国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/12/16

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成16年(2004)12月16日(木曜日) 
        第990号  
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中国人民解放軍、台湾問題へのイニシャティブは依然不透明
強硬派が政治局をあたまひとつリードか
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 中国で台湾政策を具体的に立案している部署は二つある。

 ひとつは国家安全部(中国版KGB)の「台湾研究委員会」で、余克礼所長のもと、許世詮前所長、羹殿銘元所長らが責任者となって強硬策を練っている。

 一方、台湾問題に柔軟な姿勢をとるのは上海閥である。
両岸の話し合いは中断しているが、責任者は元上海市長で江沢民の先輩格に当たる王道函。かれのもとには章念馳、陳啓鬱らの論客がいる。

 台湾側の責任者は辜振甫だが、両岸関係の話し合いは十年ちかく中断したまま。

 表向き李登輝政権にひきつづく陳水扁は独立志向なので話し合いには応じない、などと中国は突っ張っているが、実際のところ、軍が強硬な意見を好むため上海閥の政策は無視されがちなのだ。

 とくに国家公安部のボスは政治局常務委員序列四位の賈慶林が抑えており、かれは江沢民に近い。賈は福建省書記時代に汚職の黒幕といわれながらも逮捕を免れたのは江沢民のひきがあったからと言われる。

 台北の専門家の間では96年ミサイル危機に際しても実際のミサイル発射は江沢民が不在中に行われたため、軍の独走説が囁かれていたが、軍部の強硬策の提案に江沢民が追認せざるを得なかったのが真相だろう、と言う。
 
 04年9月19日、陳水扁台湾総統が膨胡諸島を視察したおりに、「防空識別圏」の中間線を越えて中国空軍戦闘機30機が台湾領空を侵犯した。
 これも台湾の立法委員選挙への威嚇が目的だが、軍の強硬意見に胡錦濤執行部が追認せざるを得ない状況があった、と推定されている。

 軍そのものはハイテクに明るい官僚的人物ら高官に揃ったものの、嘗ての劉華清や張震あるいは張万年、遅浩田のような、飛び抜けて全体を主導できる高級軍人が不在であり、かといって江沢民が全権を掌握している状態でもない(江沢民は来年3月まで国家中央軍事委員会主席に居座る)。

 台湾問題へどうでてくるか、先行きは依然として不透明である。
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(読者の声)昨日付けの(宮崎正弘のコメント)の箇所で「李登輝さんの次の来日について突っ込んだ討論がありました。李前総統ほど日本理解につくしてくれた外国人はおりませんし、台湾がアジア最大の親日国家になったのも李さんの貢献に拠るところが大きい。ついては李さんに勲一等を差し上げる運動をおこし、その授賞式に日本にご招待もうしあげたらどうか、とする意見が真剣に盛り上がりました。堂々たる来日理由になり得ます」と提言がありました。このアイディアは素晴らしいと思います。全国的な運動を展開しては如何でしょうか?
       (EY生、岡山)


(宮崎正弘のコメント)一回目は病気療養が目的でした。それで日本政府は人道的見地からビザを発給しました。二回目は慶応大学での講演が目的でしたが、慶応大学の親中派の策動などで、結局ビザ申請は拒否されてしまった。「ああいうことはコリゴリ」というのが李総統の偽らざる心境、爾来、李前総統は慎重です。奥の細道めぐり、とか理由を付けないで自由な旅行をしていただくためにも、ふさわしい環境を整える必要があると思います。
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