国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/02/17

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)2月18日(金曜日)
通巻 第1041号 
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ロシアと中国の資源戦略パートナー、シベリア石油横取り前に三つの合意
 ことし両国は合同軍事訓練を大規模に催す見通しがでた
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 年内に中ロ両国は、最新のロシア兵器、長距離輸送機、潜水艦を駆使した大規模な合同軍事訓練を行う。

 しかしワシントンはロシアが中国に供与した最新兵器とシステムについては目をつむりながら、EUが中国へ武器輸出を再開する準備を始めると強く抗議した。

 既報の通り、ロシアのシベリアからのパイプラインは日本へのルートを分岐し、さきに中国へ石油を供給することとなった。プーチンはカネに転んで、日本との約束を反故にした。
この事件以前にロシアと中国の「戦略的資源パートナー」は次の三つの合意をなしていた。

 (1)ロシアは中国に二つの原子炉建設で協力しており、加えて二カ所の地熱発電所建設工事にもロシア企業が協力している。
 
 (2)カザフスタンから中国へのパイプライン工事にもロシア企業が参画していた。さらに将来、このパイプラインを通じてロシアの石油が中国へ輸出されることが検討されている(ノーボスチ通信、04年12月22日)

 (3)鉄道輸送による中国への石油供給は、07年には3000万トンの規模に達する。現在だけでも年間1000万トンが鉄道輸送されている(イタルタス通信、12月24日)。
 
 中露の資源密月、合同軍事訓練は要注意である。
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(お知らせ)地方講演旅行などのため小誌は2月21日−22日付けが休刊となります。
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<<今週の寄贈本>>

高坂節三『国際資源・環境論』(都市出版)

経済同友会で国際的な活躍をされる高坂節三さんは、伊藤忠商事の常務のあと、水と環境のエンジニアリングで有名な栗田工業の会長を務められた。現在、拓殖大学でエネルギー環境論の講座を持っておられる。その関係で拓殖大学関係の会合でよくお目にかかる。
 実はお名前から、「ひょっとして高坂正顕先生のご子息?」とおそるおそるお尋ねしたのが最初の出逢いだった。
小生、学生時代に、哲学者として著名な高坂正顕先生に二回ほどインタビューへ赴き(当時、国立教育会館館長をしていた)、そうした関係で父上の葬儀にも出席した。高坂さんの兄上は、かの高坂正堯(京都大学教授)である。高坂正堯教授にも学生時代大変お世話になった。昭和40年代の話である。京都へ行くたびにご自宅に夜中に押し掛けたこともあった。ナショナリズムの意見は合わなかったが、不思議とウマがあった政治学者で、その後、十数年を経て、岡山の講演会や韓国のシンポジウムでご一緒したりした。兄上も急逝されてはや十年近い。
哲学者の家庭にうまれ、著名な政治学者を兄にもたれる氏は、ながらくビジネスの世界で世界中を飛び回った。そうした視野の広さと現場での経験から世界の資源問題、自然環境、エネルギー論に興味を深くされ、長い実地見聞と経験からこの労作がうまれた。
ほぼすべての資源環境問題が、本書には網羅されている。
日本人はながらく水をタダの資源と勘違いしてきた。それほど豊穣な水と、豊かな資源に恵まれてきた。にわかに水資源問題が日本でも大きく取り上げられるようになったのは、石炭にかわった石油資源の枯渇がみえてきたこと、食糧の地球的規模での枯渇、次世代エネルギーの開発模索といった「現代病」の過程である。
本書の核心部分で高坂氏は以下の論理を展開されている。
「有限なる資源、偏在する資源、あまりに早い技術文明の進展のために、人間はいかに自然と対峙すべきかが問題になってきている。ディープ・エコロジストと呼ばれる環境保護主義者のなかには、自然中心主義を唱える人達が発言力をのばしている。しかし、人間中心主義か自然中心主義かという議論はあまりにも短絡的ではなかろうか。人間は自然環境を利用せずには、生きていけない歴史的存在であり、自然の多様性を生かし、自然と親和的関係を維持することは大切であるが、自然環境を重視しすぎて、これを絶対視する考えはとるべきではない」。
本書によって小生も大いに啓発された。
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◎宮崎正弘のロングセラー◎
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円)
『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『ネオコンの標的』(二見書房、1600円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円)ほか 
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創刊日:2001-08-18  
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