民族国家の精神ストラクチャーが堅固であることが肝心である。こす辛く、他国の財を盗み取り、いかさまに富を掠め取る「ならず者国家」には、これを心して近づけないようにし、これから遠ざかり、自国の安寧を保つようにすべきである。
「ならず者国家」に、無警戒にしていて自国に侵入されたり、その中に取り込まれたら終わりでる。やられたほうが悪い。俊厳とした国家生滅の定めである。
(しなの六文銭)
 

(宮崎正弘のコメント)まさにご指摘の通りでしょうが、日本人は七世紀のいにしえから「和をもって尊しとなす」平和憲法をもっていた国ですからね。「ならず者国家」に対応する術がない。生物学的に言えば天然記念物ですか。
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(休刊予告)16,17日と「反日デモ」の暴動化が予測されていますが、宮崎は先約があって山形です。18日夕刻に新情勢を分析する配信を予定しておりますが。。。
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   <<宮崎正弘の新刊予告>>
 『瀕死のドラゴン』(5月25日発売予定、仮題、中国経済のバブル崩壊は秒読み)

     <<宮崎正弘のロングセラーズ>>
http://www.nippon-nn.net/miyazaki/saisinkan/index.html
『中国のいま、三年後、五年後、十年後(改訂版)』(並木書房、1575円)
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『ネオコンの標的』(二見書房、1600円)
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