国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/01/06

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)1月7日(金曜日)
通巻 第1007号    
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こんどは馬英九・台北市長、香港からビザ発給を拒否さる
   次期台湾総統の最右翼に中国は「警告」を一発?
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 香港はイギリスが1898年に「99年の租借地」として清朝から借り受けた。九龍半島の一部と香港党は完全にイギリスの植民地だった。
1949年共産革命のおり、イギリスは北京に対して、熱狂的ロビィ工作をおこなって共産党の進入を中断させた。

 爾来、難民、流民の集落として、雑然と発展した。
 上海からは財閥が流れ込んだ。しかし香港でどっしりと腰を落ち着けるメーカーは存在せず、仲介貿易、雑貨輸出、ミシン工場。それに金融と不動産がビジネスの中心となった。
 
 それでもイギリス植民地時代には「香港ドリーム」といわれる、経済面での英傑が登場し、世界的な財閥も出た。言論の自由と高度の自治があったので、たしかに香港に夢もあった。

 97年、中国に回収されて以来、その夢は消えた。

 一縷の望みだった董建華・行政長官にも「北京なにするものゾ」という反骨精神はきれいさっぱりと失せ、中国に抗議する根性をなくしてしまったようだ(もっとも中国語には「根性」という語彙はありませんがね。。)。

来週月曜(1月11日)から香港を訪問する予定をたてていた国民党のホープ、馬英九(台北市長)へのビザが、「政治活動」に抵触するとして香港特別行政区政府から拒否されるという事件がおきた。
「?」。

嘗て馬英九が香港を訪問した際には空港に赤絨毯がひかれ、国賓待遇を受けた。当時、野党だった謝長廷(民進党次期主席に有力、現高雄市長)は、反対に入国を拒否された。北京は馬を御しやすい中華思想の持ち主と考えて、国賓並みに扱えと香港当局に命じたのだが、あの状況は劇的に覆ったのか?

今回、馬英九・台北市長は香港大学で講演会に出席する予定だった。
馬は台湾でもっとも人気のある政治家のひとり、次期台湾総統の最右翼に位置している。
六月に連戦が国民党主席を退けば、王金平(国会議長)か、この馬が主席就任確実といわれ、また2008年の台湾総統選挙には王をさしおいて立候補する動きも見せている。

一部の台湾の観測筋は、香港ビザの拒否理由は、中国政府が裏で介入し、三月の全人代へむけて「台湾独立阻止」目的の「反国家分裂法」制定の動きを睨みながら、これに馬市長が反対した事実が絡んでいるという。
そうか。一国二制度といいながら、香港には事実上、言論の自由はもうないのか。

おりから日本は李登輝前総統の観光旅行をみとめ、北京は激怒したが、李氏は旅行を終えたばかりのタイミングだった。

 馬英九は「香港は(いまのところ)言論の自由があって、一応は法治による民主社会である。このようなやり方は北京と香港が異なる体制を維持する「一国二制度」の精神に反する」とした。犬の遠吠え、じゃなかった。馬の遠吠え。
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(読者の声1)(李登輝前台湾総統の訪日期間中、外務省は)省職員を貼り付けたり、シナの諜報部員に特別サービスをしたりしていたのを知り驚きました。この国の主権は如何様に尊重されておるのでしょうか。あちらの世界で「孫文さん」も嘆かれていることでしょう。「大アジア主義」の子孫のケツの穴は小さい!
     (桃太郎)


(宮崎正弘のコメント)中国のいう「大アジア主義」というのは孫文が言った内容と無関係の地域覇権主義でしょう。北京の唱える「南亜共同体」というのは日本語の「東アジア共同体」のことですが、かれらの次の戦略目標。EU、NAFTAをもしのぎ、日本の思惑を超えた、冒険主義的野心を秘めているようです。要注意。


    ♪
(読者の声2)(6日付け貴誌の書評の中で紹介のあった詩歌の)「たまゆらの蝉の音やみ行く夏に命たえなむその蝉の音は」(池田一貴)。心に木霊す、よか詩です。 信州真田藩その山懐の太郎山の麓、大星神社の森で日がな一日蝉獲りに興じていました。
松藾。 松の間を渡る風の音(ね)。上田藩校を祖とする松尾高校の文藝誌のタイトルです。
 (しなの六文銭)
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◎宮崎正弘のロングセラー◎
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円)
『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『ネオコンの標的』(二見書房、1600円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円)ほか
http://esearch.rakuten.co.jp/rms/sd/esearch/vc?sitem=%B5%DC%BA%EA%C0%B5%B9%B0&sv=30
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創刊日:2001-08-18  
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