国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/03/02

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)3月2日(水曜日)二
通巻 第1051号 臨時増刊  
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<<今週の寄贈本>>
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西尾幹二編『新・地球日本史(上)』(産経新聞社)
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 産経新聞に毎朝連載されている歴史コラムの集大成だが、まとめて読むと改めて目からうろこの箇所が目立つ。全体を通して「日本人の自尊心の試練の物語」とする西尾幹二氏は最初にこう書かれる。
日本の対中国ODAは六兆円を超えるが、それを「軽く上回るほどの不気味な巨額(貸し付け)をなしているらしい(中略)。まさに泥沼に入り込むように容易に足が抜けないのが、今も何時の世にも変わらぬ、日本から関与する中国大陸である」。
 冒頭から衝撃の文言はこう続いている。「日本が」関与するのではなく「日本から」関与するケースは、泥沼になるという箴言である。
 「朝鮮半島も中国大陸も、昔から日本人にも理筋の通らない、面倒な世界でありつづけた。日本を『倭奴』とか『東夷』といって軽く見て、欧米人の力には卑屈に屈服しても日本人の力には反発し、恭順の意を表さない」
 さらに編纂の言葉を西尾幹二氏は続ける。
 「いまの我々に未来がはっきり見えないように、当時の日本人もまた見えない未来を必死に手探りしつつ生きていたのであって、愚かと言えば確かにどちらも愚かであるが、健気で、無我夢中で、我武者羅(がむしゃら)に前方ばかりを見て、哀れなほどに愚直に生きているのだといえば、戦中も今も、日本人の生き方はどちらも似たようなものではないだろうか」。
 以下、本書は「明治天皇とグリム童話」(八木秀次)「教育勅語とは何か」(加地伸行)「フェノロサと岡倉天心」(田中英道)ら現代日本の知性二十人の分担執筆がつづく。
 アト・ランダムにページをひもといて、たとえば中西輝政氏は「対華二十一箇条」は中国側から「日本政府に最後通牒を出してくれ」と要請があり、当時奉天の領事館にいた東郷茂徳(のちの外務大臣)は「その回想録『時代の一面』に(中略)「中華民国の袁世凱自身が中国国民の了解を得やすくするため、日置公使に最後通牒を出してくれるようもとめたことを特記している」という。
 また西原借款についても筋を違えたもの、として中西教授は続ける。
 「王道外交の名の下に、中国側の『善意』を信じ、日中の経済共同体構築を夢見て、一億四千五百万円(現在の価値で約二兆円といわれる)を中国へ貸し込むが僅か二年ほどで殆どが不良債権」になった。これは今日の対中ODAの結末を想像させてくれないか、と暗示されている。
 勝岡寛次氏の「韓国併合」も、韓国人、中国人のなかで、「この理想」を理解した政治家が多かった事実を淡々と叙し、また呉善花女史の担当箇所では、そうした歴史を無視した日本のことを悪くデフォルメしたことばかり、韓国の歴史教科書が教えている現場の実態が報告されている。

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山際澄夫『朝日新聞が中国を驕らせる』(日新報道)
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 送っていただいた本書には著者からの手紙が添えられ「安倍晋三、中川昭一という憂国の政治家を捏造記事によって嵌めるまでに堕した朝日新聞の報道を断罪するものです。朝日的な言論をうち破らなければ日本の戦後は終わりません」とあった。
 朝日新聞などという「新聞」なるものはすでに“アジビラ”のレベルでしかなく、小生はよもや、知識人が読んではいないと考えているのだが、現実はそうでもなく、いまも影響力があるというから不思議である。第一、この新聞を読んでいる自民党、民主党の国会議員がまだ居る。天然記念物的な旧社会党がよむのなら分かるけれどね。
 昔、「新聞はインテリがつくってヤクザが売る」と言われた。
 いまの朝日新聞は「ペンの暴力団がつくって、ヤクザが売るが、ちっとも売れない」。
 ともかく朝日批判がなくなる日こそ、晴れて日本が独立出来る日である。戦後が終わる日である、という基調で本書は最近の出来事と報道の偏向を徹底的に分析している。
 イラク戦争、国連信仰、平和憲法。。。
朝日的発想はべつに毎日読まなくても、なにを書いているかおよその想像がつく。要するに朝日は発想が視野狭窄であり、幼稚であり、言い逃れが好きであり、日本のことをとくに悪く言うのが大好きであり、売国的なのである。
 そのくせ保守思想には高飛車に、一段高いところに身をおいて批判する。いずれ、この新聞は国民から完全にソッポを向かれることになるだろうが、小生、何回かほかの場所でも指摘したが、その前に社内の内紛が高まり、営業的にも「朝日は産経より右旋回する」可能性もありますね。
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(読者の声1)フジ対ライブドア、500人や1000人のアンケート結果や街頭インタビューに動ぜず、正論でいくべきだ。今、日本は大事なことをやろうとしている。憲法改正、教育改革、そして構造改革だ。どれも手の抜けない、気が抜けない大事なものばかりだ。 そういう日本に大事な報道機関はどこだろうか?まるで日本の行く手をライブドアを使って阻む外国の陰謀のようだ。ここは国民の"声なき声"を聞き動くべし。 
軽薄な堀江人気は恐れるに足らず。嘗て安保反対運動を恐れ、安保を廃棄したら今日の日本はなかったのではないか。
    (TK生)


(宮崎正弘のコメント)よくわかります。でも町の声は「正論」をまったく理解していません。保守をぶち破る若武者が「ほりえもん」ってイメージですからね。これは戦後マスコミと教育の所為ではありますが、ただ唖然とするだけでは産経グループは追い込まれますよ。かれが提訴した先は「偏向判決」で有名な東京地裁ですからね。まともな判決がでるとは考えない方がいいでしょう。


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(読者の声2)韓国大統領が「三・一独立運動記念式典で演説し、日本は「心から謝罪」をすべきであり、日韓和解に向けた「真摯な努力」求める」とか。またも韓国さん「謝罪要求」ですか?これまで何度も何度も、いや何度も、オタクに謝罪したはずですがね!?謝罪疲れで、こっちも気が滅入っちゃうよ!
それと何のための謝罪ですかね?どうも謝罪の趣旨がよく分からない。日本はこれまで国難を賭して清朝や帝政ロシアの侵略から朝鮮を救い、更にはズボンを脱いでまで朝鮮の投資し、近代化の指導・協力したはずですがね?韓国は儒教礼儀の国、この辺のお礼は?
でもね、日本は大人の国家。日韓和解に向けた「真摯な努力」として、まあお気にすむならまた謝罪しますよ! もう何度も面倒なんで、謝罪、謝罪、謝罪、・・・・、まとめて100万回分、謝罪します。
その代わり竹島は返して貰いますぞ! おおくたびれた。
(MI生)


(宮崎正弘のコメント)まじめに付き合って逐一対応していると「くたびれる」こと夥しいのが実感です。まともに付き合うほうが悪いのじゃありませんか。
 じつは小生と池東旭氏との対談は二冊あり、いずれもこの問題で侃々諤々の議論をしています。韓国人、朝鮮族の本質を理解しないで外交を展開するのは、それこそ無謀です。


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(読者の声3)過日、「台湾独立建国連盟」の講演会に参加しました。設立45周年になるのですね。黄文雄氏は、連盟に入ったときは自分が一番若かったが、今は日本の責任者だと感慨深げでした。
 「李登輝友の会」のメンバーも多く参加していました。
 いくつか、記憶に留まった点を思い出すままに記します。
・演壇に立ったのは、林建良氏、寥建龍氏、周英明氏の三人。司会は金美齢女士、締めは黄文雄氏、来賓挨拶を許世楷氏がごく簡単に。
・陳水扁と宋楚諭の突然の合意については、どの演者も非難の的としていました。
・林建良氏は陳水扁を定食に喩え、いつもおいしくないA定食しか食べられないのは、もう我慢できない。A定食は飽きて嫌いになってしまった、B定食やC定食もほしい。
・三百代言は陳水扁の癖だ、彼は弁護士あがりで理屈が通れば満足してしまう。 指導性・説得性・気迫に欠ける。
・支那について寥建龍氏が面白い見方を披露していました。
・今の中国は清末と似通っている。外資に依存して、官民が結託して一部の人たちが富み栄えている状況はそっくりだ。胡錦濤は台湾の国民党を中国共産党の将来にダブらせ擬えている。 国民党と中国共産党は、その特徴がよく似通っていて一卵性双生児だからだ。
  国民党が民意を失って凋落しているのを見て、共産党凋落の悪夢に苦しんでいる。胡錦濤は恐れ慄く気持ちになっている。『中国農民調査」を読むと本当に中国人に生まれなくてよかった、台湾人に生まれてよかったと思う。
・中国にとって日本は永遠に「宿敵」だ。もともと異文化、異人種の欧米人は構わないが、同種同文なのに異端者となった日本人は許せない。そういう心理を中国人は持っている。
・周英明氏は許世楷氏、黄昭堂氏、金美齢女士らと京都にデモに出掛けた昔話をされました。自分は昔、声が大きくてシュプレヒコールの係りだった。その時に初めて街宣車に乗るチャンスを得た。聴衆に自分の主張したいことが云えると思うとうれしくてうれしくてたまらなかった。でもうれしすぎて涙がぽろぽろ出て声が出なかった。絶句してしまった。
  心に溜まった気持ちをみんなの前で言えることができない時代だったからだと切々と語っておられました。周氏が昭和36年日本に来た時に住んでいた駒場、そこから渋谷の大盛堂によく出かけたが、台湾に関する本が全く無い。あるといえば、観光関係の案内程度。 台湾人は、台湾人であることを恥じて自らを中国人と言いたがるし情けないことばかりだった。蒋介石だ、毛沢東だと、てんでに外省人を崇めて、その谷間に落ち込んでいたのが当時の台湾人だった。
・若い聴衆から、許さん、周さん、金さん、黄さん、みなさんは若いときから独立の為に頑張ってこられ尊敬していますと述べたのに対して、
  金さんは、仲間の中には親が危篤だとか遺産の分与を受けるだとかいって、反省書を当局に提出して帰国して独立運動から離れていく者もいました。
  でも歯を食いしばって我慢したのです。我々はそうぜざるを得なかった。そうしなければ生きている意味がなかったのです。
  黄昭堂さんは、母親の死に目にも会えなくて「何が独立運動だ」と親戚からさんざん非難されました。それでも耐えた。母親が死んでも人前で涙をみせることなく、仲間の前では明るく振舞っていました。李登輝時代になって数十年ぶりに帰国することができて、母親の廟の前に立ったとき、あの気丈な人が人前で涙が出て止まらなくなった。何も話が出来なかった、と黄昭堂さんの話は感動的でした。
     (しなの六文銭)


(宮崎正弘のコメント)講師の皆さん、よく存じ上げている方々で、戒厳令が解けるまで、どれほど苦労されたかも、ほかの同志の皆さんからも聞いていました。王育徳さんの家に集まり、黄昭堂さんの狭いアパートで鍋をつつきながら、独立の炎をもやし、そのため当局に目を付けられ、台湾へ帰国も出来なかった。
そのときの苦労が実ったかどうかは知りませんが、陳唐山さんは外務大臣に、許さんは駐日代表になられた。ほう明敏(総統資政)さんが台湾を密かに出国するとき、外形のよく似た日本人がかわりに台湾へはいり、着せ替え人形のごとくに入れ替わって、外国への亡命を助けた。宗像隆幸氏の『台湾独立闘争私記』(文藝春秋)にでてきます。いや、宗像さんだって鹿児島からでてきたノンポリで、ひょんなことから台湾独立運動に拘わり、結局、台湾独立運動志士とおなじ人生になっちゃった(苦笑)。先日も夜中まで宗像さんと飲みましたが。。。
 いま、まさに酷似した境遇で、亡命中国人が世界中で、とくに米国にあつまって祖国の自由化、民主化のために身を削って戦っている。孫文革命を支援したのは日本。次の中国の民主革命の拠点は米国。日本人はじつに冷たいですね。
 ともかく会場に居るようなリアルなご報告、有り難う御座いました。
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◎「改訂2005−2006年度版」の下記拙著は3月26日ごろ店頭に並びます
 宮崎正弘著『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
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<<公開講座のお知らせ>>
 
  次回の三島由紀夫研究会「公開講座」は、韓国人ジャーナリストとして日本で最も著名な池東旭(チ・トンウク)さんを招き、「拉致問題と北朝鮮制裁」について語って貰います。
 北朝鮮は「核保有」を宣言し、「六ヶ国協議」の無期限中断を発表しました。また昨年末には「偽遺骨」を送りつけ、拉致問題の幕引きを図ろうとさえしました。日本の世論は硬化し経済制裁を求める声が高まっております。
小泉内閣は対話を繰り返すのみで拉致問題解決の具体的政策を示すに至っていません。日本は北朝鮮にどう向き合うべきなのか、池東旭氏にお話いただきます。

          記
 とき    3月10日(木曜日)午後7時―
 ところ   高田馬場「大正セントラルホテル」三階会議室
(JR高田馬場駅ロータリー対面、一階は三井住友銀行)。
 講師と演題 池東旭氏「拉致問題と北朝鮮制裁」
 会場分担金 おひとり 2000円
 問い合わせ 三島研究会 TEL 03-3200-2295
 e-mail   miura@nippon-nn.net
 HP    http://www.nippon-nn.net/mishima/
(なお池さんの最新作は『中央公論』(3月号)に「金正日“馬賊”政権との対決」が掲載されており、制裁の実行を訴えられています。近作著作には『朝鮮半島「永世中立」化論』(中央公論新社刊)があります)。
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<<PRのページ>>
◎「改訂2005−2006年度版」の下記拙著は3月26日ごろ店頭に並びます
 宮崎正弘著『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
 現在品切れ中です。最新版をご期待ください。
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◎宮崎正弘のロングセラー◎
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『ネオコンの標的』(二見書房、1600円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円) 
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◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
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