国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/01/18

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)1月18日(火曜日)?
通巻 第1017号     
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シベリアからナホトカへのパイプラインに日本は140億ドル醵金か
 当初予算の二倍を提示した日露交渉は「怪談」?
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 プーチンの示唆はやはり反故となった。
ユーコスの財産を買収したロシア国有の新石油ガス企業は、一切の外国資本を導入しないと声明した(1月11日、「モスクワの声」)。

 要するに東シベリアの石油鉱区を管理する国営企業に中国の資本参加を認めないと婉曲に言っているのだ。これが「戦略的エネルギー・パートナーシップ」を謳った中ロ関係の実態?
 
 中国を宥めるためか、ロシアは今年1000万トン、来年は1500万トンの石油を中国に列車で輸送することを確約した(1月17日、ジェイムズタウン財団リリース)。
しかも鉄道施設拡充に必要な10億ドルはロシアが負担するという。

 問題はアンガルスク(石油の拠点)から黒龍江省の大慶を結ぶ2247キロのパイプラインである。これは総工費20億ドル、年間に2000万トン。
 結局、ロシアと中国はパイプラインを敷設するのか、しないのか、依然として曖昧なのである。

 一方、日本向けはタイシェット→ナホトカ間のパイプラインは、じつに4130キロ。アンガルスク→ナホトカという当初の予定より250キロも長いうえ、総工費は最低見積もっても90億ドル、おそらくは110−120億ドルに達しようと「修正」が加わっている。
 日本は中国への分岐がないという前提で周辺の環境整備などを含める140億ドルを提示してきた。

 こうした動きから推測できること。日本向けにロシアは最初から決めていて土壇場でモスクワは「中国カード」を使って日本に再度の値上げを認めさせた?
 中国は列車輸送で実質以上の石油供給の確約を得た。
 まるで損するのは日本だけという方程式にならないか?
 
嘗ての東清鉄道はロシアが敷設し、その後満鉄は日本が敷設した。第二鉄道バム鉄道は、日本の捕虜五万人が犠牲になった。枕木の一本一本に日本人の犠牲がある、といわれた難工事だった。ロシアが本気で鉄道を拡充するとはとても思えないが、北朝鮮の労働力を使うのでしょうかね?
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(参考資料)下記は拙メルマガ1009号に書いたものです。上記は、これを前提として最新の動きです。
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(1)シベリアの鉱区からナホトカまで、およそ4000キロ(迂回路)のパイプラインは、まだ敷設工事を始めていません。パイプラインそのものは30億ドルかかるか、かからないかでしょう(大変な額に相違ありませんが)。
(2)日本の提示した総額70億ドルは、周辺の整備、環境改善のための投資を含みます。現地の雇用拡大対策に繋がるため、この魅力的な日本案にロシアは乗ってきました。直前までロシアは「ユーコス」(ホドルコフスキー会長)を通じて、中国の大慶ルートで本決まりでした(胡錦濤は03年7月だったか、サンクトペテルブルグ訪問時に契約しております)。
 ひっくり返したのは政敵としてユーコス会長を逮捕し、ユーコスを解体したことです。
これは中国との契約主体が世の中から消えてしまったことになります。
ですから中国から見れば、これはロシアが「裏切った」「日本のカネによる外交で逆転された」という総括となります。
(3)分岐ポイントまで、パイプラインは一本なのか、二本なのか。もし一本であれば「分岐点」までは日本と中国が分担するべきであり、2本であれば問題ありません。じつはそういう詳細はまだ決まっておりません。このプロジェクトは鉱区と運搬の「利権」を決めたまでの段階であり、総額70億ドルにしても、向こう一、二年は「調査費」が出費される程度になるはずです。もちろん注視し続ける必要があります。
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(宮崎正弘の講演会のお知らせ)
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 1月22日(土曜日)、午後2時―4時です。
場所は 大手町「産経プラザ」二階。
(地下鉄大手町下車、産経新聞本社左出口よりエスカレータで二階へ)
主催は 「正論を聞く会」。
どなたでも入場出来ます。会費は1500円(学生1000円)。
演題は  「対中外交、いよいよ正念場」。
問い合わせ先 (03)3505−6585 「正論の会」(代表・三輪和雄)
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 日本政府、中国人への観光ビザも免除か
  愛知万博への特別措置を検討と人民日報が報道
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政府は北京市など3市・5省に対する観光ビザ発給を中国国内全域に拡大する計画を持っているという。
とくに3月25日からの「愛知万博」期間中、台湾、韓国からの観光客にビザの免除を発表しているが、中国からの団体観光客にも臨時措置として発動を検討中。 

  北側一雄・国土交通相が訪中時に中国政府へ伝達されると見通しと人民日報ネット版(日本語版)が1月17日に伝えた。 

団体に混入してツアーを抜け出しそのまま不法滞在があとをたたない現状をみれば、この措置が時期尚早であることは言を待たないだろうに。
               ◆
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(読者の声1)昨日付けの「九兆円を取りかえせ」には笑いましたが、「CHINA EXPRESS  FOCUS(2005/1/17)に次の記事があります。
 「定福庄中学は14日期末試験の最終日だった。学校付近の路上で中学生が試験15分前まで賭博をしていた。ここでは日常的に中学生の賭博が行なわれている。中心的中学生男子が道行く学生達に声をかけて賭博に加わるよう呼びかけている。教師の話では、ここ2ヶ月同じ場所で中学生達が多いときで30人ほど集まって賭博に興じているそうである。5角から5元の間で賭けが行なわれている。教師はすでに父兄に連絡したり学校でも注意を与えたりしているが、聞く耳を持たないようである。」
 ははは、中学生が博徒になる練習ですか!
       (HE生、長岡京市)


(宮崎正弘のコメント)これは全土に普遍的です。小学生だってインターネットで賭け事をやっていますから。定福庄中学と言えば北京。東京の麻布中学と言えば、橋本元首相の同級生は、そういえば安倍穣二だったっけ。


   ♪ ♪
(読者の声2)貴誌(第1013号、土曜版スペシャル)に<<ちなみに♪櫻井の別れ」も♪紀元は二千六百年」もおいてあるカラオケボックス(がすくない)>>と書かれておられますが、歴史教育の所為か「四条畷」が読めない大学教師も出てきているようです。外国人教師が、自分は四条畷を読めたのに、日本人教師は読めなかった、と書いてあります。
外国人教師は、旅行していて駅名表示でこの漢字の読み方を知ったそうです。この話は電子情報通信学会誌、2004年10月号に出ています。目次だけは、次のサイトで読めます。981ページ、オピニオンがそれです。http://www.ieice.org/jpn/books/mokuji/2004/2004_10.html 
この学会は、男女共同参画というコーナーをサイトに設けてあることも知りました。この学会は、電子通信学術・技術の学会です。
       (NO生)


(宮崎正弘のコメント)御懸念のように「しじょうなわて」は若い教師クラスだとなかなか読めないでしょう。いまの若者は、それ以前の大楠公、小楠公の区別が分からない。いつぞや「学生服ですか?」って地元の学生に聞かれて驚いてしまった、と或る先生が言っておられたけれど、そんな程度ではありません。小生が言われたのは「オロナイン軟膏の新型?」というものでした。
 この話、拙著のなにかに挿入した逸話ですが(爆笑)。。。


  ♪♪♪
(読者の声3)産経新聞1月17日付け国際面に「北朝鮮崩壊で中国に吸収」という近未来のシナリヲがブルッキングス研究所のプリチャード客員研究員が訪韓して、与党ウリ党系シンクタンクでの講演で述べたと報じられています。
「北朝鮮は一瞬のうちに崩壊し二つのコリアではなく中国に吸収される可能性が高い」
「(北朝鮮にある)開城工業団地関連の電力供給や鉄路、道路建設など、平壌に利益をもたらす韓国の政策にブッシュ政権が今後、制限を加える可能性がある」とも指摘したうえで、
「北朝鮮の金正日政権が国内改革により軟着陸を実現し得るとの見方」を否定、「政権崩壊の結果、実質的に中国に吸収される可能性」がある、としたそうです。驚き桃の木山椒の木です。が、宮崎さんの見方は?
         (FG生、茨城)


(宮崎正弘のコメント)拙著『拉致』(徳間文庫)は、五年ほど前に書き下ろした『金正日の核弾頭』を殆ど手直しせずに文庫入りの際に版元の意見で改題した小説です。で、この小説の結論も、中国軍部に近い北朝鮮の軍がクーデターを起こし、事実上の金王朝は崩壊していく可能性を示唆しています。
 プリチャード氏のシナリオ、おおいにあり得るでしょうし、とくに斬新なものとは言えません。
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◎宮崎正弘のロングセラー◎
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円)
『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『ネオコンの標的』(二見書房、1600円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円)ほか
http://esearch.rakuten.co.jp/rms/sd/esearch/vc?sitem=%B5%DC%BA%EA%C0%B5%B9%B0&sv=30
(↑このサイトからも上記すべての本の注文可能。1500円以上は送料無料)。
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