国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/01/07

●祝 小誌登録読者まもなく4300名を突破! ●
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)1月8日(土曜日)
通巻 第1008号    
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△  
中国の“資源パラノイア”、ますます先鋭化
 米国石油メジャー大手「ユノカル」買収に中国海洋石油が触手をのばした!
*************************************************************

頭がおかしくなったのか。
資源確保に血道をあげる中国は、サハリンからのガスを輸入する打診を米国メジャーとのあいだで進めている。サハリンのガスは二つのプロジェクトがあり、ひとつはもっぱら日本向け。これは東京ガスなど大口契約の内定がある。

もう一本は宙に浮いたはなし。
万が一、中国が買うにしても、海底パイプラインを敷設するのか、巨大な技術の壁がある。「資源パラノイア」に取り憑かれた中国は採算を度外視している。

一方、シベリアの石油ガスのパイプラインは日本で決定した。ナホトカまで露西亜国内を長大なパイプラインを敷設して運ぶ。日本は70億ドルを投じる。
 これに中国は横やりを入れてきたが、ついにロシアは「分岐」を認めた。いったん決まった国債契約を途中からぶんどるなんて、軍事力のない日本を相手だから、なんだって出来ちゃうもんね。

シベリアからのラインを途中で内蒙古省の満州里―ハイラルーチチハル(黒龍江省)と結び、石油ビジネスの拠点=大慶へと分岐するのだ。
ロシア側の節操のなさも、中国の無節操、横暴と似たり寄ったりである。

さて、こうした時期に、またまたひっくり返るようなニュースだ。

英紙フィナンシャル・タイムズ(アジア版)は中国海洋石油が米石油大手「ユノカル」を買収しようと検討を始めたと伝えた。(1月7日付け)。
しかも買収金額たるや、130億ドル(約1兆3600億円)前後。もし、実現すれば、中国企業による外国企業買収で史上最大規模になる。 
 中国海洋石油は既存の利権を接収する目的(インドネシアなどで幅広く展開しているユノカルのアジア事業)ばかりか、米国を含めるユノカル全体の買収であり、蓄積されたノウハウを同時にごっそりと手に入れることにある。 
 
 だが、米国はどう出るだろう? ユノカルは政治銘柄でもある。
トルクメニスタンのガスをアフガニスタン経由でパキスタンへ運ぶ1580キロのパイプラインを、クリントン政権下、タリバンがアフガンを支配していた時代から画策してきた猛烈な企業として知られるが、当時の顧問にはカルザイも名前を連ねていた。もちろん、カルザイ政権下で、このプロジェクトは正式に契約が成立している。
かような企業がいとも簡単に中国の買収オファーに乗ってくるとは考えられない。
         ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(お知らせ)小誌は1月9日―11日を休刊とします。◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ♪
(読者の声1) 昨日付けの貴誌「香港の租借」の表現ですが、私は香港と九龍半島は「英国に割譲したもの、99年の租借は九龍半島の北にある新界」だったと覚えていますが、ちがいますか? サッチャーと小平の談判では小平が香港、九龍を返還しなければ新界の継続租借はない、水も食糧も供給しないと言ったので仕方なく返還に応じたと聞いていますが。。。
        (CA生、在カリフォルニア)


(宮崎正弘のコメント)小生は以下のように書きました。
「香港はイギリスが1898年に「99年の租借地」として清朝から借り受けた。九龍半島の一部と香港島は完全にイギリスの植民地だった」。ですからご指摘のように「香港と九龍半島は「英国に割譲したもの、そして99年の租借は九龍半島の北にある新界だったと覚えていますが」の通りです。新界(New Territory)だけ返還すれば、それで済む問題だったのです。
 後節の拙文が「植民地」とあるように「割譲分」を含めての表現ですが、いささか稚拙でしたか(苦笑)。
ところで、その昔、香港で反中国の人達二、三十人と「なぜ香港独立ができないのか」と議論したことがあります。80年代のことです。
 反北京の激烈な闘士でさえ「無理です。水が大陸から来ている」と嘆いていたのを思い出しました。サッチャーはそうおどされて階段からこけた、と言われています。


    ♪
(読者の声2)2005年1月4日にBBCラジオのニュースを聴いていたら、日本がスマトラの地震及び津波被害者への世界最大の援助5億ドルを約束したと肯定的に報道していました。その後に「日本は軍隊を送る(Japan will send militaly forces)云々」と自衛隊派遣のことを言っていました。日本の外では、既に自衛隊は軍隊であることが当然なのでしょう。
日本が気前よく5億ドルの支援を約束したといった後、「ドイツは5億ユーロに増額したが、ひも付きかどうか不明、オーストラリアは10億オーストラリアドルの支援を約束したがこれは5年間の長期的な援助である。実質的な援助の内容を離れ金額での世界一争いは問題だ」と冷静に報道している。今まで、当初の約束の金額だけ大きくて、結果がともなわなかった災害支援の約束が多かったことをふまえ、日本の支援が数ヶ月間で全額を支出する予定のものであることを日本の外務省の役人へのイインタビューの答えとして引き出している。また、当該役人に、「アジアの他の国で支援学の少ない国があるがかれらに対して言うことはあるか」という中国、韓国に対する間接的な批判をこめたと思われる質問をしていた。
まじめに実質的価値のある大きな支援を約束したのは日本だけだと示唆しているのである。1月10日付けのTIME誌アジア版津波特集号でも、ブッシュ大統領の対応の遅さ、当初の支援金額の少なさに対して日本が他国の災害支援に関して気前のよい国であると指摘している。
もう一つ、1月10日付けのタイム誌アジア版の読者の声欄に注目すべき投書があった。同誌昨年11月29日号の「中国対日本」特集記事に関して、フィリッピンのサンティアノ氏が「中国政府は文化大革命と天安門虐殺によってなされた被害と破壊を背景に押しやってしまうために自国の若者の間に反日感情を再燃させた。これは、選択的忘却のケースである」と書いている。
反日的というか中国系読者に媚を売る記事が多く反日的投書を「選択的に」載せることの多い最近のTIME誌には珍しいことである。これも最近米国に見られ始めた中国を将来のライバルとして牽制する動きの一環であろうか。
 どうせなら「日中戦争の主因となった1920年代、1930年代の中国共産党による日本人民間人、親日的中国人に対するテロ活動や一般中国人に対する反日煽動」も書き加えて欲しかったが、そこまで書けば、読者の声欄に載らないでしょう。
       (ST生、神奈川)


(宮崎正弘のコメント)タイム誌の投書欄にでたフィリピンの読者からの意見。「中国政府は文化大革命と天安門虐殺によってなされた被害と破壊を背景に押しやってしまうために自国の若者の間に反日感情を再燃させた。これは、選択的忘却のケースである」。
まったく正論、北京としてはタイムが絶対に載せて欲しくない内容でしょうね。要するに「反日」は対外矛盾に国内矛盾をすり替えている、中国伝来の政治ノウハウです。


   ♪
(読者の声3)貴誌昨日付けの「馬英九の香港ビザ拒否」のニュースについて。
私はこれで台湾人の一部にあった香港方式(一国二制度)へのかすかな望みも消えることになってよかったと最初に思いました。馬英九も純粋な統一派ではないと思いますので、北京からダメを出されたことに、内心はむしろ総統候補としての幅が広がったと喜んでいるのではないでしょうか。一方、北京は反国家分裂法を全人代へ上程すると新華社に書かせたときから、台湾の反発は予期できていたはずで、馬へのビザ拒否はその確認作業として行い、軍部を中心とする強硬派に顔立てしたと読めないでしょうか。 
 この先はわかりませんが、台湾からみても「台湾国」には歴史的論拠も島民の帰属心も薄い金門、馬祖を狙って攻撃を仕掛け、奪還する限定戦争が起きて仕舞いにするというような甘いこともありうるのではとも考えます。いずれにせよ、今回の馬のビザ拒否は台湾の独立建国派にとって悪いことではないように思います。
            (HS生、豊橋)


(宮崎正弘のコメント)率直に言って馬英九は、これで台湾国内のマスコミの上では、随分と男をあげて、次期総統選挙へのポイントを稼ぎ出したと思います。台湾の北部は依然として国民党が民進党支持者を上回っていますし、ましてマスコミは台北に集中していますから、有力候補の王金平を押しのけて、2008年にいきなり勝負にでる可能性も高いでしょう。
 イメージ選挙となれば、日本でも小泉や細川が首相になったように、党内基盤や、派閥力学を超えて、ミーハー人気にたよる馬英九のような「天ぷら」(中味がない)でも総統になる可能性がありますからね。
 現時点で小生が観察しているのは、国民党は本省人の王が「正」、外省人の馬が「副」というチケット。この組み合わせですと与党・民進党が総統ポスト維持という近未来のシナリヲはやや難しくなりますね。
 96年のパターンでも李登輝(本省人)は副総統に連戦(外省人)というコンビ。対して国民党守旧派とて林洋港(本省人)を表にして、副(裏)にかく伯村がまわったように。ところが2000年、2004年の連敗は連戦(外省人)が表にまわったからでした。
   

    ♪
(読者の声4)アメリカのテレビ番組で南京大虐殺がさも真実のように報道され、いかにしてこれに反論するか、という問題が保守陣営の中で論ぜられて居ますが、ひとつ有力な提案があります。世界出版から英文で出されたTanaka Masaaki, What Realyy Happended in Nanking (1400円)を外国人の知人友人や各種団体に送付することでないでしょうか。
ちなみに出版社はー、
東京都港区西新橋2-13-14 新佐久間ビル3F 世界出版社
(社長・茂木弘道)です。
       (YH生、横浜)
   ◎ ● ◎ ● ◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
◎宮崎正弘のロングセラー◎
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円)
『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『ネオコンの標的』(二見書房、1600円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円)ほか
http://esearch.rakuten.co.jp/rms/sd/esearch/vc?sitem=%B5%DC%BA%EA%C0%B5%B9%B0&sv=30
(↑このサイトからも上記すべての本の注文可能。1500円以上は送料無料)。
         △ △ △
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◎ 宮崎正弘のホームページ ↓
 http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
小誌の購読は下記で登録できます(↓もちろん無料です)
http://www.melma.com/mag/06/m00045206/a00000060.html
(↑この左欄をクリックされると過去4年分の小誌バックナンバーが閲覧可能)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 (C)有限会社・宮崎正弘事務所 2001〜2005 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。