国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/01/03

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)1月3日(月曜日)
通巻 第1003号   <<新年増大号>>  
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 「上有政策、下有兌策」(上に政策有れば下に兌策あり)
          人民元決済、台湾経済の闇で浸透中
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 金門諸島からは、目の前にアモイ(中国福建省)が肉眼で見える。
 フェリーが金門島とアモイとのあいだを就航しており、観光客は「小三通」といわれる限定的旅行が楽しめる。
一昨年、この現場からアモイを見たが、フェリーの乗客はまばらだった。金門島の知事は中華思想、統一組の新党所属で、「いずれ金門からアモイへ橋を架ける」と構想を語った。

 三年前、反対にアモイから台湾を見たことがある。
 アモイの郊外に残るドイツ砲台址に双眼鏡があり、のぞくと金門島で警備に当たる台湾兵の表情が見える。それほど近い。

 双方の漁民は、半ば公然と交易をしている。大陸側からは海産物、紹興酒など。台湾側からはパソコンやら電化製品など。夜に紛れて魚介類を売りに来ても台湾側の官憲は密入国者摘発に忙しく、密貿易などかまっている暇もない(ちなみに台湾へ入り込んだ大陸からの売春婦だけでも数万人)。

 さて決済手段は?
 台湾の「大陸委員会」(省に匹敵)は人民元の流通を禁止し、台湾国内で商業決済などに人民元を使用すると没収すると警告している。
ただし例外的措置として、「小三通」ルートでやってくる中国人観光客。ひとり上限6000元(人民元)までの持ち込みを許可している。

 ところが現実は一歩も二歩も進んでいる。
 すでに台湾には人民元のブラック・マーケットが存在している。1人民元=4台湾元の為替レートが存在し、現在42億元(人民元)相当の流通がある、と見られる(「自由時報」、04年12月28日付け)。

 嗚呼、これぞ、まさしく「上に政策有れば、下に対策あり」をもじった「上有政策、下有兌策」(上に政策有れば下に兌換策あり)というわけだ。
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◎宮崎正弘のロングセラー◎
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
http://www.nippon-nn.net/miyazaki/saisinkan/index.html
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<<今週の寄贈本>>

?東中野修道編『南京“虐殺”研究の最前線  平成16年版』(展転社刊)
 本書は「南京学会」が毎年だしている歴史研究の「年鑑」と言っても良いが、現代史の謎へ挑む地道な研究成果が次から次へと明らかになり、もはや南京大虐殺を獅子吼する中国買弁派は、日本ではきわめて小数となった。
無知な漫画家が、中国派の行った通りを拡大して書いたら全国の良識ある国民から反撃され、版元は謝罪広告をだした。
 それでも南京大虐殺なるフィクションを嘘と知っている国民はまだ小数派だ。
 「買弁派」「過剰自虐派」「贖罪意識派」など、かれらの嘘が完膚無きまでに暴露され、批判に再批判の余地がないほどの状況が産まれているにもかかわらず。
しかし事実無根の「歴史」をでっちあげて、虐殺があったなどと偏向内容を書き殴ってきた左翼教科書も無言のうちに数字の訂正を繰り返し、南京事件についてあまり触れないようになった。
 このような日本の良識が、静かに浸透していくのには時間とエネルギーがかかる。しかし、こうした国家が本来やるべき真実の発見を民間人らが、浄財をだしあって、ボランティア作業を積み重ねて、歴史の真実を明らかにしようと無償の行為、懸命の努力を重ねてきた。
その労を多としたい。多くの読者に読んでほしいと思った。


?中村彰彦『落下は枝に還らずとも』(中央公論社)
 これは長い間、『中央公論』に連載されていた小説で、じつに890枚。さらに追加で340枚書き足したので合計1230枚、中村の作品のなかでも最も長いものになった。
加筆分だけでも単行本一冊の分量。秋口に氏が忙しそうだったのは、この最終校了作業が原因だったのか。それにしても長編小説のなかの長編小説、この作家の読者は固定した歴史読みが多いから、これだけあっても足りないって言うんでしょうね。
 ともかく上下二巻のボリュームに圧倒されて、頂いてからじつに一ヶ月。正直に言うと、読む時間がなかった。年末年始の時間を費やして読むしかあるまい、と年末に呑んだ席で本人にも伝えていた。
 ついに読んだ。この大作読了は三日がかりだった。落涙数カ所。久しぶりに「小説」を読んだという深い感銘を受けた。
主人公の秋月悌次郎(胤永)は会津藩のなかでも、初代の保科正之が引き連れてきた「高遠以来」の家系に生まれ(本家は丸山家)、学問を志す。教養がたかく、藩の文官として活躍。会津京都守護職時代の公用方(外交係り)となって各藩の志士とまじわる。
故郷において、その活躍を怨む者があり、京都から三年近く蝦夷地へ左遷された経験もある。
会津の飛び地だった蝦夷地でのクマ退治や流氷の場面も感動的に描かれている。
 戊辰戦争で官軍の恨みを一人で背負うことになる会津藩は「官軍」という「賊軍」の大軍を迎え撃ってよく戦ったが、ついに降伏を決断。戦死者は述べ三千数百の夥しさとなった(何回か中村彰彦氏と会津各地を歩いているが、官軍を「西軍」と会津人はいまも呼ぶ)。
落城後の降伏式を主宰。朝敵とされた会津の戦後処理、名誉回復に奔走する。ラフカディオ・ハーンは、秋月を「神のような人」と書き残した。
一度、離れた落花(旧会津藩士)は、枝には還らないが、翌年咲く花の種になることが出来る、と秋月は言い残した。本書の題名の由縁である。
あらすじは上記のごとく秋月の一生を追う波瀾万丈の物語。チャンバラも恋愛も殆どない、これほどエンターティンメント要素がすくないのに、しかも英雄譚でもないのに、中村の選択する主人公は、結果的には魅力に溢れた、硬派で誠を貫く人物をえがく。
 秋月悌次郎(胤永)は江戸のエリート中のエリート学校・昌平校に留学すること14年、塾頭格となり、大秀才と言われ、漢詩を即興でかくのが得意だった。
このときの学友人脈が京都守護職の公用方時代におおいに役に立ち、秋月は「薩会同盟」成立への影の立て役者となる。
薩摩、長州、土佐、肥前に知り合いが多く、また藩命により秋月は若き日々、これらの地をくまなく歩いて見聞記を書き残した。旅先では河井継之助らとも知り合って昵懇となっている。
秋月は希有の「戦後」を送った。
会津敗戦ののち、囚われていた猪苗代の宿舎を抜け出して奥平謙輔のもとに山川健次郎ら前途有為の会津の若者らを届ける。山川はその後、米国へ留学して大学者となり、のちには「白虎隊総長」と言われながら東大総長(二回)、九州帝大総長、京都大学総長(兼務)となるだろう。
官軍にあって秋月に深い同情をしめした奥平は維新後、顕官(新潟権判事)となったが新政府の腐敗に立腹して帰郷し、やがて前原一誠とともに「萩の乱」を起こす。西南戦争一年前の出来事である。
秋月は会津藩責任者のひとりとして捕縛され、東京へ護送、四年間各地で獄に繋がれたが、明治四年に赦免された。爾後は教育者として熊本五校で倫理、儒学を教えた。教授の同僚がラフカディオ・ハーンだったのである。
佐川官兵衛、近藤勇、町野主永など多くの勤王派の物語を書き続ける筆者の業績に触れる必要はないだろう。
この作品で舞台となる幕末の、評者(宮崎)がとりわけ感心したのは、各藩と朝廷、長州、薩摩、そして主な論客と公家、いうなればロビィスト、テロリスト、ソルジャー、ポリス入り乱れての政治の裏舞台の駆け引き、その猛烈な交渉と裏切りと、嫉妬と怨念と日和見と暴走と陰謀が織りなした壮大なドラマである。
歴史は夜作られる。政治は昼ではなく夜の陰謀とロビィ工作できまる。この日本的政治の本質は、いつの時代も同じである。
本作品は、そうした京都における朝廷、幕府、雄藩あいみだれてのロビィストらの舞台裏をみごとに活写している珍しい作品になった。
 さるにても「至誠」は天に通じなかった。会津は木訥すぎて、陰謀に不向き。ロビィ工作が不得手である。現代政治も似ている。会津は伊宮をたよりすぎ、慶喜は移り気で無定見すぎた。筆者の慶喜への低い評価は随所にさりげなく挿入されている。
 これを現代への寓話ととらえると教科書問題、ジェンダーフリー、北朝鮮問題の解決でも、中国への買弁派の暗躍する諸問題でも、自民党への分裂工作、保守論壇の内こう、マスコミの買収など、陰謀とロビィの巧妙さを展開する「敵」に対して、わが保守陣営はまさに会津藩のごとく至誠一本槍。巧名も効果も考えないで突っ走るようにも見えたのだった。


?高山正之『世界は腹黒い』(高木書房刊)
 『週刊新潮』や『テーミス』の名物コラムでおなじみの高山さんが過去に産経新聞に書いたコラムの集大成。二段組で384ページもある浩瀚だが、はじめからおわりまでぎっしりと、とびっきりの辛口コラムで埋め尽くされていて、しかもページをめくるのが惜しいほど、毎編毎編が面白いのである。
 大手マスコミの偏向を正面からでなく、実例と冷厳なる国際常識に基付いてばっさりと斬るスタイルも、おなじみの読者が多いだろう。これを「快刀乱麻を断つ」という程度の四元熟語で片つけてしまいたくない。
 この本には別の読み方という愉しみが付帯している。
それは読むたびに批判精神の首題をはなれた、意外な情報が与えられるので、国際情勢に賢くなれることだ。
 日本軍が中国人女性を庇護している写真がある。それを江沢民は「拉致され強姦されて殺された中国人女性」と改竄した。嘘もおおきくつくと真実に見える、とヒトラーは言ったが。。
 クリントンはアーカンソー州知事時代にホテルにポーラ・ジョンソン嬢を呼んでセクハラに及んだが、訴訟社会の米国で200万ドルの訴訟を起こされた。ポーラはやがて和解に応じ、85万ドルをせしめた。
そこまでは知っていた。しかし爾後に弁護士がそこから60万ドル持っていったことは知らなかった。本書で学んだのである。
そういう弁護士が全米に90万人。だからマッチ・ポンプもアンンビュランス・チェイサーもいる。一番ふところが豊かとみられて日本企業はかれらの訴訟攻勢にやられ、いいカモとなった。高山さんの批評には、こうした法律万能米国にしてやられた日本企業の実例と、警告が多い。
 アフガニスタンの手前に開けるペシャワールという町では、密造武器のほかに麻薬が簡単に手に入る。ここはアフガン難民キャンプがあって、その難民の人口だけでも20万とも30万ともいわれた。その先が密輸で儲けた軍閥、マフィアの豪邸が建ち並ぶ。
 そうそう、小生もペシャワールから軍の護衛付きジープでカイバル峠まで緊張の連続だったことを思い出した。ムシャラフ(現大統領)の軍事クーデタの直前だった。
ペシャワールから一歩先、すなわち「踏切の向こう」は無政府状態の暗黒街で、日本のヤクザさえ、多少高くてもペシャワールで麻薬や武器を調達しても、けっして踏切の向こうへは行かない。
ヤクザでも、いや本業だからこそ、危険地帯を皮膚感覚で知っている。ところが、テレビの「猿岩石」が強盗に襲われなかったのは、汚い身なりで「カモ」とは思われなかったから(爆笑)と高山さんはこの地を取材して克明に書く。
 米国の不条理と自分たちの身勝手の論理の押し売りはいまも続いている。
嘗ては捕鯨王国だった米国が、捕鯨の油が不要となるや、日本の捕鯨を糾弾し、禁酒法時代と彷彿とさせる禁煙権を世界に押し売りする。ロシア、中国は米国同様に紛争地域に勝手に売りつけた地雷はそのまま放置し、あまつさえ先日まで実験してきた核兵器をインドやパキスタンが保有したら「保有はまかりならん」と言う。
 何回も頷いたり、一人で苦笑したり。毎日十数ページ、読み進めている。
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(宮崎正弘の講演会のお知らせ)
 とき    平成17年1月22日(土曜日)午後2時―4時。
ところ   大手町「産経プラザ」二階。
演題   「対中国外交、いよいよ正念場」
会費    おひとり 1500円(学生1000円)。
どなたでも入場出来ます。
問い合わせ先 (03)3505−6585 「正論の会」(代表・三輪和雄)
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((( 再録 )))
 (下記の文章は「北国新聞」(04年12月26日付けのコラム「北国抄」に寄稿した文章の再録です。李登輝先生来日直前の時点です)。

 『台湾海峡に暗雲が拡がる』
                   宮崎正弘
   
 台湾の李登輝前総統が週末にも来日し、金沢にもお見えになるという。おおいに歓迎したいところである。
 上旬に台湾総選挙を「観戦」するため台北に滞在したが、中国の軍事情勢に明るい評論家たちと意見をかわす機会があった。
 11月10日に起きた中国原潜の領海侵犯事件のことが当然話題になった。
 政治的に微妙なタイミングに日本の領海侵犯という軍事行動を何故、中国がとったか。
 中国の最高統帥権は党および国家の中央軍事委員会にあるが、江沢民、胡錦濤という二人主席(双頭制)が残存しているため本質を見えにくくしている。最高意志決定機構が輻輳しているのだ。台湾への物騒な発言もそうである。
 中国で台湾政策を具体的に立案している部署は三つ。表向きには行政院台湾弁公室だが、実質は「国家安全部」所属の「台湾研究委員会」で、余克礼所長のもと許世詮前所長、羹殿銘元所長らが強硬策を練っている。
 柔軟な姿勢をとるのは上海閥で、責任者は元上海市長で江沢民の先輩格に当たる王道函。かれのもとには章念馳、陳啓鬱らの論客が揃っている。
 台湾側の責任者は辜振甫だが、両岸関係の話し合いは十年ちかく中断したままだ。
 李登輝前政権を継いだ陳水扁政権も独立志向なので話し合いには応じないと中国は突っ張ってきた。実際のところは軍が強硬な意見を好むため穏健派=上海閥の政策は無視されがちだという。
 とくに国家公安部は政治局常務委員序列四位の賈慶林が抑えている。賈は江沢民に近い。
 04年9月19日、陳水扁総統が膨胡諸島を視察したおりに、「防空識別圏」の中間線を越えて中国空軍戦闘機30機が台湾領空を侵犯するという事件があった。
 これも台湾の総選挙への威嚇が目的だとされるが、軍の強硬意見に胡錦濤執行部が追認せざるを得なかったというのが真相に近い。 軍そのものはハイテクに明るい官僚的人物らが上層部を占める。嘗ての劉華清や張震あるいは張万年、遅浩田のように飛び抜けて全体を主導できる高級軍人が不在であり、かといって江沢民が全権を完全に掌握している状態でもない(江沢民は来年3月まで国家中央軍事委員会主席に居座る)。
 軍はどの国でもそうだが、性格上、上官の命令にしたがうメンタリティが終生つづくため、たとえ引退しても長老の力は持続する。
 若い胡錦濤には江沢民同様にカリスマ性がないため強いリーダーシップは望めず、集団指導体制を巧妙に舵取りする路線でしか、いまのところ生き延びる手だてがない。
 胡錦濤がいまの段階で軍に口だしすると長老たちからの反発が強い。胡は自らの信念とは関係なく当面は軍の気に入ることをやらなければならない。
 2008年は北京オリンピックと台湾総統選挙が重なる。この時点までに中国は東風11,同15のミサイルを900基実戦配備しおえ、キロ級ミサイル巡洋艦を8隻、スホイ30型ジェット戦闘機を台湾向けに150機、実戦配備しているだろう。
 だから台湾海峡は危機が高まる、と台湾の専門家は口を揃えた。日本にとっての隣国であり、大いなる懸念材料である。
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(読者の声1)<官僚登用制度を国会議員の面接制に改め明治維新以来の牢固とした官僚支配を打破せよ!>
日本の官僚制は今や国家に巣食っているがん細胞組織です。公務員削減と称して実は独立行政機関にせっせと移し変えるだけ、年金改革は社会保険庁解体が肝であるのに官僚達はその温存と責任糊塗に腐心するのみ、38度線が対馬海峡に迫る危機に直面しているのに安全保障意識の無い主計官により自衛隊員と防衛予算は削減の憂き目。美容師と理容師の協働が、保育園と幼稚園の統合が、既得権益・現状維持を図る官僚の詭弁で進まない。日本は官僚の官僚による官僚の為の国家になり果てました。大切なのは官僚より国民、国家財政より国家防衛と国民生活の安寧です。革命に近い闘争を巻き起こし一挙にやらねば日本丸は大陸勢力の支配圏に呑み込まれ、国富は収奪され、文化・伝統は破壊され再生不能となる危機感を持ちます。まず民意を背負った国会議員が官僚をコントロールできるような任用制度に改めることを提言します。国会議員は高い気概を持たれんことを! 国民も同様(12月27日到着分)。
      (しなの六文銭)


(宮崎正弘のコメント)かの自衛隊装備もシステムも理解しないで予算を削減した女性主計官は桝添要一氏の元妻だそうですね。もうひとつ、厚生省は資格を「美容師」「整体師」「看護師」と「師匠」の扱い。法務省、通産省関係は「弁理士」「弁護士」「通関士」「司法書士」と「士」ばかり。何故?


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(読者の声2)(年末12月27日の)産経新聞の「正論」に、京セラ名誉会長稲盛和夫氏が「日中両国はともに王道を歩め」という文章を載せていました。この怪しげなタイトルを見て、不審感を抱きつつ読みました。
稲盛氏は今年四月に、中共の幹部養成学校「中央党校」で講演をしたとのことです。この講演では時代を担う中共幹部候補者たちに、高い倫理観や高邁な哲学の必要性を説いてきたとのことです。そしてこの「正論」欄で稲盛氏が自己紹介したかったのは、その講演の要旨が事前に、校長である曽慶紅のもとにも届けられ、また党の最高幹部たちにも写しが回覧されたというあたりの説明に字数が割かれています。曰く、稲盛氏は、孫文がその昔、神戸で講演したことを引き合いにし、今日の中国が覇権主義に陥ることなく王道主義を採るべきことを説いてきたとのことです。これに対し曽慶紅は、「中国は覇権主義を採らない。王道を歩いて行くつもりだ、と日本国民に伝えて欲しい。」といったそうです。すでに周辺諸民族を覇権主義で席捲し尽し、只今は東シナ海や日本領海内を跳梁する中国は、覇権主義の旗を高々と掲げて暴走中です。
講演内容は事前にチェックされ、それが彼らにしてみれば模範解答であったからこそ、人民日報のオピニオン誌の巻頭に掲載され、その中共最高幹部に「王道を行くつもりだ」と煙にまかれ、日本国民へのあてにもならぬ伝言までことづかって来た、この稲盛氏とは何者でしょうか。
挙句の果てに、「今こそ日中両国は、この王道を歩むという言葉にこめられた意味を互いに理解し、大切にして・・・」などと言っています。利益追求の企業人にかような発言をされると、眉をひそめたくなります。最近号の「諸君」に掲載された、富士通名誉会長山本卓眞氏の論説と読み比べて、余りにもこの財界人稲盛氏の浮薄さにあきれました。そもそもこんな無内容な論説を「正論」欄に掲載した産経新聞の編集も最近は、軽薄さが目立つようになって来たと感じています。
        (IB生)


(宮崎正弘のコメント)突如、京セラの第一線をひいて剃髪され、仏教の修業をはじめた氏は、托鉢僧となって京都の檀家をめぐった。稲盛和夫さんは爾来、幼き時代からうまれていた仏教へのさらに深い帰依をすすめ、基本的に人間の善意を信ずるところで、その考え方は成り立っています。曾慶紅へこういった云々は何年も前から同じことを繰り返しています。小生もじかに聞いたことがあります。
 しかし善意は、善意が理解できる相手にしか通じません。それが理解できないほど日本人は善良、その見本みたいな人物でしょうね。


   ♪
(読者の声3)去る12月29日に訪日中だった李登輝前台湾総統は、金沢を訪れました。そこで「著名な大樋陶芸美術館を参観、名陶芸家の大樋年雄氏の手ほどきで、10数個の茶碗を自身で製作、それぞれに「誠」「和」「無」などの文字と「登輝」の名を書き入れた。李氏によると、それらは日本の友人に贈るもので、そのうち「誠」の字を入れたものは石原慎太郎東京都知事に贈るという」(自由時報、12月30日付け)との報道を見ました。
 「誠」という道徳観念をもっとも尊ぶのが日本の価値観でした。「誠実」「赤誠」「至誠」という価値観は、大陸の中国人には通用しないはずですが、日本の比喩がおわかりになる李登輝先生、送り先を都知事にされる由ですが、これは皮肉と受け取るべきでしょうか?


(宮崎正弘のコメント)敢えてノーコメント。それより金沢兼六園で、取材随行記者団は大雨にもかかわらす100名、駅に歓迎に出迎えた李登輝ファンは4,500名だった由。ヨン様ブームどころじゃありませんよ。各地で熱烈歓迎ぶりは凄いものがありました。はたして中国から偉い(えらそうな)人物がきても、こんな現象は起こり得るでしょうか?


   ♪
(読者の声4)台湾のテレビ局TVBSの報道(12月31日)によると、李登輝氏は本31日、予定通り母校である京都大学を訪問しようとしたところ、同大学は中国の圧力に屈し、門前払いを行なった。そのため李登輝氏は、校門から10メートル離れた場所から母校を眺めただけで、引き返さざるを得なかったとのことです。
嗚呼、なんと情けなや。大学側は「自治法によって警察官は構内に入れず、李氏の安全確保に問題があるため」なんて、言い訳を弁じたそうですけど。苦笑を通り越して、怒りがこみ上げてきました。
     (UI生、京都)


(宮崎正弘のコメント)京都にはおかしな人が目立ちます。李さんの訪日に抗議して訪中を中止した野中某なる元代議士も京都が選挙区でしたね。
慶応大学につづいて京都大学も学問の自治を自ら放棄したのです。ま、早稲田大学にしても、いつぞやは江沢民をよんで講演会を主催し、抗議した学生を排除したそうですから、早稲田がいいなんて、これっぽっちも言えませんが、台湾に理解をしめした歴代総理(小渕、森)は早稲田雄弁会でした。
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(おしらせ)本号は臨時増刊です。    ◎  ◎  ◎
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◎宮崎正弘のロングセラー◎
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円)
『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『ネオコンの標的』(二見書房、1600円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円)ほか
http://esearch.rakuten.co.jp/rms/sd/esearch/vc?sitem=%B5%DC%BA%EA%C0%B5%B9%B0&sv=30
(↑このサイトからも上記すべての本の注文可能。1500円以上は送料無料)。
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