国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/02/28

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)3月1日(火曜日)
通巻 第1049号  
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●小誌まもなく総発行部数二百万部突破! 登録読者4460名●
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全人代をひかえる北京、再び厳戒態勢へ
 「反国家分裂法」が焦点、腐敗撲滅キャンペーンは遠のく
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 3月6日からの全人代は胡錦濤がすべての権力を掌握する機会になるか、どうかが焦点ではなくなった。
 すでに江沢民は「院政」を弱め、ついに全人代で「国家中央軍事委員会」の主席のポストも胡に譲る(昨年党大会で、「党」の中央軍事委員会主席ポストは胡錦濤が掌握している)。

 しかし上記は規定の方針。いまや、世界の関心が集まっているのは台湾独立を封じ込める「反国家分裂法」の成立である。

 国際的にも欧米、日本ばかりかアジア各国は「反国家分裂法」の内容に注目している。香港の『文わい報』は、同法は3月8日、呉邦国(全人代委員長)が内容とともに発表する、と報道した。

 一方、1月17日に死去した趙紫陽元総書記を追悼する北京の市民、学生、知識人らが、全人代期間中に天安門広場で行動を起こす情報が飛び交い、はやくも会場付近は厳戒態勢にはいった。
 会期二日目の3月6日は趙紫陽死去から49日目にあたる。
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(読者の声1)貴誌の投書欄に台湾独立を封殺するための「反国家分裂法」に関連していくつか意見が出ていましたが、孫亜夫が北京から来日して、日本政府に対して説明します。
 貴見の「日米の反対で<宣言>ていどのものとなる」ことはないと思います。
やはり法律として「反国家分裂法」を全人代で成立させますよ。事前に通告して日本に一発かませよう、お前らも俺たちの覚悟をよく知っておいてくれと脅すのではないですか。アメリカも同法については、強く反対とまで言っていない。
北朝鮮核問題六か国協議でワシントンは対中協力が必要と感じているからです。日本は、さて北京から同法案の説明をされて、何と応えるのでしょうか。
         (RH生、中野区)


(宮崎正弘のコメント)日米戦略対話で、台湾の安全に関して日本は初めて婉曲な表現ながらアメリカと共同の声明を出した。これは画期的です。
北京が強硬に同法案を成立させるとならば、日米との対決姿勢が一段と強まり、率直にいって日本のナショナリストに取っては歓迎すべき事態、北京にとっては思惑外の外交的後退を意味し、愚行となるでしょう(苦笑)。
それにしてもブッシュ政権も台湾問題に対して、日本と同じ弱さとは言わないまでも日和見主義ですねぇ。


   ♪
(読者の声2)貴誌「中国の毒ガス化学兵器処分」について日本が費用を負担する?
この問題は「サンフランシスコ条約」を結んで終結しています。また日本は丸裸で武装放棄して引き揚げたのだからそれから後の爆弾処理は中国共産党がするべきものです。日本軍が残した武器を使用して1949年に中華民国へ蒋介石が台湾へ逃げ込むまで内戦に使用していたのですから中国本土を領有した共産党に爆弾の処理の責任が有るのです。
断じて突っぱねるべき問題です。国際法で決まっています。出る処へ出れば はっきりします。戦後60年も経って 賠償もODAも支援して過剰に甘い顔している。舐めれるのです。          (YK生)


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(読者の声3)北海道稚内市在住です。先日、先生のメルマガを初めて拝見し、「大道無門」にご出演なさると知り、早速そちらも見せていただきました。渡部先生も仰言っていましたが、膨大なデータに基づく見識には大変驚かされました。今後、御著作を勉強させていただこうと思います。
 さてご相談させていただきたいことがあります。稚内市の四年制大学、稚内北星学園大学(道北地区唯一の大学、情報系単科大学)で十八年度から中国四川省の成都信息工程学院と西磨石油学院の二大学から、留学生として四十名程度受け入れることが決まりました。開学当時、一学年百八十人の生徒数を予定、市から毎年度二億円を越える設備投資がなされてきましたが、現在は一学年八十名にも満たない現状です。そこへ中国人留学生四十名を受け入れれば、実に三分の一が中国人になります。
 昨年夏にこの計画が地元紙に掲載されてから、稚内市長、大学、北海道新聞などに度々投書等してきましたが、その甲斐なく、今月十八日、札幌にて調印式が執り行われました。
政府機関、北海道、稚内市がそれぞれ、日中ソフトウェア産業の協力、発展につながるとして、大きな期待を寄せているとの旨広報誌に書かれていました。また札幌では「札幌中華街」の構想が計画されており「中国と北海道の経済交流を促す」と歓迎されています。王毅駐日大使が、知事や市長に積極的に後援しているようです。
 これらは、今日様々な形で明らかになっている中国の覇権戦略や現在国内でも中国人留学生、観光客のなかに失踪者が少なからずおり、彼らによる犯罪が多発している現実を全く無視し、経済効果、日中友好だけを盲信していることに因るものと思います。現在、稚内ではロシア人による不法入国、軽犯罪が年々増加しており、これもまた「日ロ友好最先端都市」を掲げてきた結果と思います。
 十分な審査基準、留学後の管理など現在のところ全く説明がありません。今後、どのように働きかけていったらよいか、何かご助言いただけたらと思います。       (KA生、北海道)


(宮崎正弘のコメント)ご指摘の「事件」の類似は日本中いたるところで起きています。原因のひとつは『小子化』のための大学の学生数激減、教職員の雇用確保もあって文部科学省の補助金にたよるという、とんでもない逆さまの結果を招いた事態があげられます。
要らない大学の淘汰、大学こそM&Aが必要です。手厚い奨学金制度の拡充は、学問の向上ではなく、犯罪予備軍を国が補助して行っているような愚行ですからね。
間接的に中国人留学生に、日本人の税金からひとりあたり40万円補助している計算が成り立つのです。
中国人の「留学生」ヴィザは、たしかに法務省が厳格としたため昨年は、じつに十分の一の学生しか確保できず、経営難の日本語学校がいくつか淘汰されました。ところが法務省は二律背反的にこんどは愛知万博に中国人観光客にもノーヴィザ措置。これで犯罪者がツアーに紛れ込んで来るでしょう。
 「日中友好屋」の暗躍は続きます。反対する保守マスコミ、地方自治体は対策が後手後手に廻っています。地方自治体とマスコミへの、息の長い、地道な努力がさらに必要です。


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(読者の声4)「外資とホリエモン −国益は守られるのか−」
フジテレビとその支配を狙う堀江社長率いるライブドアによるニッポン放送買収の攻防が佳境に入ってきた。ニッポン放送が、ライブドアによる支配を避けフジ産経グループに残る事を目的としフジテレビに大量の新株予約権を与えることを決めた問題で、ライブドアは24日夜、予約権発行差し止めの仮処分を東京地裁に申し立てた。フジテレビとライブドアの戦いは司法の判断に持ち込まれた。
地裁が双方の意見を聞き、早ければ1〜2週間で決定を下す見込みだ。新株予約権の払い込み期日は3月24日で、それまでに一応の結論が出る。
 今回の買収劇の攻防は、ライブドアが時間外取引という違法ではないが横紙破りとも言える手法を使って、ニッポン放送株を大量買付けした事に端を発する。堀江氏の唱える「インターネットと既存メディアの融合」のビジョンがどれ程の具体性と説得力を持ち、横紙破りに対する嫌悪感を押さえ世間一般の人やマスコミ、投資家を味方に出来るかが、今回の買収劇全体の勝敗を大きく左右する。それは、司法の判断にも少なからず影響を与えるだろう。

◆堀江氏の手法と主張
堀江氏が連日、テレビ等のメディアに出ずっぱりなのは、もちろんその発信効果による味方作りのためである。一方で、堀江氏はフジテレビが実施しているニッポン放送株のTOBについて、条件付きながら応じて矛を収める可能性も述べており、事態は予断を許さない。筆者の立場は、基本的に今回の堀江氏の行動を支持するものであるが、今後の教訓として時間外取引での株式大量買付けや外資による放送の間接支配については、法的規制を検討し速やかに結論を出すべきだと考える。
 中でも外資による放送の間接支配については、欧米各国でも規制されている。
 英国ではこの規制が撤廃されているが、これは経済危機挽回策として背に腹は代えられないとサッチャーが腹を括ったためであり我が国は参考にすべきではない。英国はその見返りに、自国資本の空洞化というウインブルドン現象に見舞われている。

◆外資と国益
堀江氏による今回の買収劇は、米大手証券のリーマン・ブラザーズによるライブドアが発行する総額800億円の新株予約権付社債(CB)引き受けで資金調達したものだったが、これは幕末の志士、坂本龍馬が、グラバー商会とその背後の英国の力を使って幕府を倒した事を連想させる。龍馬は、最終的には公武合体により内戦と諸外国による植民地化を防ぎ、国益を確保しようとした。
 堀江氏は単なる一企業家であり、たまたま外資の資金を使っただけだろうが、リーマン側に利用されただけに終わらない事を望む。リーマン側によると、同社の役割はライブドアに対する資金提供で、資金調達を手伝うことのみを目的としたものであり、外資によるメディア産業参入の後押しやライブドアの大株主になる意図はないとしているが、ライブドア株を他の外資に売却しないのか等、今後の具体的な行動については言及していない。
 また、空売り等を利用して、リーマン側が過大な利益を上げる事は、即ち主に国民、国内企業によって構成されるライブドア既存株主の利益を吸い上げ米国に持ち帰る事を意味する。現在の法的規制には当たらなくとも、これらについては我が国の国民、政治家、マスコミはリーマン側の一挙手一投足を今後注意深く見守る必要があるだろう。
       (KS生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)いま発売中の米誌『ビジネスウィーク』(2005年3月7日号)は、堀江もんを高く評価していて驚かされます。ニッポン放送へのM&Aより、米国ジャーナリズムの興味を引くのはライブドアの発展性、利益の拡大ぶりにあるようです。
 さて昔、司馬遼太郎が「現代の龍馬は、小田実のような人だろう」と発言しました。過去のことはともかく現代史に音痴だった司馬遼太郎らしい発言でしたが、そのことを急に思い出しました。
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<<公開講座のお知らせ>>
 
  次回「公開講座」 は韓国人ジャーナリストとして日本で最も著名な池東旭(チ・トンウク)さんが来日される機会をとらえ、「拉致問題と北朝鮮制裁」について語って貰います。
 北朝鮮は「核保有」を宣言し、「6ヶ国協議」の無期限中断を発表しました。また昨年末には「偽遺骨」を送りつけ、拉致問題の幕引きを図ろうとさえしました。日本の世論は硬化し経済制裁を求める声が急速に高まっております。
しかし小泉内閣は対話を繰り返すのみで拉致問題解決の具体的政策を示すに至っていません。6カ国協議再開の目途も立たない現在、日本は北朝鮮にどう向き合うか、池東旭氏にお話いただきます。

 とき    3月10日(木曜日)午後7時―
 ところ   馬場「大正セントラルホテル」三階会議室
(JR高田の馬場駅前、一階は三井住友銀行)。
 講師と演題 池東旭氏「拉致問題と北朝鮮制裁」
 会場分担金 おひとり 2000円
 問い合わせ 三島研究会 TEL 03-3200-2295
 e-mail   miura@nippon-nn.net
 HP    http://www.nippon-nn.net/mishima/
(なお池さんの最新作は、現在発売中の『中央公論』(3月号)に「金正日“馬賊”政権との対決」が掲載されており、制裁の実行を訴えられています。近作には『朝鮮半島「永世中立」化論』(中央公論新社刊)があります。是非、ご参照ください)。
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<<PR>>
◎「改訂2005−2006年度版」の下記拙著は3月26日ごろ店頭に並びます
 宮崎正弘著『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
 現在品切れ中です。最新版をご期待ください。
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◎宮崎正弘のロングセラー◎
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『ネオコンの標的』(二見書房、1600円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円) 
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◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
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