国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/01/05

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)1月6日(木曜日)
通巻 第1006号    
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△  
 李登輝氏日本訪問の七日間は各地で大歓迎の嵐だったが。。
  伝えられなかったひとつの事実があった
****************************************

 師走27日に名古屋空港から入国して以来、「私人として」の李登輝・前台湾総統の「文化の旅」(本人が命名)は名古屋城、徳川記念館、雪の兼六園、金沢の故郷偉人記念館、そして和倉温泉から琵琶湖、渡岸寺に初詣。そして最終日には京都清水寺、司馬遼太郎の墓前等々。

 各地で大歓迎の嵐、どこでも日本の旗と台湾の旗(中華民国国旗ではない)がはためいた。見送りにも数百人が押し掛け、関空ロビィはごった返した。
 ヴィザの発給条件であったように李氏は一切の講演を行わず、また記者会見もしなかった。最後に一言。「日本政府と日本人の暖かい歓迎に感謝し、つぎは奥の細道の旅をしたい」と語った。
 
 警備に動員されたのは愛知県警、石川県警、滋賀県警、京都府警、大阪府警。のべ数千人にのぼった。厳重な警戒のため台湾からの随行記者団は李氏に近づけなかった。

 伝えられなかった或る事実がある。

 七日間の日本滞在中、日本外務省は中国課の職員ふたりを李氏一行に貼り付け、スケジュールを完全に掌握したのだ。
いや、そればかりか宴席の出席者名簿まで事前の提出を求めた(京都嵐山「吉兆」における中西輝政氏の出席を難詰した。中西教授は“色つき”であり、政治活動にあたるんだって!)。

 さらに随行した記者団のなかで新華社の記者だけに特権を与え、スケジュールの詳細を、この中国からの招かざる客は、外務省と同様に完全掌握していたのだ(新華社はいうまでもなく「新聞記者」の仮面を被った情報部員である)。

 日本外務省は「中国」の外事を担当するらしいゾ。
        ◇  ◇  ◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(今週の寄贈本)

?長城編纂委員会・編『長城 甲申合同歌集』(展転社)
 
山梨県で「森田塾」を主宰する森田忠明氏のもと、平成の歌詠みあいつどい、浪漫的歌集を編む。叙情的な同人ばかりのようだ。
 七年前にも合同歌集『国風』を読んで現代の歌詠み人達の憂国と熱血を思った。
 今回も68名の参加者がいて、ずらりと秀作(もしくは習作も)がならぶ。数えてみると、この歌詠み同人らの14,15名と小生は知り合いである。

 「あへぎつつ登る千早の古城にみどりの雨ははらはらと降る」(秋本規)
 「討つ者も討たるる者も天皇の御民なりしをただに額垂る」(青田国男)
 「たまゆらの蝉の音やみ行く夏に命たえなむその蝉の音は」(池田一貴)
 「海越えて来たりし島にすめらぎの陵はあり悲しきみささぎ」(四宮正貴)
 「目を瞑る母の額に手をおきて姉は優しく白髪梳きおり」(田中秀雄)
 「赤松の枯れつぐぞ惜し松瀬のとよむ夕こそこの血さわぐを」(森田忠明)

 なかには激しい憂国の叙情歌多数、しばししんみりとなる。
 (注 最後の歌の松瀬の「瀬」は竹冠)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
(読者の声1)あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
年末北京、上海と仕事で行き、ついでに南京まで足を伸ばして虐殺記念館を見てきました。資料など買ってこようと思ったのですが1冊もありませんでした。大虐殺を喧伝したい記念館がなぜ英文や日本文、中国文でないか不思議な気がしました。入館料も無料でプロパガンダ臭がプンプンでした。
私なりに南京大虐殺の真贋を見極めたいと思っての訪問でしたが、かえって「虐殺なし説」に傾きました。米軍のイラク・ファルージャ攻撃でも何千人の軍人や市民が死傷しているように日本軍の南京総攻撃で総崩れになった国民党軍や市民に多数の死傷者が出たことは事実であってもナチスやソ連がやったような組織的虐殺はなかったという結論でした。
これ幸いと日本叩きの材料にしてもらってはこまる、というのが正直な気持ちでした。大学で歴史を学んだ身にとっては、日本政府がきっちり調査委員会をつくって日本政府見解を出すべきです。当時従軍した兵士や関係者がまだ生存しているうちにぜひおこなうべきです。土井たか子や野中などの政治家が無批判に大虐殺を認めて献花している写真、左翼イデオロギーから抜け出られない教職員に引率された高校や中学生の無邪気な反省文を見せられると情けない気持ちなりました。
それと北朝鮮問題での感想ですが、北を触った政治家はすべて途中からトーンダウンするのは北の資金をもらっているからではないかという問題にぜひメスを入れてください。金大中や現大統領、小泉、金丸、中山、などなど。金大中などは北資金を活動資金にしていたからこそ太陽政策に傾いたのではないでしょうか。
国民の利益より私利を優先させる政治家は情けないかぎりだし、こんな政治家は駆逐すべきでしょう。安部晋三は総理を狙って強硬策を唱えているが、いつ豹変するか見もの。次の中国行きのさい、ぜひ「鞄持ち」で同行させてください。
        (SK生、神田神保町)


(宮崎正弘のコメント)やっぱり南京の現場にたつと、日本でいわれている嘘が蜃気楼に見えたのではありませんか? 
南京で乗ったタクシーの運転手が、日本人と分かると真っ先に「あんたたち、ここで30万人殺したろ」とすごい剣幕で議論を吹っかけてきたのを昨日のように思い出します。「えっ? 当時、南京の人口は20万人、しかも城内は五万人しかいなかった。どうして30万も殺せる? あれは共産党の宣伝だ」と答えたところ、運転手、「そうか。共産党が一番悪い!」と答えました。
それから次の言葉たるや「ところで日本でこれ(運転)をやると、一月幾ら稼げるか?」というリアルな質問でした。
庶民の敵、それは「日本鬼子」ではなく、かの共産党です。
 さて、安倍晋三氏を小生は正面から素直に評価し、期待しています。
今度も北京行きを中止しました。親中派が多い自民党のなかでいたずらに反北京の姿勢を堅持することは難しいでしょうが、安部さんには拉致問題で原理原則の基本をまげなかったように、本質のところを曲げない、つよい信念が基礎にあると思います。


   ♪
(読者の声2)昔の出張のつれづれ噺を掲載頂けるとは。 読み返していたら、又いろいろ思い出してしまいました。
テニアンは行くと一ト月以上の滞在でした。今から二十年前は石巻・釜石・大船渡港を拠点にした北旋(きたまき)船団が六つほどありました。普段は日本近海で生鮪を追っています。大魚群にあたれば一巻き数億円の水揚げです。しかし春先は追う魚が近海におらず、やることがありません。そこに目を付けたのが商社です。水産庁が北まき船に賦与していた漁勞許可区に南限がなく、赤道で鰹鮪を巻かないかと誘ったのです。
逞しい東北の網元たちは行ったことのない未知の南方の海での操業に同意しました。 焼津や清水の海旋(かいまき)船団には馴れた漁場です。東北と東海の漁船同士の競い合いが南方で始まりました。商社は漁船の獲った魚を積み替える冷凍運搬船をチャーターします。1000屯から大きくて3000屯程度の積載量の船です。巻き網で獲る鰹鮪は缶詰用の安い魚です。船会社は傭船料の安い配船契約になかなか応じてくれません。いい船は傭船料の高いイカや船が汚れない箱物の果物に引っ張られてしまいます。船齢の古い、荒くれ船員の運搬船がこちらに回ってきます。
或る運搬船が魚で満杯になって出港するという前夜、船長が船員にせがまれて(アド)バンスを渡してしまいました。船員が飲み屋で酔っぱらう→喧嘩する→豚箱入り→出港不可となりました。翌日朝前夜の事態を知り、警察署に私が出向いて、傭船主として船員を身受けし昼までに出港させました。やんちゃな韓国の運搬船が勢いよく港に突っ込んできて岸壁に衝突、あわや大破寸前ということもありました。日本船に比べると米巾(アメリカの巻き網船)は大型で設備は格段にゴージャスでした。魚勞にたけたユーゴスラビア系米人船主がグアムを基地に操業していました。
巻き網の形が巾着(きんちゃく)に似ているので米巾(べいきん)と呼びます。台湾の漁船は、国内造船所で日本の巻き網船をコピーしていて、形は日本船そっくりですが溶接や鋼板の厚み、装備は違っていました。台湾船の操業条件は厳しく、日本船は港に入り魚を揚げ船員は生理休暇を取れますが、台湾船は専ら漁場に運搬船を差し向け洋上で転載して効率を上げていました。辛抱強い船乗り達です。韓国の巻き網船は米巾のお下がり中古が大半でよく事故や故障を起こしていました。そのせいで、チャーターした運搬船を洋上に差し向けても転載する魚が足りなくて、我々の足元を見た台湾船から高い魚を買って必要量を揃えたことがありました。
台湾船主はビジネスはシビアでしたが後味の悪さは不思議にありませんでした。韓国の船主は魚を売る条件に漁船の購入資金や出漁の仕込み資金の融資をよく求めてきました。魚の質は日本船>台湾船>米巾船・韓国船の順番でした。十年以上前のことです。
           (HN生、丸の内)


(宮崎正弘のコメント)さかな戦争にも政治学的秩序とルールあり、ってわけですね。参考になりました。
         ◎  ◎  ◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 
   △ △
(宮崎正弘の講演会のお知らせ)
@@@@@@@@@@@@@@

とき    平成17年1月22日(土曜日)午後2時―4時。
ところ   大手町「産経プラザ」二階。
演題   「対中国外交、いよいよ正念場」
会費    おひとり 1500円(学生1000円)。
◇ どなたでも入場出来ます。
問い合わせ先 (03)3505−6585 「正論の会」(代表・三輪和雄)
        ◎ ◎ ◎ ◎ 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
◎宮崎正弘のロングセラー◎
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円)
『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『ネオコンの標的』(二見書房、1600円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円)ほか
http://esearch.rakuten.co.jp/rms/sd/esearch/vc?sitem=%B5%DC%BA%EA%C0%B5%B9%B0&sv=30
(↑このサイトからも上記すべての本の注文可能。1500円以上は送料無料)。
         △ △ △
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◎ 宮崎正弘のホームページ ↓
 http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
小誌の購読は下記で登録できます(↓もちろん無料です)
http://www.melma.com/mag/06/m00045206/a00000060.html
(↑この左欄をクリックされると過去4年分の小誌バックナンバーが閲覧可能)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 (C)有限会社・宮崎正弘事務所 2001〜2005 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。