国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/09/30

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
     平成16年(2004)10月1日(金曜日)
          通巻 第922号  
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中国の大規模で壮烈な環境汚染は地球全体の脅威
米議会公聴会でE・エコノミー女史が衝撃の証言
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 9月22日に米国下院議会・国際委員会「アジア太平洋問題小委員会」の公聴会で証言したエリザベス・エコノノミー(外交評議会シニア・フェロー)の発言要旨は次の通り。

 過去20年間に8%平均の経済発展を遂げながらも一方で凄まじい環境汚染を平行させていた中国で、同時に数百数千万の貧困層が増大していた。
 環境対策の決定的な遅れは環境破壊をさらに悪質で劣悪なレベルに陥れた。

 世界銀行は「世界環境劣悪度ランキング20」のうちの16が中国である、と報告した。
 とくにエネルギー源の75%をしめる石炭による火力発電が大気汚染をうみ、WHOは中国の都市の三分の二が基準以下だ、とした。
 (世界遺産の数ばっかり自慢しているのはおかしいぞ)。

 国土の四分の一(そのうちの三分の一が農地)が汚染の被害を受け、穀物の生育、魚介類の生存にまで影響を及ぼしているにもかかわらず、自動車や工場によって酸性雨が拡がり、土壌が腐植し、森林がさらに汚染され、砂塵は遠く朝鮮半島を越えて、日本も越え、最近は米国西海岸にまで黄砂被害をもたらした。

 国土の三分の一が砂漠化しており、毎年1300平方マイルが追加で砂漠化し、たとえば2002年3月の二日間だけで、北京に降り注いだ黄砂は30トンにも達した。

 ひとりあたりの水の供給は世界平均の25%しかなく、しかも中国の水需要は高まる。すでに6000万人のひとびとが生活用水の確保を困難としており、7億の人民は汚染された水を飲んでいる。

 にもかかわらず地下水の過剰な汲み上げと沿海部への人口の集中は、近未来の中国における水問題をさらに深刻にするだろう。

 水量が豊かといわれた青海省青海湖の水位まで下がりつつけ、黄河は干しあがり、そのうえに産業廃棄物、汚水、工場からの排水が続いている(二年前に青海湖を一周したが琵琶湖の四倍、水は清澄にみえましたがねぇ)。

 治水、防砂対策の怠慢で、中国はむしろ結果的に毎年平均280億ドルの工業生産を失い、洪水の被害は130億ドルに達した。
 
 大気汚染、環境汚染などにより、人々の健康問題はさらに深刻かしており、毎年30万人が汚染などを原因として死亡している。
 
 すでに雇用不安と水不足から2,3000万人が都会部へ移住し、かれらが都市部へ不潔な、汚染された病原菌等を運び込んだ所為か、SARSなどの奇病の蔓延もみられ、いまや中国の環境破壊、公害無策は世界的な問題となっている。
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(おしらせ)10月1日(金曜日)午後一時よりラジオ日本「ミッキー安川のずばり勝負」に宮崎正弘が生出演します。関東地域では番組は午後3時まで。関西方面のリスナーに皆さんは午後二時まで。
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(読者の声1)備長炭の8割もが中国からの輸入だったとは、本当に意外な報道でした。備長炭は楽器にもなるほどの硬質炭で、弘法大師以来、紀伊半島や四国が特産地で、原料のウバメガシは温暖な海岸沿いの山野に自生する堅木です。国内で一般販売されている備長炭に「中国産」の表示はなく、業務用にだけ中国産が回っていたのでしょうか。
 それにしても、中国がまさか「環境保護」を名目にして備長炭(堅炭)の輸出禁止策をとるとは二重の驚きです。真相は何なのか今後の動きを見たいとおもいますが、先生が仰言るように輸入の一国集中は何につけても危ういことですし、国内林業の荒廃対策が断然必要です。
 実は昨日、そのニュースに接してから近所の花屋で神棚に祀る榊(さかき)を買い求めました。いつもはスーパーなどで買っていてまったく気づかなかったのですが、花屋では「国産250円」「中国産105円」となっていたので驚き「えっ?榊も中国から入っているの?」と聞いてしまいました。見分け方を教わりながら
〈そうか、だから最近の榊はすぐ枯れてしまったのか〉と知り、国産の榊の流通が少なくなった事情も知りました。ヒサカキでもなく、中国榊は似て非なるものといったほうがよさそうです。
私事ながら、その昔、新自由クラブの旗揚げ(76年)で政策綱領を作ったとき、愛知県から地方政策委員の末席に参加し、
「後継者不在で荒れ始めた森林を公共財として取得し、林業から国土つくりを学ばせるため半年間程度、森林に学び働くことを大学進学希望者には義務付けよう」
と提案したことを思い出しました。
森林の荒廃と教育の荒廃とに対応する一挙両得の政策と自画自賛しましたが、選挙を控え公約にも綱領にも入れられませんでしたが。。。
       (HS生、豊橋)


(宮崎正弘のコメント)榊木も中国産が主流ですか? それじゃ靖国神社の榊木も?まさか、ね。
ともかく林野庁行政も深刻な問題です。森林資源が手入れもされずに放置されたのは外国から安い木材が輸入されているからです。国内産業保護ではWTOは通りにくい論理ですが環境保護の補助金は国際的にも理解されやすいと思います。
 パルプ、製紙はともかく家具、割り箸、高級建材はもっと国産品愛用キャンペーンの必要があるのではないでしょうか。


  ♪
(読者の声2)備長炭の記事に絡んで思いだしたのは梅干です。現在、国産物は市場に出ている半分未満で、大半は輸入物です。
そして現在、梅の輸入先は100%支那なのです!
十数年前までは輸入先は台湾でしたがコストが高くなってきたため彼らが支那大陸に進出してそこから安価な原料を日本に輸出するようになりました。御指摘の通りカントリーリスクの観点から供給地の分散化は喫緊なのです。
SARSが起こった昨年はベトナム・タイ・ビルマなどに供給体制を整えるチャンスでした。
しかし喉元過ぎれば熱さを忘れ、SARS治まれば目先の安さに目を奪われて他国に供給基地を設ける労を厭っているのです。いい機会ですから(笑)、本サイトをチェックしている支那当局からこの事実を中南海の上層部に伝えてもらい備長炭と同様の処置を講じてもらいましょう。現在供給過剰で過去3年、支那の農家は安値に晒され塗炭の苦しみをしております。梅の木を剪定する意欲を無くし、農薬を使う金もありません。輸出禁止はその農家を崖から突き落とし死に追いやることになります。
共産党幹部はそんなことは平気でしょうが(嘲笑)、外貨を稼ぐ重要産品であり農園を荒廃させるだけですから輸出割り当て制度がいいでしょう。国内では輸入品が供給過剰気味ですから末端での値上げはあり得ず日本の消費者は困りません。
シナ政府様、ヨロシクオネガイシマス。
(しなの六文銭)


(宮崎正弘のコメント)そういえば備長炭も梅干しも和歌山の特産品ですよね。和歌山経済復興の道筋がみえた?
 もっとも今回の唐突な禁輸措置は、政治的な裏がありそうです。小生も、もちろん、調べますが、貴兄の豊富な情報網からもお調べ下さい。


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(読者の声3)いきなり話題が飛びますが、大前研一さんはつい2年前までは『チャイナ・インパクト』を書いて盛んに中国進出を煽っていました。それが最近は「チャイナ特需の終わる日」(VOICE、10月号)だって。この人はそもそも中国専門ではないはずなのに、中国進出企業のアドヴァイザーまでやっていましたが、その後、みごとに変節したのですか。それとも本当に中国経済はもう駄目なのですか?
       (EU生、福島県いわき市)


(宮崎正弘のコメント)小生は、すでに大前氏批判は拙著で二回ほどやっております。その昔「経済力は軍事力を代替できる」なんて嘯いていた人で、バブル崩壊と軍事力のなさによる米国追随経済を続ける日本を見ても、この理論の破産は明らかな筈です。爾来、まったく書いたものを読んだこともありません。大前氏をまだ相手にする企業人がいるとしたら、よほど情報にうとい方かも知れませんね。
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『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ネオコンの標的』(二見書房、1500円)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円)ほか。
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