国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/08/30

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
  平成16年(2004)8月31日(火曜日)
        通巻 第901号  
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(おしらせ)小誌、9月2日付け、9月6日付けは休刊の予定です○
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(今週の寄贈本)

?片倉佳史著『台湾 日本統治時代の歴史遺産を歩く』(戒光祥出版)
 いまも台北市のど真ん中、台湾総統府の古めかしくて頑丈な建物は、日本時代の台湾総督府である。
 外から眺めても極めて威厳があり、栄光と怒濤の時代を偲べるが、内部は荘厳にして典雅。何回か中に入る機会があり、吹き抜けのロビィ階段で記念写真も何回か撮ったことがある。アジア・オープン・フォーラムでは最終日、李登輝前総統との恒例行事だった。
昔の総督官邸は、いま国賓を招く貴賓館として使われ、「台北貴賓館」と呼ばれる。
ニクソン回想録にも、この貴賓館に泊まって蒋介石と会ったエピソードがでてくる。ニクソンの『リアルピース』を翻訳し、単独会見もしたことがある小生としては、いつか、この建物の中を見たいと念願していた。
フランス風バロック建築で石材と煉瓦をふんだんに使った二階建て。中庭が広い。小生も連戦・副総統(当時)主宰の茶会によばれて参加した催しでは、数百人が中庭で立食パーティを楽しんだ。ちょうど五年前である。
ほかにも珍しい日本時代の遺物、遺跡、記念碑的な建物を、著者の片倉氏は、カメラ片手に台湾全島隅々に亘って観察され、この記念碑的な本著を著した。なかには奥地、山奥の辺境、離島が含まれ、台湾には70回ほど行ったことのある小生が、まったく知らない場所が半分以上もある。これらを精密に取材されるには、どう短く見積もっても、二、三年の歳月を要するのではないか。その根気とエネルギーに脱帽。


?月尾嘉男・編集『CAPE HORNN EXPEDITIONN 2004』
これは月尾教授がチリの南端・ケープホーンの魔境をカナックで探検した記録。人間は好奇心の固まりだが、人それぞれが独特の冒険心を持っている。しかし、このような未知の分野に挑まれた人があろうとは!
小生、じつはこういう話が大好きなのである。
 昔、久しくお付き合いいただいた作家の藤島泰輔さんも、エベレスト滑降の三浦雄一郎チームの隊長としてネパールへ行って長期滞在し、そのときは石原慎太郎氏が総隊長だった。昭和44年だったと記憶する。
また康芳夫氏(「よびや」として有名)が「ネス湖にネッシーがいる」とロマンティックなことを言いだし、これまた石原さんが名誉隊長で、小生は当時、康さんの『ネッシーはそこにいる』(浪漫刊)という本を作ったことまである。
そういう関係でドーバーを泳いだ冒険家と会ったり、ヒマラヤで雪男探検の最中に遭難死した、あの小野田さん発見の鈴木紀男さんとは奥さん共々親しかった。友人の柘植久慶も若き日々にはフランス外人部隊からアメリカ特殊部隊に身を置いてラオス、カンボジア、ベトナムを縦横無尽に走り回り、その体験をもとに次々と冒険小説を世に送っている。
この本は非売品だが下記の月尾嘉男・教授のサイトで同じ内容の冒険写真記録が閲覧できる。
http://www.5012.jp/tsukio/adventure.html
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(読者の声1)本日の中国汚染事情、一気呵成に読みました。雑誌「新潮45」を読んでいなかったので、最初の読み始めは「一気にまとめて汚染中国を書いたなあ」と、例によって中国へ傾斜する日本経済界に対する『最終警告』のように感じました。
  中国大陸の環境汚染状況は断片的には種々報じられて、知っているつもりでしが、先生が系統的具体的に書かれたのは、日本は私のような甘っちょろい認識では大変なことになるぞとの警告でしょう。知人友人に読ませるため数部プリントしました。
  渤海湾の魚のことでは、さもありなんと思う写真がありますので(先生もご覧になったことがあるでしょうが)、ここに添付します。宇宙衛星から撮った中国大陸と日本、そして周辺の海です。その違いは驚くほどです。
(中国)http://rapidfire.sci.gsfc.nasa.gov/gallery/?2004040-0209/China.A2004040.0245.500m.jpg
(日本) 
http://rapidfire.sci.gsfc.nasa.gov/gallery/?2004112-0421/Japan.A2004112.0155.500m.jpg
               (HS生、豊橋)

(宮崎正弘のコメント)衛星写真を見ました。想像を絶しますね。この砂漠化と海のヘドロ化、対照的に日本の海も山の綺麗なこと! かの反日サッカー事件のころ、中国でみたテレビに「公害対策先進国ニッポンに学ぼう」という特集がありました(爆笑)。
環境汚染の実態について、もっと詳しく『現代』に書きました(9月5日発売)。


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(読者の声2)宮崎さんが中国の水資源に目をつけたのは優れた眼力だ。
しかし「同じ現象は黒河、松江、牡丹江などと従来は水に恵まれ”穀物王国”といわれた東北地区(旧満州)にも顕著となった。野菜、小麦、大麦、トウモロコシの作付けに深刻な悪影響が出る」とあります。
コレ本当ですか!?
確かに遼寧省の遼河流域ならさもありなんと思うが、あの水量豊かな黒龍江・松花江流域までが、そこまで深刻なのですか?
こんな状態じゃ地下水を汲み上げた後の中央の華北平野は今後どうなるのでしょうね。こうなると今後の中国を客観的に見通すことが非常に難しくなりますね。 
(MI生)


(宮崎正弘のコメント)ご質問いただいた文章ですが、「同じ現象の一部」と、いまのところは、訂正すべきでしょうね。しかし、「いまのところ」、牡丹江も松江も、満々たる水をたたえていますが、上流の砂漠化、石漠化も同時に加速度的に進んでおり、やがて穀物王国を脅かすだろう、と推測されます。松江の上流はロシア、モンゴルですから。
 華北平野の水涸れは、とりわけ河南省で深刻です。山西省も、植林が間に合うか、どうか。衛星写真でみると上流地域の砂漠化は、想像を絶する早さで、つい目の前まで来ているようです。鳴り物入りの「運河」は、はやくても20年先の完成。 
 華南は台風、洪水の当たり年となって、被害が続出し、これまた放置しますから荒野化が進みます。
 一体、これから中国はどうなるのか。それは「神のみぞ知る」です。


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(読者の声3)「環境破壊」を含め、昨今のシナの”惨状”をみせられるにつけ、これを野放図な経済発展・・・。というより、欲望の無限定な”開放”の結果とみるべきであり、さればこそ、これを文明史的にいうなら、やはりシナ民族は自らの欲望を制御する"装置”を持たなかったことが問題の本質・根源にあると愚考します。魯迅の「水に落ちた犬・・・」にせよ、陳凱歌(まあ、こいつの堕落ぶりは超一級モノのお笑いです)のいう「昔から中国では、おさえつけられてきた者が、正義を手にしたと思い込むと、もう頭には報復しかなかった。寛容など考えられない」にしろ、”欲望制御装置”がないことの傍証ではなかろうか。
毛沢東時代と現在を比較すると、毛時代、彼は欲望を独占し、シナ人全てが彼の欲望実現のための”道具”にすぎなかった。あの時代のスローガンである「為人民服務」のいう「人民」は毛皇帝その人のこと。シナ人にとっては唾棄し怨むべき(はずの)毛皇帝だが、あのシナ人を大陸のなかに囲って外部に流失させなかった点では、周辺からするなら”恩人”だ。これに対し一般シナ人の欲望の”開放”を奨励・叱咤した・江・胡の「開放路線三個代表」は、周辺からするなら”怨敵”ということになる。厄介なシナ人を垂れ流すな。毛沢東による《解放》によって取り付けられた一般シナ人の欲望制御装置は、・江・胡の《開放》によって取り外されてしまった。
かくのごとく考えれば、シナ人のなかから自らの欲望を制御しない限りシナは滅びるという自省の声が一向に挙がらないところに、問題の根っ子があるということ。であればこそ、「昔から中国では、おさえつけられてきた者が、正義を手にしたと思い込むと、もう頭には報復しかなかった。寛容など考えられない」という発言の意味するところは深刻だ。毛沢東によって「おさえつけられ続けてきたシナ人」は、「開放路線」の「三個代表」によって欲望のままにふるまうことはいいことだという「正義」を与えられた。だからいまや彼らの「頭には報復しかない」のだ。
        (KH生、愛知県)


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(読者の声4)前回、北京政府の北朝鮮批判についてご連絡しましたが、御存じの通り、北京政府はこの批判論文を強制撤回させたそうです。
 私としましては、この批判論文の発表は一時的にせよ、北京政府の北朝鮮政府への暗黙の圧力ではないかと思っております。
 北京政府は現在の北朝鮮政府がまもなく崩壊するものと見て、北朝鮮への実効支配の可能性を探っているのではないでしょうか。つまり、北京政府の傀儡政権の樹立です。これには米国が暗黙の了解をするのではないでしょうか。もっとも、ロシアはソ連の傀儡政権を北京政府が転覆することに反対するでしょうが。
ともかく、これからの全世界の目は我々の住む東アジアに向けられるものと思います。
      (TM生、福岡)
        

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(読者の声5)8月25日付の投稿でST生氏が天皇陛下による靖国参拝はなく、行幸である云々とのご意見がありましたが、これは事実に反しています。戦前の大元帥陛下の時代から靖国参拝は「ご親拝」として行われており、戦後も一時期まではやはり「ご親拝」が行われておりました。御国のために生命を捧げられた英霊は確かに元来臣下でありますが、いまや神として靖国神社に祀られたわけであり、天皇陛下がそこにご親拝される場合はもはや臣下に対してではなく神としての英霊に対して天皇陛下としての御心を捧げられる訳であります。正確には「行幸とご親拝」と言うべきです。ST生氏のご意見は聊か形式主義であり、わが神州日本の国体の本質とずれがあると感じます。また、石原都知事の真意はともかく、天皇陛下に「私人」がある訳はありません。天皇に私人と公人を分けるということが根本的に間違っております。単純に天皇陛下に靖国神社へのご親拝を乞い奉るというべきでしょう。
              (武蔵国住人)


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(読者の声6)「華氏11」の映画について。僕は最初からムーア監督のいかがわしさインチキ性を睨んでいたのですがその通リのプロパガンダ映画でした。しかも退屈この上ない映画最後の一時間終わるのをまだかまだかと時計を見た次第。大体こんな映画をみてコイズミに何故みないかと迫る岡田代表の馬鹿さ加減と寺島実郎の反米からの賛歌、いったいこの人たちってどういう頭の構造か知能指数を疑う映画でした。 
1.まず卑劣極まりない方法。つまりたとえばブッシュも一人の人間でありアホ面している時もあり、オフレコで馬鹿な発言もする。そこの箇所を切り取り、それを集めモザイク絵を作り全体がそうであるかのようなやり方
2.本当の場面とフィクションの場面を混ぜることによりフィクションが本当のように思わせる、朝日新聞や筑紫哲也が得意のヤラセ 実に品のない禁じ手を用いた赦せない行為 朝日の珊瑚礁事件を思い出させる悪辣さ
3.全く底がしれた国家罪悪説 石油、ハリーバートンのために貧困層の青年の命が奪われるといういまどき流行らない蟹工船ドグマ
あの日本のイラク人質馬鹿三人組が登場することだけでもこの映画のいかがわしさが証明されますね。
  この程度のロジックなら喜劇にもならないくだらなさであり、ブッシュは打撃を受けることもない。戦後民主主義の日本の連中がこれをみて喜ぶだけ コイズミが見ないといったのはまれに見る見識でしょうね よくこんな下らない駄作をカンヌ映画祭がパームドールを与えたか、いくら反米といってもフランスともあろうものが芸術性を放棄したとは嘆かわしい限り。この様な低俗で退屈な映画に長蛇の行列1800円の価値は全くありません。
      (AO生、世田谷)
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(今月の拙論)
?「都市と地方の貧富の差は拡大」(『共同ウィークリー』、8月23日号)
?「反日サッカーのパラノイア」(『自由』10月号、9月10日発売)
?「環境汚染について」〔仮題〕(『現代』10月号、9月5日発売)
?「ダイヤモンド市場に異変」(『月刊日本』9月号、発売中)
?「中国における韓国経済の影響度」(『経営速報』、8月下旬号)
?「中国経済、負の部分」(『イーグル』10月号)
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これから出る分(いすれも刊行時期は予定、題名は仮題)
?「通州事件現場のいまを歩く」(『正論』、11月号)
?「中央アジアの政治経済情勢」(『修親』、11月号)
?「中国経済のジレンマ」(『力の意思』、11月号)
?「おったまげ“反日陳列館”をゆく」(『新潮45』、11月号)
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◎宮崎正弘のロングセラーズ◎
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円税込み)
『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1500円+税)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ネオコンの標的』(二見書房、1500円)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『胡錦濤 中国の新覇権戦略』(KKベストセラーズ、1460円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円)
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