国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/10/22

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成16年(2004)10月22日(金曜日)
     通巻 第935号  
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対日「新思考」外交が頭をのぞかせたか?
       強硬な日本非難を控え始めた中国
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 中国外交部の章啓月・報道官(味も素っ気もなく機械的応答をする強気のおばさん)は「靖国神社参拝をめぐる日本首脳の発言」について日本人記者からの質問に答えた(10月19日)。 

  ――日本の小泉首相は18日の国会で、靖国神社への参拝は日本が戦没者に哀悼の意を表す方法であり、哀悼の仕方は各国で異なるもので、中国が参拝に反対する理由を理解できないと表明した。中国はこれをどう論評するか。 

  「中国は一貫して、あの時期の歴史を正確に認識し、対処することが中日関係の政治的な基礎だと考えている。われわれは日本の指導者が中日関係という大局に従い、中国の国民感情を傷つけるような行動を取ったり、言論を発表したりしないよう望む」

 しかし引き続き、20日の国会答弁でも小泉首相は、
「靖国神社の参拝が(日中首脳会談が遅延している)阻害要因になっているとの考えを取らない」と述べ、「いずれ中国も日本の首相の靖国神社参拝に理解を示すことを期待している」とした。

 前後して共同会見した王毅駐日大使は「反日ブーイング」への発言を求めれ、「中国には反日教育はない。あるのは愛国教育だけである」と珍妙な答弁をした。
 (じゃ「愛国」って、同時に「反日)ってわけ?)

 どれもこれも取り上げるほどのニュアンスの差はないかも知れない。

 しかし嘗て江沢民時代の狂信的反日のトーンは比較的抑えられ、しかも福岡一家四人惨殺事件の瀋陽郊外(遼陽)における初公判では日本人記者の取材と写真撮影を許可した。 

 北京では投資促進セミナーに多くの日本企業が招待され、北京オリンピック前の建設投資に協力を要請された。

 こうして胡錦濤が三権を掌握した中国に、あまりに静かなので変化を感知しにくいかも知れないが、対日姿勢の緩和演出が目立つのである。むろん「演出」は「演出」であり、日本のチャイナスクールを自家薬籠中のものとした謀略路線には寸毫の変化もないのであるが。。
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<<宮崎正弘の近況>>

(某月某日)夕方、虎ノ門のホテル・オークラで来日中の池東旭氏らと合流。五階にある日本料亭の「山里」で食事をしようとしたら満員だという(そういえば、最近小泉さんがよく遣っているそうです)。
そこで11楷の鉄板焼きレストランへ。小生はホテルの外へでて、居酒屋か寿司屋のほうがありがたいが、池さんは肉料理大好き人間、その夜同席した植田剛彦氏も焼き肉大好き派。たべながら胃袋が痛くなった(苦笑)。
ともかく遅くまで韓国政治情勢をうかがった。


(某月某日)埼玉県の越谷市で講演。この新興都市にはシティホテルがなく、会場は川口市と同様に駅前の施設を使う。街に既視感がある。
そういえば越谷には小生の親戚宅があり、十数年前にいちど、新居祝いに訪れたことがあった。隣町の草加市にも親戚があり、知り合いもいるが、草加と越谷の風情がどことなく違うのは何故だろう? 
駅舎の造作も越谷駅は総合デパートのようだし、草加団地は開発が古いせいかアパートも古い。そんなことを考えながら電車で一時間、越谷も雨で、駅前は閑散としていた。ベッドタウンは地方都市の駅前通の深閑さと趣きを異にするが、やはりサラリーマン不況が、消費にも現れているようだ。


(某月某日)広島県の福山市へ。のぞみで四時間近い。近く予定している新刊のゲラを校正しているうちに浜松あたりでウトウト。朝ご飯を車内販売のサンドイッチで済ませ、もう一度ゲラに挑戦、50ページほど進んだところで目が疲れた。大阪も過ぎていたので、車窓から山陽地方の景色を眺める。
 福山? ユニクロの発祥地、福山運輸、金型、工作機関、食品などで有名だが、はて幕末の大名は誰だっけ? 駅に着くとすぐ商工会議所会頭にうかがう。あの阿部正弘。その前が水野氏。そうそう、徳川親藩として毛利をおさえるため、地政学上、福山に急遽、大きな城をつくったのだ。
 福山のひとが商売にあかるく、進取の気質に富むのは、徳川四天王のひとり、水野氏が三河から多くの武士とともに商人をつれてきたからだ、と会頭氏の説明に納得した。この地は宮沢喜一、亀井静香などの政治家を産んだ地域でもある。
 (はなしは脱線するが亀井静香氏、最近は本当に「静か」だ)。
いま新幹線福山駅の真ん前に巨大な城が復元されている。
新幹線のプラットフォームから間近に城の全景がみてとれるのは福山城だけだろう。遠景からくっきりみえるのは掛川城、姫路城など多いが。
さて講演のあと、新幹線で15分。岡山で所用を済ませると、のんびりできる予定だった。ところが大型台風が近づいていると言うので、宿泊を変更、名物「ままかり」に地酒、ビールをそそくさと飲んで、岡山始発の「のぞみ」に飛び乗る。
帰りの新幹線ではどっと疲れがでて、水割り一杯で寝込んでしまった。姫路通過をおぼえているが、静岡、掛川ですこし目覚めただけで、あとは東京。感覚としては30分ほど乗車しただけなのに、岡山からちょうど三時間半で東京着となった。
 その夜のうちに帰京したことは賢明だった。翌日、台風直撃、みごとに新幹線も飛行機も止まりましたから。     
   ◇ ◇ ◇
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(読者の声1)改憲について日本国は台湾に先を越されそうです。置かれている状況の厳しさと認識の違いでしょう。
東シナ海の日本領域内に於ける支那の資源簒奪は到底許せません。この問題について櫻井よしこ氏が今週号の週刊新潮で日中間の政治的遣り取りをしっかり押さえつつ、丁寧に論じています。中川大臣は毅然とした態度で本問題に臨むと期待したいところです。
李登輝前総統を見るにつけ支那への対峙の仕方については台湾に一日の長があるように見えます。日本は自国の安保理での常任理事国化のみならず台湾の国連加盟も訴えていくべきでしょう。
台湾の”真の台湾化”への動きが支那の増長を抑えることになります。
日本国は台湾とともに支那にメリハリをつけたスタンスをとることが必須と観じますが、如何でしょうか?
 一方、北朝鮮問題が米大統領選後きな臭い様相を見せそうです。とんでもない事実が明らかになり(例えば拉致被害者のほとんどがすでに処刑されていた、としたらどうでしょう)収拾がつかないオオゴトになる気配が感じられます。
       (HN生、丸の内)


(宮崎正弘のコメント)東シナ海の日本資源を盗掘する中国に対して、外務省はお茶を濁そうと躍起のようです。一説に田中均がつぎの中国大使転出という、かなり有力な噂があります。スフィンクスにとばされた槙田邦彦(現エジプト大使)が垂涎のポストだったようですが(苦笑)。
 さて米国の北朝鮮人権問題制裁法は、議会通過直後にブッシュ大統領ははやばやと署名しました。これは脱北者を抑圧する中国への強いメッセージでもあり、胡錦濤政権の対応をどう評価するか(米国が)も、次の注目点のひとつです。


  ♪
(読者の声2)昨日付け読者の声欄の「(宮崎正弘のコメント)やっぱり、そうか。「反日」は「反政府」の記号か、ってことが、いよいよ歴然となってきた事件です。不満の対象は深ければ深いほど怨念も深いのでしょうね。重慶には昼間から何も職がなくて、坂が多いので天秤棒一本で荷物はこびの手伝いをする「棒棒軍」を言われる事実上の失業者が20万人ほどおります。重慶はサッカーで「反日ブーイング」最初の地点。要するに相手が「日本」だと数百人のブーイングぐらいで矛を収めて終っても、汚職、腐敗となると市民数万人が騒ぐというポイントが重要だと思いました」。
 
 上記は、「俺にも分け前よこせ」(その點で有關係)といふ事であつて、「機會均等(equal opportunity)の要求」といふのとは少し違ふ、と支那の老百姓(=大衆)の心性を少し嫌味に解釋しておいて宜しいでせうか? つまり、不滿に發する、單なる暴動でハッキリした方向はない、と。
 話は代はりますが、先生は高行健の作品・人物をどう評價しておいででせうか?「産經抄」でチラと取り上げられたので、圖書館で『靈山』を借り、始めの數ページを讀みました。仙人の話、小島功の漫畫みたいな印象で… 「ソルジェニーツィンとは全く違ふな」と感じましたが。つまり、「竹林の七賢」が支那文人の傳統かと。
 以上、如何でせうか?
    (showa78)


(宮崎正弘のコメント)そういう解釈でほぼ正しいのではないか、と思います。
 高行健はノーベル賞受賞後、邦訳がでたようですが、残念ながら小生まだ読んでおりません。竹林の七賢は、竹村健一さんが大好きな譬えですが、あの文人墨客が歓迎された、古き良き、なつかしき時代の文学は現代中国では消滅はしていなくとも隅っこに追われた傍流、なんと言っても主流は退廃的風俗を描いた『上海ベィビー』とその亜流たちです。
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 いよいよ来週月曜日!
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  三島由紀夫研究会「公開講座」の御案内
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中東・イラク、ロシア・チェチェンそして東南アジアでもイスラムのテロが荒れ狂っています。世界を震撼させるイスラムのテロですが、どうも欧米では「9・11事件」以来、無辜の民を無慈悲に巻き込むイスラムの自爆テロと我が国のかつての「神風特攻隊」を同一視する論調が目立ちます。そこで今回は、『特攻のレクレィム』で論壇に衝撃を与えた工藤雪枝さんをお招きし、三島由紀夫が「神風特攻隊」をどう精神史的に位置付けていたかを背景に、イスラムのテロリズムと日本の特攻精神の違い等々について。
                    記

日時    10月25日(月曜日) 午後6時半開場/7時開演
場所    大正セントラルホテル・3階大会議室【高田馬場駅前・ビッグボックス前】  
      http://www.taisho-central-hotel.com/
講師    工藤雪枝氏(ジャーナリスト・拓殖大学客員教授)
演題    「特攻のレクレェム−−無私の犠牲的精神について」
会場分担金 二千円
問い合わせ 3200-2295/ miura@nippon-nn.netまで
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◎宮崎正弘の近刊予告◎
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(仮題、並木書房から11月下旬発売)
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◎宮崎正弘のロングセラーズ◎
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円税込み)
『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1500円+税)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円)ほか。
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