国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/12/27

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成16年(2004年)12月27日(月曜日)
  通巻 第1002号  <<千号突破記念増大号2>>  
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 中国のクレジットカード商戦に国際金融機関が陸続と算入中だが。。。
   邦銀系がまだ中国政府から許可されないのは不幸中の幸いと思え
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 世界第二位のバンカー、HSBC(香港上海銀行)が中国の「交通銀行」の株式を二割弱、買収し、業務提携を深めている事実は前にも触れた。

 HSBC上海では、はやくも400名近いカード専門部門が誕生した(脱線だが上海浦東の一等地に聳える森ビルのネオン看板のすべてはHSBC、完全に上海にサッスーン財閥が甦ったという印象がある)。

 HSBC系列の恒生銀行は、中国工業銀行と提携して「デュアル・カレンシー・クレジット・カード」を発行する。人民元と米ドルの両方が使える。

 カード最王手アメックスは、中国工商銀行と提携して「クレジット・カード商戦」に算入し、05年中に10万枚のカードを発行すると意気込む。

 世界第一位のシティバンク・グループは、上海浦東発展銀行を組んで、クレジットカードの発行を始め、同行は上海、広州のほかに深せんでも営業が認可された。

 これでHSBC、アメックスに継いで三番目のクレジットカード(いずれも外国金融機関は2006年まで中国の金融機関と合弁でなければデュアル・カレンシー建ての商品を発行できない)。

 「2010年までに中国は7500万人のカード・ホルダーへと増加しているだろう」(「ヘラルド・トリビューン」紙の取材にマスターカードの責任者が予測、04年12月24日付け)。

 ほかに北京では銀行の人民元業務でHSBCとスタンダード・チャータード銀行の二行が認可を受けた。しかし邦銀は申請しても梨の礫、「これは何かの報復?」と不満が挙がる場面もあった。
 急遽、金融担当大臣が北京へ飛んで周小川・人民銀行総裁らと会う。

 たしかに邦銀は出遅れた。
 だが、次の事態を目撃すると、これは不幸中の幸いな出来事である。
 
 GM、フォードなど自動車販売の割賦金融子会社は大量のクルマを販売したが、夏あたりから「ローン破産」「逃亡」によって、ダムが決壊するような勢いで不良債権が積み上がっている。
 書店の万引きだって売り上げの2%を超えたら経営は脅かされる。ローン買い取り(いわゆる日本信販のような機能)が破綻に見舞われる恐れなしとはしない。

 中国ではクレジットカードを持つ人が信用があるのではない。
 そういう社会通念は通用しない。まるで破産を気にしない人、もとより詐取を狙う人達が、入手に必要な書類の偽造を精巧に行える印刷グループなどと手を組み、カードを入手するや否や、使いまくって逃げるのだ。こうした詐取、偽造詐欺の犯行をこれからも繰り返すであろう。
  日本企業よ、慌てることはない。
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(お知らせ)小誌は明日12月28日から年末年始休暇に入ります。新年は1月5日号より再開の予定です。
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  公金横領して博打うちにマカオへ
  負けたらさっさと海外へ逃亡する共産党幹部やら銀行頭取やら
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 『週刊文春』(12月30日・1月6日合併号)を読んでいたら「そのとき歴史が動いた」じゃなかった「そのときお金が動いた」とする特集報道があって、NHK某元アナウンサーが80万円着服したとか、しないとか。
それも飲み代の水増し請求で、ばれたために本人が返還したそうな。
(みみっちい話をしてますねぇ)。

 「中国巨悪50」という財閥ランキングの向こうをはった企画がある。

 中国語版『フォーブス』は「富豪50傑」特集が毎年飛ぶように売れる。
 それなら反対も? 『上海僑報』がそういう意図を持ったかどうかは知らない。同社からの新刊は『中国50巨貧榜』(つまり巨悪50ランク)。

 公務、ポストの権限を悪用して国家の公金をくすねた犯罪は数え切れないが、史上最悪の横領事件は「中国銀行開平支店長」だった余振東と許超凡、許国俊ら経営幹部のくすねた4億8200万米ドル。邦貨換算でおよそ五百億円が海外へ持ち出されたのだ。

 巨悪2番目にランク入りは陳満雄と陳秋園夫妻が広東中山市実業発展公司の責任者だったときに海外へ密かに送金された4億2千万元(邦貨60億円)。

 さて「第参位」は?
重慶市共産党常務委員だった張宗海はマカオで博打につかうため、公金を横領し、二億元を注ぎ込んで負けた。
共産党幹部が博打大好きだって事実はこれでばれた。最近では、マカオの博打場には国家公安部のお目付が張り付いているとする情報もある。なにしろマカオの博打売り上げはラスベガスのそれを凌駕しそうなほどの勢い。
 (上客をあさるマフィアと売春婦だけじゃないんだ)。

 四位以下もついでに揚げておくと、
?湖北省政府の香港事務所主任だった金禽培が1億8800万元を賭博に投じて負けた(死刑)
?紅塔集団(タバコ大手)会長だった猪時健が下請け業者、広告代理店などから受け取った賄賂は1億8000万元(無期懲役)
?アモイ税関長だった楊前銭は賄賂など1億6千万元を受け取り滅茶苦茶な豪遊で使い果たしたそうな(死刑)。
?魏杯がマカオで金融会社経営幹部のときに横領した9330万元ほか、使途不明金が数千万元あって無期懲役、
?江沢民の政敵・陳胡同(北京書記、政治局常務委員)に連座して自殺に追い込まれた王宝森(北京副市長=いずれも当時の肩書き)が受け取った賄賂は1億2500万元。かれは豪華ホテルスィートに愛人を囲ったほか、北京のビバリーヒルズと呼ばれる高級住宅地に豪邸をたてて別の愛人を囲ったとか。
?アモイ工商銀行頭取だった叶季甚が受け取った賄賂は一億元(死刑)。
?長江動力集団の干志安らが外国投資と称して公金を海外へ逃避させた金額が一億元。(干は依然として海外逃亡中)などなど。
 
 共通するのは銀行責任者、国有企業責任者、そして行政のトップなどが受け取る賄賂、公金横領、海外への隠匿、博打などである。

(「そのときお金が動いた」のが80万円なんて中国では子供の小遣い銭にもならないって)。
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◎宮崎正弘のロングセラー◎
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
http://www.nippon-nn.net/miyazaki/saisinkan/index.html
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(読者の声1)「李登輝前総統を奉迎粛々と熱烈に歓迎しよう」との号外を頂きました(昨日付け1001号)。
李登輝さんの歓迎はよいが、”奉迎”という言葉の使い方に何となく違和感を覚える。 
 この、”奉迎”という言葉は日本では天皇陛下を迎える場合だけに使ってきたのではないか? もしそうなら自粛すべきではなかろうか。
       (MI生)


   ♪
(読者の声2)いろいろな論評が飛び交っていますが、ミクロで見ると中国の要人からは王毅駐日大使も含め、「人徳」 and/or 「仁徳」がない。なさ過ぎる。
 台湾でも連戦なら誰も相手にしない。
連戦が かりに反中国だったとしても、日本人は歓迎しないでしょう。連戦には人徳のひとかけらもないですね。
  「人徳」 and/or 「仁徳」⇒「人望」の市場原理という面が今回の問題に内在していると思います。もちろん親台湾、反共という政治的な立場はあるでしょうが、それだけではないものがあります。 「人徳」 and/or 「仁徳」を中心にした議論を展開すれば、「道義」「倫理」を失った中国共産党幹部はぐうの音も出ないでしょう。
  王毅の顔には、実務者としての有能さを感じさせるが、人徳は感じさせない。カルロス・ゴーンは、実務者としての有能だが、それなりの人徳を感じさせる。そんな感じです。
       (TK生、世田谷)


   ♪
(読者の声3)宮崎さん。過日の「(読者の声2)(KW生、神奈川)にあった本をアマゾン.comで調べてみましたところ面白いことが分かりました。
1)1992年11月に書かれた書籍であるにも関わらず、読者のコメントが一つもない。つまり、ほとんど一般に売れていない専門的な本である。
2)「Publishers Weekly」誌の書評によると「コンフエレンス参加者の結論は、1945年に連合軍によりドイツ人捕虜に対して不当な扱いはあったしかし、アイゼンハワー将軍は、対戦中ドイツ人に対して憎しみ表明していたが、その不当な扱いはアイゼンハワー将軍の指示によるものではない」とのことです。
本全体を読んでいないので断言は出来ませんが、どうもこの「アイゼンハワー・センター」が行なったコンフエレンスの結論は、ドイツ人捕虜に対する不当な扱いにたいする反論というよりそのことに対するアイゼンハワー将軍の責任に関する反論のようです。
            (ST生、神奈川)
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◎宮崎正弘のロングセラー◎
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
http://www.nippon-nn.net/miyazaki/saisinkan/index.html
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円)
『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『ネオコンの標的』(二見書房、1600円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円)ほか
http://esearch.rakuten.co.jp/rms/sd/esearch/vc?sitem=%B5%DC%BA%EA%C0%B5%B9%B0&sv=30
(↑このサイトからも上記すべての本の注文可能。1500円以上は送料無料)。
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 (C)有限会社・宮崎正弘事務所 2004 
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