国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/11/26

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成16年(2004)11月27日(土曜日)
       第971号 臨時増刊号
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 北京の「反日記念館」をまたもや改竄・大改修工事へ
  中国共産党の反日キャンペーン、いよいよ断末魔の叫び
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 中国の反日歴史改竄の典型展示館=「中国人民抗日戦争記念館」(北京・盧溝橋)が、2005年の「抗日戦争勝利60周年」に向け、展示内容を大幅に改竄し直す。先日もAPECで胡錦濤は小泉首相と会談したおり「日中関係は重要」と発言したばかりなのにね。

 同記念館は、04年12月中旬に一旦、閉館し、大々的な改装工事に入る。
 しかも6億5000万円を投じて、これでもか、これでもかの反日展示内容を、より劣悪過激なる歴史改竄の反日記念館に作り替え、2005年7月に再開させる。
 
 とくに改竄作業の主目的には「抗日戦争の偉大な過程を全面的に反映させ、日本軍国主義による人民惨殺、植民地統治などの犯罪を徹底的にあばく」ことに置かれており、展示内容の一層の拡充が図られる予定だ。また、今後も長期にわたって愛国主義教育基地として活用していく方針」(「読売新聞」、11月22日付け)だそうな。
 
 以下に閉館直前の同館のルポを掲げる(一部は『新潮45』に書いた拙文と重複箇所がある)。

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 この記念館は、北京の町はずれ、廬講橋の貧困街の真ん中にある。近くには「彫刻の森美術館」ならぬ「反日彫刻公園」が、江沢民の肝いりでつくられた。
 
「抗日人民記念館」は、入場料を20元も取られるうえ、入り口で荷物を預けなければならない。場内で写真撮影をさせないのはでまかせ展示の嘘がばれないため?
正面玄関は軍人達の大きな銅像レリーフ。すぐ左から第一展示室だが、その前壁に「中国軍歌」の音符が、これまた壁面いっぱいを飾る。「義勇軍行進曲」だ。

入室して最初からおったまげる。
かの偽書「田中上奏文」が写真入りで出てくる。これが日本の中国侵略謀略の証拠というわけで、冒頭からこういう偽書に基つく史観が展開されているわけだから、先が思いやられる。

ユダヤ虐殺を正当化した「シオンの議定書」の発想に似ている。国際謀略ではないか。

 第二展示室は「東北抗日軍」。要するに土匪、ゲリラ、強盗団のたぐいが「抗日」でひとくくりに「正義の軍隊」と総括され、やがて共産党の「ただしい指導」で日本に勝てた!となる。歴史歪曲、改竄もこうなると酷いはなしですねぇ。

第三展示室は「西安事件」。毛沢東が「平和的解決を果たすため周恩来を西安に派遣した」と解説。それから「国民革命軍」と「八路軍」の結成、山西省の平型関で115師団が日本を待ち伏せして勝った、とある。

第四展示室では共産ゲリアが日本軍の精鋭1万を、これまただまし討ち、狭谷に誘い込み、伏兵で勝った「台児庄戦役」(1938年)が「大勝利」だった、と謳われている。
 
なにしろ当時の日本軍は国民党と闘っていたけれども、正規の戦闘はまるでなく、蒋介石は南京から重慶まで逃げて、逃げて、逃げまくって米国の支援をまった。
山賊ゲリラは、峡谷へ日本軍をおびき寄せてのだまし討ちだけが得意。それでも三つのゲリラ戦争勝利を、さも共産党vs日本軍の戦争であったかのように見せる作為は、相当に悪質である。

一方、学徒出陣で東条英機が演説している写真があり「欺瞞的演説」をしたとある。当時の軍票の見本が飾られ、「延安会議」、張自忠将軍が使用した皿などが展示される。39年、八路軍129師団が日本軍をまたもや待ち伏せし、殲滅。勝った八路軍が突入の図。


 ▲親日政権はすべて「偽」を冠しての展示だ

日本が各地につくった親日派政権は、ことごとく「偽」の名前を冠して、一覧されている。
?満州国?キ東防共自治政府(通州、段汝耕)?中華民国(王克敏)?同維新政府?察南自治政府?蒙彊連合自治政府?普北自治政府?蒙古連盟政府?中華民国(王兆銘)となり、これらの自治政府が発行した貨幣も展示されているが「偽政府発行」と解説がある。(「キ」は上が「北」、下は「異」で河北省の意味)。

 ついでガダルカナルが太平洋戦争のターニング・ポイントとなったと総括され、日本軍の夥しい死体の写真。

 そして43年12月のカイロ宣言では蒋介石出席の写真があり、脈絡もなく「中国兵の死体」の写真。ついで五台山を日本軍から「奪回」とある。降伏して日本軍が陣地を降りてきて武装解除したのに、まるで共産党が勝ったみたいな錯綜表現。

さて、毛沢東のもとへ民主各派のリーダーが揃った。かれらは49年10月1日、毛沢東が中華人民共和国の宣言をしたとき、全員が雛壇に並び、やがて利用価値がなくなると、全員が粛清された。そのあとの話は、もちろん一切出てこない。

日本が投降したときの儀式は蝋人形模型。そのうえで当時私用した机と椅子と柱時計を並べ「前事不忘、后事之帥」とある。

この先から展示は一気に現代へ飛んで、72年田中角栄の訪中、毛沢東との握手の写真。そして村山富市が95年5月3日に、この抗日記念館を訪れて揮毫した「歴史を直視し日中友好、永久の平和を祈る」の写真。おや、よく見ると村山の揮毫の後に立っているチョボ髭男。何処かで見た顔だと思いきや、かの槙田邦彦センセ(現エジプト大使)ではないか。

最後に何気なく日本の憲法九条が飾られ、永久に戦争を放棄した日本となる。(この最後の展示品だけ、日本が注文でも付けたんでしょうな)。

さて、これでおしまいではない。
出口にもうひとつ「日本軍暴行館」なる、おどろおどろしい特別展示があるのだ。
その凄まじい中味たるや、「重慶爆撃」の図。
「日本軍が物資略奪し、日本に輸送」(満州経営は日本のGDPの43%もはたいての“持ち出し”だったのですがね)。「日本軍が行くところ、ニワトリや犬さえ居なくなる」と解説。ここで吹き出した。

二年前にも見学のおり、この箇所は「日本軍が通過した跡はぺんぺん草も生えなかった」とあったように記憶するが、いずれにしても、この「日本軍」の箇所を「八路軍」「国民党」「共産党」とあてはめ直して読むとよく分かる。

南京30万人虐殺は、この記念館でも「歴史的事実」とされ、市民を生き埋めにしたり、中国の青年を的に銃剣練習の日本軍やら三人の将官が(人殺しのあとに)日本刀の血をぬぐっている写真(「軍刀」と「日本刀」の区別はわからないらしい)。例の嘘八百と分かっている「百人斬り競争」の東京日々新聞の拡大コピィには「向井106vs野田105」。

 これで最後かと思いきや、本当に最後の展示室は、突然証明も明るくなって、音楽も鳴り響き、なんのこっちゃ。「共産党のゆくところ、みんな民主化され、民主政権の誕生に人民が踊り出し」、「八路軍の入城を驚喜して出迎える民衆」(30人程度)の写真。そして「人民戦争大勝利」ってわけです。

 これだけの嘘八百を並べ立て、なんでもかんでも共産党の勝利となるわけだから、無知蒙昧な大衆を欺瞞できても知識人はだませないだろう、と思ったけれども、来年は、もっとわかりやすく漫画チックに改竄し直すのでしょうかねぇ。
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<<憂国忌のご報告>>

11月25日、あの天才作家三島由紀夫氏、憂国の諫死事件から34年。第35回追悼会「憂国忌」は天候に恵まれ、例年の九段会館で盛大にして静粛に行われた。全国からの愛国者、三島ファンが集った。会場前にほぼ満員。最近とくに若いひとたちの参加が目立った。
追悼儀式はまず全員が起立して一分間の黙祷のあと、篠沢秀夫(学習院大学名誉教授)が開会の挨拶、つづいて発起人の献花が行われ、井尻千男(拓殖大学日本文化研究所所長)、藤井厳喜(政治学者)、八木秀次(高崎経済大学助教授)、松本徹(文藝評論家)、玉利斉(ボディビル連盟、三島氏にボディビルを直接教えた)の各氏らが粛々と遺影に献花した。

記念講演は元「朝日ジャーナル」副編集長、サイゴン支局長など戦争ジャーナリストとして十数年、ベトナム、ラオス、カンボジアにあった井川一久氏が「三島と保田與重郎」と題した文学的文明的日本論を展開、とくに「エネルギーを、枯渇する石油石炭ガスにたよる物質文明はいずれ戦争を引き起こし、やがては衰退する。日本は自然の独自なエネルギーを発明し、国の在り方として農業を重視し、世界の見本をつくるべきであり、それが保田はイロニーと言ったし、三島や文化防衛論のなかで皇室の重要性を説いた」とされた。
 
ひきつづき追悼挨拶では井尻千男、細江英公(写真家)、工藤雪枝(『特攻のレクレイム』の著者)の各氏。とくにイタリアのポンペイへ撮影に行かれ帰国したばかりの細江英公氏は、ナポリの撮影現場で多くのイタリアの芸術家がMISHIMAを評価していた事実を紹介された。

第二部の直会では最初に『月刊日本』主幹の南丘喜八郎氏が献杯の音頭をとり、ひきつづき藤井厳喜、田中英道(東北大学教授)、八木秀次、玉利斉、松本徹の各氏が演壇に立たれた。二日前の福岡憂国忌にも出席した西村真吾代議士秘書の佐々木俊夫氏からは九州での三島記念会の盛況が報告された。
会場には堤堯(元『文藝春秋』編集長)、阿羅健一(評論家)、石井竜生(ミステリィ作家)、植田剛彦(評論家)、西村幸祐(評論家)氏ら多彩な顔ぶれがあった。
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