国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/04/03

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)4月4日(月曜日) 
通巻第1081号
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  台湾外交、米国共和党との関係を強化へ
 有力ロビィストと契約し、戦略的な政策アドバイスを求める
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 台湾外交に決定的影響力をもつのは米国である。

 その米国が、親中派のクリントンが退場し、共和党政権に復帰してから2001年9月11日まで、中国嫌いのブッシュ大統領は「台湾を護る」と力説していた。
 米国の政策決定を背後で左右し、議会工作や世論工作に携わるのはシンクタンクとロビィストである。

 台湾防衛のニュアンスが大きく崩れ、04年3月の「住民投票」に露骨に介入した米国は「現状維持を変更する如何なる試みにも反対」と言いだした。
 そもそも米国の駐在代表(大使に相当)は、親中派のダグラス・パールである。
 さらに同年11月から12月にかけて(台湾総選挙直前)、「中国は一つ」であり「台湾は主権国家ではない}(パウエル国務長官=当時)と冷たい発言をくりだした。

 危機感が台湾に強まった。台湾の陳水扁政権を代弁する有力ロビィがいないのである!
 北京が「反国家分裂法」を制定する直前の段階で、米国のマスコミと議会は総立ちで中国非難を自然発生的に合唱したが、ブッシュ政権は同時に台湾に対しても「現状維持」を替えないよう」再度要請したほどだった。

 台湾政府は4月1日、与党共和党に強いコネクションを持つ法律事務所を「ロビィスト」として契約した。
 契約したのはワシントンにあるバーバー・グリフィス&ロジャーズ。契約は450万ドル。

 同社はカタール政府やクルド自治政府のロビィストとして大活躍の実績を誇り、社長のロバート・ブラックウィル氏は先代ブッシュ政権で国家安全保障補佐官チームで戦略立案の副主任を務めた。

 蒋介石時代の台湾は宋美齢を通じて米国に強いロビィを形成し、このため台湾国民党が影響力を保持した。97年にはロバート・ドール(元上院院内総務)とロビィスト契約をした。
 しかしドールは当時落日の共和党を背景にしており、そのうえクリントン再選阻止に挑んで大統領選挙に敗れたばかり、政治的影響力が限定された。

 これまで民進党は、過去の人権擁護、リベラル派との提携が強かったため、共和党に強いコネクションがなかった。
 捲土重来の布石としてロビィストの強化にはいったというわけだ。

 「これから台湾のロビィストとして如何なる政治宣伝広報活動をするかは明らかにできないが、米国と台湾のすみやかな意思疎通や政策助言、議会との戦略的方向性などのアドバイスが契約の主体だ」と陳唐山(台湾の外務大臣)が記者団に語っている(チャイナポスト、4月2日付け)。
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  速報!
(三島由紀夫展のお知らせ)
没後35周年、三島由紀夫ドラマティックヒストリー
 4月23日より6月5日まで神奈川近代文学館にて開催されます!
http://www.kanabun.or.jp/te0153.html
 (↑詳細、地図もシンポジウムの案内もあります)。
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/gakugei/news/20050402k0000m040150000c.html
(↑三島由紀夫、学生時代の会計日誌を発見)
 なお本年の第35回「憂国忌」は11月25日午後6時 九段会館大ホールです。
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(読者の声1)台灣の軍隊は現在、(台灣)國軍)なのでせうか、それとも(國民黨軍)なのでせうか?
 數年前、台灣パブの女の子(留學生)に尋ねた時には、「それ、私にもよく分らないんですよ」といふ話でしたが。「李登輝總統の時代に國軍化された」と聞いたやうな記憶もありますが、權力の基盤が「黨から國へ」スンナリ移動したとしたら奇跡的だと云ふ氣がいたしますので。
          (showa78)


(宮崎正弘のコメント)台湾もまた「法治」というより、依然として「人治のくに」の部分が残存しています。ご指摘の台湾国軍は憲法上は「国軍」、しかし、つい先年まで国民党の政治将校がいて、要するに「国民党の軍」という色彩が実態面では濃厚でした。陳水扁の当選直後(五年前)、軍にクーデタの噂があり、行政院院長(首相)に軍から選ばざるを得なかった。
その後、ようやく台湾人出身者が国防部長となりましたが、いまの国防部長は外省籍の筈です。ですから、まだまだ中間状態でしょう。
総統のボディガードにしても特務あがり、まだまだ行政上のいろいろな箇所に国民党残党(いまの主流ではなく蒋介石時代を懐かしむ人々)がいます。ご指摘のような奇跡はまだ達成されていません。
しかし最近ようやく蒋介石の銅像が(嘗ては台湾全島に10万体もありました)撤去され、ほぼなくなりました(残っているのは二千体以下といわれ、政治警察学校や国民党本部など。中正堂にはもちろんありますが。。)。
大渓慈湖の蒋介石陵墓ちかくの公園に、撤去された銅像のなかの120体ほどが集められ、「蒋介石銅像公園」が出来上がりました。つめたい小雨のなか、小生も見学しましたが同行した高山正之氏が、
「これって、凄いブラックユーモではありませんか?」
と呟いていたのが印象的でした。


  ♪
(読者の声2)毎号たのしみに拝読しております。休刊があると寂しく思うくらいです。昨日の台湾情報も、新聞にまったく出ていない情報が、行間に補充されていて、とくに連戦主席の性格とか、江丙甲氏の来歴とかがよく分かりました。
 いったい情報源は何でしょうか?


(宮崎正弘のコメント)情報ソウスは秘匿しますが、多くの台湾の知り合いからも情報が入りますし、インターネットでは『連合報』『中央日報』『中華時報』『自由時報』など殆どを読むことが出来ます。国民党系が前者三紙、民進党系は自由時報のほかに『台湾民報』があり、英語版では「TAIPEI TIMES」が参考になります。
『りんご日報』は、芸能スキャンダルとセックス記事ばかりで『日刊現代』風。参考になりません。
 空輸便の『自由時報』の実物は、三日か四日遅れで日本に到着しますが、これはかなり精密に読んでおります。


  ♪
(読者の声3)貴紙1078号。「香港読者」氏の意見に賛同致します。
しかし何故、「香港読者」氏の言われるようにならないのか、私なりに考えました。つまるところ、国益を考える日本人が少ないということだと思います。「国益を考える」=「強い日本になる」=「戦前の日本なる」=「戦争をする日本」。戦後教育が「国益」=「戦争志向」と勘違いさせたのかもしれません。
個人主義。国益を考えない、すなわち「公」がない個人主義のため、「自分が成功するためには何でもする」日本人ができた。「個人が儲かる、成功するといった、ちっぽけなこと(誰でもそうありたいが、)で簡単に国を売る」日本人がいます。いましたね。
我々はまず日本人をしっかりとみていかないといけないのではないのでしょうか?はっきりさせようじゃありませんか!一体どれくらいいるのでしょう?考えてみる価値はあると思います。
これくらいはいると考えて対策をとる必要があると思います。
?国会議員です。中国、北朝鮮、ロシアから金をもらったのは誰だ。個人的な弱みを(マスコミに流されたら困るような)握られているのは誰だ。
?官僚です。「税金」=「国の金」=「国の仕事をしているものの経費」と言う考えで、「税金」=「国民の所得の一部」=「国益のために使う金」という考えなどゼロに近い。だから、ODAなど国民の監視がきかない公共事業です。政官財の癒着。だからといって今、国内問題を解決するのがまず先決だとは言いません。多くの国民がわかってきていると思います。「政治献金」のいかがわしさと「天下り」の経済に及ぼす悪影響を。しかし、国益が全体として保たれているとすれば、パイの分配の問題なのだから、いずれ落ち着くところに落ち着くでしょう。問題は国益にかかわることです。国会議員と官僚は「国を売らないでいただきたい」。いや、もっと、単純なこと・・「脅し」「脅迫」も絡んでいるかもしれません。やくざの手口と同じでしょう。個人主義の政治家、官僚だからうまい話にすぐ乗ってしまうのではないでしょうか?(例えば一見して国益を損ねるような事例でないかぎり、個人または仲間の利益で動いてしまうことはないだろうか?)
また、「個人的な脅し」に屈しないで頂きたい。敵は汚い手を使ってくるでしょう。「核」が「公」に対する「脅迫」とするならば、「私」に対する「脅迫」、国会議員、官僚個人に対する「攻撃」は何かを解明し、法または制度的に対策を考える必要があると思います。
(ニテエ)
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<<台湾建国烈士・鄭南榕先生を偲ぶ集いの御案内>>

鄭南熔は「台湾の三島由紀夫」と呼ばれる!

 1989年、鄭南榕烈士は、台湾独立建国聯盟主席だった許世楷氏(現駐日代表)の論考「台湾共和国憲法草案」を主宰する「自由時代」に掲載した。すると検察は反乱罪容疑で召喚しようとし、鄭烈士は頑として応じず、自由時代社に籠城した。
言論の自由を求め「国民党は私を逮捕できない。逮捕できるとすれば私の屍だ」として、4月7日午前9時過ぎ、警官隊が包囲する中、宣言通り自らガソリンをかぶって火を放ち、覚悟の自決を遂げた。享年42歳。
この事件は「台湾新憲法事件」と称され、もっとも激烈な形で台湾の歴史を塗り替え、その民主化と台湾化の流れを加速させた。鄭烈士が「建国烈士」と称揚される所以だ。
鄭烈士のこの事績に感銘した日本人有志が主催し、台北駐日経済文化代表処および賛同する在日台湾人団体の後援で、記念講師は許世楷・駐日代表。また自決直後、『台湾青年』編集長として鄭南榕記念特集を刊行し宗像隆幸氏。
下記の次第で鄭南榕烈士を慰霊顕彰し、広く日本人にその事績を伝える「台湾建国烈士 鄭南榕先生を偲ぶ集い」を開催します。
 
           記
 とき    4月6日(水)午後6時30分〜9時(6時開場)
 ところ   アルカディア市ヶ谷4F「鳳凰」
       【交通】JR、地下鉄有楽町線・新宿線・南北線「市ヶ谷駅」徒歩2分
 講 演   許 世楷(台北駐日経済文化代表処代表)
       宗像隆幸(アジア安保フォーラム幹事、元『台湾青年』編集長)
 参加費   おひとり1500円
 主催    日台交流教育会、日本李登輝友の会、台湾研究フォーラム
 申込み   日本李登輝友の会 03-5211-8838 FAX 03-5211-8810
       E-mail ritouki-japan@jeans.ocn.ne.jp
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 <<宮崎正弘のロングセラーズ>>
http://www.nippon-nn.net/miyazaki/saisinkan/index.html
『中国のいま、三年後、五年後、十年後(改訂版)』(並木書房、1575円)
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『ネオコンの標的』(二見書房、1600円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円) 
   (御注文と宅配便発送は下記アマゾンでも取り扱っています)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-form/ref=s_b_rs/250-2645852-0546630
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◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
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