国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/09/10

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
     平成16年(2004)9月11日(土曜日)
            通巻 第909号  
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中国があけた”パンドラの箱”
    反日サッカーが日本のナショナリズムに熱い火を付けた
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 これまで中国について様々な角度からの分析を雑誌に書き、あちこちで講演をしたり、日本の若者達と議論してきても、これほど深い関心事で中国の反日行為を捉えられた形跡は89年いらい、一度もなかった。
 拙著の中国論にしても、斯界でこそ評判はとったが、それほど売れた試しはなかった。
 
  日本の若者はキョトンとしていた。他人事だった。
 中国が日本に仕掛けた政治宣伝戦争の一環である「歴史認識」「靖国神社」「軍国主義復活」「歴史教科書」「強制連行」「南京大虐殺」。
 何もかもが日本の若者にとっては絵空事、空虚な対岸の花火のような幻影であった。

 アジア杯サッカー大会の北京決勝戦が、状況をがらりと変えた。
 地殻変動として特筆してもよいのではないか。

 第一にサッカーが、新世代の最大の関心事であることを、筆者を含めて、旧世代の指導者、大衆、政治家は気づいていなかった。

 つまり一億二千万国民の大半が、中国の面妖なる「反日」の実態を目撃したのである。
 そのサッカーで中国人が下品なブーイングを行ったことは「民度が低い」「文明がない」「教養が低すぎる」などといったレベルの議論を越えた、日本人の心証をひどく害したものになった(筆者自身、産まれて初めてサッカーなる毬蹴り遊びをみた)。

 第二に猛省が起きたのは政治である。
 従来の強迫観念としての贖罪意識からくる日中友好の空しさ。日本が精一杯の善意でODAなどを通じて行ってきた経済援助が、中国から感謝されていないばかりか、過去の行為さえ踏みにじられたと感じた政治家が急増した。

 「日本の謝罪を求める」「ただしい歴史認識を」などとした中国側の要求が、真剣なそれではなくて、単に政治宣伝戦争の武器でしかなかったことを知った。
 かの親中派の平山郁夫画伯率いる友好屋ですら「遺憾の意」を表明せざるを得なかった。
 今後、対中国援助の在り方が基本的に問われ、大きく変わる分岐点となるだろう。

 第三は過去の北京の大嘘の数々が一気に露呈したことである。
 戦後の日本人の多くがひっかかったマインド・コントロールは大東亜戦争が「侵略」であり、満州が「植民地」であり、南京、三光、731,平頂山など、中国が過剰な宣伝をしたか、或いは「でっちあげた」架空の事件を本当に在ったことと信じてきた。

 悪質な宣伝心理戦争の敗者としての日本は「強迫観念による贖罪」に意識が苛まれ、挙げ句はやる気のない、結婚しない、将来に希望のない多くの大衆を育てた。

 サッカーの反日が、これまで国歌を歌ったこともない、左翼がかった若者達をしても、愛国心を燃えさせ、日本という国家を意識させ、中国の民度の低さ、中国の思想情報操作をうけた「反日カルト」への哀れみ、そして日本のナショナリズムの覚醒を促した。

 まさに中国が、これまで彼らが意図してきた日本の半恒久的劣位化、つまり日本精神の復活を巧妙に封じ込め、日本のナショナリズム勃興を抑制するという戦略的目標を自ら破壊した。

 「パンドラの箱」をこじ開けたのはかれらだ。
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(読者の声1)今夏は、サッカーアジア杯、オリンピックとスポーツの話題にこと欠きませんでしたが、日本選手の活躍ぶりにはめざましいものがありましたね。環境を整えれば、日本の若者はすばらしい力を発揮する証明になったのではないのでしょうか。特にアジアカップ決勝戦において、絶対不利な条件の中で、中国を相手に二点差をつけて優勝したことは、日本の若者に自信をつけたことと思われます。
 逆に卑怯な手段を用いながらも、敗北した中国に対しては、若者を中心に軽侮の意識が広まっているように思われます。ある若者向け雑誌で、「中国人のブーイングには本当に腹がたったし、これほど日本を愛する気になったのも初めてだ」と大学生の投書がありました。
  若者に自信がつき、反中ナショナリズムが加速されたわけですから、勝利以上に得るものが多かった、実り多き夏だったのではないのでしょうか。(AO生、東京)


 (宮崎正弘のコメント)おっしゃるように若者にナショナリズムが拡がったのは事実、これこそ中国に感謝すべきではないか、と逆説をいう人もいるくらいですから。ただ、それが本格化するのか、現象的にしぼんでしまうのか、それがこれからの問題です。


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(読者の声2)最近のアメリカの選挙帰趨について、私の感覚から言いますと、BUSH が当選する気がします。KERRYはあまりにも、LIBERAL 過ぎて、多数を取るのは難しいと思います。 アメリカはこの十年来保守化傾向にあり、CLINTON もむしろ中道よりで当選したのですが、KERRYは 過去二十年らいの国会でのLIBERALの記録が、あまりにも明白すぎて、よほど、イラクで情勢が極端に悪化しない限り、昨今の民調の趨勢を覆すのは難しいと私は思います。
また、今までLIBERAL偏向の MASS MEDIA に変化が出てきており、保守系を代表するFOX NEWSのCABLE TV NEWSの視聴率の高さ、そして TALK SHOW RADIOの保守化論客の健闘など、一般民衆のCBS、NBC, ABC、それから 新聞ことにNY TIMES、WASHINGTON POSTなどに対する、批判など、 やはり、9月11日事件のアメリカ人における受け止め方は、外国人の了解を深く超える、深刻さ、これが、BUSH 支持の基盤にあると思います。
 経済面に関しては、景気は悪くはなく、 シリコンバレーでは雇用は好調で失業問題は存在しないそうですまた企業も現金をずいぶん蓄えていて(CASH FLOW)、選挙の帰趨が決定しだい、拡大再投資に行くのが実情のようです。
 経済がよっぽど、悪化しない限り、そしてIRAQ情勢に極端な変化がない限り、 BUSH
 でしょう。KERRYはここでTVを見ている限り、弁解に終始していて、これが最近の民調のBUSHの二桁の格差に結果として出てきたと、思います。
      (CH生、コネチカット州)


(宮崎正弘のコメント)最新のレポートを有り難うございます。ケリーは、やはり感覚的にそれほど劣勢ですか、多分そうだろうとは思っておりましたが。
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(サイト情報)?グリーンスパン米連邦準備理事会(FRB)議長の下院予算委員会での証言:"Economic Outlook," Testimony of Chairman Alan Greenspan Before the Committee on the Budget, U.S. House of Representatives, September 8, 2004 
http://www.federalreserve.gov/BoardDocs/Testimony/2004/200409082/default.htm

?議会予算局(CBO)報告書"The Budget and Economic Outlook: An Update,"  Congressional Budget Office, September 2004 
http://www.cbo.gov/ftpdocs/57xx/doc5773/08-24-BudgetUpdate.pdf
?CBO報告書に関する下院予算委員会のファクトシート:Committee Fact Sheet on CBO Update http://www.house.gov/budget/090804facts.pdf
?FRBの地区連銀経済報告:"The Beige Book," September 2004
http://www.federalreserve.gov/FOMC/BeigeBook/2004/20040908/Default.htm
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(おしらせ1)緊急国民集会の御案内
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日 時   9月17日(金) 午後6時半〜8時半
場 所   九段会館(東京都千代田区九段南1−6−5 TEL 03-3261-5521)
司 会   櫻井よしこ・ジャーナリスト 
登壇予定者 主催団体各代表、横田滋・北朝鮮に拉致被害者家族連絡会代表、佐藤勝巳・北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会会長、平沼赳夫・北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟会長 
基調報告? 西岡力・救う会常任副会長
      「北朝鮮の2つのうそ、金正日の謀略と責任のがれ」
基調報告? 荒木和博・特定失踪者問題調査会代表
  「拉致被害者は100人を上回る、特定失踪者の調査結果から」
訴 え   家族会代表者、失踪者家族代表者
最寄り駅  地下鉄東西線・新宿線・半蔵門線九段下駅から徒歩約1分
参加費   無料(カンパ箱を設置しています)
連絡先   「救う会」 〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
  TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 担当=平田隆太郎
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〔おしらせ2〕次回三島研究会の公開講座は、きたる10月25日です。
講師は工藤雪枝女史。演題は「特攻精神と三島由紀夫」(仮題)をめぐって。詳しくは近日中に発表します。ちなみに10月25日は敷島隊の関行男大尉の命日にあたります。
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◎宮崎正弘のロングセラーズ◎
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円税込み)
『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、売り切れました。)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ネオコンの標的』(二見書房、1500円)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円)
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