国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/03/28

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)3月29日(火曜日)
通巻第1075号  
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 台湾の「反国家分裂法」非難デモをアメリカはどう伝えたか?
  全米各地と日本やカナダでも反中国のデモが大々的に行われた
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 緑色が象徴するのは台湾独立である。
 「台湾、イェス。中国、ノー」と大書された緑旗が会場に林立した。
 米国の首都ワシントンの風景。反国家分裂法を「台湾侵略を合法化する無謀な試み」と捉える参加者らは在米台湾人が殆どだが、国民党支持者もおおく混じった。
 台湾で同日開催の百万人デモに呼応した催しである。

 取材したワシントンポストの記者は肉声を聴いた(同紙、3月27日付け)。
 「台湾には自由を追求する権利がある」
 「我々は中国人ではないし、一度も中国人だったことはない」
 首都のラリーに集まった参加者は遠くジョージア州、イリノイ州、テネシー州からも。彼らは口々に、「台湾と米国は自由をいう価値を享有している」、「我々米国市民は台湾を支援する」と訴えた。

 米国議会はすでに3月16日に中国の反国家分裂法への非難決議をしている。ワシントンポストによれば、同様な集会はロスアンジ
ルス、ヒューストン、NY、シアトルでも開催されたという。

 会場の熱気を興奮気味に伝えたのはリベラル派のロスアンジェルス・タイムズ(同月27日付け)である。
 「中国の反国家分裂法は北京の誤断」とサブタイトルに掲げてデモの過熱ぶりを精密に情景描写したなかに「参加者のプラカードにブッシュ大統領と小泉首相の似顔絵がならび、『日米が台湾を護ってくれる』としたのもあった」そうな。
 「このデモを独立運動を誤断すれば北京はますますエスカレートする懼れがある」と参加した知識人が代弁したように、「陳水扁総統は行進に参加して『台湾は我々の子供』の合唱をしたものの演説を控えた」(同紙)。

 NYタイムズは「このような大がかりな反対デモは、中国が成立させた反国家分裂法がいかに政治状況を激変させたかを物語る」(3月26日付け)と書き出した。

 「この法律が登場するまで台湾海峡がそれほど切迫した危機にあるとは思っていなかった」と参加者の一人。台湾でも50万人以上が集会に参加したが「経済的な中国台湾の蜜月が終わった」とする認識が拡がった、とNYタイムズが続けた。
 「陳水扁総統は、驚くべきことに統一派の宋楚諭率いる『親民党』と(議会対策のための)合作を発表したが、直後の世論調査は両党がともに支持率を激減させていた。だから陳水扁総統自身もデモに加わって、また独立色を滲ませる行為にでたのだ」。


 ▲恬淡として同日、訪中を発表した国民党

 「しかし国民党の幹部は冷淡で、『あのデモはお祭り騒ぎのカーニバルでしかない』。国民党は同日、中国へ大型使節団を派遣して話し合いを始めると発表して対抗し、連戦国民党主席も夏に訪中の意向を示している」とNYタイムズは反対の動きも伝えた。
 「けれども参加者のなかにはそうした国民党の動きに批判的で、『国民党幹部もこのデモに参加すべきだった』という国民党支持者の声も公平に併記した。

 やや冷たい論調はロイターを援用したワシントンタイムズで、「参加者は24万人。陳水扁総統の周りは500人の警備」などと書いた。
 しかし参加者のなかには遠く高雄の南の屏東から十時間かけて親子ずれで参加した人の談話があり、「台湾を一日たりとも中国は統治したことはないし、一度も台湾が中国の領土であった事実はない」という抗議の声も掲載した。

「だが経済界の重鎮で奇美実業を率いた許文龍は同日に公開状を発表し、『台湾の経済発展はいまや大陸とは分離できない状況になった。台湾独立は戦争を招きかねず、台湾人民が災禍に見舞われるだろう」(ワシントンタイムズ)とする”転向声明”を末尾に掲げた。

 しかし許氏の公開状は本人不在のままの発表で、依然として謎に包まれている。

 ともかく米国マスコミの台湾報道は斯くの如し。
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(お詫びと訂正)小誌3月28日付け臨時増刊のなかで、「粛美琴女史はジュリア・ロバーツ似の美貌の才媛。台湾立法委員(国会議員)二期目である。 父親がアメリカ人、母親が台湾籍。神戸に生まれ、米国へ移住。その米国籍を捨ててまでも」云々の箇所。
 「父親は粛清汾で台南神学院長だった。母親がアメリカ人」と訂正します。事実誤認によるうっかりミスでした。
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