国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/11/27

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成16年(2004)11月28日(日曜日)
       第974号 日曜版スペシャル
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△ 
本号はニュース解説がありません。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(今週の寄贈本)

?伊藤哲夫『憲法神話の呪縛を超えて』(日本政策研究センター刊)

 改憲は、いまや国民的合意に達している、と見て良いだろう。問題はGHQから押しつけられた占領基本法(現行憲法)が、戦後58年間も日本を支配してしまったために、誤謬にみちた平和論、元首論、民主主義論がまかり通っていることだ。
 この精神的汚染、占領軍の呪縛から解き放たれない限り、まともな改憲論議は生まれない。改憲は賛成だが現存の改憲論にはまともなものが少ない。
 じつは評者(宮崎)も、いまでてきている改憲論の多くに失望を深くしている。
とくに読売新聞の改憲論やら、「保守」と称する学者の唱える「改憲ビジョン」の中味を見るにつけても、「嗚呼、これじゃ改正しないほうがましじゃないか」とさえ思うことがある。知己のひとり小林節教授も西部遭教授のそれも、率直いって憲法の原則たるものがおわかりではないらしい。
比較的穏当な、現行素案のなかでは中川八洋氏の改憲草案が充実しているが、これとて諸般は1985年頃である。
いまの自民党議員の改憲論を聞いていても途中で情けなくなる手合いが多いのは戦後民主主義の弊害である。
 さて著者の伊藤哲夫さん、じつは新潟大学の学生の時から論客として活躍してこられ、いまでは憲法論議の第一人者である(昭和42,43年頃だったか、狭い畳部屋の拙事務所で伊藤さんと明治維新の議論をしたことを思い出すなぁ)。
衆議院憲法調査会や、自民党憲法調査会にも呼ばれて意見陳述をしているが、その議事録が再録されていて、おおいに啓発される。
伊藤さんは自信を持って言うのだ。
「(憲法調査会などの)議論を見るところ、内容はあまりに平板、表面的で、かつ左翼的思潮に無抵抗に流されている」現状にあり、「このままでは、もし憲法改正がなされたとしても、果たしてそれが真に『改正』たりうるものか、率直に言って疑問なしとしない」と。
(「日本政策研究センター」は03―5211―5231)


?別宮暖郎『軍事のイロハ』(並木書房)

 乾燥しきった文章も、ヘミングウェイの小説ならハードボイルド・タッチと言われるが、これを軍事論に適用させると本書のようなドライで、言ってみれば本質を遮蔽物なく晒し、ぶっきらぼうに露店に並べるような、身の蓋もないロジックとなる。
 ところが、それが小気味いいのである。
 或る色に染まった歴史家が「20世紀を替えたのはロシア革命」というが、そんなことはない。別宮氏は断言する。「20世紀を変えたのは二つの世界戦争で、ロシア革命ではない」。また「共産主義は普及したのではなく、共産国家は世界戦争の後遺症」。
 「ヒトラー運動は共産主義の醜い子ども」。「ファシズム」のムッソリーニをヒトラーと同列におくのは誤解であり、ムッソリーニは伝統尊重派、ファシズム運動は「イタリア人をイタリア国民に作り上げる運動」で復古的である(この視点はロマノ・ビルピッタ教授と酷似)。
 「戦争における大義とは自国民への宣伝」(それはそうですよね)。
 「仮想敵国とは参謀本部が想定する敵国」であり、マスコミのいうのは「予想敵国」と呼ぶのが正しい云々。
 そして「反戦運動、平和運動なるものは戦争に発展しかねない危険な運動」と喝破され、まさに身の蓋もないドライな断定が本書を貫いているのである。
しかし本書を読みながら最後まで気になった。「太平洋戦争」を「大東亜戦争」と記述しないことに。
        ○  ○  ○
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
(読者の声)前号で衝撃的な通貨予測をされていますが、それならドル暴落と日本円の相関関係はどうなるのですか?
     (HO生、奈良)


(宮崎正弘のコメント)小生はブッシュ政権二期目前半に「ニクソン・ショック」に匹敵する、あるいはレーガンの二期目の「プラザ合意」に相当する通貨調整が行われるだろう、と踏んでいます。上下両院も共和党の天下、やりたいことをやれるのは、これから二年間だけ、2006年中間選挙までですから。
 一ドルが80円とかの調整ではなく、いまや、その程度の調整ではすまされませんから、ドルの新札発行とかの劇的措置です。
その場合、7000億ドル前後もの米国国債を抱え込む日本は、対外債権が紙くずになるわけで円が一本調子で高くなるシナリオも、描きにくいのでは、と思います。また銀行株は不良債権処理を終えて、国際化に拍車を掛けるとすれば、時価総額をあげる段取りですが、この場合、保有している米国債権が、またもや「不良債権化」するという悪いシナリオを描いている邦銀関係は少ないようですね。
          ◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
◎宮崎正弘の新刊本◎
 全国の書店で12月1日発売!
 ○「ドル陥落」のシナリオなど100の未来予想図
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
http://www.nippon-nn.net/miyazaki/saisinkan/index.html
   ♪
◎宮崎正弘のロングセラー◎
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円)
『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『ネオコンの標的』(二見書房、1600円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円)ほか
http://www.bk1.jp/author/110000964320000.html
↑このサイトからも上記の本の注文が可能です(1500円以上は送料無料)。
         △
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◎ 宮崎正弘のホームページ
 http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
小誌の購読は下記で登録できます(↓無料です)
http://www.melma.com/mag/06/m00045206/a00000060.html
(↑この左欄をクリックされると過去4年分の小誌バックナンバーが閲覧可能)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2004 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。