国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/03/04

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)3月4日(金曜日)二
通巻 第1054号 臨時増刊
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 トルクメニスタンのガス・パイプライン、”世紀のプロジェクト”はどうなった?
  アフガニスタンの治安よりロシアの政治介入が阻害要因に
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 トルクメニスタンに眠る膨大無比の天然ガスをアフガニスタン、パキスタンに1580キロのパイプラインを敷設して(途中、インドへも分岐)海外へ輸出するという世紀のプロジェクト。

 95年に米国メジャー「ユノカル」が積極的に動き、かのタリバン政権が内諾し、本格的に動きだそうとした矢先、アル・カィーダのタンザニア、ケニアにおける米国大使館へのテロ攻撃事件がおきた。
 おこったクリントン大統領(当時)は、アフガニスタンのタリバン軍事基地に50発のトマホークをお見舞いしたのが97年だった。

 立ち消えになったプロジェクトが復活したのは01年9月11日、NYテロ直後に米軍のアフガニスタン爆撃、タリバン転覆と親米カルザイ政権の誕生が直接の要因である。

 すでに三年前にトルクメニスタン、アフガニスタン、パキスタンの三ケ国は、このパイプライン大工事に署名した。
 米国メジャーが立ち会い、ロシアは蚊帳の外だった。カルザイ(現アフガン大統領)は、外務次官時代にアメリカに頻繁に出入りしており、亡命中は米国で「ユノカル」の顧問でもあった事実はよく知られている。

 さて1580キロのパイプライン工事は、見積もり総工費20億ドルから25億ドル。年間200億立方メートルのガスを輸送する。
 工業化すさまじく経済繁栄をほこるインドが乗り気になり、アジア開発銀行は「商業化市場調査」のための費用を貸し付けた。

 しかし問題点は以下のようにまだ山積みなのである。
 第一にアフガニスタンの治安。依然としてカブール以外は安全など皆無の無法地帯、アフガン各地にはヘ旧クマチアル派、旧タリバンの各残党の暗躍があり、ドスタム将軍とて北西部の独立の隙を狙い、参謀総長などといっても本心は分からない。北部同盟もカルザイ政権に疑心暗鬼。
 村々は依然として族長政治、地域は部族政治、パイプラインが何処を通過するかによっては、利権の奪い合いにもなれば工事の妨害も予想される。
 
 第二は輸出港となるパキスタンの治安である。
 グァダール港工事で中国人労働者へのテロが続いているパキスタンのバロチスタン地方は反政府ゲリアが健在。

 第三はトルクメニスタンの政情不安、独裁政権の病弊である。
 二月にも独裁者=ニヤーゾフ大統領はロシアとのガス供給で価格値上げを一方的に通告した。ニヤーゾフは「中央アジアの金正日」と言われ、謎に満ちた人物だ。
 1000立法メートル当たり44ドルから58ドルに値上げと言い放ってロシア側を驚かせた。

 ガスは一般的に長期契約が基礎で、ロシア向けにトルクメニスタンは2005年に700億立方メートル、2009年にはこれを900億立方メートルに拡大する契約を「ガスプロム」と結んでいる。しかし価格が折り合わす、トルクメニスタンは一時的に送輸をとめた。
 これがクレムリンを立腹させることになった。プーチン大統領は石油、ガスそして武器の価格動向にも精通している。政権基盤はエネルギー産業の独占である。

 第四は、したがってロシアの政治的意思が、この大工事に介入してくることだ。これはメジャーにとっても計算外。
「あのプロジェクトは所詮、ロシアが了解しない限り物理的には進捗しない」とロシアの閣僚が豪語した、と国際エネルギー業界紙が伝えている。

 アジアの資源外交に異変、日本にとって遠いおとぎ話ではないのだが。。。。。
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(読者の声)韓国のノムヒョン大統領は、日本に対して「再補償を求める」と言い出した。  韓国も日本の経済援助により、世界の最貧国を脱することができ、OECDにも加盟でき、金持ちの仲間入りができるようになったので、今さら「金目当て」だけでもないだろう。
    では、なんだろうか?
    ?竹島の問題を日本と公式に話し合った場合、韓国に゛分゛がないことを、うすうす気がつきはじめたのではないか。そして、「再補償」の話は、竹島問題の゛搦手゛か゛目くらまし゛ではないか。  
    ?もう一つは、歴史の筋論だ。これも、韓国の歴史認識からすれば、ノムヒョンの言っていることは当たり前のことになる。しかし、韓国は自身の歴史認識は変えようとせず、日本にその歴史認識の変更を迫るのは毎度のことだ。 ノムヒョンが今やることは、韓国自身の歴史認識の総点検。そして、完全な「報道と出版の自由」の制定だ。この二つなしに、日韓でいくら歴史認識の問題を話し合っても意味がなく、先へは進まないだろう。日本が韓国の歴史認識を全面的に受け入れれば、話は別だが。
ノムヒョンは、韓国には、完全な「出版と報道の自由」がないにも拘わらず、韓国が一人前の先進国と思い上がっている。「日本がドイツなら韓国はフランス」だと言って、韓国が、日本と対等の国のつもりでいる。「片腹痛いぞ、ノムヒョン」、「プライドはあるのかノムヒョン」。「韓国に゛報道と出版の自由゛があるのかノムヒョン」


(宮崎正弘のコメント)ノムヒョンさんを見ていると哀れみのほうが先に来ますね。この人、大統領の器でもなければ、リーダーとしての資質さえ疑わしいでしょう。かれの前の金大中さんもひどかったけれど、国際認識はなかなかでしたが。
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  • AsHsZEHaHAKeLH2013/02/17

    That\'s a cleevr answer to a tricky question