国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/03/01

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)3月2日(水曜日)
通巻 第1050号  
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 陳水扁総統、親民党と政策合意、「台湾本土化路線」が大きく後退
  李登輝氏や台連が猛反発、「連合」離脱も。憲法、対中問題で与党内部に不協和音
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 台湾の陳水扁政権がリーダーシップをめぐって国内的に窮地に立たされた。

 昨年師走の総選挙で議席伸び悩みの責任をとって民進党主席を退いた陳水扁総統は、2月24日に対中協調派の第二野党、親民党の宋楚瑜主席(党首)と十項目で合意した。
 宋楚瑜主席との合意事項はほかにも六千百八億台湾元(約二兆円)の武器システム導入予算および本省人と外省人の和解問題など。

 27日に発表された合意宣言は次の通り。
 「我々は大陸と台湾が一つの中国に属することを一貫して主張する。両岸はまだ統一されていないが、大陸部と台湾が一つの中国に属するという事実に変化はない。両岸関係の平和と安定の保護と両岸統一の段階的な推進は両岸関係を処理する上で基本的な目標と努力の方向である。我々は自信、誠意、忍耐心を持ち、交流の強化、協力の推進、台湾の同胞との意思疎通と相互理解の増進を通して、両岸関係発展の未来のために努力する」。 

 一つの中国?
 陳政権を強力に支援し「汎緑連合」(与党連合)を形成してきた台湾団結連盟(台連)は猛反発を示し、とくに「中国と台湾は特殊な国と国の関係」と二国論を展開してきた李登輝元総統は「国民をないがしろにした」として陳水扁総統を厳しく批判した。

 台連は憲法問題で民進党との政策協力拒否を打ち出したため、与党間の足並みが大きく乱れる。また台湾独立運動の長老格で、総統府資政(最高顧問)の辜寛敏氏も辞意を表明した。

 陳総統は米国からの圧力を前に「新憲法」路線を大幅に後退させ、親民党との合意では、「在任中は中華民国憲法を順守し、国号変更や独立宣言をしない」とした。

 もともと台湾団結連盟の「憲法改正」は新憲法を意味し、虚妄でしかない「中華民国」を名実ともに葬り去ろうとする。
  このため正名運動を根気よく展開し、組織、団体、企業名から「中国」をはずして「台湾」と改名したところも多い。

 陳水扁総統が唱える「改憲」は、中華民国憲法の修正であり、「中華民国は台湾、台湾は中華民国である」と曖昧な表現に終始して米国の圧力をかわしてきた経緯がある。

 またイラク問題で泥沼にはいり、中国の協力を必要とするブッシュ政権は「台湾海峡でいかなる企てであれ、現状維持から逸脱することには反対」と何回も声明してきた。だから住民投票にも米国は反対した。

 辞任直前のパウエル前国務長官も「台湾は主権国家ではない」と発言し、ライス現国務長官も「米国の”一つの中国”政策は変わらない」と言明した。
 その替わり北京に対してもワシントンは「現状維持」を強く要請し、「反国家分裂法」の制定に圧力をかけつづけた。27日にはクリントン前大統領が台北入りし、陳水扁総統の歓迎晩餐会にも出席した。

 李登輝元総統は国家の根幹を定める基本姿勢でふらつく陳総統を比喩して「新憲法を求めて、鬼を捕まえに行って鬼に捕まった」と批判のオクターブをあげた。 

 もっとも陳政権の狙いは野党第二党の親民党と政策協調を演出することで「汎藍連合」(野党連合)の一角を切り崩し、国民党内部を霍乱しようとしたことは明らか。
 しかしカメレオンのごとく改憲、修憲、一辺一国などとその場その場で政局戦術発言を繰り出してきた陳水扁総統個人への、与党支持者からの不信感は拭いきれないほど甚大となった。

 国民党は八月に主席選挙を控えるが、実力者の王金平に挑戦する馬英九(台北市長)の人気が高く、この国民党内の争いを利用して、現主席の連戦が居座るシナリオもある。

 3月8日の全人代で反国家分裂法制定が目の前となっているが、台湾は内輪もめの最中。
 そんな場合ではないのでは?とする醒めた意見も多いのだが。。。。
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(読者の声)最近、ミッキー安川さんが何を勘違いしたのか、所謂ヒトラーの息子の母親(シャルロッテ・ロブジョワさん)は従軍慰安婦だったと発言しています。また「TBSがフランスに行ってヒトラーの息子を日本に捕まえてきた」というような妙な事も言っていました。
 当時、TBSが作った特番「わたしはヒトラーの息子だ」という番組にもかかわりましたし、当のジャンマリー・ロレ氏(故人)とも晩年親交があり、事情は当人から聞いてよくしっていますが、ロレ氏がミュンヘンのドイツ現代史研究所のヒトラー研究家マーザー博士に「自分はヒトラーの息子かも知れないが、その可能性はあるか?」という質問状を送ったのがキッカケです。
 シャルロッテさんは単なるフランスの村娘で、暇さえあれば絵ばかり描いていた若きヒトラーに惚れて恋仲になったというのが本当のところです。
また当時ドイツ軍にも従軍慰安婦制度はありませんでした。前線での娼館の営業を許可したのは日本とイタリアのみです。 
       (SG生、横浜)


(宮崎正弘のコメント)こんど、ミッキーさんに会ったら上記を伝えます。
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(サイト情報)「チャイナ・アフェアーズ」に「中国の水不足」に関する拙論文の紹介が中国語版であります↓。
http://www.chinaaffairs.org/gb/detail.asp?id=48286#
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● 小誌総発行部数二百万部突破! ●登録読者4465名!
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(サイト情報)米国務省は世界各国の人権状況を調査した「2004年国別人権報告書」を2月28日に議会へ提出した。
(1)ブリーフィング
 http://www.state.gov/g/drl/rls/spbr/42805.htm
(2)2004年人権報告書
2004 Country Reports on Human Rights Practices Department of State. February 2005. http://www.state.gov/g/drl/rls/hrrpt/2004/index.htm
(3)Introduction http://www.state.gov/g/drl/rls/hrrpt/2004/41586.htm
(4)East Asia and the Pacific
http://www.state.gov/g/drl/rls/hrrpt/2004/c14134.htm
(5)Japan http://www.state.gov/g/drl/rls/hrrpt/2004/41644.htm
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<<公開講座のお知らせ>>
 
  次回の三島由紀夫研究会「公開講座」は、韓国人ジャーナリストとして日本で最も著名な池東旭(チ・トンウク)さんを招き、「拉致問題と北朝鮮制裁」について語って貰います。
 北朝鮮は「核保有」を宣言し、「六ヶ国協議」の無期限中断を発表しました。また昨年末には「偽遺骨」を送りつけ、拉致問題の幕引きを図ろうとさえしました。日本の世論は硬化し経済制裁を求める声が高まっております。
小泉内閣は対話を繰り返すのみで拉致問題解決の具体的政策を示すに至っていません。日本は北朝鮮にどう向き合うべきなのか、池東旭氏にお話いただきます。

          記
 とき    3月10日(木曜日)午後7時―
 ところ   高田馬場「大正セントラルホテル」三階会議室
(JR高田馬場駅ロータリー対面、一階は三井住友銀行)。
 講師と演題 池東旭氏「拉致問題と北朝鮮制裁」
 会場分担金 おひとり 2000円
 問い合わせ 三島研究会 TEL 03-3200-2295
 e-mail   miura@nippon-nn.net
 HP    http://www.nippon-nn.net/mishima/
(なお池さんの最新作は『中央公論』(3月号)に「金正日“馬賊”政権との対決」が掲載されており、制裁の実行を訴えられています。近作著作には『朝鮮半島「永世中立」化論』(中央公論新社刊)があります)。
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