国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/01/21

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)1月21日(金曜日)
通巻第1022号  登録読者4365名(1月20日現在)   
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 米国で趙紫陽を高く評価する動き活発
「中国共産党はファシスト化するだろう」と旧ブレーンら。
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 ジム・ホーグランドが「ワシントンポスト」(1月20日付け)のコラムに書いた。

 「悪を正義と認めたのは米国のブッシュ(父親)政権でスコウクラフトを天安門事件直後に密使として北京に送り米中関係は実質的に変更はないとするメーッセージを送った。
 趙紫陽が正義ではなくトウ小平が正義と言い繕ろったのだ。まさにあの虐殺事件直後にトウが言い放ったように『西側は(天安門事件を)すぐに忘れる』。事実、そうなった」。
 
 EUは六月までにも中国への武器輸出を再開する。「こんど悪を正義と言い換えたのはシュローダーとシラクだ」(前掲ホーグランド)。

 趙紫陽のブレーンだった蘇焼起(元社会科学研究員マルクス主義研究所所長、元人民日報理論部門主任)は当時、方励之らとともに党から追放され、現在ニュージャージー州に住んでいる。82歳。

 蘇は趙紫陽の死亡を公表しないで天安門広場を警戒する共産党を評して言った。

「現状の政治情勢から判断して中国共産党はファシストとなり、民衆は強烈に党を毛嫌いするようになる。しかし中国に民主化を実現するには長い年月がかかる。独裁者が権力をながく握り続けるのは、ヒトラーやスターリンをみても分かる。しかし事態が逆方向に向かうとき、体制を覆すために民衆が立ち上がるでしょう」(「エポック・タイムズ」(1月19日付けのインタビューで)。

 香港では議会が趙紫陽追悼のための黙祷を捧げ、これに反対する親中派議員が退場した。
 世界各地では大々的な追悼集会が開催されている。
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<<今週の寄贈本>>

?木本あきら『アラビアの詩』(角川書店)
著者からこの本を受け取ったとき「え、まさか」と思った。電撃のようなショックが同時に来た。
 木本晃さんと言えば、エジプトのアレキサンドリアに居るはずで、ちかくカタールに転勤になると聞いていた。その前はリビア、その前はたしかトリニダード・トバコ。なにしろ世界中の建設現場をまたにかけて日本男児これにあり、と昔の満州浪人のような豪傑、浪漫派である。四半世紀を外国に暮らしている。
 リビアでこの快男児は、あろうことかスパイと間違えられて刑務所に収監され、孤独に戦ったこともある。
カダフィ大佐とあった話も直接、氏から聞いたことがある。日本に帰ってくるのは一年か二年に一度でそういえば帰国のたびに新宿で何回か飲んだ。
 その木本さんが、詩集ならぬ歌集を出したから心底からの驚きが湧いたのである。しかも二番目の衝撃は、その和歌がみな、リズムが清冽で出来映えがいいのである。
 砂漠の歌が多いのに稟裂の気配が漂うところも独特である。
 
「コーランを唱える響き厳かに冴えわたりゆく夕映えの中」
 「燃え滾る砂丘の空をひたすらに北をめざして渡り鳥飛ぶ」
 「あかあかと燃ゆるがごとく日は沈み虚無の世界は浄土となりぬ」
 「月光に青く照らされアラビアの砂漠は深く水を満たせり」
 「今日もまたペルシャ湾を通りすぐ大型タンカーの『日の丸』清し」
 
感受性鋭くてやさしく、なかなかの秀昨がそろった。早速、アレキサンドリア宛てに礼状を書かなくちゃ。
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明日(22日)です!
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(宮崎正弘の講演会のお知らせ)
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 1月22日(土曜日)、午後2時―4時。
 場所は 大手町「産経プラザ」二階。
(地下鉄大手町下車、産経新聞本社左出口よりエスカレータで二階へ)
 主催は 「正論を聞く会」。
 どなたでも入場出来ます。会費は1500円(学生1000円)。
 演題は  「対中外交、いよいよ正念場」。
 問い合わせ先 (03)3505−6585 「正論の会」(代表・三輪和雄)
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(読者の声1)まだ貴誌を購読しはじめて二ヶ月にもなりませんが、毎号毎号、一般の新聞に出ない記事やユニークな分析があり、大変有益且つ参考になります。じつは貴誌の存在を知ったのは在日中国人留学生からで、このメルマガが随分と在日中国人のあいだに評判になっているようです。台湾からの留学生も宮崎さんの名前を知っている人が多い。聞くと何冊も台湾で中国語訳が出ているとのことでした。とくに昨日の号外で東京でも趙紫陽追悼集会があるというニュース(どうしてそんな内部情報まで分かるのでしょうか?)、集会をのぞいてみようと思いました。


(宮崎正弘のコメント)かれらは同時に小生のニュース・ソウスでもあります。情報源を匿名にするのは、かれら西側と同じ価値観を持ち、自由を志向している人達ですから帰国した際に当局から拘束されたりすることのないよう配慮しております。


   ♪
(読者の声2)日韓交渉の秘密文書が韓国の一方的に公開された。この中で文世光(在日韓国人)による朴大統領(当時)暗殺未遂事件に関し、彼が日本の警察から盗んだ短銃が使われたために日韓関係は極度に悪化し、韓国は日本側に元首相級の謝罪特使の派遣などを強く求めた。 
 謝罪使派遣の理由は、韓国民の反日感情が沸騰し国内の収まりがつかないから、どうしても謝罪せよということであった。
 韓国は「日本が誠意ある措置をとらなければ韓国としても国交断絶」と日本を威嚇。それだけでなく米国政府まで働きかけて日本の謝罪を要求したが、当然ながら米政府は韓国の無茶苦茶な要求を拒否している。
結局田中首相は折れて椎名元外相を特使として訪韓して遺憾の意を表明するとともに、親書を朴大統領に手渡して政治決着した。この件は、基本的には北朝鮮が仕組んだ犯行である。日本との関連は、犯人が、在日韓国人であって、偽造日本旅券を使って入国し、凶器の短銃は日本の警察から盗んだものだけである。
 この種の事件で明治初期に日本人巡査によるロシア皇太子ニコライ2世の傷害事件とはまったく状態が異なる。それなのに何故日本政府が特使を派遣してまで謝罪しなければならのか、国際法の論理からも、外交慣習からも、あるは通常の常識からもまったく理解に苦しむものである。
 当時の日本国民は椎名特使の訪韓の目的は分からない。 せいぜいお見舞い程度で、まさか日本が謝罪したとは思いもよらなかったであろう。また国民がこの事実を知れば田中角栄の人気に相当のヒビが入ったであろう。アジアでの反日感情は分かるが、政府が沈静化を図るのが国際儀礼である。逆にこれを扇動し、もって日本を威圧するのは論外であり威嚇外交にほかならない。
          (MI生)
 

(宮崎正弘のコメント)椎名さんは「謝罪特使」があいふさわしかったのか、どうか。台湾と日本との国交断絶の際も、田中が椎名を特使に任命し台北へ赴かせ、卵をぶつけられました(昭和47年11月)。そのとき蒋介石戒厳令下で、御禁制だった学生デモがなぜか、許され、日本の椎名悦三郎特使に卵をぶつける指導をしていたのが、かの馬英九(現在の台北市長)です。当時、ペンクラブ理事の杉森久英が台北へ行くと握手を拒否した作家がいました。その直後、小生も台湾ペンクラブ(「中華民国ペンクラブ」と言いました)へ行って王藍会長と会いました。いまから33年前のことです。
 さて韓国へは翌年から何回か通いましたが、閣僚のうちのかなりの人が日本語を流暢に喋り、しかも夜の宴会では「日本の政策は正しかった」と言うのです。
(どうなっているのか、この国は!)というのが実直な感想で、その後、池東旭氏との対談集も二冊出しましたが、韓国の「反日感情」というのは嘘に満ちているという第一印象はいまも変わりませんね。中国人は複雑な多重人格、韓国人は単純な二重人格です。
 日本向けの過激な反日発言は「おはよう」と同義です。虚空に吠える大声と日常の生活はまるで違うのです。
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<<資料>>在日中国人の民主主義団体によって行われる趙紫陽追悼会における「追悼文」は次の通り。 

「趙紫陽を偲び、中国共産党に決別する」
 (2005年)1月17日午前7時1分、一つの景仰すべき生命がこの世を去った。強権に立ち向かい、学生と市民への発砲を拒んだ偉大な人道主義者であり、現代中国の偉大な改革家・趙紫陽先生は、中国共産党の軟禁と迫害の下でこの世を去っていった。彼は末期においても人身の自由を獲得することができなかった。趙紫陽の死去は一つの時代の終焉を代表しており、すなわち、中国共産党の改良という幻想が完全に消滅したと言える。彼は死をもって我々が目覚めるよう願っているように思えてならない。
 15年前の残酷な血生臭い弾圧において、民主、自由、法律を用いて中国の危機を解決しようという試みが失敗した後、権力と良心、政権と人民の狭間で、当時の中国最高指導者である趙紫陽先生は後者を選んだ。天安門広場での学生らと最後の別れは、彼の人生において最も輝いた瞬間であり、高貴な人格で独裁者の脅迫を拒み、生命と良知を固守してきた。彼は闇夜に流れ去っていた流れ星のように短かったが、その眩いばかりの閃光は中国共産党の邪悪な険しい本質を煌々と照らした。中国国民と、世界中の平和と自由を愛するすべての者に中国共産党の暴政、独裁、反人間性の厚顔を明確に認識させた。その15年の軟禁生活で彼は真理、人民、良知を放棄すれば、いつでも中国共産党の専制体制に戻れたが、臨終のその瞬間までずっと真理と人民を放棄することはなかった。
 今日、我々はここで沈痛な気持ちで趙紫陽先生を追悼し、彼の邪悪な共産党専制政権にノーと言った偉大な勇気に対して敬意を表したい。
 今日、我々はここに痛恨の極みで趙紫陽先生を追悼する。なぜなら、彼はあらゆる共産党党員にすばらしい模範となり、中国共産党を離脱し、ずっと人民と真理の側に立っていたからである。
  ここで、我々は趙紫陽先生を追悼する。同時にあらゆる民衆に中国共産党の邪悪な本質をはっきりと見分けて、勇気を出し、世界中で最も邪悪な、この組織を離脱するよう呼びかける。
 ここで我々はあらゆる中国人に中国共産党は中国社会悲劇の根源であることを見分け、中国共産党を離脱し、中国共産党の独裁と暴政がわれわれにもたらしてきた脅迫と恐怖から永遠に離れるよう呼びかける。
 この歴史が与えてくれた好機を逃さず、中国共産党を中華民族と中国国民から分離させ、趙紫陽先生と天安門事件を正当に評価し、趙紫陽先生の名誉を回復しようではないか。
もし中国がこの歴史の好機をうまく捉え、中国社会を共産党専制統治から民主社会に変えることに成功できれば、これは国民の幸福だけでなく中華民族全体の幸福にもなるであろう。
  中国共産党の最期はまもなくやってくる。趙紫陽先生の人道主義の精神は永遠に不滅である。
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◎宮崎正弘のロングセラー◎
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円)
『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『ネオコンの標的』(二見書房、1600円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円)ほか 
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<<公開講座のお知らせ>>
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公開講座(三島研究会、国防研究会合同)を下記のとおり開催いたしますので奮ってご参加ください。本年第一回は、「“国家破産”以後の世界と日本」と題して、講師に藤井厳喜氏(政治学者、拓殖大学客員教授)をお招きします。
 GDPを上回った日本の赤字財政。保険も医療も年金も破産が近いのではないのか。    誰も教えてくれない「暗黒の未来」に、どう生きるべきか? 『新円切り替え』『国家破産以後の世界』(いずれも光文社)でベストセラーを続ける藤井さんが、警鐘を乱打しながら、以下の近未来シミュレーションを行う。?ロシア、韓国、アルゼンチンなどの破産国家からなにを学ぶべきか? ?転落するアメリカの国債を買い続ける日本は「経済植民地」か?    ?それとも中国の「属国」となるのか?
 
          記
日時  1月26日(水)午後7時(6時半開場)
場所  高田馬場「大正セントラルホテル」三階会議室
演題  「国家破産以後の世界と日本」
講師  藤井厳喜氏(政治学者、拓殖大学客員教授)
会場分担金  2000円
問い合わせ  03-3200-2295
e-mail:miura@nippon-nn.net  HP http://www.nippon-nn.net/mishima/
◎二月の「公開講座」は2月25日、評論家の西村幸祐氏をお招きし、「反日の構造と三島由紀夫最後の檄文」について。詳細は追ってこの欄でも発表します。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
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  • 奥村 秀嗣(39歳);三重県鈴鹿市在住。2007/12/24

    今の政治家に求める事は人の幸せを本気で祈れる存在になってほしい事です、自分の立場を守る事を考えず自己犠牲の道を歩んでください、私はそう望みます。