国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/03/15

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)3月16日(水曜日)
通巻第1065号 
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全人代で「反国家分裂法」の影に隠れたが
 中国は「警職法」の改悪を静かにおこなっていた
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 14日に終了した中国全人代、世界のマスコミは北京軍国主義の獰猛な侵略姿勢を批判した。台湾を武力で侵攻するという「反国家分裂法」の正式採択である。

 さてその報道の影に隠れたが、中国は頻発する労働争議、農民暴動、新興宗教、民主団体をさらに効果的に弾圧するために「警職法」にあたる警察規定を改悪していた。
 これによれば令状なしの捜査、路上であやしい人物の検挙など、独裁強権まるだしの法改正となっている。
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<<今週の書棚>>

呉善花『“反日・親北”韓国の暴走』(小学館)
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 ちょうど竹島問題が再沸騰しているタイミングである。
 竹島は日本固有の領土だが、韓国が侵略し軍事占拠したまま。それを「返せ」と言ったら日本はケシカランと日本大使館前で日章旗を焼く「反日活動家」がいる。かれらはプロである。島根県が条例で「竹島の日」を制定したら、それもふざけるな、と言いがかりをつけてきた。強盗の開き直りに等しい。
 国際裁判所で決着をつけましょう、という日本の穏便な提言に韓国が乗ってこないのは、国際法廷で争えば韓国の負けが決定的だからだ。
 そこへ今度は教科書採択で機密扱いとなっている「つくる会」の改訂版教科書の白表紙版を盗み出して韓国(中国へも)へ「御注進」に及んだ売国奴がいる。背後で火を焚きつける朝日新聞などがある。
 しばらくは韓国の反日運動、沸騰しつづける材料を得た。
 さて本書を読むと、どうして韓国がこれほどまで執拗に日本批判を繰り出すのか、その心理心情が骨の髄まで理解できる。日本の「ヨン様」ブームは表層的なものだが、呉さんのサブタイトルは「ヨン様の国は本当に危うい!」というものだ。
 韓国の歴史認識は危険極まりなく、しかもいまの韓国の暴走が続けば北東アジアは「火の海」になりかねない。
 朝鮮半島は「地政学的」の呪われた条件が宿命付けられており、「大陸→半島→海洋」という流れの軍事進出は元寇の一回限り。たいがいは「海洋→半島」と「大陸→半島」の二つの流れがあり、後者には契丹、モンゴルの例、前者は秀吉の半島侵攻と日本軍の朝鮮合邦、満州建国の通過路となった経緯がある、と歴史的叙述を演繹されながら、
 「大陸に直接つつく半島という地政学的な条件は、巨大な大陸国家中国の圧倒的な干渉下での歴史形成」が宿命だったのだ、と呉女史は言う。
 だからこそ廬武玄大統領は「東北アジア」が次の世界史の牽引車などと、とてつもない大法螺を吹くのが、これは朝鮮半島特有の「左翼民族主義」であり、北朝鮮擁護と民族主義特有の排他的感情がむすびついたもの、と分析される。
しかも論理はヒトラーそっくりだという指摘は、一瞬はっとなるほどに新鮮だった。
 ヒトラーはアーリア人を絶賛し、「人類のプロメテウゥス」と比喩した。
 「こうしたヒトラーの白人種を世界一優秀とする自民族優越主義と、北朝鮮の自民族優先主義はきわめて酷似している。また国家社会主義=全体主義国家への道を歩んだことでもよく似ている。韓国でも自民族の優秀性をことさらに高唱する自民族優秀主義が根強い」(本書73p)。
 呉女史が続けて例証されるのは、廬大統領の就任演説にある「数多くの苦難をのりこえ半万年」という表現である。
もし韓国の歴史が五千年もあるとするならば、神話の檀君王朝時代が実在したことを意味し、こうした改竄史観は独裁国家お得意の嘘とはいえ、北朝鮮の歴史観そのものだ。なにしろ古代エジプトやシュメール文明と同様に古いと、とてつもない歴史をでっち上げ、その改竄を声高らかに鼓吹し、扁執的で、パラノイア的な自民族優秀主義を固執する。
 そしてもっとも注目すべきは廬政権ブレーンや“廬紅衛兵”の左翼学生らが、北朝鮮と同様な視点から「檀君朝鮮いらいの強大な軍事国家・高句麗の名称と精神を継承した王朝国家としての高麗に、国家的民族的なアイデンティティをおくのである。北朝鮮が将来の南北統一国家の名称を「高麗民主連邦共和国」と名付けているのもそのためである」(本書78p)。
本書にはその憲法草案骨子も資料として掲載されており貴重である。
 韓国の突拍子もない排他的ナショナリズムの源泉が奈辺にあるのか、よくよく理解できる。
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(サイト情報)?「反国家分裂法」なんて張り子の虎だ、とワシントンタイムズが社説↓
http://www.washingtontimes.com/functions/print.php?StoryID=20050313-091433-3293r
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(読者の声1)千葉県知事選挙。創価学会票はほとんど堂本にはいていません。公明党は、自党の候補以外は動かない党です。今回も民主党系議員がそういっています。
 堂本が勝利した地区が、一昨年の総選挙で、民主党が自民党に勝利した地区と、完全に符号しているところから(例外は野田市、鎌ヶ谷市)、堂本は民主党の票で当選したと言えます。
ホワイトカラー千葉都民は、中央の政権交代のためには国・地方選挙を問わず、一切、自民にはいれないという姿勢を貫いているように思えます。
自民はこれまで党の顔を小泉に変えたり、政策を変えたりして政権を維持しようとしてきました。しかしこのたびの選挙で、自民はいかに看板を変えても、ホワイトカラーがついてこないことが証明されてしまいました。党の顔を安倍晋三に変えても、この流れを変えることはできないと思います。
 自民の何が問題か? それは党の地方組織の階層的閉鎖性です。自民党の地方組織が、この首都圏でも農民と自営業者にしか開かれていないことが原因です。
 しかし農民と自営業者及び彼らが組織する業界団体は流通革命で急速に力を失っている。これから、自民の地方組織で力をつけてくるのは、宗教、道徳右派でしょう。アメリカの、民主共和の対立構造に日本も似てくるでしょう。しかし日本の宗教、道徳右派は、アメリカのそれのようには力がないから、政権交代は、秒読みにはいったと思います。
 自民が再生する唯一の道は、政権を降りて(そうすれば、利権団体は去って行く)、スリム化した自民党の地方組織をホワイトカラーに開いてゆく。地方議員の半数をホワイトカラーOB枠とする。
 地方議員は年金生活者がするのが欧米では当たり前になっている。日本の地方議員は、欧米に比べて報酬がよすぎるから、地方議員が若い。しかしホワイトカラーが仕事をやめて、選挙に出るのはリスクが大きいから、地方議員が自営業者で閉められてしまう。これが自民党の体質になっている。
 日本でも議員報酬を減らして地方議員を年金生活者の仕事にすればよい(そうすれば、8年ないしは12年くらいで皆やめてゆく。国会ではあるまし同じ人間が20年、30年も地方議員を続けるのは見苦しい)。自民が政権を降りるのが、自民再生の唯一の道だと思います。
      (IK生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)切実な現実を浮き彫りにされていて、得心のいくご意見でした。有り難う御座います。


   ♪
(読者の声2)昨日付け貴誌のバングラデッシュ。まことに懐かしい名前です。私は総合商社に入社して初めての海外出張がバングラデッシュでした。
 もともと東パキスタンで西のパキスタンの頭脳聡明でずるがしこいパンジャビの搾取地域としての東があり、東はベンガリ族が中心でビルマのチャクマ族など少数民族もおります。その搾取に抵抗してインドの力を得て独立したものです。かって東時代パンジャビの某財閥が日本企業グループと組み、竹パルプを原料とするレーヨン長繊維の工場を建てた。当時は、このプロジェクトを戦後日本の技術輸出の象徴として推進したのです。場所はビルマ国境地帯でチッタゴンから車で二時間あるカルナフリであります。日本人に似たビルマのチャクマ族が工員としてたくさん就労しておりました。
 独立とともにこの工場はバングラ政府に接収され、ある意味で経営資源のあった財閥の追放により工場の経営は滅茶苦茶になりました。
 そこで現地に行かされた私は、この工場再生のため、バングラ通いが始まり、当時は碌なホテルもなく、悪質の椰子油のベンガリ料理、椰子油でむかつくシナ料理などで、本国から大量にカップラーメンやら食料品をもってホテルで吐き気のする油の臭いをしのぎました。不潔さにおいても、よく若かったとはいえ私も我慢できたものです。
 そのうちソナルゴン・ホテルができてよくなりましたが。この国の繊維事情なども調べましたが、長屋の横を流れる川には糞尿とぷかぷか浮かびその中で洗濯、取水みるだけで嘔吐を催す貧しさでありました。
 日本人は大変尊敬されておりましたが、シナ人は大嫌いというのがバングラの国民性でした。でもこの人種はイスラムと社会主義とベンガリの悪さだけを集めた国で、これほどビジネスにフラストを感じる国はちょっとないでしょう。責任逃れとおんぶにだっこ、それにボクシーシー悪夢のようで、でも懐かしい思い出です。
       (A0生、平河町)


(宮崎正弘のコメント)ひっくり返るような現実のバングラ世界体験ですね。臭いがそこまでついてくるような迫力満点のリアリティがありました。ご苦労様でした。小生はバングラへは行ったことがありませんが、すぐ隣のカルカッタへ1972年に行って、流民数十万の惨状、カースト制度の激しさ、過激ベンガルの阿鼻叫喚を目撃し、ここは地獄かと思ったほどでした。そのバンコックよりひどいところのようです。
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◎宮崎正弘のロングセラー◎
http://www.nippon-nn.net/miyazaki/saisinkan/index.html
『中国のいま、三年後、五年後、十年後(改訂版)』(並木書房、1575円)
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『ネオコンの標的』(二見書房、1600円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円) 
 (御注文と宅配便発送は下記でも取り扱います)
http://esearch.rakuten.co.jp/rms/sd/esearch/vc?sitem=%B5%DC%BA%EA%C0%B5%B9%B0&sv=30
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(休刊予告)3月20日から25日まで台湾取材のため小誌は休刊です。◎
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◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
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