国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/02/27

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)2月28日(月曜日)
通巻 第1048号  
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竹島をぬすんだままの韓国に北朝鮮が呼応
 中国も尖閣諸島の「属領化」を意気込み、日本の抗議を無視
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 05年2月21日、東シナ海の日本の排他的経済水域(EEZ)で中国の一方的なガス田開発に関して、外務省の佐々江賢一郎アジア大洋州局長は「日中境界線(中間線)付近の日本側海域で実施した海底資源探査は日本の権益を侵す可能性が高い」と中国大使館に説明、建設中の「春暁」ガス田の稼働中止を求めた。 

 しかし中国側は「中国のガス田開発は日本側のガスや石油資源に影響を与えることはない」と応酬した。日本の抗議を袖にしたのだ。


 ▲中国では官製デモ

 中国国内では呼応した官製デモが起きた。
 いまも尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権を主張して、中国政府国家安全部が後ろ盾と言われる「中国民間保釣(尖閣防衛)連合会」は、観光や資源調査活動を謳った有限会社を香港で設立した。(日本のマスコミが、これを「市民団体」と書くのはおかしい。言論の自由も結社の自由もない中国に「市民団体」があり得ようか?)
 
 日本政府が魚釣島灯台を国有財産化したが、これも中国政府は「非合法で無効」などと反論した。
 外交ルートでも「抗議」を表明し、「民間」を装う反日団体の反日抗議活動を拡大させた。

 2004年3月にも、同連合会のメンバーら7人が魚釣島に上陸した。このときは沖縄県警が入管難民法違反(不法入国)の現行犯で逮捕し、福岡入国管理局は一転して拘束をせずにかれらを中国に”強制送還”した。
 
 同連合会は05年2月15日にも、北京の日本大使館前で灯台国有化に抗議の示威活動を行った。ここには香港の反日活動家も合流し、「釣魚島への上陸を計画している」など放言の限りをつくした。
 ようするに「尖閣」をめしの種にしているプロ活動家が存在している!

 尖閣諸島とは八重山列島北方にある小島群で、明治政府は1895年に沖縄県に編入した。最も西に位置する面積約3.8平方キロの「魚釣島」には第2次大戦終了まで日本人が居住していた。これら周辺海底に石油資源が眠り、このため沖縄返還とともに領有権が日本に帰属すると決まった1971年から中国と台湾が突如、領有権を主張し始める。
 日本政府は05年2月になって、魚釣島に政治団体が建設した灯台を国有財産とすると発表、ようやく中国の不法な主張に対決姿勢を示した。


 ▲竹島を食い物にする韓国の活動家

 2005年2月25日、就任二周年を迎えた韓国の廬武玄大統領は国会で演説し日本を批判、「過去に率直に」などと、またしても悪辣な放言を繰り返した。

 韓国が不法に軍事選挙を続ける「竹島」は明らかに日本領である。
 韓国は「独島」だと言い張って軍隊を駐留させコンクリートで施設を建設し、恒久的支配を目論んでいる。

 竹島が帰属する島根県は、05年2月23日に県議会で、「竹島の日」を定める条例案を提案した。これは3月16日の県議会最終日に可決される見通し。
 
 条例案は3条からなり、帰属を県告示した2月22日を「竹島の日」とすると定め、「県民、市町村及び県が一体となって、竹島の領土権の早期確立を目指した運動を推進し、国民世論の啓発を図るため」と謳われている。

 韓国は猛然と妄論的な反論を繰り出した。
 慶尚北道は2月23日、李義根(イ・ウィグン)知事が「89年以来続けてきた島根県との交流関係を全面的に中断する」と声明した。

 韓国の特殊任務部隊OBで構成する団体は、島根県議会の「竹島の日」制定の動きに反発し、ソウルの日本大使館前で抗議活動を行い、警官隊と衝突した。
 同団体は「独島(竹島)の領有権を略奪しようとする妄動だ」と主張。日の丸を焼き、「独島侵奪号」と書かれた乗用車に火を付けるなど派手なデモンストレーションを行った。

  韓国の動きに平壌が呼応した。
 北朝鮮の「朝鮮中央通信」(2月25日)は島根県議会の「竹島の日」条例案に言及し、竹島は「わが国固有の領土であり、日本が領有権を主張するのは北朝鮮を再び侵略するためで、許されない行為だ」などと非難した。
 北朝鮮は「民族の尊厳と自主権を侵す者に対しては、無慈悲で断固たる懲罰を与える」とも言った。

 領土をめぐって従来あまりにも恬淡だった日本は略奪されたままの竹島、北方領土を「平和的解決」などと言って先送りしてきた結果、こうした微温政策が破綻していることを示してあまりあり、この曖昧な日本の領土への姿勢を見て取った中国が、近い将来、尖閣諸島を横領しようとして軍事的行為をやめることはないであろう。
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(読者の声1)古い話で恐縮ですが、2004年11月26日付貴誌第970号に遺棄化学兵器に関して貴コメントとして下記の記載がありました。
「中国吉林省での、日本軍が遺棄したとされる毒ガス、科学平気処理作業にしても先般の作業で掘り起こされ処理された2000発のうち、日本製は79発だけでした。敦化の郊外に処理場を建設しますが、日本が全額、費用を負担します。これだけで3000億円です。そして処理する兵器の九割が、もしソ連製(それを供与されて使用したのは中共軍ですが。。)だとしたら?」
 昨年上記記事を読んだ際にすぐに質問しようと思いつつ放置してしまったのですが、2000発中日本製は79発というのは極めて由々しき問題だと思います。
私自身はかつて初期段階で遺棄化学兵器処理案件にも携わっていましたので、貴コメントには強い興味を覚える次第です。ニュースソースを明かすことは支障があると思われますので、官・民いづれからの情報なのか、またどの程度信頼出来る情報とお考えかをお聞かせ願いたく。
 先日見ていた中国のインターネットに、遺棄化学兵器処理に関わってガス弾の掘り出しにも立ち会っている南京の女性化学者(?)の記事があり、当初日本政府のミッションが中国側と交渉を行った際の話として次のようなことが記載されていました。
「日本側ミッションは遺棄化学兵器が日本製だという証拠でもあるのかと居丈高に中国側に迫ったが、中国側が『昭和○年』という明確な刻印がついていると写真を示すと、日本側は何も反論できず、急に静かになった」。
日本製の79発の写真を示せば、『昭和○年』が刻印されていることになるのかもしれませんし、中国側は全て日本製という思い込みで、日本が全量処理するのは当然と思っているものと思います。
もし貴方の言われる状況が実態ならば、日本政府は何故これを日本国民に知らせず、莫大な血税を投入して処理をしようとしているのでしょうか。北京の日本大使館筋からも日本製はほとんどないなどという話は今まで聞いたことがありません。
     (商社員)


(宮崎正弘のコメント)その後、日本側の発表(総務省)で「2000発のうち、89発が日本製」ということが分かっております。
 小生のレポートに多くの人が、その後のことはどうなっているか、と多くの問い合わせがあります。実は報告書はそれだけで、わが政府はそれ以上の発表を差し控えています。現代史のミステリーです。ですから小生にもさらに詳しい追加情報がありません。


   ♪
(読者の声2)先般、宮崎さんが出演の渡部昇一さんとの対談番組を拝見しました。大変こころ強く存じました。抜群の記憶力と底知れぬ博識に深く敬服いたします。途中からでしたが、本当によい勉強になりました。とくに憲法、毒ガス弾処理、中共の海軍力増強問題をはじめ軍人の腐敗、サラリーマン化、一人っ子の不安材料など学ぶところ多大でした。
        (SK生、長崎)
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 会費      おひとり 2000円
 問い合わせ   045−263−0055
          ◎◎◎◎◎
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(サイト情報)
(1)FRB米連邦準備理事会のグリーンスパン議長は2月16日、米上院銀行・住宅・都市委員会でアメリカ経済の動向について証言を行ない、金融政策報告を議会に提出した。  
http://www.federalreserve.gov/boarddocs/hh/2005/february/testimony.htm

(2)連邦準備制度理事会が議会に提出した金融政策報告書
 http://www.federalreserve.gov/boarddocs/hh/2005/february/fullreport.pdf
(3)2月17日、大統領の経済報告書全文。
Economic Report of the President  Transmitted to the Congress February 2005. 335p.
http://www.whitehouse.gov/cea/erpcover2005.pdf
Comments at the Release of the Economic Report of the President
N. Gregory Mankiw, Chairman of the Council of Economic Advisers
http://www.whitehouse.gov/cea/erp20050217.pdf
(4)連邦議会(109議会期)中に行なわれるアメリカの貿易交渉について、米議会調査局CRSがまとめたレポート
http://www.house.gov/htbin/crsprodget?/IB10123/site=collinpeterson.house.gov 
        ◆
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