国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/09/26

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
    平成16年(2004)9月27日(月曜日)
          通巻 第917号  
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(本号はニュース解説はありません)。
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(今週の寄贈本)

?畠奈津子 『“百人斬り”報道を斬る』(日新報道)
 今日、まさかと思われるが、まだ左翼と中国の宣伝によってマインド・コントロールを受けて育った戦後派世代、とくに日教組教育の毒牙におかされてしまった若者達のあいだに、かの百人切りがあったと錯覚している者がいる。
 日本刀は一人斬ったらボロボロになり、二人は銘刀でなければ無理。戦国時代、武将達は刀を何本かさげて戦場に赴いた。ましてや当時の戦争従軍記者が、なにか面白い話はないか、という与太話を、毎日新聞が軍人同士の合戦などとして、デッチあげて紙面に載せてしまった。無実の罪で刑場の露と消えた野田、向井両少尉の御霊はまだ浮かばれない。
 畠さんは拉致問題、チベット問題をはじめ、漫画によって、これらの大嘘を暴くため果敢な著作を続ける人である。


?同人雑誌 『昧爽』第六号
 中村一仁と山本直人の両氏が主宰する日本浪漫派復興をめざす文学同人誌だが、毎号面白く読んで、その志に触れている。それにしても、小林秀雄、福田恒存、西田幾太郎、保田譽重郎、浅野晃など、今日の若者がいまも興味を引く作家群への追想、回想、評論、その今日的表現がつづく。前の号では村上一郎を論じていたが、この号は浅野晃が論じられている。
 小生、浅野晃氏とは生前親しくさせていただいて、中野のマンションに伺って。狭い食卓を挟んで議論したことを思い出した。
詩集も何冊か頂いたし、岡倉天心の翻訳を読んだ。
そうか、浅野先生が亡くなって何年にもなるが、この夏にも苫小牧で「天と海忌」が開かれた事実を本誌を通じてはじめて知った。浅野が村松剛の『醒めた炎』を「司馬遼太郎なんぞより遙かに上質な伝記文学」と激賞し、克明な記録を取っていたこともはじめて知った。
さて読み終わったあとの雑感だが、その昔、林房雄が転向し大東塾の忘年会だか、新年会で「おまえも何か歌え」といわれ、インターナショナルを歌った逸話は有名だが、本誌に望むことは、こうした大胆な稚気であるように思えた。
〔『昧爽』は年間購読3000円。申し込みは
nahoto@wf7.so-net.ne.jp
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(読者の声1)『新潮45』10月号に掲載の「北京、南京、トンデモ反日記念館めぐり」を読ませていただきました。国恥記念館の展示内容はグロテスクの一言であり、宮崎さんのご指摘どおり、まさに反日カルトとしか形容できませんね。
  私が疑問に思うのは、このような異常かつ過剰な反日教育、反日報道で育った若者の人格に及ぼす影響です。それは単に反日感情の増大だけではなく、人格破壊の恐れはないのかということです。全ての問題を日本に責任転嫁しているわけですが、これは将来、忍耐力も無く、他人に責任転嫁するような無責任な人格を大勢創り出す恐れは無いのでしょうか?
 あのサッカー会場での無秩序はどこか幼児性を感じさせませんか? いくら勉強ができても人格が腐ってしまえば、どうにもならないと思うのですが。 カルト宗教による洗脳を解き、社会へ復帰させるには相当な努力が必要ですが、反日カルトが、今後、中国社会を根本から腐らす可能性についてどう思われますか?
           (MK生)


(宮崎正弘のコメント)義和団も、太平天国もカルトでした。共産党もカルト的集団からはじまった一神教だとすれば、天下をひっくり返す要素は大きい。(共産党はドグマ(宗教で言えば聖典)以外、ほかの解釈を認めず、異議をとなえると魔女狩り(人民裁判、内ゲバ)、賛美歌(革命歌)が儀式として必要)。「反日カルト」が幼児性を持つのは、逆に言えば執着偏執がない。テレビ時代のお遊び的行為ともとれます。


  ♪
(読者の声2)拝啓 貴誌の熱烈な愛読者です。ニュートラルな中国論に感心しています。自身のバランス感覚の正常化維持に大変役立っています。河野洋平の手術。京大はやんわり断ったと聞いています。信州大学はステータスをあげようと思ったのか引き受けました。洋平だったかその子だったか知らないけれど退院のときは事もあろうに病院長清○がうやうやしく丁重に見送りに。中国流にいえば「子々孫々まで」恥ずべき院長ですよ。一般患者と同じ扱いで良かったと思いますよ。
ところで「満州」はユダヤ人の入植地にする予定で創ったとどこかで読んだことがあります。以来不勉強のためかそのことに関する記事を読んだことがありません。ご存知なら教えてください。
         (ビックリ星人)


(宮崎正弘のコメント)たしかにその「計画」はありました。満州にユダヤ人を数万人移住させる「フグ計画」です。上海には三万人といわれたユダヤ人租界があり、日本軍の一部は、満州の「五族協和」の理想郷に移ってもらおうとしたわけです。戦後しばらくして、美談に仕立て上げられた杉原千畝の「命のヴィザ=6000人」も杉原個人のヒューマニズムから出たわけでなく、軍の情報機関、松岡洋右率いる外務省暗黙の了解のもと、計画はすすんでいた。
杉原が、もし個人プレィでヴィザを発行したとすれば、その後、外務省で昇進したという事実の説明ができません。フグ計画は戦況の変化により、挫折しました。


  ♪
(読者の声5)
「我が国の安全保障の今後 −米軍撤退と核武装の是非」
 ブッシュ政権は、冷戦体制から対テロ戦争等への戦略シフトとして、ドイツと韓国を中心に欧州とアジアから約7万人を撤退させる米軍再編を進めている。一方、我が国では、先月沖縄の普天間基地周辺で起きた海兵隊のヘリコプター墜落事故を受け、基地移転問題が改めて浮き彫りになっている。また、6カ国協議は現在継続中だが、切羽詰った北朝鮮が暴発を起こす可能性等も捨て切れない。
取り巻く環境の変化を考えれば、我が国は今、安全保障の基本戦略を仕切り直す局面にある。しかし個別問題、短期的視点からの議論はあるが、我が国の立場からの中長期的、包括的な議論が殆どないのが現状である。
 筆者は、今後の安全保障の全体像として下記の拙案を示す。
  −基本方針−
◆北朝鮮の不安定性、及び将来的に拡大されると予想される中国等の脅威に対抗す  るためには、日米同盟の維持強化と現時点での米軍の日本駐留は不可欠と見なすべきである。
◆しかしながら、他国に防衛を依存する情況は、主権国家として本来在るべき姿ではなく、今以上に米国の戦略に組み込まれる事は、日本の防衛・外交の自由度を損ない中長期的な国益にそぐわない。
  なかんずく、極東の範囲を越えた米国の戦争に実質的に自動参戦するような形は避けるべきである。
◆そのため、長期的には同盟関係を維持しながら漸次米軍の日本からの撤退を図り日本が自主防衛能力を高めこれに置き換えて行くべきである。また、将来的には米国が負担軽減のためアジア全体から更なる撤退を図る事が予想される。
その空白を埋め、少なくとも東アジアの安全保障は国力から見ても日本が中心となって担うべきであり、必要なら改憲をすべきである。
 
  −核への対応−
◆米軍が撤退しても、日本が米国の核の傘に守られる情況は変えるべきではない。即ち、日本はNPT(核不拡散条約)に則して核武装しない選択を継続し、それを事ある毎に内外に表明すべきである。
その一方で、米国と周辺諸国を牽制するため、図らずも国際情勢が日本を核を持たざるを得ない情況に追い込んだ場合には核武装を選択肢に入れる事を予め宣言して置き、IAEAの査察に耐えられる範囲内で核開発、弾道ミサイルに比較的短期間に転用可能な技術を保持充実させるべきである。
◆また、核と弾道ミサイルを持たない代りに、日本は弾道ミサイルを迎撃するミサイル防衛を拡充させるべきである。
  現在、ミサイル防衛技術は開発途上にあり米国が保持しているが、この技術移転を要求し将来的には国産化を目指すべきである。
◆更に言えば、本来、矛(弾道核ミサイル)を持っている国は、楯(迎撃ミサイルシステム)を持つべきで無く、矛を持たない国こそが楯を持てる事を原則化し、この牽制機能の上に核の縮小均衡・廃絶を目指す事が理に適っており、NPTの精神にも沿う。
  米国からの技術移転の進展を睨みながら、この方向に国際世論を誘導して行くべきである。

     −その他−
◆実質的に中国等を将来的な仮想敵国とし防衛力の充実を図りパワーバランスを実現させつつも、これらの国を加えた東アジアの集団安保体制の枠組を構築すると共に官民の交流を盛んにし、硬軟両面で地域の安定を図るべきなのは言うまでもない。
◆日本は、国連の常任理事国入りをし世界の安全保障維持についても相応の負担をすると共に、「錦の御旗」としての国連の権威と調停機能を高めて行くべきである。
◆沖縄の米軍基地負担については、前述した米軍の日本からの撤退により削減して行くが、台湾海峡が近いなどの戦略的重要性のため代りに自衛隊が引き続き相当規模駐留する必要性が予想される。
  しかし、本土で代替可能なものは本土で負担すべきである。
 筆者は、国際的な大義は長期的な国益に繋がり、国益と大義、現実と理念のバランスを図る事が安全保障の構築に不可欠であるとの観点から上記のような拙案を示した。
 また拙案には、それぞれの期限等が入っていないが、安全保障等の国家の基本戦略を決めるには、包括的な概要を示してぶつけ合い大きな方向性を確認した後、次段階として期限や規模、実現順位を肉付けする議論をする段階を経るべきだと考える。瑣末、断片的なものに留まる事を避け、是非とも各方面から我が国の安全保障について様々な全体像が提示され、責任ある議論が行われる事を期待したい。
       (SK生、千葉)
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『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
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『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円)ほか。
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創刊日:2001-08-18  
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