国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/12/13

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成16年(2004)12月14日(火曜日)
      第987号
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カザフスタンへ至る水を途中で干しあげる中国
 アルタイ山脈の雪解け水ルートに運河を建設するそうで。。。
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 水不足はじつに厄介な問題である。
 石油、ガス、パイプライン工事で近年に新彊ウィグル自治区へ移住した漢族は、革命後のそれと併せて数百万人に達する。

 省都ウルムチ市はいまや完全に漢族のほうがウィグル族より多い。

 当然、天山山脈のカレーズ(地下水のネットワーク)だけでは足りなくなった。従来、このあたりは水資源が豊富だったのだ。

 トルファンへ行くとたちまち了解できるが、周辺地帯は葡萄、瓜など果実がたわわに実り、ワインは絶品。それもこれも天山山脈の豊満な雪解け水を年中、地下水道から汲み上げているからである。

 中央の砂漠地帯ノプノールは原水爆実験で42回も使われた。当時は石油もガスも発見されていなかった。
 中国は新彊ウィグル自治区を核実験場と民族隔離の僻地としてしか扱って来なかった。

 ところが豊穣な資源が砂漠での眠りから覚めた。
 コルラなどノブノールへ至る砂漠のオアシスで、次々とガス田を開発したため急増の都市ができた。上海までパイプラインを敷設し、さらに西隣のカザフスタンへ、砂漠のなか、パイプラインを敷設中である。

 人々が蝟集すれば飲み水が生命線である。

「このためイリ川とイルティシュ川の水が中国側で大量に消費され、(下流の)カザフスタン側で大規模な水涸れ現象が起き、不安が拡がっている」(「アジアタイムズ」、11月24日付け)。

 イリ川は新彊ウィグルを通過してカザフスタン東南へ流れ込み、最終的にはバルハシュ湖へ至る。
 イルティシュ川はアルタイ山脈からカザフスタンを通過しザイサン湖へ流れ込む。中国はここに秘密裏に「運河」を掘っており、ウィグル自治区内で現在の水消費を二倍から三倍にすることを狙っている。


 ▲いずれ黄河とおなじく汚染され断流となる

 黄河同様に途中の流域における取水、とりわけ人口増加による生活用水のみならず工場急増による取水(ついでに産廃による河川汚染も)が増えて、黄河は”断流”している。

 カザフスタンは嘗てソ連時代にモスクワの計画経済に拠って人為的にアラル海が綿花畑に転嫁された手痛い経験がある。
 世界に悪名高いアラル海は人為的な干拓工事によって、いまでは世界最悪の汚染湖沼に変質した。

 国連はすでにバルハシュ湖の汚染をカザフスタンと中国に警告しており、放置すれば汚染された上、湖が干しあがるとしている。

 「運河や発電所建設でなく問題解決はその反対」と国連専門家は警告するが、聞く耳をもたぬ中国に何をいっても無駄かもね。

  両国は河川と水確保のための協調を国連から強く要請されているが、「情報の交換」のみが現状である。
 水不足による人口移動と環境のさらに悪質な汚染は時間の問題である。
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(お知らせ)というわけで宮崎は昨晩遅く、台湾取材から無事帰国しました。台湾選挙はご承知のように与党が敗退しましたが、得票率は伸びており、必ずしも野党勝利とは言えません。つぎの政治テーマは憲法改正より、対米外交に移った様子ですね。或る選挙プロ曰く「今度は与党が負けてよかった。なぜならこれで2008年総統は野党が負けるから」と冗談ともつかない分析をしていたことを一言紹介しておきます。
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(読者の声1)アメリカは愛国心を大切にすると同時に歴史を大事にします。実際の歴史は侵略と裏切りです。にもかかわらず、アメリカは自由と民主主義の国だと教育します。まさしく歴史の捏造です。
  しかし私はこれでいいと思います。明日のアメリカを支えていくのは若者だからです。私たちの祖先はこんなすばらしい人たちです。世界に貢献していますと教えることによって、自信と矜持が生まれるからです。
  それにひきかえ我が国は、自分たちの事を棚上げして先祖の悪口しか教えません。世界中でいかに残忍でひどいことをしてきたか。しかも大嘘で捏造の歴史です。日本人は戦後臆病になり、卑怯者に堕してしまった。GHQの日本弱体化政策で公職追放が行われたら、日本の悪口を言い始め、自分は戦争に反対していた、戦っても勝ち目はないなどと、手のひらを反すようにGHQに尻尾をふるようになりました。
  そのお先棒を担いたのが新聞とラジオ、そして大学の教授連中だ。その卑怯者の弟子達が今のマスコミや大学教授で若者に捏造した歴史を教え込んでいる。こんな連中に教えられた生徒がまともな人間になるはずはない。文科省や日教組は日本弱体化政策をいまだに続けているGHQの走狗だ。この日本を立て直すにはもう時間はありません。
なんとか日本を立て直してまともな国になるためにも、矜持のある歴史を取り戻し誇りある国にしたいものです。
          (AF生、金沢) 


(宮崎正弘のコメント)まことにおっしゃる通りだと思います。歴史を客観的科学、社会科学のカテゴリーでのみ論じようとする日本は、歴史における浪漫を捨てている。古代ローマで歴史は「物語」。神話も重要である、との認識で、ちなみにイタリアの本屋さんで「歴史」をさがしたら「Story」に類する語彙の箇所にありました。


  ♪
(読者の声2)貴誌12月8日付けでリポートされていた「中国の賃金水準」は、ほぼ実態通りだと思います。上海市旧市内でたっぷり肉の入った焼き饅頭が4個で2元(26円)、北京市内の胡同の飯屋に飛び込むと蒸し餃子に野菜スープが3〜4元(約50円)です。物価の高い上海や北京市内でこの程度ですから、地方においてをや、です。
先日、厦門市内の有名な海鮮料理屋に入って伊勢海老やひらめの刺身、フカヒレスープ、キスの素揚げの他数品を頼み、シーバス一本とって4人で一万円掛からないのです。 支那の食費は驚くほど安いです。 中国の物価は、元を円に直して5〜6倍すると日本人の実感レベルになります。私が出張で訪れる沿岸地帯の工場には現地人とは容貌・体位の異なる内陸人が工場内の宿舎に住み込みで働いていますが、一時間50円も貰っていないようです。 それでも昼間は支給された作業着ですみますし家賃は掛かりませんからお金は溜まるようで、田舎の家族に送金したり旧正月に持ち帰っています。
中国全体の実際のGDPレベルは一人当たり800ドルか、それ以下でしょう。
          (NH生、丸の内)


(宮崎正弘のコメント)上海の焼き饅頭四個で二元というのは、小生も食べました。同じモノを神田神保町の、或る有名なレストランで頼むと450円です。15倍!
 ま、購買力平価で換算すれば、それでも高いと言って良いのでしょうけれどね。
 回転寿司は、ところで日本より高い。そのうえまずい寿司もどき。あれが日本の寿司だと誤解して食べている人が多いんでしょうねぇ。


   ♪
(読者の声3)副島〔隆彦〕氏の昔の著作に、アニメ「宇宙戦艦ヤマト」は、米のSFドラマ「宇宙大作戦」のパクリだという一文がありました。
 元の取ってある情報ではないのですが、アニメ「宇宙戦艦ヤマト」がアメリカでは、毎回1話ごとにヤマトが地球に帰ってくるストーリーに、大幅に編集(改竄?!)されて放映されたと聞いています。オリジナルの「宇宙戦艦ヤマト」を初めて見たアメリカのアニメおたくは、「本当はこんな話だったのか!」と皆、感動して涙するそうです。
 副島氏は、海外の雑誌かなにかのアメリカ改竄版「宇宙戦艦ヤマト」のレビューを読んで、こんなことを言ったのでしょう。この人は外国の情報を鵜呑みにし、あたかも自分の意見のように発表する、ただの「語学バカ」です。または、現実を見ずに、自分の妄想だけで、平気でものを言える人。
          (KK生)


(宮崎正弘のコメント)小生はこのひとの著作を読んだことがありませんので、ノーコメントです。
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◎宮崎正弘の新刊本◎
忽ち再版!『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
http://www.namiki-shobo.co.jp/(←並木書房のHP〕
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◎宮崎正弘のロングセラー◎
http://www.nippon-nn.net/miyazaki/saisinkan/index.html
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円)
『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『ネオコンの標的』(二見書房、1600円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円)ほか
http://www.bk1.jp/author/110000964320000.html
↑このサイトからも上記の本の注文が可能です(1500円以上は送料無料)。
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