国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/10/05

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
  平成16年(2004)10月5日(火曜日)
       通巻 第925号  
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 “高句麗論争”の核心は何か?
   朝鮮族の「経済的な脅威」を現場で目撃している漢族の心理的反応!
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 高句麗論争は中国と北朝鮮+韓国とのあいだに激烈な論争となっている。
 拙メルマガの04年8月17日号に高句麗古墳の現場の様子を次のように記した。

 「通化からバスで集安へ向かう。北朝鮮国境までの道路は山道、崖路(がけみち)、曲がりくねった坂道が多く、あの満州の荒野のイメージとは異なる。途中、こうりゃん、大麦、トウモロコシ畠がつづき、意外と緑が豊かである。
 さて(北朝鮮との国境の町)集安は想像していた以上に「開けていた」。
 人口も五万と聞いたが、10万都市の規模であちこちにクレーンが唸ってビルを建築中だった。

中国では国境の街はいずれも活気がある。(あとで集安の人口7万人と判明)。
 図門も、丹東もしかり、ロシア国境のすい分河、軍春、黒河、満州里も、ベトナムとの国境の町・東興もビル・ラッシュは同じ。新築が多く、ひとの出入りが激しく、投資が急激にひとびとの生活スタイルを変貌させている事実が浮かんでくる。
 裏寂れた国境は、内モンゴルとモンゴルとの国境の村=ノモンハンだけである。
 
さて北朝鮮国境へ行くと、やはりモーターボートの業者が「韓国からか?」と質問。日本人? そりゃ、はじめてみるなぁ。そんなやりとりもそこそこにモーターボートを借り切って、鴨緑紅に乗り出す。目の前の北朝鮮へぐんと近づき、眼を凝らして風景を眺めるが、いやはや人っ子ひとり目撃できず、兵隊もいない!(これじゃ、夜中に泳いで渡ってきても見つかるわけないや)

 (中略)北朝鮮を写真に収め、つぎに「将軍塚」を見に行った。高句麗は中国の王朝が起源だ、と北京が嘯いてさすがの韓国はこれには怒髪天を衝く怒りを示した。この(ユネスコ認定の)将軍塚は、世界遺産である。ミニのピラミッドでやはり韓国からの夥しいツアー客が登っている」(引用おわり)。

 この拙文で現場の雰囲気が少しはおわかりいただけたかも知れない。
 
中国が何故あそこまで意固地に高句麗論争を持ち出し、あの王朝は中国の末裔などと朝鮮族が聞いたら激怒することを平気でいうのか。

それは北朝鮮国境から黒龍江省はハルビンを越えてチチハルまで、吉林省は吉林、長春を越えて郡部のほとんどへ、遼寧省は丹東から大連を越えて錦州まで、さらに内蒙古はフフホトあたりまで韓国の投資が行き届いている。
 
山東省の北東部(青島、煙台、威海あたり)は「韓国の経済植民地」の観がある。現地で韓国企業が雇用している人達は二百万人を軽く越えるであろう。
 
中国国内で「朝鮮族」としての民族登録はせいぜい250万人とされたが、漢族に登録を変更してきた人も多いため正確なところはわからない。
 
しかしビル・ラッシュ、クレーンが乱立し、ブルドーザが唸りをあげ、食堂は犬肉レストランが多数。どこもかしこも好景気、工場の槌音、人々のファッションの韓国化!
 
これを中国人が「中華」の視点で目撃すれば「脅威」と感じる以外のないものでもない。
 また投資する側の韓国も「高句麗」問題だけは譲れない。

摩擦は激化するであろう。 
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(おしらせ)○地方講演のため10月7日付けを休刊します。
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(読者の声)この夏の現地踏査まことにお疲れさまでした。改めて慰労申し上げます。今後通化・通州事件を取り挙げる本や論文に必須の引用参考文献となるでしょう。二ページに渡る写真・地図はたいへん貴重な資料だと思います。ところで貴論では「南京事件はこの通州事件の五ヶ月後に起きたのだった。」と書いては執筆意図が薄まってしまったでしょうか? 南京事件の通奏低音というかアヤとなったのが『通州の惨劇』だと思います。それを言うと、シナに「だから日本軍は仕返に南京で三十万人も惨殺したのだ」と反撃され泥試合になりかねない?
 通化、通州は単に事件と呼ぶのではなく惨殺であり、悲劇です。これからは『通化の惨劇』、『通州の惨劇』と呼び習わすことにしたいですね。如何がでしょうか?
             (HN生、丸の内)

 
(宮崎正弘のコメント)歴史学者の判断を待ちたいと思います。拙論は今日の現場の表情を伝えているだけですから。それにしても現場のひとたちはまったく無関心でしたが。。。
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 中東・イラク、ロシア・チェチェンそして東南アジアでもイスラムのテロが荒れ狂っています。世界を震撼させるイスラムのテロですが、どうも欧米では「9・11事件」以来、無辜の民を無慈悲に巻き込むイスラムの自爆テロと我が国のかつての「神風特攻隊」を同一視する論調が目立ちます。そこで今回は、『特攻のレクレィム』で論壇に衝撃を与えた工藤雪枝さんをお招きし、三島由紀夫が「神風特攻隊」をどう精神史的に位置付けていたかを背景に、イスラムのテロリズムと日本の特攻精神の違い等々について。

                    記
日時    10月25日(月曜日) 午後7時
場所    大正セントラルホテル・3階大会議室【高田馬場駅前・ビッグボックス前】  
      http://www.taisho-central-hotel.com/
講師    工藤雪枝氏(ジャーナリスト・拓殖大学客員教授)
演題    「特攻のレクレィム−−無私の犠牲的精神について」
会場分担金 二千円
問い合わせ 3200-2295/ miura@nippon-nn.netまで
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『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円)ほか。
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