国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/03/17

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)3月18日(金曜日)
通巻第1068号 
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 銀行とは預金者から集めた資金を運用し、利息をつけて還元するところ。
だが中国の銀行は集めた金を恣意的に融資して賄賂を取り、私物化する伏魔殿
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 また「中国建設銀行」の行長(頭取)が捕まった。おきまりの賄賂容疑だ。
張恩照・会長は「個人的理由」で辞任したが、この中国建設銀行は国有四大銀行のひとつであり、しかもNYと香港での株式上場をめざしていた。それも50億ドルを掻き集める計画である。

 上場? 膨大な不良債権をかかえこみ、中国銀行ともども国家から外貨を450億ドルもぶちこんでもらっても、それらは何処へ消えたのか。
幹部の勝手な融資による賄賂、マカオでの博打と愛人を囲うマンション購入に消えたのではないのか。
 
王雪氷(前建設銀行行長)が2002年に捕まった容疑もNY支店長時代の収賄とされた。しかし金額は1500万円ぽっち。これで実刑12年である。
かれは裁判で無実を叫んだ。
政変的に言えば、朱容基(前首相)の失脚を仕掛けていた江沢民の陰謀という分析も、当時の状況では可能だった。王は有能な銀行マンとして国際的にも知られた人物だったからだ。

 瀋陽に怪しげなオランダ村を創ろうとしていた楊武(『フォーブス』が中国財閥第二位と報じたこともあった)にしても、新義州(北朝鮮経済特区)の初代長官を金正日から任命された途端、中国国内で逮捕起訴された。
楊は江沢民派の李嵐清(政治局常務委員、当時)と近かったため、政変的環境からいえば、反江沢民派の抵抗という“迷解説”もあった。

 銀行関係では中国銀行の劉金宝・副会長が免職処分、中国工商銀行では昨年だけで合計30件、およそ900億円の不正融資が発覚し幹部が処分された。建設銀行では04年にも合計100億円の不正融資による賄賂が発覚し、行員50人が処分を受けた。

 中国銀行ハルビン支店では支店長が130億円を海外へ持ち逃げ、杳として行方知れず。
 その前年の開平支店での五億ドル持ち逃げ事件もそのまま。こういう銀行がNYで上場するって、どう考えてもおかしくありませんか?

 張恩照のケースも当局の発表とはまったく別な政争絡みではないか。

張が北京で拘束されたのは全人代会期途中のことであり、しかも辞任の発表は全人代終了直後だった。
もし政変がらみとすれば、胡錦濤派がしかけた金融界人脈からの上海閥粛正であるかも知れない。

 それにしても中国銀行と中国建設銀行の西側株式市場への上場計画は、まだ取りやめという発表はない。もし上場が可能になったとしても期待するほどのカネを調達することは極めて難しい情勢だろうけれども。。。
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(読者の声1)いつも愛読しております。小生、仕事で時折中国に赴きますが、彼の地で体感する現実と、我が国の能天気を極めた報道とのギャップに腸捻転のようなもどかしさを感ずることしきりです。
先生のメルマガは、そのギャップをすんなり埋めてくれる数少ない情報源の一つとして、全幅の信頼をおきつつ大いに楽しんでおります。
 拝読していて感服するのは、博捜を極めつつ絶妙の洞察を閃かせつつも、決して「早耳屋」のような浅薄さに陥らない懐の深さと、これだけ鬱陶しい現実に対処しながら、いつも紙背に朗々飄々とした闊達な精神の運動を感じられることです。特に後者については、幼い子供を抱える父親として将来への絶望に押し拉がれそうになりがちな小生にとって、帆一杯に春の風を含んだような活力を漲らせてくれます。
 さて、常々疑問に思っていることがあります。巷間にいう「振込め詐欺」についてです。私には、あの「被害者」がおよそ同情すべき人たちには思えず、むしろ大局にたって現代日本を腐らせ卑しくさせる元凶とすら感じられるのです。
 「娘を傷物にするぞ」と脅されたような少数の人たちは別です。そのような人が動転して多額の金銭を振込むのは、いかほど間違っていようとも同情には値すると思います。問題は、「交通事故」や「医療ミス」などを「金で解決しよう」という、さもしい魂胆です。子供や孫から電話で「交通事故を起こした」「取り返しのつかないミスをしてしまった」と相談があれば、「きちんと礼を尽くし、謝るべきは謝り、そうでないと思う部分については丁重かつ決然たる態度で臨みなさい。お前はまだ若いんだから、きちんとトラブルに向かいあう経験をもつことは、とてもとてもいいことだ。どうしてもわからないことや、手におえないと思える場面にぶつかったら、改めて相談しなさい。決して安直な解決(金やコネ、裏社会)に頼ってはいけないよ。まだ若い。お前なら絶対にできるから堂々とやれるところまでやってみなさい」とでもいうのが、本当の親心ではないでしょうか。それが、さっさと「金で、その場の苦痛(というほどのものでもないですが)を免除させよう」などというのは、およそ「卑しい」というレベル以下です。幼稚などといえば、幼稚園児が夜泣きして怒ります。それが、いつも「被害者」のように扱われる。
TV等で“したり顔”のコメンテータ−の中で、小生の知る限りただの一人も「被害者こそ悪い、少なくともそういう面がある」というものがありません。
不思議でしようがないのです。先生はどう思われますか?
     (かろかろ 熊本)


(宮崎正弘のコメント)韓国や台湾の人が嗤うのです。「日本でしか、あの『振り込め詐欺』は成立しない。日本人はお人好し、善良すぎて他人を疑うことをしらない。というよりバカに近いのでは?」というのが実直な外国人の感想でしょうね。おとなにいつまでもなりきれないほどの善良さが、外交にも出てきて、強盗に「盗んだ領土を返せ」と言ったら「これはもとからおれのものだ」と強盗が開き直っているのに、「強盗を刺激してはいけない。強盗の言い分も聞こう」といっているのが朝日新聞などですから。
 交流をやめると韓国の知事が言ったり、島根県庁へナイフをもって脅しにきた韓国人がいても、日本人には怒りがない。「韓国との交流を止める」って発言する知事が日本にはいない。振り込め詐欺の「被害者」も似たところがあります。
 ところで貴兄のように正論を言うとテレビには出演が難しい。テレビ局のなまいきなディレクターと妥協し適当な意見を注文通りにこなす、好い加減なコメンティターが、いまのマスコミの主流です。


   ♪
(読者の声2)宮崎さんのホームページを開いたら、バングラへの中国の武器輸出の話がでていましたので懐かしくメール申し上げる次第です。昨年2度、ウズベキスタン、タジキスタンンへ仕事で行きました。そこで親しくなった年下のウズベキ人2人と話をしていたとき、旧ソ連軍に居たころ中国製の武器の質が悪いのでAK-47を「チャラシニコフ」を言っていたそうです。弾装を撃ち尽くして、入れ替えると弾丸がでないことが当たり前だったとか。
中国にいる知り合いからの連絡では、いまや北京や満州だけでなく、広東省も水不足で工場は大変とのことです。一番興味があるのは金融で、建設銀行の董事長ガ汚職容疑で辞任するまでもなく、一国有銀行の不良債権は5000億ドルとも言われ、金融パイプはつまったまま。株式市場もさっぱりで、成長への資金パイプは完全にとざれています。
いよいよ、宮崎説の「高転びする中国」の姿がみえてきました。
さらに、ブッシュ政権は、ボルトンを国連大使に、ウルフヴィッツを世銀総裁につけ、国際機関の浄化を開始しようとしています。日本の対北朝鮮への強硬論には、韓国の親北政権は反日運動を開始し、目を逸らそうとしています。これからが、宮崎説の真骨頂と期待申し上げます。
         (MA生)


(宮崎正弘のコメント)ウォルフォウィッツ(現国防副長官)は、インドネシア民主化革命の裏の立て役者、イラク戦争遂行の中心人物ですから、世銀で何をやるか、大いに注目ですね。
 これでラムズフェルド、しばしペンタゴンにとどまり、米軍トランスフォーメーションの仕上げを急ぎますね。一連の人事はみんなチェイニー副大統領じゃありませんかね?
 ウズベクとタジクは小生、一回しか行ったことがないので、現在の正確な情勢など分かりようもありませんが、いずれ御教示を頂きたいと思います。
 「高転びする中国」という仮題の拙著は5月末に出す予定で、すでに原稿は書き上げ、ゲラを来月中に最新データを挿入しながら終了させる予定です。


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(読者の声3)島根県の「竹島の日」を制定に対して韓国ではまるで気が狂ったような反日運動が続いている。
北朝鮮といい韓国といい自分の意思に反した場合の朝鮮人の行動は、小児的というか、中年オバサン的というか、ヒステリックで大袈裟でキチガイじみている。  
彼等は赤ん坊のようにギャーギャーと泣き騒げば日本人は理解し譲歩するとでも思っているのであろうか?
地球上の何処の国にも多かれ少なかれ近隣諸国との領土問題がある。しかし朝鮮人のような常軌を逸した行動をとる民族は見たことがない。日本と断交すると脅迫するならどうぞおやりなさいといいたい。我々は全然怖くない。 
(MI生)


(宮崎正弘のコメント)小生にとって韓国人には哀れみ以外、感想はありませんね。中国に一言の文句も言えない分、三倍も四倍も日本にきつく当たるのは韓国人の昔からの癖ですが、奇妙で歪んだナショナリズムが基礎にあると思います。
 そのことを深く理解している韓国の知識人は相当数にのぼります。
福沢諭吉があの時代に韓国独立の志士をさんざん支援した挙げ句に吐いた、「悪友と付き合うのはよそう」という言葉はじつにじつに名言ではありませんか。
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 <<宮崎正弘のロングセラーズ>>
http://www.nippon-nn.net/miyazaki/saisinkan/index.html
『中国のいま、三年後、五年後、十年後(改訂版)』(並木書房、1575円)
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『ネオコンの標的』(二見書房、1600円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円) 
   (御注文と宅配便発送は下記でも取り扱います)
http://esearch.rakuten.co.jp/rms/sd/esearch/vc?sitem=%B5%DC%BA%EA%C0%B5%B9%B0&sv=30
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(休刊予告)3月20日から25日まで台湾取材のため小誌は休刊です。◎
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