国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/11/28

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成16年(2004)11月29日(月曜日)
       第975号 
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本号はニュース解説がありません。
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(読者の声1)じつはドル崩落のニュースで、いささか個人的な話なのですが、人民元の預金をしております。これを切り崩すべきか、そのまま預金続行か、悩んでいます。なにかアドバイスを頂けませんか?
       (EM生、在中国)


(宮崎正弘のコメント)27日までに人民元の先物が五%高い、一ドル=7・8前後をつけ始めましたから、一年を待たずして切り上げ、もしくは変動幅を拡張して「事実上の」切り上げになる可能性が高い、と思います。
小生、先週も中国へ行きましたが、銀行を見ても、店先には思ったよりもドル狼狽売りの人の列は少なかった。もう中国でも「外貨預金組」の投資家たちは、ドルを解約したのでしょうかね?
さて、そのご預金は何を目的とされていますか?
(1)もし近未来にドル(或いは円)と交換されるご予定なら、いま換金される方がレートは良いでしょう。
(2)それとも人民元による買い物(マンションとか、クルマとか、高級衣料とか)を予定されておられるのなら、そのままお持ちになった方がよろしいのでは? いささか荒削りながら、そういう対処しかないと思います。


   ♪
(読者の声2)こんにちは。いつも貴重な情報有難うございます。昨日付け書評で、伊藤哲夫さんの本のコメントに関するコメントとして書いています。
自分の友人、親を含めてどうしたら気がついてくれるのかと思うことがしばしばあります。その中で自分が一番強烈な言葉だと思ったのは、war guilty program です。櫻井よしこさんの本、"眞相箱の呪縛を解く"は大変勉強になりました。私の親父は昭和17年生まれ。きっとこのprogram の優等生なのかも知れません。私の祖父の言葉と、私の親父の言葉、あまりにも違うことを、今になって考えさせられます。憲法改正の件、どうして細かい話しにどんどん進んで行ってしまうのでしょうか。第9条がどうのこうのと、そういう話が本質ではなく、そういう人から押し付けられた憲法であること、そういう環境から作られた憲法であること、そういう議論をして欲しいと思うのです。
宮崎さんのメルマガの読者の皆様も同じようなことを考えていらっしゃるとは思うのですが、東京裁判を真っ向から否定するような議論をして欲しいのです。
 ところで最近、町村外務省が中国に対する強気な発言をするようになったと感じています。これはブッシュが再選したことに原因があるのでしょうか。もしそうだとしたら、今の小泉政権は、中国との戦争を覚悟してのことなのでしょうか?
        (YS生)


(宮崎正弘のコメント)日本には中国に対抗する軍事力がありません。戦争を逃げたいがために屈辱的にもかずかすの妥協をして、結果的に国を売ってきたのが歴代政権ではなかったのか、と思います。
中国の剥き出しの軍事侵略意図を米軍の存在がくい止めている限り、傭兵にカネをはらって(思いやり予算)、のんびりと繁栄だけを享受してきた日本は、たしかに経済大国にはなったが、政治小国、精神壊滅になってしまいましたね。
東京裁判の否定にしても、かれこれ四十年近く、同じことを繰り返してきた小生としては、次代を担う若者たちの核になる人達をたくさん養成することのほうが先だと思うようになりました。さいわい、各地に有志のサークルが生まれ、夥しい若者マガジンも誕生し、決して大きくはないけれど、小数の勉強会も生まれてきました。吉田松陰先生だって、最初の門下生は十数人でしかなかった。年月がいかにかかろうとも、それがやがて去ってゆくものの責務であろう、と考えています。
町村さんの強気? 個人的なことはわかりません。町村氏の個性、語彙力、直感、そのほか派閥抗争やら次期政権人脈と扶翼やら、いろいろな動機が輻輳しているでしょうから。


   ♪
(読者の声3)、少し前に小生が松本重治の「上海時代」を読んだ感想を寄せさせて頂いた折、貴台は同氏の評価を控えられたことがありました。
三田村武夫著の「大東亜戦争とスターリンの謀略」に“日華全面和平工作を打ち壊した者”という一節があります。
 昭和13年春、蒋介石政権を相手にせずとの日本政府声明直後に試みられた日華全面和平工作と、これを失敗に導いた裏面の事情を述べていますが、そこに松本重治の名前が登場しています。大意は次の通りです。
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 「茅野長知老は昭和12年日華事変勃発後、支那派遣軍司令官松井石根大将の依嘱に依り上海に渡り事処変理の工作に奔走した。同年末、孔祥熙の部下と上海で接触を持ち漢口政府と交渉した結果、
昭和13年4月、
・日華共に即時停戦
・日本の中国からの撤兵表明
・日本側の満蒙利権の原則的承認
との孔の書面を取り付けた。
板垣陸軍大臣、近衛首相は茅野老の交渉と孔の提案を承認しこの線で日華双方和平実現に努力することとなった。同盟通信上海支局長であった松本重治に、茅野老は孔との交渉経過をありのままに話した。
この直後、松本重治は高宗武を連れて東京に飛び、板垣らに、中国側に戦意無く、無条件平和論が高まっており、この中心人物は汪兆銘だ、という話をしていた。近衛も松本・高の情報を信頼し、政府・軍部は強硬方針に固まってしまい、茅野・孔ラインの和平案は葬り去られ、和平交渉は実現の一歩手前で打ち壊されてしまった。
高宗武は漢口政府に対して、日本側に戦意無く中国が抗戦継続をすれば日本は無条件で停戦、撤兵するという秘密電報を送っていた。高宗武の奇怪な行動を知った漢口政府は彼の逮捕を命じたが、ここから高、松本、尾崎秀実、犬養健、西園寺公一、影佐禎昭一派の汪兆銘引き出し工作に転じたのである。高宗武の真意は不明であるがこの背後には容易ならぬ遠謀深慮が潜んでいたことを窺い知ることが出来る。
この後も茅野老は全面和平の希望を捨てず漢口から重慶に遷した国民政府と交渉を続けた。茅野老の部下が上海から香港行きの船に乗ったところ其処に尾崎秀実と西園寺公一が同乗していた。その頃、松本重治も香港でハノイに飛んだ高宗武との連絡にあたっていた。暫くして汪兆銘が重慶を脱出しハノイに渡った。
 こうして出来し汪兆銘政権の中心人物は共産主義社会の実現に全生命を賭し、一切を犠牲にして傾倒してきた真実の共産主義者である尾崎秀実であった。何故かく断言するか、それには理由がある。
日華事変から太平洋戦争、そして敗戦への現実的進行はかれがその手記に描き出した第二次世界大戦から世界共産主義革命への構想と余りにも一致しているからである。近衛三原則声明は、構想・文案とも尾崎秀実の筆になったものである。その「東亜新秩序建設」とは、尾崎によれば世界資本主義に変る共産主義的世界新秩序を意味したものであった。
 ・・・・・・・・・・・・・
 さて、松本重治のみならず近衛含め汪兆銘政権に加担した者は皆尾崎秀実の操り人形だったのでしょうか?
著者の三田村氏は尾崎を偉大なるコムニスト、革命家としての信念と政治感覚には最高の敬意を表しています。
尾崎は述べているからです。「私は第二次世界大戦は、必ずや世界変革に到達するもの信ずるものであります」
 「この第二次世界大戦の過程を通じて、世界共産主義革命が完全に成就しないまでも、決定的な段階に達することを確信するものであります」
「元来、私にとって思想なり、主義主張なりは文字通り命がけのものであったことは申すまでもありません。それはいわば女の貞操にも等しいものなのです。従ってそれを根本的に考え直すということは、一度死んで生き返るにも等しい困難なことだったのです」
 しかし問題は一人の思想家の独断で八千万の同胞が八年間の戦争の惨禍に泣き、数百万の人命を失うことが許されるか否かの点にあります。
尾崎秀実は岐阜県白川村に生まれ。「中学(台北一中)を卒業するまでの幼少時代を台湾で過ごしましたが、そこで征服者たる内地人と被征服者たる台湾本島人との間に極めて惨めな差別の存在することに少なからず人道主義的な懸念を抱き弱小民族たる本島人に対し同情心を懐くと共に支那問題につき強い関心を植え付けられました」と手記に記しています。
その後、本土の左翼思想の瀰漫した旧制高校(一高)に入り、改造、解放などの吉野作造の論文、東大新人会の影響下、「大正14年頃には共産主義を信奉するに至ったのであります」。
彼を日本破滅の衝動に駆り立てたコミンテルンの策謀(自国政府の敗北を助成するという敗戦革命思想)、それを支えたスターリン体制、そのバックボーンとなった共産主義思想の狂気と罪深さには暗澹たる思いです。しかしいままだ其処にある残滓。
油断は禁物だと思います。
例えば日教組はある策謀のために活動資金を溜め込んでいると聞きます。反戦 平和 ジェンダーフリー 護憲 市民 を唱える輩には要注意です。
  (NH生、丸の内)


(宮崎正弘のコメント)ご質問が相当多岐に渉る上に長文ですから、これをコメントするには原稿用紙30枚でも足りません。三田村さんの名著、尾崎を美化する左翼のゾルゲ解説と180度違う世界でしょう。ついには世紀のスパイを美化した映画をつくった偽知識人がいましたが、すべては「勘違い」から発生する、あやまった「正義感」です。尾崎のような新聞記者として三流の人間が、スパイとして走り出すと歴史を回転させる切っ掛けをつくってしまうのですね。
 朝日のコラムニストで『内部』『通貨烈々』を書いたFは、よほど路を間違えないように、この際、忠告をしておきたいものです。筑紫某のように確信犯として陥没する前に。


   ♪
(読者の声4)毎回たいへん興味深く読ませていただいております。最近、貴誌で、UCバークレーについて触れられた箇所(11月27日付け、972号)がありましたが、修正をお願いできればと思いままして、メールさせていただきました。
まず「UCLAバークレー」となっていますが、「UCバークレー」または「カリフォルニア大学バークレー校」が正しい表記です。
「UCLA」はカリフォルニア大学ロサンゼルス校の略で、University of California at Los Angeles、UCバークレーとは別の大学です。
UCLAはロスアンゼルスにありますが、ご存じのように、バークレーはサンフランシスコ郊外にあります。
 もう一点、前回もそうでしたが、「UCバークレー左翼のメッカ」とされていますが、知らない人が読んだら大学全体がそうだという偏見を持ってしまいかねません。私は、UCバークレーの大学院を出ていますが、左翼ではありませんし、むしろこのメルマガの意見に近い立場にあります。
また留学していたときも自由な雰囲気はありましたが、左翼のメッカという印象はありませんでした。
ちなみにロバート・スカラピーノ教授(政治学部)は保守派。当時、UCバークレーの教授だったチャルマール・ジョンション氏は最近の著書では、左派のイメージがありますが。以上、母校の名誉のために一言。
      (UCバークレーOB)


(宮崎正弘のコメント)失礼しました。いやはや、急いで書くときはうろ覚えの略称を使うものですね。UCバークレーは、小生が取材したときは左翼の学生が凄かった時代です。
 日本でも、たとえば法政大学は中核派、早稲田大学は革マル派、同志社大学は社学同などと、それぞれ七〇年代央までは、「左翼のメッカ」でした。
すくなくとも、そういう一般的イメージがありました。
だが、同時にノンポリは立て看板にも興味がなくアルバイトに励み、或いは麻雀に励み。いま法政大学は一部に過激派がいますがキャンパスは平穏です。でも私たちの年代の人間はA大学と聞けば「革マル派」、B大学と聞けば「社青同開放派」とかの同一視反応を起こしがちなのです。
 いまや新人類が横溢し、早稲田も同様に女子学生が増えて、キャンパスは大学というより、渋谷の駅頭みたい雰囲気です。きっとバークレー校舎もそういう感じなのでしょうね。
      ●
(編集部より)このほかアメリカの留学経験のある方から随分と、アイリスチャンをめぐる問題で投稿を頂きました。同様な内容のご質問は、ひとつの集約的なご意見の投稿に纏めております。この議論はこのあたりで終幕としたいのでご了解下さい。
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(異色のサイト)台湾の歴史、ローカルな風物にご興味の向きは下記のサイトが非常に面白くてユニークで有益です。↓
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『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『ネオコンの標的』(二見書房、1600円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円)ほか
http://www.bk1.jp/author/110000964320000.html
↑このサイトからも上記の本の注文が可能です(1500円以上は送料無料)。
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