国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/12/22

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成16年(2004)12月23日(木曜日)
  第998号 (一千号まであと三号)
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♪中国の“反日”のお陰です。日本が普通の国家になれるのは
   新防衛大綱、東シナ海調査、日米安保・事実上の改訂、憲法改正へ
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 王毅駐日大使が「李登輝・前『総統』に観光ビザを出したのはケシカラン。すぐに取り消せ」と吠えている。内政干渉も甚だしい。

 台湾に対しては反国家分裂法を適用し武力侵攻を辞さないそうな。

 ヴァーチャルな空間、仮想の世界へむかって獅子吼するのは中華思想の特徴である。
あり得ないことを言いふらす。自己満足、自己陶酔、現実世界との乖離は、気にもしない。
 不満解消の一番安上がりの手段。王毅にとってはそうやって強硬に日本に文句を言ったとポーズをつくっておかないと左遷される。なんと言っても次の外相ポストがほしいもんね。

だからニューヨークタイムズが書いた。
「中国人にとって『反日』は最大の娯楽だ」と。

「反日」を言っている中国人が、なぜか、日本に住みたがる。いや、なぜ日本人と結婚したがるのか? 
ま、中南海の大幹部ともなると「愛国」と叫んでメルセデス・ベンツやBMWを乗り回し、「反日」と叫んだ張本人が庶民には内緒で建てた上海の大豪邸には日本からの家具、電化製品のやま。
 
 激烈な反日メールが溢れる反日論サイトを、日本の一部マスコミが克明に分析して、翻訳本まであることに、やっている本人たちが心底驚く。
「えっ。なんで? (日本人は)あれを本気にしているの?」というのが偽らざる心境だろう。

つまり「反日は仮想、現実は知日、親日」。この中国人の常態としての二重規範がわからないと、中国で商売をしても必ず失敗するのです。

現実からの逃避もある。『日経ビジネス』(04年11月24日号)に「医療受けられない農村が6割に」という特集があり、公の統計でさえ、「中国農村の貧困地区では、約6割の農民が医療費を払えないために、自宅で死を迎えていることが明らかになった」そうな。   
「中国衛生部の朱慶生・副部長がこのほど明らかにしたところによれば、現在、農村の貧困地区においては、少なくとも40〜60%の人が、医療費を払うことができず、満足な治療を受けられないまま自宅で死を迎えている」。また「経済的な理由から通院・入院ができず、自宅で死を迎える人は60〜80%に達する」。
これって90%の間違いと思うが、病院へいけない人達がいかに惨めな生活を送っているかを昨日付けのNYタイムズがおおきく特集している。


▲「反日」の若者が何故、日本に来たがる?

今夏も或る田舎町で中国の若者たちと議論になったとき、彼らの人生最終目的は「中国から出ること」にあった。
口にこそ出さないが、中国には住みたくないのである。
「日本人の若者は国をでないの?」というかれらの疑念を自然に呈されて、当方が面食らった。
 (いかにモラルの堕落した日本とはいえ、まだ住みに値する、守るにあたりする祖国)

 冒頭の中華思想の続き。
 なにしろ好い加減な便宜主義と御都合主義が、その歴史解釈である。
 黄文雄氏が指摘するように「清朝の太祖をヌルハチに求め、チンギスカーンが元朝の太祖に後の世の中で数え直す(位置付けを替える)。

こうした中華歴史改竄の「智慧」は、まさしく支配者がでっちあげる物語が歴史であるという中国人独特の史観(というより史的感覚)に基付く。

 伊原吉之助(帝塚山大学名誉教授)が次のような指摘をされている。
「清朝」の位置を「農業帝国として史上最大の版図を形成し、しかもそれを革命後の中華民国・中華人民共和国へ受けわた」したために「こじんまりと纏まった民族・地域が強固な中央集権国家をつくる国民国家との競合に四苦八苦した」

 それゆえにこそ「近代国家としてまとめかねる農業帝国の過大で雑多な版図は、「初期統一」に全精力を吸い取られて、ろくに建設に取りかかれない中国の”重荷”」となった。
 それなのに「国境内戦の後始末に目がくらみ、まだ一度も版図に収めたことのない台湾を”蒋介石の遺産”と誤認して、断じて抱え込むと言い張って、東アジアに無用の緊張を生み、近所迷惑をまき散らしている。中国が台湾を一国と認めるだけで、世界がどれだけ平和となり安定することか」(「問題と研究」04年12月号所載論文、「清朝とアヘン戦争」から引用)。


 ▲台湾独立を北京が認めればアジアは平和に

 もし北京が、ラビンがアラファトと共存を謳ったように、エルドアン(トルコ大統領)がEU加盟のためにまもなくキプロスを認めようとしているように、ゴルビーがバルト三国の独立を認めたように、歴史を画期する決断を胡錦濤が行えば、かれは歴史に名を残せるだろうが。。。

そこで「♪兵隊さんよ、有り難う」のリズムで謳おう。

〜中国反日有り難う、反日運動有り難う
 日本が防衛強化できるのも、憲法改正できるのも、中国反日のお陰です
 安保条約改定も、李登輝閣下の来日も、中国反日のお陰です
 中国わかもの有り難う、反日カルトのお陰です〜

 ちょっと悪のりしすぎましたか?
 でも小泉政権が、中国のあまりの反日攻撃に報復措置として李登輝来日をみとめ、新防衛大綱では事実上、中国を仮想敵国に位置つけ、来年二月には「新安保宣言」(これは事実上の日米安保条約の改定)に漕ぎ着ける。

 内閣府世論調査で「中国がきらい」が59%。
 これだけ世論が嫌中、反中感情にあふれなば、なんだってOKだ。戦後初めてのチャンス到来なのだ。

かの朝日新聞の世論調査でも、憲法改正が多数派を占め、これで、もし来年も小泉首相が靖国神社へ堂々と参拝できれば、ようやくにして日本は“普通の国”になれるのではないのか。
 
日本に健全なナショナリズムを蘇生してくれた最大のガイアツは、中国だった。
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(お知らせ)明日付け(12月24日号、23日発行)の小誌を休刊します。
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(読者の声1)最近、楽しみにしている宮崎さんのメルマガが二週間ほど届かないのですか、早々と年末年始休暇でしょうか?
         (HW生、寒河江市)


(編集部から)この二週間ほど、同様のご不満を全国から集中的に頂いております。新手のウィルス攻撃か、サーバーの故障か、受信者の機械の故障か、原因は分かりませんが、集中していることが大いに気になります。この二週間で40名を越える読者が、メールが届かないと言って来られました。当方としてはすぐさま代理登録をトライしておりますが、「登録済み」と帰ってきます。このような読者の皆さんは、暫時バックナンバーからお読みください。


   ♪
(読者の声2)996号でしたか、ともかく20日配信の宮崎先生のメルマガに台湾へ米国ペンタゴン現役軍人が民間人に替わって軍事情報担当として赴任とした記事がありました。最初、{?}。なんで、この記事が重要なのかと訝っておりました。
ところが昨日(21日)、某大手全国放送が大きく取り上げていました。貴誌より遅れる報道と分析は、毎度のことですが、なるほど、なるほど、貴誌が「早読み」と銘打って、いうならば地下水脈の次の動きを先に分析していることが了解できました。そこで御新著『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』を、そうやって読めば良いのか、と考え直してみたのです。
      (M生、岡山県津山市)
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◎宮崎正弘のロングセラー◎
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
http://www.nippon-nn.net/miyazaki/saisinkan/index.html
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円)
『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『ネオコンの標的』(二見書房、1600円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円)ほか
http://esearch.rakuten.co.jp/rms/sd/esearch/vc?sitem=%B5%DC%BA%EA%C0%B5%B9%B0&sv=30
(↑このサイトからも上記すべての本の注文可能。1500円以上は送料無料)。
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◎ 宮崎正弘のホームページ ↓
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 (C)有限会社・宮崎正弘事務所 2004 
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創刊日:2001-08-18  
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