国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/02/25

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)2月25日(金曜日)
通巻 第1046号  
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 ついには大学新卒組の就職率も水増し、虚偽の報告が横行
  ニート、フリーターの脅威は中国でも社会問題化してきた
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 中国の公式発表というのは昔から嘘の固まりである。
「9・5%成長」ならばインフレ、賃金上昇、完全就職を伴うべきであろうに、インフレが4・5%にとどまり、賃金は工員レベルでは上がっていない。西側のエコノミストは「本当に9・5%成長ならインフレは+2%で11・5%はあるはず」と口を揃える。

 そして大学新卒組の就職率改竄が大きな問題となって表面化してきたのである。

 駅弁大学を含めて中国全土の大学数は1900。これに短大など資格が得られるカレッジが1400もあり、合計3300の大学がある。

 しかも各大学は就職実績を改竄し、就職率を水増ししている。平均73%らしいが、軒並み90%などと謳っている。手口は大学が企業に頼んで、入社したかたちにしてもらうとなどの複雑な手法を駆使しているらしい。

 中国の大学の卒業者数は2002年が145万人。それが04年には280万人とほぼ倍増した。ことし05年度は340万人に膨れあがる。

 中国の卒業式シーズンは六月。新学期は九月。つまり、二月時点で就職が決まっていない学生は落ちこぼれ、この比率が高いと当然、受験生が激減する。

 中国の景気が良い?
 沿岸部、大都市だけを見てそういう結論は簡単だが、十三億人口の八億五千万人が農村に居ることをお忘れなく。
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(今週の寄贈本)

(1)鍛冶俊樹『戦争の常識』(文春新書)
 世界の常識では国民の軍人比率は33人に一人。つまり学校に例えると、一クラスに一人は軍人になる。
 日本では500人に一人という比率だから、全校生徒に一人、居るか居ないか。
 (そういえば小生の中学は全校1200名、3名が防衛大学へ行った)。
これじゃ国防に理解が無いのも当然。だから日本では戦争の常識が一つも通らない。国防の基礎がまったく理解されていないのだ。国会の議論をみていても幼稚園か小学校の議論をする野党議員には呆れはててしまう。
 鍛冶さんは、地政学とは何かから軍事学入門の抗議を始め、軍政と軍令、軍隊と階級、陸軍、海軍、空軍の基礎をわかりやすい文章で網羅されている。
 「世界のDGPの2・6%が軍事費。だから日本は国防予算を2・6倍にしなければいけない」というべき箇所も、鍛冶さんの手に掛かると「世界は日本の2・6倍もの割合の軍事費を負担している」という表現になる。
 世界に存在する軍人の数は二億五百万人。日本の人口より軍人が多い計算になる。
 コスタリカの友人がある日、評者(宮崎)に言ったことがある。
「コスタリカには軍隊はありません」
「えっ。それじゃ他国の侵略にどう対応しているのか」と尋ねると、
「警察ですよ」と言った。どうやらこれは正しくないようだ。
 鍛冶さんによると、わが「参議院憲法調査会がコスタリカに議員団を派遣した(中略)。コスタリカには国軍がないだけで治安部隊は存在しており、1955年には隣国ニカラグアから侵入した反政府軍を撃退した。また1985年には米国から軍事供与を受けニカラグア侵攻の拠点を提供し」た。つまり「コスタリカは米国と良好な関係さえ維持すれば平和が約束される立場にある」という。
 こういう「常識」が全編にちりばめられていて蒙を拓かれる。


(2)中国事情研究会『中国事情』(第二号)
 殿岡昭郎、安東幹、三浦小太郎氏らが主宰の会の研究誌で以前の『中国少数民族研究』を改題した。
今月号も力作揃いだが、「東トルキスタン共和国憲法発布式典に参加して」とワシントンDCで昨秋に開催された東トルキスタン独立運動の会合に出席してきた殿岡氏の報告が光る。
亡命政府がワシントンで結成された事実を日本で知る人は殆ど居ないだろうが、「東トルキスタン共和国」とは現在中国が侵略したままの「新彊ウィグル自治区」のことである。漢族の入植がはげしいためNHKのシルクロードなどででてくる画面は、穏和で人なつっこいウィグルの民を武断と秘密警察で支配する漢族との対立を描いていない。トルコ系のウィグル人は漢族の支配を受け入れてはいないのである。
殿岡氏によれば東トルキスタン共和国亡命政府の憲法草案では言語をめぐって対立があり、ウィグル語とカザフ語が国語ときめられたそうな。
また彼らが憎む漢族を戦中、木っ端微塵にやっつけた日本軍の人気は高く、殿岡さんが同行した日本人の若者は「サムライ」と呼ばれて親しまれたという。
 この雑誌は頒価500円。申し込みは電話03−(3664)1666


(3)和田秀樹『わたしの愛国教育論』(PHP研究所)
 若い精神科医としてエッセイストとして大活躍の和田秀樹・国際医療福祉大学教授が愛国教育について論じている。
「国旗・国歌を愛するだけでよいのかーー学力低下を克服しなければ日本は山等国に転落する」という危機意識が全編をつらぬく主題であると言える。
昨年発表の国際学力比較で、日本の子供達の学力が東アジアで最低となった。OECDの調査には中国が参加していないが、おそらく日中比較で中国に負けているだろうと多くの学説もある。ゆとり教育の所為である。
「このままでは日本の労働力の質が、北朝鮮と並んで周辺諸国の中で最低レベルになってしまう」と和田教授は甚大な警告を発せられる。
本書にはジェンダーフリーをめぐって長谷川三千子氏との対談なども収録されている。


(4)何清漣『中国の嘘』(扶桑社)
 事実上、米国に亡命した何清漣女史は、いまや中国語圏の評論家として知らない者が居ないほど有名な存在となった。一大ベストセラーとなった『中国現代化の落とし穴』につぐ作品が本書だが、詳細の書評を3月第二週に発売の『週刊文春』で小生が書くので、この欄では紹介だけに留めたい。
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(読者の声1)いま桜チャンネル「大道無門」を実に楽しく見終わりました(23日午後10時)。当代きっての知識人渡部昇一先生と、これまた当代きっての実地取材記者、宮崎正弘先生との対談。
 きちんとした歴史認識を踏まえた人物同士の会話は、小気味よく早いテンポで、現在わが国が抱える多くの問題について処方箋とも言うべき方向が示されたと思います。ときどき宮崎先生が吹き出しそうになりながら、現代中国の腐敗と矛盾を話されるのが大変印象的でした。
          (HS生、豊橋)


(宮崎正弘のコメント)録画撮りの控え室にクライン孝子さんが入ってこられ、終わってからも一時間ほどドイツ、北朝鮮、そのほかの問題で渡部昇一さんを交えて、多彩なお喋りをしました。控え室での会話も録画しておけば、もうひとつ番組がつくれたくらいです。惜しいことをしました(苦笑)。


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(読者の声2)新華社によると、金総書記は、朝鮮半島の平和と安定に中国が傾けてきた努力を評価した上で、「我々は朝鮮半島の非核化を堅持するし、対話を通じて平和的方法で(問題を)解決しようとする立場に変わりはない」と従来の立場を繰り返した。さらに「6者協議に反対したことはないし、離脱しようともしていない」と強調した。
「金ちゃんはまた例の調子でシャシャとやっとるな!」と言いたいが、ひょっとすると日・米が手を出さないのを見越した上で、中・朝がぐるで掛け合い漫才やっとるんやないかいなと疑いたくなる。こんな調子ならいくら交渉しても無駄というもの。
率直に言って、小泉さんはともかく(残念だが)、ブッシュさんもずいぶん甘く見られたもんだ。
(MI生)
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(お知らせ)「日本文化チャンネル・櫻」で宮崎正弘と渡部昇一氏との対談番組「大道無門」の再々放送は26日(土)夜12時、2月27日(日)夜9時です。
http://www.ch-sakura.jp/ (←申し込み方法など櫻チャンネルの詳細)
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!本日です!
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<<公開講座のお知らせ>>
日時 :2月25日(金)午後7時(六時半開場)
「反日の構造と三島由紀夫の檄文」
 講師:西村幸祐氏(評論家) http://nishimura.trycomp.net/
(↑西村幸祐氏のサイト)
 中国・韓国・北朝鮮は執拗な反日キャンペーンに狂奔しています。その殆どは根拠のないデマの類ですが、何故かくも彼らはデマ・キャンペーンに狂奔するのか?
  それによってもたらされた深刻な日本のアイデンティティー危機を分析し、併せて三島由紀夫が訴えた「最後の檄文」の今日的意義を明らかにする。
 場所 :高田馬場「大正セントラルホテル」三階会議室(駅ロータリーの真ん前、一階は三井住友銀行)。
 会場分担金   おひとり 2000円
 問い合わせ 三島研究会 TEL 03-3200-2295
e-mail:miura@nippon-nn.net
 HP  :http://www.nippon-nn.net/mishima/
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中国の反国家分裂法に反対するデモ行進があります!

「反併呑! 2・28台湾の防衛と正名アピール行進」
 ◎集合日時  2月28日(月)午後3時(雨天決行)
 ◎集合場所  大久保公園 [ハローワーク新宿(新宿職業安定所)の裏]
       東京都新宿区歌舞伎町2−43(昨年の「2・28台湾正名デモ」と同地点)
       【交通】JR「新宿駅」東口から徒歩7分、西武「新宿駅」から徒歩3分
 ◎コ―ス  大久保公園を出発(3:30)→職安通り→明治通り(伊勢丹前を通過)       →甲州街道(新宿駅南口前を通過)→新宿中央公園児童遊園(全行程約3km、約50分)
       ※3:28(台湾時間2:28)に、台湾全土と同時パフォーマンスを行う。
 ◎当日の訴え 「反併呑・護台湾」「台湾正名・制憲」「外登証の国籍改正」「日台関係強化」など(プラカード、拡声器の持参歓迎)。

 ◎主催   台湾正名アピール行進実行委員会 [委員長・陳明裕]
       (在日台湾同郷会、日本李登輝友の会、維新政党新風東京本部など)
 ◎問合せ先  台湾の声 koe@formosa.ne.jp
        日本李登輝友の会 電話 03−5211−8838
        ritouki-japan@jeans.ocn.ne.jp
 ◎広報担当 090−8645−9489 林 建良
 当日連絡 090−9674−0776 陳 明裕
      090−4138−6397 永山英樹
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 <<PRのページ>> 
◎まもなく改訂2005−2006年度版が出ます
 宮崎正弘著『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
 現在品切れ中です。最新版をご期待ください。
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◎宮崎正弘のロングセラー◎
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『ネオコンの標的』(二見書房、1600円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円)ほか 
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◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
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